The Lion and the Bull(ライオンと雄牛)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Lion and the Bull

ライオンと雄牛

  • 📖 536 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:54
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ大きな雄牛を食べたいけれど、正面から戦うのはこわいライオン。そこで「ごちそうを用意したから、うちに来ないか」と雄牛を招待しますが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • valley谷
  • broad幅の広い
  • courage勇気
  • clevernessかしこさ
  • do me the honor(わたしのために)〜してくださる
  • den(けものの)巣穴
  • enormous巨大な
  • spit焼きぐし
  • offend気を悪くさせる
  • hostもてなす側の主人
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Leda)

In a wide green valley there lived a bull who was bigger and stronger than any other animal around. He had a thick neck, broad shoulders and two long, sharp horns. Even the wolves stayed far away from him.

広々とした緑の谷に、一頭の雄牛が住んでいました。まわりのどの動物よりも大きくて強い雄牛です。首は太く、肩はがっしりとして、長くとがった角が二本ありました。オオカミたちでさえ、この雄牛には近づきませんでした。

On a rocky hill above the valley lived a lion. For many weeks the lion had been watching the bull. "What a wonderful meal he would make," he thought, licking his lips. "He would feed me for a week." But every time the lion looked at those long horns, he lost his courage. He knew that if he attacked the bull, he might be badly hurt.

谷を見下ろす岩だらけの丘には、ライオンが住んでいました。ライオンは何週間も前から、この雄牛をねらっていました。「あいつはさぞかしすばらしいごちそうになるだろうな」と、ライオンは舌なめずりしながら思いました。「一週間は食べていけるぞ」けれども、あの長い角を見るたびに、勇気がしぼんでしまいます。おそいかかったら、ひどいけがをするかもしれないからです。

"If I cannot win by strength," the lion said to himself, "I will win by cleverness." And he began to make a plan.

「力で勝てないのなら」と、ライオンはひとりごとを言いました。「知恵で勝ってやろう」そして、作戦を考えはじめました。

The next morning, he walked down into the valley with a big friendly smile on his face. The bull looked up from the grass and watched him carefully.

次の朝、ライオンは顔いっぱいに親しげな笑みを浮かべて、谷へ下りていきました。雄牛は草から顔を上げ、用心深くライオンを見つめました。

"Good morning, my friend!" said the lion. "What a beautiful day it is! I have wonderful news. Last night I caught a fine, fat sheep, much bigger than I can eat by myself. Would you do me the honor of coming to my home for dinner this evening? I would be so happy to have your company."

「おはよう、友よ!」と、ライオンは言いました。「なんてすばらしい日だろう! すてきな知らせがあるんだ。ゆうべ、よく太ったヒツジをつかまえてね。大きすぎて、わたしひとりではとても食べきれない。今晩、わたしの家に夕食に来てもらえないだろうか? きみが来てくれたら、本当にうれしいんだが」

The bull was a little surprised. Lions did not usually invite bulls to dinner. But the lion seemed so kind and friendly that he said, "Thank you. I will come."

雄牛は少し驚きました。ライオンが雄牛を夕食に招くことなど、普通はありません。けれどもライオンがとても親切そうに見えたので、雄牛は答えました。「ありがとう。うかがいましょう」

The lion went home very pleased with himself. "When the bull lies down to eat," he thought, "he will not be able to use his horns. Then I will jump on him, and he will be my dinner, not the sheep."

ライオンはすっかり得意になって家に帰りました。「雄牛が横になって食べはじめたら」と、ライオンは考えました。「角は使えなくなるはずだ。そこへ飛びかかってやれば、ヒツジではなく、あいつがおれの夕食になるというわけだ」

That evening, the bull walked up the hill to the lion's den. The lion was waiting at the entrance. "Welcome, welcome!" he said. "Please come in. Dinner is almost ready."

その晩、雄牛は丘を登ってライオンの住みかへやってきました。ライオンは入り口で待っていました。「ようこそ、ようこそ!」と、ライオンは言いました。「さあ、入ってくれ。夕食はもうすぐできあがるよ」

The bull stopped at the entrance and looked inside. In the middle of the den there was a fire. Over the fire hung an enormous cooking pot, big enough for a whole bull. Next to it lay a long iron spit and a pile of sharp knives. But the bull looked carefully in every corner, and he could see no sign of a sheep anywhere. There was no wool, no bones and no smell of meat.

雄牛は入り口で立ち止まって、中をのぞきました。住みかのまん中では火がたかれていました。その上には、巨大な料理なべがつるされています。雄牛がまるごと一頭入るほどの大きさです。そばには、長い鉄の串と、鋭いナイフがひと山置いてありました。けれども、すみずみまでよく見ても、ヒツジの気配はどこにもありません。羊毛も骨もなく、肉のにおいもしませんでした。

The bull said nothing. He simply turned around and began to walk back down the hill.

雄牛は何も言いませんでした。ただくるりと向きを変えて、丘を下りはじめました。

"Wait! Where are you going?" called the lion. "I have done nothing to offend you. Why are you leaving without even saying goodbye to your host?"

