The Salt Merchant and His Donkey(塩を運ぶロバ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Salt Merchant and His Donkey

塩を運ぶロバ

  • 📖 538 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:04
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ重い塩を運ぶのがいやでたまらないロバ。ある日、川で転んだら荷物が急に軽くなりました。「これはいい!」とロバは考えますが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • merchant商人
  • sacks袋
  • grumbledぶつぶつ言った
  • slippedすべった
  • load荷物
  • on purposeわざと
  • brayロバの鳴き声
  • sponges海綿(スポンジ)
  • dissolved(水に)とけた
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Charon)

A salt merchant lived in a village in the hills. Every week he took his donkey down to the seashore, where salt was sold cheaply. He filled two big sacks with salt, put them on the donkey's back and walked home again. It was a long, hot journey, and the donkey hated every step of it.

丘の上の村に、塩を売る商人が住んでいました。商人は毎週ロバを連れて、海辺まで下りていきました。海辺では塩が安く売られていたのです。商人は大きな袋ふたつに塩をいっぱいつめ、ロバの背中にのせて、また歩いて家へ帰りました。長くて暑い道のりで、ロバは一歩進むのも嫌でたまりませんでした。

"Why must I carry everything?" the donkey grumbled to himself. "My master walks with nothing on his back but a hat. It is not fair."

「どうしておれが何でも運ばなきゃならないんだ?」と、ロバはぶつぶつひとりごとを言いました。「ご主人は帽子をかぶっているだけで、背中には何ものせずに歩いているじゃないか。不公平だ」

On the way home, the road crossed a small river. There was no bridge, so they always walked through the water. One day, as they were crossing, the donkey's foot slipped on a smooth stone. He fell into the river with a great splash, sacks and all.

帰り道の途中には、小さな川がありました。橋はないので、いつも水の中を歩いてわたっていました。ある日、川をわたっているとき、ロバの足がつるつるした石の上ですべりました。ロバは袋ごと、ザブーンと大きな音を立てて川の中に倒れました。

The merchant shouted and pulled at the rope, and after a moment the donkey stood up again. Water was running out of the sacks. And then the donkey noticed something wonderful. His load was much lighter than before. Most of the salt had dissolved in the river.

商人はどなりながら綱を引っぱり、まもなくロバはまた立ち上がりました。袋から水が流れ出ています。そのとき、ロバはすばらしいことに気づきました。荷物が前よりずっと軽くなっていたのです。塩のほとんどが、川の水にとけてしまったのでした。

The merchant was not pleased. He turned around, went back to the sea and bought even more salt than before, but the donkey hardly cared. All the way home, he was thinking. "So that is the secret," he said to himself. "Salt disappears in water! How lucky I am to have learned that."

商人はおもしろくありませんでした。海まで引き返して、前よりもさらにたくさんの塩を買いました。けれども、ロバはほとんど気にしませんでした。家に帰るまでずっと、考えごとをしていたのです。「そうか、そういうことだったのか」と、ロバはひとりごとを言いました。「塩は水の中で消えるんだ! それがわかったなんて、おれはなんて運がいいんだろう」

When they came to the river again, the donkey walked to exactly the same place. Then he bent his knees and lay down in the water on purpose. He even rolled from side to side to be sure. When he stood up, his sacks were nearly empty. He lifted his head and gave a loud, happy bray. He felt like the cleverest donkey who had ever lived.

また川にさしかかると、ロバはまったく同じ場所まで歩いていきました。そしてひざを曲げて、わざと水の中に寝そべりました。念のために、右へ左へごろごろ転がりさえしました。立ち上がると、袋はほとんどからっぽです。ロバは頭を上げて、うれしそうに大きな声でいななきました。自分はこの世でいちばん賢いロバだという気がしました。

But the merchant was not stupid. He had been watching very carefully this time. "I see," he said quietly, rubbing his chin. "So my donkey has become a clever donkey. Well, two can play that game."

けれども、商人もばかではありません。今度は、とても注意深く見ていたのです。「なるほど」と、商人はあごをなでながら静かに言いました。「うちのロバは悪知恵がつくようになったわけか。よし、それならこっちにも考えがあるぞ」

The next week, they went down to the seashore as usual. But this time the merchant did not buy salt. He went to a different shop and bought a huge pile of sponges. He filled the sacks with them until they were round and fat. The donkey was surprised, because the load was very light. "Today is my lucky day," he thought.

次の週、ふたりはいつものように海辺へ下りていきました。けれども今度は、商人は塩を買いませんでした。別の店へ行って、海綿(スポンジ)をどっさり買ったのです。そして袋が丸くふくらむまで、海綿をつめこみました。荷物がとても軽かったので、ロバはおどろきました。「今日はついてるぞ」と、ロバは思いました。

Still, when they reached the river, he decided to play his trick anyway. Why carry anything at all? He walked to his favorite spot, smiled to himself, and lay down in the water.

