Heungbu and Nolbu(フンブとノルブ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate世界の民話

Heungbu and Nolbu

フンブとノルブ

  • 📖 853 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 4:50
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ欲ばりな兄ノルブに家を追い出された、心やさしい弟フンブ。貧しい暮らしの中、ある春の日、ヘビにおそわれて足を折ったツバメのひなを見つけます。日本の「舌切りすずめ」にも似た、韓国の有名な昔話です。

韓国・朝鮮の民話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • swallowツバメ
  • greedy欲ばりな
  • gourdひょうたん
  • seed種
  • sawのこぎり(でひく)
  • goblins鬼;トッケビ(韓国の妖怪)
  • bandageほうたい(をまく)
  • debt借金
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Long ago in Korea, there lived two brothers. The older brother was Nolbu, and the younger brother was Heungbu. They were very different. Nolbu was greedy and unkind. He thought only about money. Heungbu was gentle and kind, and he always tried to help others.

むかし、朝鮮に二人の兄弟が住んでいました。兄はノルブ、弟はフンブといいました。二人はまったくちがっていました。ノルブは欲ばりで意地悪でした。お金のことしか考えていませんでした。フンブはおだやかでやさしく、いつも人の役に立とうとしていました。

When their father died, he left a large house and many rice fields. Nolbu took everything for himself. "Get out of my house," he said to Heungbu. "And take your wife and children with you. I will not feed you anymore."

父親が亡くなると、大きな家とたくさんの田んぼが残されました。ノルブはそれをすべて自分のものにしてしまいました。「おれの家から出ていけ」と、ノルブはフンブに言いました。「女房と子どもたちも連れていけ。もうおまえたちを食わせてはやらないぞ」

So Heungbu and his family left with nothing. They built a tiny house from straw. It was so small that when Heungbu lay down to sleep, his feet stuck out of the door. Heungbu worked hard every day, but he had many children, and they were always hungry.

そこでフンブと家族は、何も持たずに家を出ました。一家はわらで小さな家を建てました。それはとても小さくて、フンブが寝ようと横になると、足が戸口からはみ出してしまうほどでした。フンブは毎日懸命に働きましたが、子どもがたくさんいて、みんないつもおなかをすかせていました。

One spring day, a pair of swallows came and made a nest under the roof of Heungbu's little house. Soon, there were baby birds in the nest. Heungbu and his children loved to watch them.

ある春の日、二羽のツバメがやって来て、フンブの小さな家の屋根の下に巣を作りました。まもなく、巣にはひなが生まれました。フンブと子どもたちは、ひなをながめるのが大好きでした。

One afternoon, Heungbu heard the parent birds crying loudly. A big snake was climbing up toward the nest! Heungbu ran out and chased the snake away with a stick. But one of the baby swallows had fallen from the nest. It lay on the ground, and its little leg was broken.

ある日の午後、フンブは親鳥たちが大きな声で鳴きさわいでいるのを聞きました。大きなヘビが、巣に向かってはい上がっていたのです! フンブは外へ飛び出し、棒でヘビを追いはらいました。けれども、ひなの一羽が巣から落ちてしまっていました。ひなは地面に横たわり、その小さな足は折れていました。

"Poor little bird," said Heungbu. He picked it up gently. His wife brought a piece of cloth, and Heungbu carefully put a bandage around the broken leg. Every day, the family gave it food and water. Slowly, the leg got better. When autumn came, the little swallow could fly again, and it flew away to the south with the others.

「かわいそうに」と、フンブは言いました。そしてひなをそっと拾い上げました。妻が布切れを持ってきて、フンブは折れた足に注意深く包帯を巻いてやりました。毎日、家族はひなに食べ物と水をやりました。少しずつ、足はよくなっていきました。秋が来ると、小さなツバメはまた飛べるようになり、仲間と一緒に南へ飛んでいきました。

The next spring, the swallow came back. It flew down to Heungbu and dropped a small seed in front of him. Then it sang a happy song and flew away.

