The Hare in the Moon(月のうさぎ)の挿絵
Level 2 Elementary世界の民話

The Hare in the Moon

月のうさぎ

  • 📖 557 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 3:07
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ森で仲よく暮らすウサギ、サル、ジャッカル、カワウソ。ある日、おなかをすかせた老人がやってきます。ほかの動物たちは食べ物を見つけてきますが、草しか食べられないウサギには、あげられる物がありません。

インドの仏教説話(ジャータカ物語)

キーワード(7語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • hareウサギ(野ウサギ)
  • otterカワウソ
  • jackalジャッカル
  • holy day聖なる日
  • traveler旅人
  • fire火
  • shape形
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Leda)

Long ago, in a forest in India, there lived four good friends: a hare, a monkey, a jackal, and an otter. They lived together in peace, and they always tried to be kind and good.

むかしむかし、インドの森に、四匹の仲よしが住んでいました。ウサギと、サルと、ジャッカルと、カワウソです。みんな仲よく一緒に暮らし、いつもやさしく、よい行いをしようとしていました。

The hare was the wisest of the four. One evening, he looked up at the sky and said, "Tomorrow is a holy day. On a holy day, we should give food to anyone who is hungry. Let us each find something to give."

四ひきの中でいちばんかしこいのはウサギでした。ある晩、ウサギは空を見上げて言いました。「あしたは聖なる日だ。聖なる日には、おなかをすかせた人に食べ物をあげなければいけない。みんなで、それぞれあげるものを見つけよう」

The next morning, the otter went to the river. He found seven fish lying on the bank. "I will give these," he said, and he took them home.

次の朝、カワウソは川へ行きました。岸に魚が七匹落ちているのを見つけました。「これをあげよう」とカワウソは言って、それを家に持って帰りました。

The jackal walked to a farmer's hut. He found some meat and a pot of milk. "I will give these," he said, and he took them home.

ジャッカルは農家の小屋まで歩いていきました。肉と、ミルクの入ったつぼを見つけました。「これをあげよう」とジャッカルは言って、それを家に持って帰りました。

The monkey climbed a tall tree. He picked some sweet mangoes. "I will give these," he said, and he took them home.

サルは高い木に登りました。甘いマンゴーをいくつかもぎました。「これをあげよう」とサルは言って、それを家に持って帰りました。

But the hare only ate grass. "I cannot give grass to a person," he thought. "What can I give?" He thought for a long time. Then he said, "If a hungry person comes, I will give my own body."

でも、ウサギは草しか食べませんでした。「人に草をあげるわけにはいかない」と、ウサギは考えました。「何をあげられるだろう」 ウサギは長いあいだ考えました。そして言いました。「もしおなかをすかせた人が来たら、ぼく自身の体をあげよう」

High above in heaven, the god Sakka heard this. His seat became hot, which was a sign that something important was happening on Earth. "I must see if this hare is really so good," he said. He changed himself into a poor, old traveler, and he went down to the forest.

はるか高い天の上で、サッカという神さまがこれを聞きました。サッカのすわっている席が熱くなりました。それは、地上で何か大切なことが起きているというしるしでした。「このウサギが本当にそれほどよい心を持っているのか、確かめなければ」と、サッカは言いました。サッカは貧しい年寄りの旅人に姿を変えて、森へ下りていきました。

First, the old man went to the otter. "I am so hungry," he said. "Do you have any food?"

まず、おじいさんはカワウソのところへ行きました。「とてもおなかがすいているんだ」と、おじいさんは言いました。「何か食べ物はないかね」

"Yes," said the otter. "Please take my fish."

「ありますよ」と、カワウソは言いました。「どうぞ、ぼくの魚を持っていってください」

"Thank you," said the old man. "I will come back later." Then he went to the jackal and the monkey. They were happy to share their food with him, too.

「ありがとう」と、おじいさんは言いました。「あとでまた来るよ」 それから、おじいさんはジャッカルとサルのところへ行きました。二匹も喜んで食べ物を分けてくれました。

At last, the old man came to the hare. "I am so hungry," he said. "Do you have any food?"

最後に、おじいさんはウサギのところへやって来ました。「とてもおなかがすいているんだ」と、おじいさんは言いました。「何か食べ物はないかね」

"I have only grass," said the hare. "But please, make a big fire. I will give you something good to eat."

「ぼくには草しかありません」と、ウサギは言いました。「でも、どうか大きな火をたいてください。何かおいしいものをさしあげますから」

The old man was surprised, but he made a fire. When the fire was burning brightly, the hare stood up. He shook his fur three times, so that the small insects in it could jump out and be safe. Then he said, "Please eat me." And with a happy heart, he jumped into the fire.

おじいさんはおどろきましたが、火をたきました。火が明るく燃えあがると、ウサギは立ちあがりました。そして三回、ぶるぶるっと体をふるわせました。毛の中にいる小さな虫たちが、飛び出して助かるようにです。それから言いました。「どうぞ、ぼくを食べてください」 そして、うれしい気持ちで、火の中に飛びこみました。

But the fire was not hot. It felt as cool as snow. Not one hair on the hare's body burned.

ところが、火は熱くありませんでした。雪のようにひんやりしていました。ウサギの体の毛は、一本も燃えませんでした。

The hare looked up in surprise. "Why is this fire so cold?" he asked.

