The Lion, Jupiter, and the Elephant(ライオンとユピテルとゾウ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Lion, Jupiter, and the Elephant

ライオンとユピテルとゾウ

  • 📖 563 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:08
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ百獣の王ライオンには、だれにも言えない悩みがありました。それはニワトリの鳴き声がこわいこと。神さまユピテルに文句を言いますが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • maneたてがみ
  • roosterおんどり
  • crowed(おんどりが)鳴いた
  • Jupiterユピテル(神々の王)
  • blame責める
  • groanedうめいた
  • cowardおくびょう者
  • gnatブヨ(小さな虫)
  • insect虫
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Zephyr)

The lion was the king of all the animals. He was strong and handsome, with sharp teeth, powerful claws and a golden mane that shone in the sun. When he roared, the whole forest went silent. Every animal was afraid of him.

ライオンは、すべての動物の王さまでした。強くて堂々としていて、鋭い歯と力強い爪、そして日の光に輝く金色のたてがみを持っていました。ライオンがほえると、森じゅうがしんと静まりかえりました。どの動物もライオンをこわがっていました。

But the lion had a secret, and it made him very unhappy. Every morning, at a farm on the edge of the forest, a rooster stood on the fence and crowed. And every morning, when the lion heard that loud "cock-a-doodle-doo," his heart jumped, and he wanted to run and hide.

けれども、ライオンには秘密がひとつあって、そのせいでとても悩んでいました。毎朝、森のはずれの農場では、一羽のおんどりが柵の上に立って鳴いていました。そして毎朝、あの大きな「コケコッコー」という声を聞くたびに、ライオンは飛び上がるほど驚き、走って逃げて隠れたくなるのでした。

One day the lion could not stand it any longer. He looked up at the sky and called to Jupiter, the king of the gods.

ある日、ライオンはもうがまんできなくなりました。そして空を見上げて、神々の王ユピテルに呼びかけました。

"Jupiter!" he roared. "It is true that you have made me strong and handsome. You have given me teeth and claws, and I rule over all the animals of the forest. But what a shame it is that I, the great lion, am frightened by the crowing of a rooster! Why did you make me like this?"

「ユピテルさま!」と、ライオンはほえました。「たしかにあなたは、わたしを強く堂々とした姿に作ってくださいました。歯と爪を与えてくださり、わたしは森のすべての動物を治めています。けれども、偉大なライオンであるこのわたしが、おんどりの鳴き声にびくびくするとは、なんとなさけないことでしょう! どうしてわたしをこんなふうにお作りになったのですか?」

Jupiter's voice came down from the clouds like thunder. "Why do you blame me?" he said. "I have given you everything that I could give. You are brave in every way except this one. Is that not enough?"

ユピテルの声が、雷のように雲の上から降ってきました。「なぜわたしを責めるのだ?」と、ユピテルは言いました。「わたしは与えられるものはすべておまえに与えた。おまえはこのひとつのことをのぞけば、どこから見ても勇敢ではないか。それで十分ではないのか?」

The lion did not answer. He lay down under a tree and groaned. "Jupiter is right," he thought. "The fault is mine. I am a coward. A king who is afraid of a rooster is not a real king. I wish I were dead."

ライオンは答えませんでした。木の下に寝そべって、うめき声を上げました。「ユピテルさまのおっしゃるとおりだ」と、ライオンは思いました。「悪いのはわたしのほうだ。わたしは臆病者なのだ。おんどりをこわがる王など、本物の王ではない。いっそ死んでしまいたい」

As he lay there feeling sorry for himself, an elephant came walking slowly through the trees. The lion and the elephant were old friends, so the lion got up and went to talk with him.

ライオンがそうして寝そべって自分をあわれんでいると、一頭のゾウが木々のあいだをゆっくりと歩いてきました。ライオンとゾウは古くからの友だちだったので、ライオンは起き上がって、ゾウと話しに行きました。

While they were talking, the lion noticed something strange. Every few moments, the elephant shook his huge ears. Then he looked around nervously, and shook them again.

話をしているうちに、ライオンは妙なことに気づきました。ゾウがしばらくおきに、大きな耳をぱたぱたと動かすのです。それからそわそわとあたりを見回して、また耳をぱたぱたさせました。

"My friend," said the lion, "what is the matter? Why do you keep shaking your ears like that?"

「友よ」と、ライオンは言いました。「どうしたんだい? どうしてそんなふうに、ずっと耳をぱたぱたさせているんだい?」

Just at that moment, a tiny gnat flew past and landed on the elephant's head. The elephant's eyes grew wide with fear.

ちょうどそのとき、小さなブヨが一匹飛んできて、ゾウの頭にとまりました。ゾウの目が、恐怖で大きく見開かれました。

"Do you see that little buzzing insect?" he whispered. "That is what I am afraid of. If it flies into my ear, I will go mad with pain. It may even kill me. I cannot rest for a single minute while it is near me."

「あのブンブン飛ぶ小さな虫が見えるかい?」と、ゾウはささやきました。「わたしがこわいのは、あれなんだ。あれが耳の中に入ったら、わたしは痛くて気がくるってしまう。死んでしまうかもしれない。あれが近くにいるあいだは、一分たりとも休めないんだよ」

The lion stared at the tiny gnat, and then at the huge elephant. The elephant was much bigger than he was. He was stronger than any animal in the forest. And yet he was afraid of something smaller than a seed.

ライオンは小さなブヨをじっと見つめ、それから巨大なゾウを見つめました。ゾウはライオンよりずっと大きく、森のどの動物よりも強いのです。それなのに、種よりも小さなものをこわがっているのでした。

Suddenly the lion began to laugh. It was the first time he had laughed in many days.