次の春、そのツバメがもどってきました。ツバメはフンブのところへ舞い下りて、目の前に小さな種を一つ落としました。それから楽しそうにさえずって、飛んでいきました。

"This is a gourd seed," said Heungbu. He planted it next to his house. The seed grew very fast. Soon, the plant covered the whole roof. By autumn, there were three huge gourds on it, each one as big as a large pot.

「これはヒョウタンの種だ」と、フンブは言いました。フンブはそれを家のそばに植えました。種はぐんぐん育ちました。まもなく、つるは屋根じゅうをおおいました。秋になるころには、大きなヒョウタンが三つなっていました。どれも大なべほどもある大きさでした。

"Let us cut open the gourds," said Heungbu to his wife. "We can eat the inside, and we can use the outside to make bowls." So they took a saw and began to cut the first gourd.

「ヒョウタンを割ってみよう」と、フンブは妻に言いました。「中身は食べられるし、外側はおわんにできる」 そこで二人はのこぎりを持ってきて、最初のヒョウタンを切りはじめました。

When the gourd opened, rice poured out of it. There was so much rice that it filled the whole yard! The children shouted with joy. Then they cut the second gourd. Out came gold, silver, and beautiful silk. And from the third gourd came workers with tools, and in a moment they built a large and beautiful house with a tile roof.

ヒョウタンが割れると、中から米があふれ出てきました。あまりにたくさんの米で、庭じゅうがいっぱいになりました! 子どもたちは大喜びで叫びました。それから二つ目のヒョウタンを切りました。出てきたのは金と銀と美しい絹でした。そして三つ目のヒョウタンからは、道具を持った大工たちが出てきました。大工たちはあっという間に、かわら屋根の大きくて美しい家を建ててしまいました。

Heungbu was now a rich man. But he did not change. He was still gentle and kind, and he shared his rice and money with all the poor people in the village.

フンブは今やお金持ちになりました。けれどもフンブは変わりませんでした。あいかわらずおだやかでやさしく、米やお金を村の貧しい人たちみんなに分け与えました。

Soon, Nolbu heard the news. He ran to Heungbu's new house. "How did you get so rich?" he shouted. "Did you steal it?" Heungbu was honest, so he told his brother the whole story about the swallow.

まもなく、ノルブがそのうわさを聞きつけました。ノルブはフンブの新しい家へかけつけました。「どうやってそんなに金持ちになったんだ」と、ノルブはどなりました。「盗んだのか」 フンブは正直だったので、ツバメの話を兄にすっかり話しました。

Nolbu went home and thought, "I will get a magic seed too. And I will get much more gold than my stupid little brother." He waited for swallows to come to his house. When a baby swallow was in the nest, Nolbu took it out and broke its leg on purpose. Then he put a bandage on it. "Now get better," he said, "and bring me my seed."

ノルブは家に帰ってこう考えました。「おれも魔法の種を手に入れてやる。そして、まぬけな弟よりもっとたくさんの金を手に入れてやるぞ」 ノルブはツバメが家にやって来るのを待ちました。巣にひなが生まれると、ノルブはひなを取り出し、わざと足を折りました。それから包帯を巻きました。「さあ、よくなれ」と、ノルブは言いました。「そしておれの種を持ってこい」

The next spring, the swallow came back and dropped a seed in front of Nolbu. Nolbu laughed and planted it. Again, the plant grew fast, and by autumn there were three huge gourds on his roof.

次の春、ツバメがもどってきて、ノルブの前に種を落としました。ノルブは笑ってそれを植えました。またしてもつるはぐんぐん育ち、秋になるころには、屋根に大きなヒョウタンが三つなりました。

Nolbu took a saw and cut open the first gourd. But no rice came out. Out came a crowd of angry goblins with clubs. "You owe us money!" they shouted, and they took all the money from his house.

ノルブはのこぎりを持ってきて、最初のヒョウタンを割りました。ところが、米は出てきませんでした。出てきたのは、こん棒を持った、怒ったトッケビ(鬼)の群れでした。「おまえはおれたちに金を借りているぞ!」とトッケビたちは叫び、家じゅうのお金をすっかり持っていってしまいました。

"Maybe the next gourd is the gold one," said Nolbu, and he cut the second gourd. Out came men who said he had to pay many debts, and they took his rice and his furniture.

