Two Minutes at Gettysburg(リンカーン「ゲティスバーグ演説」の物語)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate英語の名スピーチ

Two Minutes at Gettysburg

リンカーン「ゲティスバーグ演説」の物語

  • 📖 505 words
  • ⏱ 約5分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ南北戦争の激戦地に作られた墓地の式典。2時間の大演説のあとに大統領が話したのは、わずか2分ほどでした。その短い言葉が、なぜ今も語りつがれるのでしょう。

エイブラハム・リンカーンのゲティスバーグ演説(1863年)をもとにした多読ベストのオリジナル読み物(演説の一節を引用。原文はパブリックドメイン)

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • Civil War(アメリカの)南北戦争
  • slavery奴隷制
  • wounded負傷した
  • cemetery墓地
  • ceremony式典
  • appropriate remarksふさわしい言葉
  • score20(を一組とする数)
  • proposition理念、命題
  • perish滅びる、絶える
  • brought forth生み出した、打ち立てた

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

In July 1863, the American Civil War was in its third year. The North and the South were fighting about the future of the country and about slavery. Near a small town in Pennsylvania called Gettysburg, the two armies met in one of the biggest battles of the war.

1863年7月、アメリカの南北戦争は3年目に入っていました。北部と南部は、国の未来と奴隷制をめぐって戦っていました。そして、ペンシルベニア州の小さな町ゲティスバーグの近くで、両軍がぶつかります。この戦争で最大級の戦いの一つです。

The fighting lasted three days. When it was over, about fifty thousand soldiers had been killed, wounded, or were missing. The North won the battle, but the fields and hills were covered with graves that had been dug in a hurry.

戦いは3日間続きました。終わってみると、死んだ兵士、傷ついた兵士、行方不明になった兵士は、合わせておよそ5万人にのぼっていました。戦いには北軍が勝ちましたが、野原も丘も、急いで掘られた墓で埋めつくされていました。

Local leaders decided to build a proper national cemetery for the soldiers of the North. A ceremony was planned for November 19, 1863. The main speaker was Edward Everett, one of the most famous speakers in America. President Abraham Lincoln was also invited, and he was asked to say "a few appropriate remarks."

地元の指導者たちは、北軍の兵士のために、きちんとした国立墓地を作ることにしました。式典は1863年11月19日の予定です。おもな演説をするのは、アメリカ屈指の名弁士、エドワード・エヴェレット。エイブラハム・リンカーン大統領も招かれ、「ふさわしい言葉を少し」述べてほしいと頼まれました。

There is a popular story that Lincoln wrote his speech quickly on the back of an envelope while he was on the train. Historians say this is probably not true. He seems to have written it carefully in Washington and then worked on it again in Gettysburg the night before.

リンカーンは列車の中で、封筒の裏に急いで演説を書いた。そんな有名な話があります。しかし歴史家によれば、これはおそらく事実ではありません。リンカーンはワシントンでじっくり原稿を書き、前の晩にゲティスバーグでもう一度手を入れたようです。

On the day of the ceremony, Everett spoke for about two hours. Then Lincoln stood up. His speech had only about two hundred and seventy words, and it took around two minutes. It is said that some people in the crowd hardly realized that he had begun before he finished.

式典の日、エヴェレットはおよそ2時間話しました。続いてリンカーンが立ち上がります。その演説はわずか270語ほどで、2分ほどで終わりました。聴衆の中には、始まったことにほとんど気づかないうちに演説が終わっていた人もいたといわれます。

Lincoln began by going back to the birth of the nation in 1776: "Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal." A score is twenty, so four score and seven means eighty-seven years.

リンカーンは、1776年の建国までさかのぼって話を始めました。「87年前、われわれの父祖たちは、自由の精神にはぐくまれ、すべての人は平等につくられているという信条にささげられた新しい国家を、この大陸に誕生させた」。英語のスコアは20のことなので、「フォー・スコア・アンド・セブン」は87年という意味になります。

He said that the war was a test. Could a nation built on freedom and equality survive? He also said that the people at the ceremony could not truly make this ground holy. The brave men who fought there had already done that. Instead, the living must finish the great work that those soldiers had started.

この戦争は試練なのだ、とリンカーンは言いました。自由と平等の上に築かれた国が、はたして生きのびられるのか、という試練です。さらに、この式典に集まった者には、この地を本当の意味で神聖なものにすることはできない、とも言いました。ここで戦った勇敢な人々が、すでにそれを成し遂げたからです。生きている者がなすべきは、兵士たちが始めた偉大な仕事を、最後までやり遂げることなのだ、と。

He ended with words that are now famous around the world: "government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth."

そして、今では世界中に知られる言葉で演説をしめくくりました。「人民の、人民による、人民のための政治は、この地上から決して滅びることはない」。

Not everyone was impressed at first. Some newspapers praised the speech, while others called it dull or silly. But Everett himself wrote to Lincoln the next day. He said he wished he had come as close to the central idea of the day in two hours as Lincoln had in two minutes.

