The Apes and the Two Travelers(サルの国の二人の旅人)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Apes and the Two Travelers

サルの国の二人の旅人

  • 📖 581 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:06
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじいつも本当のことを言う男と、うそばかりつく男。二人はサルの国に迷いこみ、サルの王さまに「わたしはどんな王に見えるか」と聞かれて……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • apesサル(大型のサル)
  • surrounded取り囲まれた
  • throne王座
  • Your Majesty陛下
  • noble気高い
  • general将軍
  • seizeつかまえる
  • regret後悔する
  • flatteryお世辞
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Aoede)

Long ago, two men were traveling together across a wide and lonely country. They were very different from each other. The first man always told the truth, even when it was not easy. The second man told lies whenever they helped him. People said he could not tell the truth even if he tried.

昔、ふたりの男が、広くてさびしい土地を一緒に旅していました。ふたりはまったく違う性格でした。ひとり目の男は、たとえ言いにくいことでも、いつも本当のことを言いました。ふたり目の男は、自分の得になるときにはいつでもうそをつきました。あの男は、本当のことを言おうとしても言えないのだと、人々はうわさしていました。

One evening, the two travelers lost their way in a thick forest. As they were looking for a place to sleep, they were suddenly surrounded by a large group of apes. The apes grabbed their arms and led them deep into the forest. "Where are they taking us?" whispered the truthful man. "I don't know," said the liar, "but stay calm and let me do the talking."

ある晩、ふたりの旅人は深い森の中で道に迷ってしまいました。寝る場所を探していると、突然、大きなサルの群れに取り囲まれました。サルたちはふたりの腕をつかみ、森の奥深くへ連れていきました。「どこへ連れていかれるんだろう?」と、正直者がささやきました。「わからない」と、うそつきは答えました。「でも落ち着いて、話はおれに任せておけ」

At last they came to an open space between the trees. There, many apes were standing in two long lines, one on the right and one on the left. At the end of the lines was a large chair made of branches and flowers. On the chair sat the biggest ape of all. He wore a crown of leaves on his head.

とうとう、ふたりは木々のあいだのひらけた場所にやって来ました。そこには、たくさんのサルが右と左に一列ずつ、長い二列になって並んでいました。列の先には、枝と花で作った大きないすがあり、そこにいちばん大きなサルが座っていました。頭には葉っぱの冠をかぶっています。

This ape had made himself the king of the apes. He had heard that human kings sat on thrones with servants around them, so he had copied everything. Now he wanted to know what humans thought of him.

このサルは、自分でサルの王さまになったのでした。人間の王さまは家来に囲まれて玉座に座っていると聞いて、何もかもまねしたのです。そして今、人間が自分のことをどう思うのか知りたがっていました。

He waved his hand, and the two travelers were pushed forward. The king looked down at them and said in a deep voice, "Strangers, tell me. What kind of king do I seem to you?"

王さまが手を振ると、ふたりの旅人は前へ押し出されました。王さまはふたりを見下ろして、低い声で言いました。「旅の者たちよ、申してみよ。わしはおまえたちの目にどのような王に見えるか?」

The liar bowed very low. "Your Majesty," he said, "you seem to me the greatest king in the world. I have traveled to many countries, but I have never seen a king who was more noble or more wise."

うそつきは深々と頭を下げました。「陛下」と、うそつきは言いました。「わたくしには、陛下が世界でいちばん偉大な王さまに見えます。わたくしは多くの国を旅してまいりましたが、これほど気高く、これほど賢い王さまにお目にかかったことはございません」

The king smiled. "And what do you think of these apes around me?"

王さまはにっこりしました。「では、わしのまわりにいるこのサルたちのことはどう思う?」

"Oh, they are wonderful," said the liar. "Every one of them could be a great general or an important leader. You have chosen your helpers very well."

「ああ、みなさまご立派です」と、うそつきは答えました。「どなたも、偉大な将軍にも大切な指導者にもなれるお方ばかりです。陛下はまことによい家来をお選びになりました」

All the apes were delighted. They clapped their hands and jumped up and down. The king ordered his servants to bring the liar a rich present of fruit, nuts and shining stones.

サルたちはみんな大喜びしました。手をたたいて、ぴょんぴょん飛びはねました。王さまは家来たちに命じて、うそつきへの褒美に、果物や木の実やきらきら光る石をどっさり持ってこさせました。

The truthful man watched all this with surprise. He thought to himself, "If they give such a great reward for a lie, what will they give me for the truth? I have always told the truth, and I will tell it now."

正直者はこの様子を驚いて見ていました。そして心の中で思いました。「うそにこれほどの褒美をくれるのなら、本当のことを言ったら、どんなものをくれるだろう? わたしはいつも本当のことを言ってきた。今も本当のことを言おう」

The king turned to him. "And you, stranger. What do you think of me and my friends?"

王さまは正直者のほうを向きました。「では、おまえはどうだ、旅の者よ。わしとわしの仲間たちをどう思う?」

The truthful man stood up straight and looked the king in the eye. "You are a very fine ape," he said. "And all your friends are very fine apes, too."

正直者は背すじを伸ばし、王さまの目をまっすぐに見ました。「あなたはたいへん立派なサルです」と、正直者は言いました。「そして、あなたのお仲間もみなさん、たいへん立派なサルです」

For a moment there was complete silence. Then the king's face turned dark with anger. "An ape?" he roared. "You call me an ape? Seize him!"

