How Anansi Got the Sky God's Stories(アナンシと空の神さまの物語)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate世界の民話

How Anansi Got the Sky God's Stories

アナンシと空の神さまの物語

  • 📖 903 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 5:02
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじむかし、世界中の物語はすべて空の神ニャメのものでした。小さなクモのアナンシが「物語を売ってください」とたのむと、ニャメはとんでもない値段を言います。とても無理だと思われたその条件とは……。

西アフリカの民話(ガーナのアシャンティ族)

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • spiderクモ
  • pythonニシキヘビ
  • leopardヒョウ
  • hornetsスズメバチ
  • fairy妖精
  • gum木のやに(ねばねばしたもの)
  • price値段
  • trapわな
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Orus)

Long, long ago, there were no stories on Earth. All the stories in the world belonged to Nyame, the Sky God. He kept them in a golden box beside his throne in the sky, and he did not share them with anyone. The people on Earth had nothing to tell their children at night.

ずっとずっとむかし、地上にはお話というものが一つもありませんでした。世界じゅうのお話はすべて、空の神ニャメのものだったのです。ニャメはお話を、空の上の玉座のそばにある金の箱にしまっておき、だれにも分けてやりませんでした。地上の人々は、夜、子どもたちに話してやるお話が何もありませんでした。

Kwaku Anansi, the spider, thought this was very sad. Anansi was small, but he was very clever. "I will buy the Sky God's stories," he said. So he spun a long web all the way up to the sky and climbed up to Nyame's throne.

クモのクワク・アナンシは、これをとても悲しいことだと思いました。アナンシは小さいけれど、とてもかしこいクモでした。「空の神さまのお話を買ってこよう」と、アナンシは言いました。そこでアナンシは空まで届く長い糸をはり、ニャメの玉座まで登っていきました。

"Great Sky God," said Anansi, bowing low. "I would like to buy your stories. What is the price?"

「偉大なる空の神さま」と、アナンシは深くおじぎをして言いました。「あなたさまのお話を買いたいのです。お値段はいくらでしょうか」

Nyame laughed so loudly that the clouds shook. "Many great and rich people have come to buy my stories," he said. "Kings have come with gold. None of them could pay the price. Do you think a little spider can?"

ニャメがあまりに大きな声で笑ったので、雲がゆれました。「偉い者や金持ちが大勢、わしのお話を買いにやって来た」と、ニャメは言いました。「王たちも金を持ってやって来た。だが、だれ一人として値段をはらえなかった。ちっぽけなクモにはらえると思うのか」

"Tell me the price," said Anansi, "and I will try."

「お値段を教えてください」と、アナンシは言いました。「やってみますから」

"Very well," said Nyame. "Bring me four things. Bring me Onini the python, who can swallow a goat. Bring me Osebo the leopard, with teeth like spears. Bring me the Mmoboro hornets, who sting like fire. And bring me Mmoatia, the fairy whom no one has ever seen. Then the stories will be yours."

「よかろう」と、ニャメは言いました。「四つのものを持ってこい。ヤギを丸のみにする大蛇オニニを持ってこい。槍のようなきばをもつヒョウのオセボを持ってこい。火のように刺すスズメバチのムモボロを持ってこい。そして、だれも見たことのない妖精ムモアティアを持ってこい。そうすれば、お話はおまえのものだ」

Anansi went home and thought hard. Then he told his wife, Aso, his plan. First, he cut a long palm branch and some vines. He went to the river where Onini the python lived. As he walked, he talked loudly to himself. "My wife is wrong," he said. "He is longer than this branch. No, she is right. He is shorter."

アナンシは家に帰って、一生けんめい考えました。それから妻のアソに自分の計画を話しました。まず、長いヤシの枝と、つるを何本か切りました。そして大蛇オニニが住んでいる川へ出かけました。歩きながら、アナンシは大きな声でひとりごとを言いました。「女房はまちがってる。あいつはこの枝より長いさ。いや、女房が正しい。あいつのほうが短い」

The python lifted his head. "What are you talking about, Anansi?"

大蛇は頭をもたげました。「何の話をしているんだ、アナンシ」

"Oh, Onini," said Anansi. "My wife and I are arguing. She says you are shorter than this palm branch. I say you are longer."

