The Donkey and the Little Dog(ロバと小犬)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Donkey and the Little Dog

ロバと小犬

  • 📖 568 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:49
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ一日じゅう働くロバと、家の中でかわいがられる小犬。「ぼくも小犬のようにふるまえば、ご主人に愛されるかも」と考えたロバは……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • stable馬小屋、家畜小屋
  • oatsオーツ麦(えさ)
  • groundひいた(grindの過去形)
  • sacks大きな袋
  • strokedなでた
  • treasure宝物
  • behaveふるまう
  • broomsほうき
  • envyうらやましさ
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Fenrir)

A rich man had two animals that he treated very differently. One was a donkey, who lived in the stable. The other was a little white dog, who lived in the house.

ある金持ちが二匹の動物を飼っていましたが、その扱いはまったく違っていました。一匹はロバで、馬小屋に住んでいました。もう一匹は小さな白い犬で、家の中に住んでいました。

The donkey was a good, strong animal. He had plenty of oats and hay to eat, and a dry stable to sleep in. But he worked hard every day. He turned the heavy stone that ground the corn. He carried wood from the forest and heavy sacks from the farm. By evening his back always hurt, and his legs were tired.

ロバはよく働く、力の強い動物でした。オート麦や干し草はたっぷり食べられましたし、乾いた小屋で眠ることもできました。そのかわり、毎日休みなく働きました。穀物をひく重い石臼を回し、森から薪を運び、農場から重い袋を運びました。夕方になると、いつも背中が痛く、脚はくたくたでした。

The little dog's life was very different. She was beautiful, with soft white fur and bright black eyes. She knew many clever tricks. She could dance on her back legs, roll over and shake hands. Her master loved her more than anything. He let her sit on his knee, stroked her fur and called her his little treasure. Whenever he went out to dinner, he always brought home something delicious for her.

小さな犬の暮らしは、まるで違っていました。犬は美しく、柔らかい白い毛と、きらきらした黒い目をしていました。気のきいた芸もたくさん知っていました。うしろ脚で立って踊ったり、ごろんと転がったり、お手をしたりできたのです。主人は何よりもこの犬をかわいがっていました。ひざの上に乗せ、毛をなでて、「わたしのかわいい宝物」と呼びました。夕食に出かけたときには、いつも犬のために何かおいしいものを持って帰ってきました。

Every day the donkey watched the little dog through the window. He saw her jump onto her master's knee. He saw her receive pieces of meat and cake. And every day he felt more and more unhappy.

毎日、ロバは窓から小さな犬を眺めていました。小さな犬が主人のひざに飛び乗り、肉やケーキのかけらをもらうのを見ました。そして毎日、ますますみじめな気持ちになっていきました。

"It is not fair," he said to himself. "I work from morning to night, and nobody thanks me. That little dog does nothing at all, and she is loved by everyone. If I behave like her, perhaps the master will love me too."

「不公平だ」と、ロバはひとりごとを言いました。「ぼくは朝から晩まで働いているのに、誰もお礼を言ってくれない。あの小さな犬は何もしていないのに、みんなにかわいがられている。ぼくもあの犬みたいにふるまえば、主人はぼくのこともかわいがってくれるかもしれない」

The more he thought about it, the better the idea seemed. One evening, while the master was eating dinner, the donkey decided to try. He pulled hard on his rope until it broke. Then he ran out of the stable, across the yard and straight into the house.

考えれば考えるほど、それはいい考えに思えてきました。ある晩、主人が夕食をとっているときに、ロバはやってみることにしました。綱をぐいぐい引っ張って、とうとう切ってしまいました。それから小屋を飛び出し、庭を横切って、まっすぐ家の中へ駆けこみました。

The master looked up from his dinner in surprise. The donkey began to dance around the room, kicking up his heels just as the little dog did. Then he tried to jump onto his master's knee. But a donkey is much bigger and heavier than a little dog. He crashed into the table, which fell over with a terrible noise. Plates, cups and dishes flew everywhere and broke into hundreds of pieces.

主人は食事の手を止め、驚いて顔を上げました。ロバは、小さな犬がするように、かかとをけり上げて部屋の中を踊り回り始めました。それから主人のひざに飛び乗ろうとしました。けれども、ロバは小さな犬よりずっと大きくて重いのです。ロバがテーブルにぶつかると、テーブルはものすごい音を立ててひっくり返りました。皿やカップや食器があちこちに飛び散って、粉々に砕けました。

The donkey did not stop. He tried to lick his master's face with his big wet tongue, and then he put his front legs on the man's shoulders. The poor master was pushed down to the floor under the heavy animal. "Help! Help!" he cried.

それでもロバはやめませんでした。大きなぬれた舌で主人の顔をなめようとし、それから前脚を主人の肩にかけました。かわいそうに、主人は重いロバの下敷きになって、床に押し倒されてしまいました。「助けてくれ! 助けてくれ!」と、主人は叫びました。

The servants heard the noise and came running. When they saw their master under a donkey, they grabbed sticks and brooms and began to beat the donkey. They chased him out of the house, across the yard and back into the stable.