ウサギはおどろいて見上げました。「どうしてこの火はこんなに冷たいのですか」と、ウサギはたずねました。

The old man was gone. In his place stood the god Sakka, shining with light. "Wise hare," he said gently, "I am not a traveler. I came to test you. Your heart is truly good. I want everyone to remember your kindness forever."

おじいさんはいなくなっていました。そのかわりに、光に輝くサッカの神さまが立っていました。「かしこいウサギよ」と、神さまはやさしく言いました。「わたしは旅人ではない。おまえをためしに来たのだ。おまえの心は本当によい。おまえのやさしさを、みんなにいつまでも覚えていてほしい」

Sakka took a mountain in his hand and pressed it like juice. With the juice, he drew the shape of a hare on the face of the moon.

サッカは山を手に取って、果物のようにぎゅっとしぼりました。その汁で、月の表面にウサギの形をかきました。

Then he put the hare down softly on a bed of grass, and he went back to heaven. The four friends lived happily together for the rest of their lives.

それから、神さまはウサギをそっと草のベッドの上におろして、天へ帰っていきました。四匹の仲よしは、それからずっと幸せに一緒に暮らしました。

And now, when the moon is full, look up. You can still see the shape of the hare there, shining in the night sky.

ですから今でも、満月の夜に空を見上げてごらんなさい。夜空に輝くウサギの形が、今もそこに見えますよ。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかしむかし、インドの森に、四匹の仲よしが住んでいました。ウサギと、サルと、ジャッカルと、カワウソです。みんな仲よく一緒に暮らし、いつもやさしく、よい行いをしようとしていました。

四ひきの中でいちばんかしこいのはウサギでした。ある晩、ウサギは空を見上げて言いました。「あしたは聖なる日だ。聖なる日には、おなかをすかせた人に食べ物をあげなければいけない。みんなで、それぞれあげるものを見つけよう」

次の朝、カワウソは川へ行きました。岸に魚が七匹落ちているのを見つけました。「これをあげよう」とカワウソは言って、それを家に持って帰りました。

ジャッカルは農家の小屋まで歩いていきました。肉と、ミルクの入ったつぼを見つけました。「これをあげよう」とジャッカルは言って、それを家に持って帰りました。

サルは高い木に登りました。甘いマンゴーをいくつかもぎました。「これをあげよう」とサルは言って、それを家に持って帰りました。

でも、ウサギは草しか食べませんでした。「人に草をあげるわけにはいかない」と、ウサギは考えました。「何をあげられるだろう」 ウサギは長いあいだ考えました。そして言いました。「もしおなかをすかせた人が来たら、ぼく自身の体をあげよう」

はるか高い天の上で、サッカという神さまがこれを聞きました。サッカのすわっている席が熱くなりました。それは、地上で何か大切なことが起きているというしるしでした。「このウサギが本当にそれほどよい心を持っているのか、確かめなければ」と、サッカは言いました。サッカは貧しい年寄りの旅人に姿を変えて、森へ下りていきました。

まず、おじいさんはカワウソのところへ行きました。「とてもおなかがすいているんだ」と、おじいさんは言いました。「何か食べ物はないかね」

「ありますよ」と、カワウソは言いました。「どうぞ、ぼくの魚を持っていってください」

「ありがとう」と、おじいさんは言いました。「あとでまた来るよ」 それから、おじいさんはジャッカルとサルのところへ行きました。二匹も喜んで食べ物を分けてくれました。

最後に、おじいさんはウサギのところへやって来ました。「とてもおなかがすいているんだ」と、おじいさんは言いました。「何か食べ物はないかね」

「ぼくには草しかありません」と、ウサギは言いました。「でも、どうか大きな火をたいてください。何かおいしいものをさしあげますから」

おじいさんはおどろきましたが、火をたきました。火が明るく燃えあがると、ウサギは立ちあがりました。そして三回、ぶるぶるっと体をふるわせました。毛の中にいる小さな虫たちが、飛び出して助かるようにです。それから言いました。「どうぞ、ぼくを食べてください」 そして、うれしい気持ちで、火の中に飛びこみました。

ところが、火は熱くありませんでした。雪のようにひんやりしていました。ウサギの体の毛は、一本も燃えませんでした。

ウサギはおどろいて見上げました。「どうしてこの火はこんなに冷たいのですか」と、ウサギはたずねました。

おじいさんはいなくなっていました。そのかわりに、光に輝くサッカの神さまが立っていました。「かしこいウサギよ」と、神さまはやさしく言いました。「わたしは旅人ではない。おまえをためしに来たのだ。おまえの心は本当によい。おまえのやさしさを、みんなにいつまでも覚えていてほしい」

サッカは山を手に取って、果物のようにぎゅっとしぼりました。その汁で、月の表面にウサギの形をかきました。

それから、神さまはウサギをそっと草のベッドの上におろして、天へ帰っていきました。四匹の仲よしは、それからずっと幸せに一緒に暮らしました。

ですから今でも、満月の夜に空を見上げてごらんなさい。夜空に輝くウサギの形が、今もそこに見えますよ。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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The greatest gift is to give with your whole heart.

いちばん大きな贈り物は、心のすべてをこめて与えることだ。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the hare have to give the old man?

Q2. What did the hare do when the fire was ready?

Q3. Why can we see a hare in the moon?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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