The Goatherd and the Wild Goats(ヤギ飼いと野生のヤギ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Goatherd and the Wild Goats

ヤギ飼いと野生のヤギ

  • 📖 546 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:59
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじある夕方、ヤギ飼いの群れに野生のヤギがまじってきました。「この野生のヤギたちを自分のものにしたい」と考えたヤギ飼いは……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • goatherdヤギ飼い
  • flock(ヤギ・羊の)群れ
  • curved曲がった
  • buriedうもれた
  • patted軽くたたいた、なでた
  • meltとける
  • slopes坂、斜面
  • peaks山頂
  • ungrateful恩知らずな
  • ashamed恥ずかしく思って
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Leda)

High in the mountains there lived a goatherd who kept a small flock of goats. Every morning he took them up to the green hills to eat grass, and every evening he brought them back down to the stone building where they slept.

山の高いところに、小さなヤギの群れを飼っているヤギ飼いが住んでいました。毎朝、ヤギ飼いはヤギたちを緑の丘へ連れていって草を食べさせ、毎晩、ヤギたちが眠る石造りの小屋へ連れて帰りました。

One cold autumn evening, as he was driving his goats home, he noticed something strange. There were more goats than usual. When he looked more closely, he saw that several wild goats had joined his flock. They had long curved horns and thick gray coats, and they were bigger and stronger than his own goats.

ある寒い秋の夕方、ヤギたちを追って家へ帰る途中、ヤギ飼いは妙なことに気づきました。いつもよりヤギの数が多いのです。よく見てみると、野生のヤギが何頭か群れにまじっていました。長く曲がった角と、ふさふさした灰色の毛を持っていて、ヤギ飼いのヤギたちより大きくて強そうでした。

The goatherd's eyes shone. "What fine animals!" he thought. "If I can keep them, my flock will be twice as big, and I will be a rich man." So he quietly drove all the goats into the building together and closed the gate for the night.

ヤギ飼いの目が輝きました。「なんて立派な動物だろう!」と、ヤギ飼いは思いました。「こいつらを手もとに置いておけたら、群れは倍の大きさになって、わしは金持ちになれるぞ」そこでヤギ飼いは、こっそりとヤギを全部一緒に小屋の中へ追いこみ、夜のあいだ門を閉めておきました。

The next morning, he woke up to find the world white with snow. It kept falling all day and all through the night. The mountain paths were buried, and he could not take the goats out to eat. He had to keep them inside and feed them himself.

次の朝、目を覚ますと、あたり一面雪で真っ白になっていました。雪は一日じゅう、そしてひと晩じゅう降り続きました。山道は雪に埋もれ、ヤギたちを外へ連れ出して草を食べさせることができません。ヤギ飼いはヤギたちを小屋の中に入れたまま、自分で餌をやらなくてはなりませんでした。

Now the goatherd made a plan. "If I treat the wild goats well," he thought, "they will want to stay with me forever." So he gave the wild goats large piles of the best hay. He gave them fresh water and patted their heads and spoke to them kindly.

そこで、ヤギ飼いはある計画を立てました。「野生のヤギたちを大事にしてやれば」と、ヤギ飼いは考えました。「ずっとわしのところにいたいと思うだろう」そして野生のヤギたちには、いちばんいい干し草を山盛りにしてやりました。新鮮な水をやり、頭をなで、やさしく話しかけました。

But he did not have very much hay, and the snow did not stop. So he gave his own goats much less. They received only enough to stay alive. They stood in the corner, thin and hungry, and watched the wild goats eat.

けれども、干し草はそれほどたくさんはありませんでしたし、雪はやみませんでした。そこでヤギ飼いは、自分のヤギたちにはずっと少ししかやりませんでした。自分のヤギたちがもらえたのは、生きていくのにやっと足りるだけでした。やせてひもじい思いをしながら、すみっこに立って、野生のヤギたちが食べるのをながめていました。

"Our master has forgotten us," said one old goat sadly. "We have given him milk for years, and now he gives our food to strangers."

「ご主人はわたしたちのことを忘れてしまったんだ」と、年とったヤギが悲しそうに言いました。「わたしたちは何年もご主人にお乳をあげてきたのに、今ではご主人はわたしたちの食べ物をよそ者にやってしまう」

For many days the snow kept falling. At last the sun came out, and the snow began to melt. The goatherd opened the gate and led all the goats out onto the hillside. "Now," he thought happily, "the wild goats are mine."

何日ものあいだ、雪は降り続きました。とうとう太陽が顔を出し、雪が解けはじめました。ヤギ飼いは門を開けて、ヤギたちを全部丘の斜面へ連れ出しました。「さあ」と、ヤギ飼いはうれしそうに思いました。「野生のヤギたちはわしのものだ」

But the moment the wild goats saw the open mountains, they ran. They jumped over the rocks and raced up the slopes toward the high peaks. They did not stop or look back.

ところが、ひらけた山を見たとたん、野生のヤギたちは走り出しました。岩を飛びこえ、高い峰に向かって斜面を駆け上がっていきます。立ち止まることも、ふり返ることもありませんでした。

"Come back!" the goatherd shouted, running after them. "How can you be so ungrateful? During the storm I took better care of you than of my own goats! I gave you the best hay. Is this how you thank me?"

「もどってこい!」と、ヤギ飼いは追いかけながら叫びました。「どうしてそんなに恩知らずなんだ? 嵐のあいだ、わしは自分のヤギたちよりおまえたちを大事にしてやったじゃないか! いちばんいい干し草をやったじゃないか。それがおまえたちのお礼のしかたなのか?」

One of the wild goats stopped on a high rock and turned around. "That is exactly why we are leaving," he said. "We saw how you treated the goats that have been with you for years. You gave them almost nothing, just because we were new. If more wild goats come tomorrow, you will treat us in the same way. We do not want a friend like that."