それでも、川に着くと、ロバはやっぱりいつもの手を使うことにしました。何も運ばずにすむなら、それにこしたことはありません。ロバはお気に入りの場所まで歩いていき、ひとりでにやりとして、水の中に寝そべりました。

This time, something very different happened. The sponges began to drink up the river. They grew heavier, and heavier, and heavier. When the donkey tried to stand up, he could hardly move. The sacks were pressing him down, and water was pouring from them like rain.

ところが今度は、まったくちがうことが起こりました。海綿が川の水を吸いこみはじめたのです。袋はどんどん、どんどん重くなっていきます。ロバは立ち上がろうとしましたが、ほとんど身動きがとれません。袋がのしかかってきて、そこから水が雨のように流れ落ちていました。

With a lot of pushing and pulling, he finally climbed out of the river. Then he had to walk all the way home up the hills with a load that was twice as heavy as the salt had ever been. Every step was harder than the last.

さんざんもがいて、ロバはようやく川からはい上がりました。それから家まで、丘をずっと登っていかなければなりませんでした。背中の荷物は、これまでの塩の二倍も重いのです。一歩進むごとに、どんどん苦しくなっていきました。

Behind him, the merchant was whistling a happy tune. And the donkey never lay down in the river again.

ロバの後ろでは、商人が楽しそうに口笛を吹いていました。そしてロバは、二度と川の中に寝そべることはありませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

丘の上の村に、塩を売る商人が住んでいました。商人は毎週ロバを連れて、海辺まで下りていきました。海辺では塩が安く売られていたのです。商人は大きな袋ふたつに塩をいっぱいつめ、ロバの背中にのせて、また歩いて家へ帰りました。長くて暑い道のりで、ロバは一歩進むのも嫌でたまりませんでした。

「どうしておれが何でも運ばなきゃならないんだ?」と、ロバはぶつぶつひとりごとを言いました。「ご主人は帽子をかぶっているだけで、背中には何ものせずに歩いているじゃないか。不公平だ」

帰り道の途中には、小さな川がありました。橋はないので、いつも水の中を歩いてわたっていました。ある日、川をわたっているとき、ロバの足がつるつるした石の上ですべりました。ロバは袋ごと、ザブーンと大きな音を立てて川の中に倒れました。

商人はどなりながら綱を引っぱり、まもなくロバはまた立ち上がりました。袋から水が流れ出ています。そのとき、ロバはすばらしいことに気づきました。荷物が前よりずっと軽くなっていたのです。塩のほとんどが、川の水にとけてしまったのでした。

商人はおもしろくありませんでした。海まで引き返して、前よりもさらにたくさんの塩を買いました。けれども、ロバはほとんど気にしませんでした。家に帰るまでずっと、考えごとをしていたのです。「そうか、そういうことだったのか」と、ロバはひとりごとを言いました。「塩は水の中で消えるんだ! それがわかったなんて、おれはなんて運がいいんだろう」

また川にさしかかると、ロバはまったく同じ場所まで歩いていきました。そしてひざを曲げて、わざと水の中に寝そべりました。念のために、右へ左へごろごろ転がりさえしました。立ち上がると、袋はほとんどからっぽです。ロバは頭を上げて、うれしそうに大きな声でいななきました。自分はこの世でいちばん賢いロバだという気がしました。

けれども、商人もばかではありません。今度は、とても注意深く見ていたのです。「なるほど」と、商人はあごをなでながら静かに言いました。「うちのロバは悪知恵がつくようになったわけか。よし、それならこっちにも考えがあるぞ」

次の週、ふたりはいつものように海辺へ下りていきました。けれども今度は、商人は塩を買いませんでした。別の店へ行って、海綿(スポンジ)をどっさり買ったのです。そして袋が丸くふくらむまで、海綿をつめこみました。荷物がとても軽かったので、ロバはおどろきました。「今日はついてるぞ」と、ロバは思いました。

それでも、川に着くと、ロバはやっぱりいつもの手を使うことにしました。何も運ばずにすむなら、それにこしたことはありません。ロバはお気に入りの場所まで歩いていき、ひとりでにやりとして、水の中に寝そべりました。

ところが今度は、まったくちがうことが起こりました。海綿が川の水を吸いこみはじめたのです。袋はどんどん、どんどん重くなっていきます。ロバは立ち上がろうとしましたが、ほとんど身動きがとれません。袋がのしかかってきて、そこから水が雨のように流れ落ちていました。

さんざんもがいて、ロバはようやく川からはい上がりました。それから家まで、丘をずっと登っていかなければなりませんでした。背中の荷物は、これまでの塩の二倍も重いのです。一歩進むごとに、どんどん苦しくなっていきました。

ロバの後ろでは、商人が楽しそうに口笛を吹いていました。そしてロバは、二度と川の中に寝そべることはありませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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A trick that works once may not work twice.

一度うまくいったずるが、二度目もうまくいくとはかぎらない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the donkey's load become lighter the first time?

Q2. What did the merchant buy the last time?

Q3. What happened when the donkey lay down in the river with the sponges?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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