「やあ、オニニ」と、アナンシは言いました。「女房と言い争っているんだよ。女房は、きみがこのヤシの枝より短いって言うんだ。ぼくは長いって言うんだけど」

"Of course I am longer," said the python proudly. "Measure me."

「もちろんおれのほうが長いさ」と、大蛇は得意げに言いました。「はかってみろ」

"Lie down along the branch," said Anansi, "and stretch out as straight as you can." The python stretched out along the branch. "Your head is at one end," said Anansi, "but your tail is moving. Let me tie it, so I can measure you correctly." He tied the tail. Then he tied the middle, and then the head. "Now I have caught you," he said, and he carried the python up to the Sky God.

「枝に沿って横になって」と、アナンシは言いました。「できるだけまっすぐに体をのばしてごらん」 大蛇は枝に沿って体をのばしました。「頭はこっちのはしにあるけど」と、アナンシは言いました。「しっぽが動いているよ。正しくはかれるように、しっぽを結ばせておくれ」 アナンシはしっぽを結びました。それから胴のまん中を結び、次に頭を結びました。「さあ、つかまえたぞ」とアナンシは言い、大蛇を空の神のところへ運んでいきました。

Next, Anansi went to the path where Osebo the leopard walked every night. He dug a deep hole in the middle of the path and covered it with sticks and leaves. That night, the leopard fell in. In the morning, Anansi looked down into the hole. "Oh, Osebo, poor friend!" he said. "Let me help you out." He bent down a young tree and tied a rope to it. "Hold this rope with your tail," he said. The leopard did, and Anansi let the tree go. It sprang up and pulled the leopard into the air, where he hung, helpless. Anansi tied him up and took him to Nyame.

次に、アナンシはヒョウのオセボが毎晩通る道へ行きました。道のまん中に深い穴をほり、それを枝や葉っぱでおおいました。その夜、ヒョウは穴に落ちました。朝になると、アナンシは穴をのぞきこみました。「おや、オセボ、かわいそうに!」と、アナンシは言いました。「出るのを手伝ってあげよう」 アナンシは若い木を曲げて、それになわを結びつけました。「このなわをしっぽでつかんで」 ヒョウがそうすると、アナンシは木をはなしました。木はびゅんとはね上がり、ヒョウを空中に引っぱり上げました。ヒョウはどうすることもできずに、ぶら下がりました。アナンシはヒョウをしばり上げ、ニャメのところへ連れていきました。

Then Anansi went looking for the hornets. He took a gourd, a large dried fruit with a hole in it, and filled a second gourd with water. When he found their nest in a tree, he poured some water over the nest. Then he poured the rest over himself and held a banana leaf over his head. "It is raining! It is raining!" he shouted. "Hornets, you will all get wet! Come into my gourd, where it is dry."

それからアナンシは、スズメバチを探しに出かけました。ヒョウタンを一つ持っていきました。ヒョウタンというのは、大きな実をかわかして穴をあけたものです。もう一つのヒョウタンには水を満たしました。木の上にスズメバチの巣を見つけると、アナンシは巣に少し水をかけました。それから残りの水を自分にかけ、頭の上にバナナの葉をかざしました。「雨だ! 雨だ!」と、アナンシはさけびました。「スズメバチたち、みんなぬれちゃうよ! ぼくのヒョウタンの中にお入り。中はかわいているよ」

"Thank you, Anansi," buzzed the hornets, and they flew into the gourd. Anansi quickly closed the hole with grass. Now he had the hornets too.

「ありがとう、アナンシ」とスズメバチたちはぶんぶん言って、ヒョウタンの中に飛びこみました。アナンシはすばやく草で穴をふさぎました。これでスズメバチも手に入りました。

Last of all was the fairy, Mmoatia. Anansi carved a little wooden doll and covered it with sticky gum from a tree. He put the doll under the odum tree, where the fairies liked to play, and he put a bowl of mashed yams in front of it. Then he tied a vine to the doll's head, so he could make it nod, and he hid in the bushes.