召し使いたちが物音を聞きつけて走ってきました。主人がロバの下敷きになっているのを見ると、棒やほうきをつかんで、ロバをたたき始めました。そしてロバを家から追い出し、庭を横切って、小屋の中まで追い返しました。

That night, the donkey lay in his stable. His whole body hurt, much more than it had ever hurt after a long day of work. Through the window, he could see the little dog sleeping peacefully on a soft cushion.

その夜、ロバは小屋の中で横になっていました。体中が痛みました。長い一日の仕事のあとよりも、ずっとずっと痛かったのです。窓の向こうに、小さな犬が柔らかいクッションの上でぐっすり眠っているのが見えました。

"I have brought all this trouble on myself," he said sadly. "Why was I not happy with my own life? I am a donkey, not a little dog. My work is useful, and it is what I do best. I should never have tried to be something that I am not."

「何もかも自分で招いたことだ」と、ロバは悲しそうに言いました。「どうしてぼくは、自分の暮らしに満足していなかったんだろう? ぼくはロバで、小さな犬じゃない。ぼくの仕事は役に立つし、それこそぼくがいちばん得意なことなんだ。自分ではないものになろうなんて、決して思うべきじゃなかった」

The next morning, he went back to his work without complaining. And from that day on, he never looked through the window with envy again.

次の朝、ロバは文句ひとつ言わずに仕事に戻りました。そしてその日から、二度とうらやましそうに窓をのぞくことはありませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ある金持ちが二匹の動物を飼っていましたが、その扱いはまったく違っていました。一匹はロバで、馬小屋に住んでいました。もう一匹は小さな白い犬で、家の中に住んでいました。

ロバはよく働く、力の強い動物でした。オート麦や干し草はたっぷり食べられましたし、乾いた小屋で眠ることもできました。そのかわり、毎日休みなく働きました。穀物をひく重い石臼を回し、森から薪を運び、農場から重い袋を運びました。夕方になると、いつも背中が痛く、脚はくたくたでした。

小さな犬の暮らしは、まるで違っていました。犬は美しく、柔らかい白い毛と、きらきらした黒い目をしていました。気のきいた芸もたくさん知っていました。うしろ脚で立って踊ったり、ごろんと転がったり、お手をしたりできたのです。主人は何よりもこの犬をかわいがっていました。ひざの上に乗せ、毛をなでて、「わたしのかわいい宝物」と呼びました。夕食に出かけたときには、いつも犬のために何かおいしいものを持って帰ってきました。

毎日、ロバは窓から小さな犬を眺めていました。小さな犬が主人のひざに飛び乗り、肉やケーキのかけらをもらうのを見ました。そして毎日、ますますみじめな気持ちになっていきました。

「不公平だ」と、ロバはひとりごとを言いました。「ぼくは朝から晩まで働いているのに、誰もお礼を言ってくれない。あの小さな犬は何もしていないのに、みんなにかわいがられている。ぼくもあの犬みたいにふるまえば、主人はぼくのこともかわいがってくれるかもしれない」

考えれば考えるほど、それはいい考えに思えてきました。ある晩、主人が夕食をとっているときに、ロバはやってみることにしました。綱をぐいぐい引っ張って、とうとう切ってしまいました。それから小屋を飛び出し、庭を横切って、まっすぐ家の中へ駆けこみました。

主人は食事の手を止め、驚いて顔を上げました。ロバは、小さな犬がするように、かかとをけり上げて部屋の中を踊り回り始めました。それから主人のひざに飛び乗ろうとしました。けれども、ロバは小さな犬よりずっと大きくて重いのです。ロバがテーブルにぶつかると、テーブルはものすごい音を立ててひっくり返りました。皿やカップや食器があちこちに飛び散って、粉々に砕けました。

それでもロバはやめませんでした。大きなぬれた舌で主人の顔をなめようとし、それから前脚を主人の肩にかけました。かわいそうに、主人は重いロバの下敷きになって、床に押し倒されてしまいました。「助けてくれ! 助けてくれ!」と、主人は叫びました。

召し使いたちが物音を聞きつけて走ってきました。主人がロバの下敷きになっているのを見ると、棒やほうきをつかんで、ロバをたたき始めました。そしてロバを家から追い出し、庭を横切って、小屋の中まで追い返しました。

その夜、ロバは小屋の中で横になっていました。体中が痛みました。長い一日の仕事のあとよりも、ずっとずっと痛かったのです。窓の向こうに、小さな犬が柔らかいクッションの上でぐっすり眠っているのが見えました。

「何もかも自分で招いたことだ」と、ロバは悲しそうに言いました。「どうしてぼくは、自分の暮らしに満足していなかったんだろう? ぼくはロバで、小さな犬じゃない。ぼくの仕事は役に立つし、それこそぼくがいちばん得意なことなんだ。自分ではないものになろうなんて、決して思うべきじゃなかった」

次の朝、ロバは文句ひとつ言わずに仕事に戻りました。そしてその日から、二度とうらやましそうに窓をのぞくことはありませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Be happy with who you are, and do not try to be someone else.

自分らしさに満足し、ほかのだれかになろうとしないこと。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the little dog do every day?

Q2. Why did the donkey run into the house?

Q3. What did the donkey learn?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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