The Stag at the Pool(泉に映ったシカ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Stag at the Pool

泉に映ったシカ

  • 📖 494 words
  • ⏱ 約4分
  • 🔊 2:41
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ泉に映った自分の姿を見て、りっぱな角にうっとりし、細い足をなげくシカ。そのとき、背後の草むらでライオンが身を低くしていました。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • stag雄ジカ
  • reflection(水に)映った姿
  • antlers(シカの)枝角
  • admire見とれる
  • creepingしのび寄って
  • warning警告
  • escape逃げる
  • trapped捕らえた
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Aoede)

It was a hot afternoon in late summer. A great stag had been walking through the dry hills all day, and he was very thirsty. At last he came to a clear, quiet pool in the middle of a grassy plain, and he bent down his head to drink.

夏の終わりの、暑い午後のことでした。一頭の大きな雄ジカが、一日じゅう乾いた丘を歩きまわっていて、ひどくのどがかわいていました。ようやく、草原のまん中にある、澄んだ静かな池にたどり着いたので、シカは水を飲もうと頭を下げました。

But before he drank, he saw something in the water. It was his own reflection, and the stag stopped and looked at it with pleasure.

ところが、水を飲む前に、シカは水の中に何かを見つけました。自分の姿が映っていたのです。シカは動きを止め、うっとりとそれをながめました。

"Look at those antlers," he said to himself. "How wide they are, and how tall and strong and beautiful! They are like the branches of a great tree, or a king's crown. No stag in the hills has antlers like mine." He turned his head to the left and then to the right, so that he could admire them from every side.

「この角を見てごらん」と、シカはひとりごとを言いました。「なんて大きく広がって、高くて、たくましくて、美しいんだろう! 大木の枝か、王さまの冠のようだ。この丘のどの雄ジカも、こんな角は持っていない」シカは頭を左に向け、それから右に向けて、どの方向からも自分の角をながめて、ほれぼれしました。

Then his eyes moved down to his legs, and his smile disappeared.

それから、シカの目は自分の足へと下りていき、笑みが消えました。

"But my legs," he sighed. "How thin and weak and ugly they are! They look like little sticks. It is a shame that such a fine head has to stand on such poor legs. If only my legs were as beautiful as my antlers, I would be the most handsome animal in the world."

「でも、この足ときたら」と、シカはため息をつきました。「なんて細くて弱々しくて、みっともないんだろう! まるで棒きれだ。こんなにりっぱな頭が、こんなにみすぼらしい足にのっているなんて、残念なことだ。足が角と同じくらい美しかったら、わたしは世界でいちばんかっこいい動物になれるのに」

He was so busy looking at himself that he did not hear the soft sound in the grass behind him. A lion had been watching him for some time. Now it was creeping closer and closer, keeping its body low to the ground.

自分の姿に見とれるのに夢中で、シカは後ろの草むらのかすかな物音に気づきませんでした。一頭のライオンが、しばらく前からシカをねらっていたのです。ライオンは体を地面に低くふせながら、じりじりと近づいてきていました。

Suddenly a bird flew up with a cry of warning. The stag looked up and saw the lion, and at that same moment, the lion jumped.

突然、一羽の鳥が危険を知らせる声をあげて飛び立ちました。シカが顔を上げると、ライオンが見えました。そしてまさにその瞬間、ライオンが飛びかかってきました。

The stag turned and ran. His thin legs carried him across the open plain like the wind, much faster than the lion could run. With every step, the stag pulled further ahead. Soon the lion was far behind him, and the stag's heart filled with hope. "I am going to escape!" he thought.

シカは向きを変えて走りました。シカは細い足で、開けた草原を風のように駆け抜けていきました。ライオンよりもずっと速く、一歩ごとに差は開いていきました。まもなくライオンははるか後ろになり、シカの胸は希望でいっぱいになりました。「逃げきれるぞ!」と、シカは思いました。

But at the edge of the plain, there was a forest, and the stag ran straight into it without stopping. The trees here grew close together, and their branches were low and thick. Suddenly the stag's great antlers became caught in the branches.

けれども、草原のはずれには森がありました。シカは止まらずに、まっすぐその中へかけこんでしまいました。そこでは木々がびっしりと生えていて、枝は低く、太く茂っていました。突然、シカの大きな角が枝に引っかかってしまいました。

He pulled his head to the left, and he pulled it to the right. He pulled with all his strength, but the branches only held him more tightly. He could not move.