最後は妖精のムモアティアでした。アナンシは木を彫って小さな人形を作り、木からとったねばねばの樹液をぬりつけました。妖精たちがよく遊ぶオドゥムの木の下に人形を置き、その前に、ヤムイモをつぶしたものを入れたおわんを置きました。それから人形の頭につるを結びつけて、うなずかせられるようにし、しげみにかくれました。

Soon Mmoatia came. She saw the yams. "Doll, may I eat some of your yams?" she asked. Anansi pulled the vine, and the doll nodded. The fairy ate all the yams. "Thank you," she said. But the doll said nothing. "Why don't you answer me?" said the fairy. Still the doll said nothing. "If you don't answer me, I will slap you!" The doll was silent. So she slapped it, and her hand stuck to the gum. She slapped it with her other hand, and that hand stuck too. She kicked it, and her feet stuck. Now she could not move at all. Anansi came out, tied her up, and carried her to the sky.

まもなくムモアティアがやって来ました。妖精はヤムイモを見つけました。「お人形さん、あなたのヤムイモを少し食べてもいい?」と、妖精はたずねました。アナンシがつるを引くと、人形はうなずきました。妖精はヤムイモを全部食べてしまいました。「ありがとう」と、妖精は言いました。けれども人形は何も言いません。「どうして返事をしないの?」と、妖精は言いました。それでも人形は何も言いません。「返事をしないなら、ひっぱたくわよ!」 人形はだまったままでした。そこで妖精が人形をひっぱたくと、手が樹液にくっついてしまいました。もう片方の手でひっぱたくと、その手もくっつきました。けとばすと、足もくっつきました。とうとう妖精はまったく動けなくなりました。アナンシは出てきて妖精をしばり、空へ運んでいきました。

Nyame looked at the python, the leopard, the hornets, and the fairy. Then he called all the gods and great people of the sky together. "Kings have come to buy my stories, but they could not pay," he said. "Kwaku Anansi, the spider, has paid the price. From today, the stories belong to him. They will be called Spider Stories."

ニャメは、大蛇とヒョウとスズメバチと妖精を見ました。それから空の神々と偉い者たちを、みんなよび集めました。「王たちがわしのお話を買いに来たが、はらうことができなかった」と、ニャメは言いました。「クモのクワク・アナンシが値段をはらった。今日からお話はアナンシのものだ。お話は『クモのお話』とよばれることになるだろう」

Anansi carried the golden box down to Earth and opened it. The stories flew out all over the world. And that is why, in West Africa, many stories are still called Anansi stories, even the ones that are not about him at all.

アナンシは金の箱を地上に運び下ろし、ふたを開けました。お話は世界じゅうに飛び出していきました。ですから西アフリカでは、今でも多くのお話がアナンシのお話とよばれているのです。アナンシがまったく出てこないお話でさえ、そうよばれています。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ずっとずっとむかし、地上にはお話というものが一つもありませんでした。世界じゅうのお話はすべて、空の神ニャメのものだったのです。ニャメはお話を、空の上の玉座のそばにある金の箱にしまっておき、だれにも分けてやりませんでした。地上の人々は、夜、子どもたちに話してやるお話が何もありませんでした。

クモのクワク・アナンシは、これをとても悲しいことだと思いました。アナンシは小さいけれど、とてもかしこいクモでした。「空の神さまのお話を買ってこよう」と、アナンシは言いました。そこでアナンシは空まで届く長い糸をはり、ニャメの玉座まで登っていきました。

「偉大なる空の神さま」と、アナンシは深くおじぎをして言いました。「あなたさまのお話を買いたいのです。お値段はいくらでしょうか」

ニャメがあまりに大きな声で笑ったので、雲がゆれました。「偉い者や金持ちが大勢、わしのお話を買いにやって来た」と、ニャメは言いました。「王たちも金を持ってやって来た。だが、だれ一人として値段をはらえなかった。ちっぽけなクモにはらえると思うのか」

「お値段を教えてください」と、アナンシは言いました。「やってみますから」

「よかろう」と、ニャメは言いました。「四つのものを持ってこい。ヤギを丸のみにする大蛇オニニを持ってこい。槍のようなきばをもつヒョウのオセボを持ってこい。火のように刺すスズメバチのムモボロを持ってこい。そして、だれも見たことのない妖精ムモアティアを持ってこい。そうすれば、お話はおまえのものだ」

アナンシは家に帰って、一生けんめい考えました。それから妻のアソに自分の計画を話しました。まず、長いヤシの枝と、つるを何本か切りました。そして大蛇オニニが住んでいる川へ出かけました。歩きながら、アナンシは大きな声でひとりごとを言いました。「女房はまちがってる。あいつはこの枝より長いさ。いや、女房が正しい。あいつのほうが短い」