「次のヒョウタンが金のやつかもしれない」とノルブは言って、二つ目のヒョウタンを割りました。出てきたのは、借金を返せとせまる男たちでした。男たちはノルブの米と家具を持っていってしまいました。

"The third one must be the treasure!" cried Nolbu. He cut the third gourd. Out came a great flood of dirty, smelly water. It filled the house and washed away everything that was left. Nolbu and his wife ran outside with only the clothes they were wearing.

「三つ目こそ宝物にちがいない!」と、ノルブは叫びました。そして三つ目のヒョウタンを割りました。出てきたのは、汚くてくさい水の大洪水でした。水は家じゅうにあふれ、残っていたものをすべて押し流してしまいました。ノルブと妻は、着ている服だけで外へ逃げ出しました。

Nolbu had nothing now. He had nowhere to go. At last, with his head down, he went to his brother's house.

ノルブはもう何も持っていませんでした。行くところもありませんでした。とうとう、ノルブはうなだれて弟の家へ向かいました。

Heungbu opened the door. He did not shout at his brother. He did not say, "It's your own fault." He only said, "Come in, brother. You must be cold and hungry." He gave Nolbu a warm room, good food, and new clothes.

フンブは戸を開けました。兄をどなりつけはしませんでした。「自業自得だ」とも言いませんでした。ただこう言ったのです。「入ってください、兄さん。寒くて、おなかがすいているでしょう」 フンブはノルブに、暖かい部屋とおいしい食べ物と新しい服を与えました。

Nolbu began to cry. "I was so cruel to you," he said. "And you are so kind to me." From that day, Nolbu changed. He became a kind and generous man, and the two brothers lived happily together for the rest of their lives.

ノルブは泣きだしました。「おれはおまえにあんなにひどいことをしたのに」と、ノルブは言いました。「おまえはこんなにやさしくしてくれるなんて」 その日から、ノルブは変わりました。やさしく気前のよい人間になり、二人の兄弟はそれから一生、幸せに一緒に暮らしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、朝鮮に二人の兄弟が住んでいました。兄はノルブ、弟はフンブといいました。二人はまったくちがっていました。ノルブは欲ばりで意地悪でした。お金のことしか考えていませんでした。フンブはおだやかでやさしく、いつも人の役に立とうとしていました。

父親が亡くなると、大きな家とたくさんの田んぼが残されました。ノルブはそれをすべて自分のものにしてしまいました。「おれの家から出ていけ」と、ノルブはフンブに言いました。「女房と子どもたちも連れていけ。もうおまえたちを食わせてはやらないぞ」

そこでフンブと家族は、何も持たずに家を出ました。一家はわらで小さな家を建てました。それはとても小さくて、フンブが寝ようと横になると、足が戸口からはみ出してしまうほどでした。フンブは毎日懸命に働きましたが、子どもがたくさんいて、みんないつもおなかをすかせていました。

ある春の日、二羽のツバメがやって来て、フンブの小さな家の屋根の下に巣を作りました。まもなく、巣にはひなが生まれました。フンブと子どもたちは、ひなをながめるのが大好きでした。

ある日の午後、フンブは親鳥たちが大きな声で鳴きさわいでいるのを聞きました。大きなヘビが、巣に向かってはい上がっていたのです! フンブは外へ飛び出し、棒でヘビを追いはらいました。けれども、ひなの一羽が巣から落ちてしまっていました。ひなは地面に横たわり、その小さな足は折れていました。

「かわいそうに」と、フンブは言いました。そしてひなをそっと拾い上げました。妻が布切れを持ってきて、フンブは折れた足に注意深く包帯を巻いてやりました。毎日、家族はひなに食べ物と水をやりました。少しずつ、足はよくなっていきました。秋が来ると、小さなツバメはまた飛べるようになり、仲間と一緒に南へ飛んでいきました。