しばらくのあいだ、あたりはしんと静まりかえりました。それから王さまの顔が、怒りでどす黒くなりました。「サルだと?」と、王さまはほえました。「わしをサルと呼ぶのか? ひっとらえろ!」

At once the apes rushed at the truthful man. They bit him, scratched him and pulled his hair. He fought his way through them and ran into the forest, and their angry cries followed him for a long time. When at last he escaped, his clothes were torn and his arms were covered with cuts.

たちまちサルたちが正直者に飛びかかりました。かみつき、ひっかき、髪の毛を引っ張りました。正直者はサルたちのあいだをかき分けて森の中へ逃げこみましたが、サルたちの怒った叫び声は長いあいだ追いかけてきました。ようやく逃げきったとき、正直者の服は破れ、両腕は傷だらけでした。

Later, sitting alone under a tree, he thought about what had happened. He did not regret telling the truth. But he had learned something important. "Some people do not want the truth," he said to himself. "They only want to hear what pleases them."

あとで、ひとりで木の下に座りながら、正直者は起こったことを考えました。本当のことを言ったのを後悔してはいません。けれども、大切なことをひとつ学びました。「本当のことを求めない者もいるのだ」と、正直者は自分に言い聞かせました。「そういう者は、自分の喜ぶことだけを聞きたがるのだ」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

昔、ふたりの男が、広くてさびしい土地を一緒に旅していました。ふたりはまったく違う性格でした。ひとり目の男は、たとえ言いにくいことでも、いつも本当のことを言いました。ふたり目の男は、自分の得になるときにはいつでもうそをつきました。あの男は、本当のことを言おうとしても言えないのだと、人々はうわさしていました。

ある晩、ふたりの旅人は深い森の中で道に迷ってしまいました。寝る場所を探していると、突然、大きなサルの群れに取り囲まれました。サルたちはふたりの腕をつかみ、森の奥深くへ連れていきました。「どこへ連れていかれるんだろう?」と、正直者がささやきました。「わからない」と、うそつきは答えました。「でも落ち着いて、話はおれに任せておけ」

とうとう、ふたりは木々のあいだのひらけた場所にやって来ました。そこには、たくさんのサルが右と左に一列ずつ、長い二列になって並んでいました。列の先には、枝と花で作った大きないすがあり、そこにいちばん大きなサルが座っていました。頭には葉っぱの冠をかぶっています。

このサルは、自分でサルの王さまになったのでした。人間の王さまは家来に囲まれて玉座に座っていると聞いて、何もかもまねしたのです。そして今、人間が自分のことをどう思うのか知りたがっていました。

王さまが手を振ると、ふたりの旅人は前へ押し出されました。王さまはふたりを見下ろして、低い声で言いました。「旅の者たちよ、申してみよ。わしはおまえたちの目にどのような王に見えるか?」

うそつきは深々と頭を下げました。「陛下」と、うそつきは言いました。「わたくしには、陛下が世界でいちばん偉大な王さまに見えます。わたくしは多くの国を旅してまいりましたが、これほど気高く、これほど賢い王さまにお目にかかったことはございません」

王さまはにっこりしました。「では、わしのまわりにいるこのサルたちのことはどう思う?」

「ああ、みなさまご立派です」と、うそつきは答えました。「どなたも、偉大な将軍にも大切な指導者にもなれるお方ばかりです。陛下はまことによい家来をお選びになりました」

サルたちはみんな大喜びしました。手をたたいて、ぴょんぴょん飛びはねました。王さまは家来たちに命じて、うそつきへの褒美に、果物や木の実やきらきら光る石をどっさり持ってこさせました。

正直者はこの様子を驚いて見ていました。そして心の中で思いました。「うそにこれほどの褒美をくれるのなら、本当のことを言ったら、どんなものをくれるだろう? わたしはいつも本当のことを言ってきた。今も本当のことを言おう」

王さまは正直者のほうを向きました。「では、おまえはどうだ、旅の者よ。わしとわしの仲間たちをどう思う?」

正直者は背すじを伸ばし、王さまの目をまっすぐに見ました。「あなたはたいへん立派なサルです」と、正直者は言いました。「そして、あなたのお仲間もみなさん、たいへん立派なサルです」

しばらくのあいだ、あたりはしんと静まりかえりました。それから王さまの顔が、怒りでどす黒くなりました。「サルだと?」と、王さまはほえました。「わしをサルと呼ぶのか? ひっとらえろ!」

たちまちサルたちが正直者に飛びかかりました。かみつき、ひっかき、髪の毛を引っ張りました。正直者はサルたちのあいだをかき分けて森の中へ逃げこみましたが、サルたちの怒った叫び声は長いあいだ追いかけてきました。ようやく逃げきったとき、正直者の服は破れ、両腕は傷だらけでした。

あとで、ひとりで木の下に座りながら、正直者は起こったことを考えました。本当のことを言ったのを後悔してはいません。けれども、大切なことをひとつ学びました。「本当のことを求めない者もいるのだ」と、正直者は自分に言い聞かせました。「そういう者は、自分の喜ぶことだけを聞きたがるのだ」

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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People who love flattery do not want to hear the truth.

お世辞の好きな者は、本当のことを聞きたがらない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the liar say about the king?

Q2. What did the liar get from the apes?

Q3. Why did the king get angry with the truthful man?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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