大蛇は頭をもたげました。「何の話をしているんだ、アナンシ」

「やあ、オニニ」と、アナンシは言いました。「女房と言い争っているんだよ。女房は、きみがこのヤシの枝より短いって言うんだ。ぼくは長いって言うんだけど」

「もちろんおれのほうが長いさ」と、大蛇は得意げに言いました。「はかってみろ」

「枝に沿って横になって」と、アナンシは言いました。「できるだけまっすぐに体をのばしてごらん」 大蛇は枝に沿って体をのばしました。「頭はこっちのはしにあるけど」と、アナンシは言いました。「しっぽが動いているよ。正しくはかれるように、しっぽを結ばせておくれ」 アナンシはしっぽを結びました。それから胴のまん中を結び、次に頭を結びました。「さあ、つかまえたぞ」とアナンシは言い、大蛇を空の神のところへ運んでいきました。

次に、アナンシはヒョウのオセボが毎晩通る道へ行きました。道のまん中に深い穴をほり、それを枝や葉っぱでおおいました。その夜、ヒョウは穴に落ちました。朝になると、アナンシは穴をのぞきこみました。「おや、オセボ、かわいそうに!」と、アナンシは言いました。「出るのを手伝ってあげよう」 アナンシは若い木を曲げて、それになわを結びつけました。「このなわをしっぽでつかんで」 ヒョウがそうすると、アナンシは木をはなしました。木はびゅんとはね上がり、ヒョウを空中に引っぱり上げました。ヒョウはどうすることもできずに、ぶら下がりました。アナンシはヒョウをしばり上げ、ニャメのところへ連れていきました。

それからアナンシは、スズメバチを探しに出かけました。ヒョウタンを一つ持っていきました。ヒョウタンというのは、大きな実をかわかして穴をあけたものです。もう一つのヒョウタンには水を満たしました。木の上にスズメバチの巣を見つけると、アナンシは巣に少し水をかけました。それから残りの水を自分にかけ、頭の上にバナナの葉をかざしました。「雨だ! 雨だ!」と、アナンシはさけびました。「スズメバチたち、みんなぬれちゃうよ! ぼくのヒョウタンの中にお入り。中はかわいているよ」

「ありがとう、アナンシ」とスズメバチたちはぶんぶん言って、ヒョウタンの中に飛びこみました。アナンシはすばやく草で穴をふさぎました。これでスズメバチも手に入りました。

最後は妖精のムモアティアでした。アナンシは木を彫って小さな人形を作り、木からとったねばねばの樹液をぬりつけました。妖精たちがよく遊ぶオドゥムの木の下に人形を置き、その前に、ヤムイモをつぶしたものを入れたおわんを置きました。それから人形の頭につるを結びつけて、うなずかせられるようにし、しげみにかくれました。

まもなくムモアティアがやって来ました。妖精はヤムイモを見つけました。「お人形さん、あなたのヤムイモを少し食べてもいい?」と、妖精はたずねました。アナンシがつるを引くと、人形はうなずきました。妖精はヤムイモを全部食べてしまいました。「ありがとう」と、妖精は言いました。けれども人形は何も言いません。「どうして返事をしないの?」と、妖精は言いました。それでも人形は何も言いません。「返事をしないなら、ひっぱたくわよ!」 人形はだまったままでした。そこで妖精が人形をひっぱたくと、手が樹液にくっついてしまいました。もう片方の手でひっぱたくと、その手もくっつきました。けとばすと、足もくっつきました。とうとう妖精はまったく動けなくなりました。アナンシは出てきて妖精をしばり、空へ運んでいきました。

ニャメは、大蛇とヒョウとスズメバチと妖精を見ました。それから空の神々と偉い者たちを、みんなよび集めました。「王たちがわしのお話を買いに来たが、はらうことができなかった」と、ニャメは言いました。「クモのクワク・アナンシが値段をはらった。今日からお話はアナンシのものだ。お話は『クモのお話』とよばれることになるだろう」

アナンシは金の箱を地上に運び下ろし、ふたを開けました。お話は世界じゅうに飛び出していきました。ですから西アフリカでは、今でも多くのお話がアナンシのお話とよばれているのです。アナンシがまったく出てこないお話でさえ、そうよばれています。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What price did Nyame ask for his stories?

Q2. How did Anansi catch the hornets?

Q3. How did Anansi catch the fairy?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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