「待ってくれ! どこへ行くんだ?」と、ライオンは呼びかけました。「わたしはきみの気にさわるようなことは何もしていないじゃないか。どうして、招いたこのわたしに、さよならも言わずに帰ってしまうんだ?」

The bull stopped and looked back over his shoulder.

雄牛は立ち止まり、肩ごしにふり返りました。

"I have every reason to leave," he said calmly. "You told me that you had caught a sheep. But I see no sheep in your den. What I do see is a pot that is big enough for a bull, and knives that are sharp enough for a bull. I think that tonight's dinner was going to be me."

「帰る理由なら、十分にある」と、雄牛は落ち着いて言いました。「きみはヒツジをつかまえたと言った。だが、ここにはヒツジなど見当たらない。見えるのは、雄牛が入るほど大きななべと、雄牛を切れるほど鋭いナイフだ。今晩の夕食になるはずだったのは、どうやらわたしのようだね」

Then the bull walked back down to his green valley. The lion stood alone at the door of his den, with his big pot and his empty stomach. He never invited the bull to dinner again.

そして雄牛は、緑の谷へ歩いて帰っていきました。ライオンは大きななべとからっぽのおなかをかかえて、住みかの入り口にひとりぼっちで立っていました。ライオンが雄牛を夕食に招くことは、二度とありませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

広々とした緑の谷に、一頭の雄牛が住んでいました。まわりのどの動物よりも大きくて強い雄牛です。首は太く、肩はがっしりとして、長くとがった角が二本ありました。オオカミたちでさえ、この雄牛には近づきませんでした。

谷を見下ろす岩だらけの丘には、ライオンが住んでいました。ライオンは何週間も前から、この雄牛をねらっていました。「あいつはさぞかしすばらしいごちそうになるだろうな」と、ライオンは舌なめずりしながら思いました。「一週間は食べていけるぞ」けれども、あの長い角を見るたびに、勇気がしぼんでしまいます。おそいかかったら、ひどいけがをするかもしれないからです。

「力で勝てないのなら」と、ライオンはひとりごとを言いました。「知恵で勝ってやろう」そして、作戦を考えはじめました。

次の朝、ライオンは顔いっぱいに親しげな笑みを浮かべて、谷へ下りていきました。雄牛は草から顔を上げ、用心深くライオンを見つめました。

「おはよう、友よ!」と、ライオンは言いました。「なんてすばらしい日だろう! すてきな知らせがあるんだ。ゆうべ、よく太ったヒツジをつかまえてね。大きすぎて、わたしひとりではとても食べきれない。今晩、わたしの家に夕食に来てもらえないだろうか? きみが来てくれたら、本当にうれしいんだが」

雄牛は少し驚きました。ライオンが雄牛を夕食に招くことなど、普通はありません。けれどもライオンがとても親切そうに見えたので、雄牛は答えました。「ありがとう。うかがいましょう」

ライオンはすっかり得意になって家に帰りました。「雄牛が横になって食べはじめたら」と、ライオンは考えました。「角は使えなくなるはずだ。そこへ飛びかかってやれば、ヒツジではなく、あいつがおれの夕食になるというわけだ」

その晩、雄牛は丘を登ってライオンの住みかへやってきました。ライオンは入り口で待っていました。「ようこそ、ようこそ!」と、ライオンは言いました。「さあ、入ってくれ。夕食はもうすぐできあがるよ」

雄牛は入り口で立ち止まって、中をのぞきました。住みかのまん中では火がたかれていました。その上には、巨大な料理なべがつるされています。雄牛がまるごと一頭入るほどの大きさです。そばには、長い鉄の串と、鋭いナイフがひと山置いてありました。けれども、すみずみまでよく見ても、ヒツジの気配はどこにもありません。羊毛も骨もなく、肉のにおいもしませんでした。

雄牛は何も言いませんでした。ただくるりと向きを変えて、丘を下りはじめました。

「待ってくれ! どこへ行くんだ?」と、ライオンは呼びかけました。「わたしはきみの気にさわるようなことは何もしていないじゃないか。どうして、招いたこのわたしに、さよならも言わずに帰ってしまうんだ?」

雄牛は立ち止まり、肩ごしにふり返りました。

「帰る理由なら、十分にある」と、雄牛は落ち着いて言いました。「きみはヒツジをつかまえたと言った。だが、ここにはヒツジなど見当たらない。見えるのは、雄牛が入るほど大きななべと、雄牛を切れるほど鋭いナイフだ。今晩の夕食になるはずだったのは、どうやらわたしのようだね」

そして雄牛は、緑の谷へ歩いて帰っていきました。ライオンは大きななべとからっぽのおなかをかかえて、住みかの入り口にひとりぼっちで立っていました。ライオンが雄牛を夕食に招くことは、二度とありませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Watch what people do, not only what they say.

人の言うことだけでなく、することをよく見よ。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the lion not attack the bull?

Q2. What did the lion say he had for dinner?

Q3. Why did the bull leave?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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