はじめから、だれもが感心したわけではありません。演説をほめる新聞もあれば、退屈だ、くだらないとけなす新聞もありました。けれども翌日、ほかならぬエヴェレットがリンカーンに手紙を書きました。あなたは2分で、この日の核心にせまった。私も2時間かけて、あれだけ近づけていたらよかったのだが、と。

The war continued for almost two more years. It ended in 1865, and slavery was ended in the whole country by law that same year. Lincoln was killed only days after the main Southern army surrendered.

戦争は、それから2年近く続きました。1865年に戦争が終わり、同じ年、法律によって国じゅうで奴隷制が廃止されました。リンカーンが暗殺されたのは、南軍の主力が降伏して、わずか数日後のことでした。

Today, the Gettysburg Address is one of the most famous speeches in the English language. Many American students learn it by heart. It shows that a speech does not need to be long to be great.

今では、ゲティスバーグ演説は英語でもっとも有名な演説の一つです。多くのアメリカの生徒が暗記しています。すぐれた演説に、長さはいらない。この演説はそれを教えてくれます。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

1863年7月、アメリカの南北戦争は3年目に入っていました。北部と南部は、国の未来と奴隷制をめぐって戦っていました。そして、ペンシルベニア州の小さな町ゲティスバーグの近くで、両軍がぶつかります。この戦争で最大級の戦いの一つです。

戦いは3日間続きました。終わってみると、死んだ兵士、傷ついた兵士、行方不明になった兵士は、合わせておよそ5万人にのぼっていました。戦いには北軍が勝ちましたが、野原も丘も、急いで掘られた墓で埋めつくされていました。

地元の指導者たちは、北軍の兵士のために、きちんとした国立墓地を作ることにしました。式典は1863年11月19日の予定です。おもな演説をするのは、アメリカ屈指の名弁士、エドワード・エヴェレット。エイブラハム・リンカーン大統領も招かれ、「ふさわしい言葉を少し」述べてほしいと頼まれました。

リンカーンは列車の中で、封筒の裏に急いで演説を書いた。そんな有名な話があります。しかし歴史家によれば、これはおそらく事実ではありません。リンカーンはワシントンでじっくり原稿を書き、前の晩にゲティスバーグでもう一度手を入れたようです。

式典の日、エヴェレットはおよそ2時間話しました。続いてリンカーンが立ち上がります。その演説はわずか270語ほどで、2分ほどで終わりました。聴衆の中には、始まったことにほとんど気づかないうちに演説が終わっていた人もいたといわれます。

リンカーンは、1776年の建国までさかのぼって話を始めました。「87年前、われわれの父祖たちは、自由の精神にはぐくまれ、すべての人は平等につくられているという信条にささげられた新しい国家を、この大陸に誕生させた」。英語のスコアは20のことなので、「フォー・スコア・アンド・セブン」は87年という意味になります。

この戦争は試練なのだ、とリンカーンは言いました。自由と平等の上に築かれた国が、はたして生きのびられるのか、という試練です。さらに、この式典に集まった者には、この地を本当の意味で神聖なものにすることはできない、とも言いました。ここで戦った勇敢な人々が、すでにそれを成し遂げたからです。生きている者がなすべきは、兵士たちが始めた偉大な仕事を、最後までやり遂げることなのだ、と。

そして、今では世界中に知られる言葉で演説をしめくくりました。「人民の、人民による、人民のための政治は、この地上から決して滅びることはない」。

はじめから、だれもが感心したわけではありません。演説をほめる新聞もあれば、退屈だ、くだらないとけなす新聞もありました。けれども翌日、ほかならぬエヴェレットがリンカーンに手紙を書きました。あなたは2分で、この日の核心にせまった。私も2時間かけて、あれだけ近づけていたらよかったのだが、と。

戦争は、それから2年近く続きました。1865年に戦争が終わり、同じ年、法律によって国じゅうで奴隷制が廃止されました。リンカーンが暗殺されたのは、南軍の主力が降伏して、わずか数日後のことでした。

今では、ゲティスバーグ演説は英語でもっとも有名な演説の一つです。多くのアメリカの生徒が暗記しています。すぐれた演説に、長さはいらない。この演説はそれを教えてくれます。

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

このお話の教訓 Moral

タップして見る

A few honest, well-chosen words can be stronger than a long speech.

正直でよく選ばれた短い言葉は、長い演説よりも力を持つことがある。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. How long did Lincoln's speech take?

Q2. What does "four score and seven" mean?

Q3. What did Everett write to Lincoln the next day?

🎥 本物を見る・聞く 実際のスピーチ

🗣 朗読・Ken BurnsThe Civil War: The Gettysburg Addressケン・バーンズ監督のドキュメンタリー『南北戦争』(PBS)の一場面。ゲティスバーグ演説の朗読を含む(約6分)。リンカーン本人の録音は存在しません

外部サイト(YouTube など)が新しいタブで開きます。読み終わってから見るのがおすすめ。

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 3 の読み物をもっと見る →