野生のヤギの一頭が、高い岩の上で立ち止まってふり返りました。「だからこそ、わたしたちは去っていくのです」と、そのヤギは言いました。「何年もあなたと一緒にいたヤギたちを、あなたがどう扱ったか、わたしたちは見ました。わたしたちが新しく来たというだけで、あなたはあのヤギたちにほとんど何もやらなかった。明日また別の野生のヤギが来たら、あなたはわたしたちを同じように扱うでしょう。そんな友だちはほしくありません」

Then he turned and disappeared among the rocks. The goatherd stood alone in the melting snow. Behind him, his own thin goats were waiting quietly, as they always had. He looked at them for a long time, and he felt deeply ashamed.

そう言うと、そのヤギは向きを変えて、岩のあいだに消えていきました。ヤギ飼いは、解けかけた雪の中にひとりで立ちつくしました。うしろでは、やせた自分のヤギたちが、いつものように静かに待っていました。ヤギ飼いは長いあいだヤギたちを見つめて、心の底から恥ずかしく思いました。

That evening, he gave them the biggest dinner they had ever had.

その晩、ヤギ飼いはヤギたちに、それまでにないほどたっぷりの晩ごはんをやりました。

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山の高いところに、小さなヤギの群れを飼っているヤギ飼いが住んでいました。毎朝、ヤギ飼いはヤギたちを緑の丘へ連れていって草を食べさせ、毎晩、ヤギたちが眠る石造りの小屋へ連れて帰りました。

ある寒い秋の夕方、ヤギたちを追って家へ帰る途中、ヤギ飼いは妙なことに気づきました。いつもよりヤギの数が多いのです。よく見てみると、野生のヤギが何頭か群れにまじっていました。長く曲がった角と、ふさふさした灰色の毛を持っていて、ヤギ飼いのヤギたちより大きくて強そうでした。

ヤギ飼いの目が輝きました。「なんて立派な動物だろう!」と、ヤギ飼いは思いました。「こいつらを手もとに置いておけたら、群れは倍の大きさになって、わしは金持ちになれるぞ」そこでヤギ飼いは、こっそりとヤギを全部一緒に小屋の中へ追いこみ、夜のあいだ門を閉めておきました。

次の朝、目を覚ますと、あたり一面雪で真っ白になっていました。雪は一日じゅう、そしてひと晩じゅう降り続きました。山道は雪に埋もれ、ヤギたちを外へ連れ出して草を食べさせることができません。ヤギ飼いはヤギたちを小屋の中に入れたまま、自分で餌をやらなくてはなりませんでした。

そこで、ヤギ飼いはある計画を立てました。「野生のヤギたちを大事にしてやれば」と、ヤギ飼いは考えました。「ずっとわしのところにいたいと思うだろう」そして野生のヤギたちには、いちばんいい干し草を山盛りにしてやりました。新鮮な水をやり、頭をなで、やさしく話しかけました。

けれども、干し草はそれほどたくさんはありませんでしたし、雪はやみませんでした。そこでヤギ飼いは、自分のヤギたちにはずっと少ししかやりませんでした。自分のヤギたちがもらえたのは、生きていくのにやっと足りるだけでした。やせてひもじい思いをしながら、すみっこに立って、野生のヤギたちが食べるのをながめていました。

「ご主人はわたしたちのことを忘れてしまったんだ」と、年とったヤギが悲しそうに言いました。「わたしたちは何年もご主人にお乳をあげてきたのに、今ではご主人はわたしたちの食べ物をよそ者にやってしまう」

何日ものあいだ、雪は降り続きました。とうとう太陽が顔を出し、雪が解けはじめました。ヤギ飼いは門を開けて、ヤギたちを全部丘の斜面へ連れ出しました。「さあ」と、ヤギ飼いはうれしそうに思いました。「野生のヤギたちはわしのものだ」

ところが、ひらけた山を見たとたん、野生のヤギたちは走り出しました。岩を飛びこえ、高い峰に向かって斜面を駆け上がっていきます。立ち止まることも、ふり返ることもありませんでした。

「もどってこい!」と、ヤギ飼いは追いかけながら叫びました。「どうしてそんなに恩知らずなんだ? 嵐のあいだ、わしは自分のヤギたちよりおまえたちを大事にしてやったじゃないか! いちばんいい干し草をやったじゃないか。それがおまえたちのお礼のしかたなのか?」

野生のヤギの一頭が、高い岩の上で立ち止まってふり返りました。「だからこそ、わたしたちは去っていくのです」と、そのヤギは言いました。「何年もあなたと一緒にいたヤギたちを、あなたがどう扱ったか、わたしたちは見ました。わたしたちが新しく来たというだけで、あなたはあのヤギたちにほとんど何もやらなかった。明日また別の野生のヤギが来たら、あなたはわたしたちを同じように扱うでしょう。そんな友だちはほしくありません」

そう言うと、そのヤギは向きを変えて、岩のあいだに消えていきました。ヤギ飼いは、解けかけた雪の中にひとりで立ちつくしました。うしろでは、やせた自分のヤギたちが、いつものように静かに待っていました。ヤギ飼いは長いあいだヤギたちを見つめて、心の底から恥ずかしく思いました。

その晩、ヤギ飼いはヤギたちに、それまでにないほどたっぷりの晩ごはんをやりました。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Do not forget old friends in order to win new ones.

新しい友を得るために、古い友を犠牲にしてはいけない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the goatherd give the best hay to the wild goats?

Q2. What happened to his own goats during the snow?

Q3. Why did the wild goats leave?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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