次の春、そのツバメがもどってきました。ツバメはフンブのところへ舞い下りて、目の前に小さな種を一つ落としました。それから楽しそうにさえずって、飛んでいきました。

「これはヒョウタンの種だ」と、フンブは言いました。フンブはそれを家のそばに植えました。種はぐんぐん育ちました。まもなく、つるは屋根じゅうをおおいました。秋になるころには、大きなヒョウタンが三つなっていました。どれも大なべほどもある大きさでした。

「ヒョウタンを割ってみよう」と、フンブは妻に言いました。「中身は食べられるし、外側はおわんにできる」 そこで二人はのこぎりを持ってきて、最初のヒョウタンを切りはじめました。

ヒョウタンが割れると、中から米があふれ出てきました。あまりにたくさんの米で、庭じゅうがいっぱいになりました! 子どもたちは大喜びで叫びました。それから二つ目のヒョウタンを切りました。出てきたのは金と銀と美しい絹でした。そして三つ目のヒョウタンからは、道具を持った大工たちが出てきました。大工たちはあっという間に、かわら屋根の大きくて美しい家を建ててしまいました。

フンブは今やお金持ちになりました。けれどもフンブは変わりませんでした。あいかわらずおだやかでやさしく、米やお金を村の貧しい人たちみんなに分け与えました。

まもなく、ノルブがそのうわさを聞きつけました。ノルブはフンブの新しい家へかけつけました。「どうやってそんなに金持ちになったんだ」と、ノルブはどなりました。「盗んだのか」 フンブは正直だったので、ツバメの話を兄にすっかり話しました。

ノルブは家に帰ってこう考えました。「おれも魔法の種を手に入れてやる。そして、まぬけな弟よりもっとたくさんの金を手に入れてやるぞ」 ノルブはツバメが家にやって来るのを待ちました。巣にひなが生まれると、ノルブはひなを取り出し、わざと足を折りました。それから包帯を巻きました。「さあ、よくなれ」と、ノルブは言いました。「そしておれの種を持ってこい」

次の春、ツバメがもどってきて、ノルブの前に種を落としました。ノルブは笑ってそれを植えました。またしてもつるはぐんぐん育ち、秋になるころには、屋根に大きなヒョウタンが三つなりました。

ノルブはのこぎりを持ってきて、最初のヒョウタンを割りました。ところが、米は出てきませんでした。出てきたのは、こん棒を持った、怒ったトッケビ(鬼)の群れでした。「おまえはおれたちに金を借りているぞ!」とトッケビたちは叫び、家じゅうのお金をすっかり持っていってしまいました。

「次のヒョウタンが金のやつかもしれない」とノルブは言って、二つ目のヒョウタンを割りました。出てきたのは、借金を返せとせまる男たちでした。男たちはノルブの米と家具を持っていってしまいました。

「三つ目こそ宝物にちがいない!」と、ノルブは叫びました。そして三つ目のヒョウタンを割りました。出てきたのは、汚くてくさい水の大洪水でした。水は家じゅうにあふれ、残っていたものをすべて押し流してしまいました。ノルブと妻は、着ている服だけで外へ逃げ出しました。

ノルブはもう何も持っていませんでした。行くところもありませんでした。とうとう、ノルブはうなだれて弟の家へ向かいました。

フンブは戸を開けました。兄をどなりつけはしませんでした。「自業自得だ」とも言いませんでした。ただこう言ったのです。「入ってください、兄さん。寒くて、おなかがすいているでしょう」 フンブはノルブに、暖かい部屋とおいしい食べ物と新しい服を与えました。

ノルブは泣きだしました。「おれはおまえにあんなにひどいことをしたのに」と、ノルブは言いました。「おまえはこんなにやさしくしてくれるなんて」 その日から、ノルブは変わりました。やさしく気前のよい人間になり、二人の兄弟はそれから一生、幸せに一緒に暮らしました。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Kindness is rewarded, and greed brings its own punishment.

やさしさはむくわれ、欲ばりは自分に罰をまねく。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Heungbu have to leave his home?

Q2. What came out of Heungbu's gourds?

Q3. What did Nolbu do to get a magic seed?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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