突然、ライオンは笑い出しました。ライオンが笑ったのは、何日ぶりかのことでした。

"What is so funny?" asked the elephant.

「何がそんなにおかしいんだい?」と、ゾウはたずねました。

"Nothing, my friend, nothing," said the lion. "I have just learned something important. I have been complaining about a rooster, which is quite a large bird. But you, the biggest animal in the world, are afraid of a gnat. I will never complain again, and I will never wish that I were dead. I am much luckier than I thought."

「何でもないよ、友よ、何でもない」と、ライオンは答えました。「たった今、大切なことを学んだんだ。わたしはおんどりのことでずっと不平を言っていた。おんどりはけっこう大きな鳥だ。それなのに、世界でいちばん大きな動物のきみが、ブヨをこわがっている。わたしはもう二度と不平を言わないし、死んでしまいたいなんて二度と思わないよ。わたしは自分で思っていたより、ずっと運がいいんだ」

From that day on, the lion still did not enjoy the sound of the rooster in the morning. But each time he heard it, he remembered the elephant and the gnat, and he smiled.

その日からも、ライオンはやはり朝のおんどりの鳴き声が好きにはなれませんでした。けれども、その声を聞くたびに、ゾウとブヨのことを思い出して、にっこりするのでした。

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ライオンは、すべての動物の王さまでした。強くて堂々としていて、鋭い歯と力強い爪、そして日の光に輝く金色のたてがみを持っていました。ライオンがほえると、森じゅうがしんと静まりかえりました。どの動物もライオンをこわがっていました。

けれども、ライオンには秘密がひとつあって、そのせいでとても悩んでいました。毎朝、森のはずれの農場では、一羽のおんどりが柵の上に立って鳴いていました。そして毎朝、あの大きな「コケコッコー」という声を聞くたびに、ライオンは飛び上がるほど驚き、走って逃げて隠れたくなるのでした。

ある日、ライオンはもうがまんできなくなりました。そして空を見上げて、神々の王ユピテルに呼びかけました。

「ユピテルさま!」と、ライオンはほえました。「たしかにあなたは、わたしを強く堂々とした姿に作ってくださいました。歯と爪を与えてくださり、わたしは森のすべての動物を治めています。けれども、偉大なライオンであるこのわたしが、おんどりの鳴き声にびくびくするとは、なんとなさけないことでしょう! どうしてわたしをこんなふうにお作りになったのですか?」

ユピテルの声が、雷のように雲の上から降ってきました。「なぜわたしを責めるのだ?」と、ユピテルは言いました。「わたしは与えられるものはすべておまえに与えた。おまえはこのひとつのことをのぞけば、どこから見ても勇敢ではないか。それで十分ではないのか?」

ライオンは答えませんでした。木の下に寝そべって、うめき声を上げました。「ユピテルさまのおっしゃるとおりだ」と、ライオンは思いました。「悪いのはわたしのほうだ。わたしは臆病者なのだ。おんどりをこわがる王など、本物の王ではない。いっそ死んでしまいたい」

ライオンがそうして寝そべって自分をあわれんでいると、一頭のゾウが木々のあいだをゆっくりと歩いてきました。ライオンとゾウは古くからの友だちだったので、ライオンは起き上がって、ゾウと話しに行きました。

話をしているうちに、ライオンは妙なことに気づきました。ゾウがしばらくおきに、大きな耳をぱたぱたと動かすのです。それからそわそわとあたりを見回して、また耳をぱたぱたさせました。

「友よ」と、ライオンは言いました。「どうしたんだい? どうしてそんなふうに、ずっと耳をぱたぱたさせているんだい?」

ちょうどそのとき、小さなブヨが一匹飛んできて、ゾウの頭にとまりました。ゾウの目が、恐怖で大きく見開かれました。

「あのブンブン飛ぶ小さな虫が見えるかい?」と、ゾウはささやきました。「わたしがこわいのは、あれなんだ。あれが耳の中に入ったら、わたしは痛くて気がくるってしまう。死んでしまうかもしれない。あれが近くにいるあいだは、一分たりとも休めないんだよ」

ライオンは小さなブヨをじっと見つめ、それから巨大なゾウを見つめました。ゾウはライオンよりずっと大きく、森のどの動物よりも強いのです。それなのに、種よりも小さなものをこわがっているのでした。

突然、ライオンは笑い出しました。ライオンが笑ったのは、何日ぶりかのことでした。

「何がそんなにおかしいんだい?」と、ゾウはたずねました。

「何でもないよ、友よ、何でもない」と、ライオンは答えました。「たった今、大切なことを学んだんだ。わたしはおんどりのことでずっと不平を言っていた。おんどりはけっこう大きな鳥だ。それなのに、世界でいちばん大きな動物のきみが、ブヨをこわがっている。わたしはもう二度と不平を言わないし、死んでしまいたいなんて二度と思わないよ。わたしは自分で思っていたより、ずっと運がいいんだ」

その日からも、ライオンはやはり朝のおんどりの鳴き声が好きにはなれませんでした。けれども、その声を聞くたびに、ゾウとブヨのことを思い出して、にっこりするのでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Everyone has a weakness, and others often have greater troubles than our own.

だれにでも弱点はある。そして、ほかの人はもっと大きななやみをかかえていることが多い。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What was the lion afraid of?

Q2. Why did the elephant keep shaking his ears?

Q3. How did the lion feel at the end?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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