シカは頭を左に引っぱり、右に引っぱりました。力いっぱい引っぱりましたが、枝はますますきつく角にからみつくばかりです。シカは動けなくなりました。

Behind him, he heard the lion coming through the trees.

後ろから、ライオンが木々のあいだをやってくる音が聞こえました。

"Oh, how foolish I have been!" the stag cried. "I have hated my legs, but they nearly saved my life. I have loved my antlers, but they have trapped me here. The thing that I was proud of has caught me, and the thing that I was ashamed of was my best friend."

「ああ、わたしはなんておろかだったんだろう!」と、シカは叫びました。「わたしは自分の足をきらっていたが、その足があやうく命を救ってくれるところだった。角を愛していたが、その角のせいでここにつかまってしまった。自慢にしていたものにつかまり、恥ずかしく思っていたものこそが、いちばんの味方だったのだ」

Those were the stag's last words before the shadow of the lion fell over him. He had learned the most important lesson of his life, but he had learned it too late.

それが、ライオンの影がおおいかぶさる前の、シカの最後の言葉でした。シカは生涯でいちばん大切な教訓を学びました。けれども、それを学んだのは遅すぎたのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

夏の終わりの、暑い午後のことでした。一頭の大きな雄ジカが、一日じゅう乾いた丘を歩きまわっていて、ひどくのどがかわいていました。ようやく、草原のまん中にある、澄んだ静かな池にたどり着いたので、シカは水を飲もうと頭を下げました。

ところが、水を飲む前に、シカは水の中に何かを見つけました。自分の姿が映っていたのです。シカは動きを止め、うっとりとそれをながめました。

「この角を見てごらん」と、シカはひとりごとを言いました。「なんて大きく広がって、高くて、たくましくて、美しいんだろう! 大木の枝か、王さまの冠のようだ。この丘のどの雄ジカも、こんな角は持っていない」シカは頭を左に向け、それから右に向けて、どの方向からも自分の角をながめて、ほれぼれしました。

それから、シカの目は自分の足へと下りていき、笑みが消えました。

「でも、この足ときたら」と、シカはため息をつきました。「なんて細くて弱々しくて、みっともないんだろう! まるで棒きれだ。こんなにりっぱな頭が、こんなにみすぼらしい足にのっているなんて、残念なことだ。足が角と同じくらい美しかったら、わたしは世界でいちばんかっこいい動物になれるのに」

自分の姿に見とれるのに夢中で、シカは後ろの草むらのかすかな物音に気づきませんでした。一頭のライオンが、しばらく前からシカをねらっていたのです。ライオンは体を地面に低くふせながら、じりじりと近づいてきていました。

突然、一羽の鳥が危険を知らせる声をあげて飛び立ちました。シカが顔を上げると、ライオンが見えました。そしてまさにその瞬間、ライオンが飛びかかってきました。

シカは向きを変えて走りました。シカは細い足で、開けた草原を風のように駆け抜けていきました。ライオンよりもずっと速く、一歩ごとに差は開いていきました。まもなくライオンははるか後ろになり、シカの胸は希望でいっぱいになりました。「逃げきれるぞ!」と、シカは思いました。

けれども、草原のはずれには森がありました。シカは止まらずに、まっすぐその中へかけこんでしまいました。そこでは木々がびっしりと生えていて、枝は低く、太く茂っていました。突然、シカの大きな角が枝に引っかかってしまいました。

シカは頭を左に引っぱり、右に引っぱりました。力いっぱい引っぱりましたが、枝はますますきつく角にからみつくばかりです。シカは動けなくなりました。

後ろから、ライオンが木々のあいだをやってくる音が聞こえました。

「ああ、わたしはなんておろかだったんだろう!」と、シカは叫びました。「わたしは自分の足をきらっていたが、その足があやうく命を救ってくれるところだった。角を愛していたが、その角のせいでここにつかまってしまった。自慢にしていたものにつかまり、恥ずかしく思っていたものこそが、いちばんの味方だったのだ」

それが、ライオンの影がおおいかぶさる前の、シカの最後の言葉でした。シカは生涯でいちばん大切な教訓を学びました。けれども、それを学んだのは遅すぎたのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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We often value the wrong things.

本当に大切なものほど、軽く見られがちだ。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the stag love about himself?

Q2. What carried the stag far ahead of the lion on the open plain?

Q3. Why couldn't the stag escape in the forest?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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