Newton's Apple Was Not Luck(ニュートンのリンゴは偶然ではない)の挿絵

Newton's Apple Was Not Luck

ニュートンのリンゴは偶然ではない

  • 📖 580 words
  • ⏱ 約5分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ落ちるリンゴを見て万有引力をひらめいた――有名なこの話は、本当に「たまたま」だったのでしょうか。ガリレオの揺れるランプの話とともに、発見の裏側を見てみましょう。

サミュエル・スマイルズ『自助論』(Self-Help, 1859年)第4章・第5章をもとに

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • gravity重力、引力
  • discoveries発見
  • spark火花、きっかけ
  • cathedral大聖堂
  • pendulum振り子
  • genius天才
  • patience忍耐、根気
  • firewoodたきぎ

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Everyone knows the story of Isaac Newton and the apple. According to the story, Newton was sitting in a garden one day when an apple fell from a tree. Suddenly the idea of gravity, the force that pulls things toward the earth, came to him. It sounds like a lucky moment. Was the apple really the reason for his great discovery?

アイザック・ニュートンとリンゴの話は、誰でも知っています。ある日、ニュートンが庭に座っていると、木からリンゴが落ちてきました。その瞬間、重力という考え、つまり物を地球のほうへ引っぱる力があるという考えがひらめいた、というお話です。いかにも運のいい瞬間に聞こえます。けれども、偉大な発見のきっかけは本当にリンゴだったのでしょうか。

Samuel Smiles, in Self-Help, says no. Many people use the apple to show that great discoveries come by accident. But Smiles points out that before that day, Newton spent years thinking hard and patiently about the problem of gravity. His whole mind was full of it. The falling apple did not give him the answer. It was only the spark that lit a fire. He prepared that fire for a long time.

サミュエル・スマイルズは『自助論』の中で、そうではないと言っています。偉大な発見は偶然から生まれる。その例として、多くの人がこのリンゴの話を持ち出します。けれどもスマイルズによれば、ニュートンはその日までに何年も、重力の問題を根気よく考えぬいていました。頭の中は、そのことでいっぱいだったのです。落ちてきたリンゴが答えをくれたわけではありません。リンゴは、火をつける火花にすぎませんでした。燃やす薪のほうは、ニュートンが長い時間をかけて積み上げていたのです。

Smiles believed that there are very few true accidents in discovery. So-called lucky accidents are usually chances that only a prepared mind can use. Millions of people had seen apples fall. Only Newton, after years of thought, understood what it meant.

発見に本当の偶然などほとんどない、とスマイルズは考えていました。幸運な偶然と呼ばれるものも、たいていは、準備のできた心だけが生かせるチャンスなのです。リンゴが落ちるのを見た人は、何百万人もいました。けれども、それが何を意味するのかが分かったのは、何年も考え続けたニュートンただ一人だったのです。

Smiles gives another example, from a famous old story. In the cathedral of Pisa, in Italy, a worker filled a lamp hanging from the ceiling with oil, and left it swinging back and forth. Many people saw swinging lamps every day. But a young student named Galileo, about eighteen years old, watched it carefully. He noticed that it seemed to swing with a steady beat, and he began to think it could be used to measure time.

スマイルズは、有名な昔話からもう一つ例を挙げています。イタリアのピサの大聖堂で、一人の作業員が、天井からつり下がったランプに油をさし、ゆれるにまかせて立ち去りました。ゆれるランプなど、毎日誰もが見ていました。けれども、十八歳ほどの若い学生ガリレオは、それをじっと見つめました。ランプはいつも同じ調子でゆれているようだ。そう気づいたガリレオは、これを使えば時間を測れるのではないかと考えはじめたのです。

That was the beginning. But Smiles adds an important point: more than fifty years of study and work passed before Galileo, as an old man, designed a clock that used a pendulum. The moment of noticing was quick. The work after it was long.

それが始まりでした。けれども、スマイルズは大事なことを付け加えています。年老いたガリレオが振り子を使った時計を考え出すまでには、それから五十年以上も研究と努力が続いたのです。気づいたのは一瞬でした。けれども、そのあとの仕事は長かったのです。

How did Newton himself explain his discoveries? When someone asked him, he answered simply that he got them by always thinking about them. Another time, he described his method like this. He kept the subject always in front of him, and he waited until the first light of dawn slowly opened, little by little, into full and clear daylight.

では、ニュートン自身は、自分の発見をどう説明していたのでしょうか。人に尋ねられたとき、ニュートンは「いつもそのことを考えていたからです」とあっさり答えました。また別のときには、自分のやり方をこう語っています。「問題をいつも目の前に置いておく。そして、夜明けのかすかな光が少しずつ広がって、明るくはっきりした真昼の光になるまで待つのです」

Newton was one of the greatest minds in history. Yet he did not say that he was a genius. He told a friend that any service he did for the world came from nothing but hard work and patient thought. A French scientist named Buffon went even further. He said that genius is patience.

ニュートンは、歴史上でもとびぬけてすぐれた頭脳の持ち主でした。それでも、自分は天才だなどとは言いませんでした。もし自分が世の中の役に立つことを何かしたとすれば、それはひとえに、こつこつ働き、根気よく考えたおかげだ、と友人に語っています。フランスの科学者ビュフォンは、さらに一歩進んで、「天才とは忍耐である」と言いました。

There is an old Russian saying that Smiles liked. It describes a person who does not pay attention: "He goes through the forest and sees no firewood." The forest is full of wood, but he does not notice it. In the same way, our lives are full of interesting things to learn, but we only see them if we pay attention and keep thinking.

スマイルズが好んだロシアの古いことわざがあります。ぼんやりして何も目に入らない人のことを、こう言うのです。「森を歩いて、薪を見ず」。森は木であふれているのに、その人は気づかないのです。私たちの暮らしも、学べるおもしろいことであふれています。けれども、それが見えるのは、よく注意して、考え続けているときだけなのです。

This is good news for all of us. Not everyone is born a Newton. But anyone can practice patience. Anyone can keep a question in mind for a long time and look at the world carefully. That is how many great discoveries began.

これは、私たちみんなにとってうれしい知らせです。誰もがニュートンのような才能を持って生まれるわけではありません。けれども、忍耐を練習することなら誰にでもできます。一つの問いを長い間胸に抱き続け、周りの世界をよく見ることなら、誰にでもできるのです。偉大な発見の多くは、そうやって始まったのです。

Try this today. Choose one question that you really want to answer. It can be about science, English, sports, or anything. Write it on a piece of paper and keep it with you for a week. Think about it on the bus, in the bath, and before you sleep. Like Newton, keep the subject in front of you, and wait for the light to come.

今日、試してみましょう。本当に答えを知りたい問いを、一つ選んでください。理科のことでも、英語のことでも、スポーツのことでも、何でもかまいません。それを紙に書いて、一週間持ち歩きましょう。バスの中でも、お風呂でも、寝る前にも、そのことを考えてみてください。ニュートンのように、問題をいつも目の前に置いて、光がさしてくるのを待つのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

アイザック・ニュートンとリンゴの話は、誰でも知っています。ある日、ニュートンが庭に座っていると、木からリンゴが落ちてきました。その瞬間、重力という考え、つまり物を地球のほうへ引っぱる力があるという考えがひらめいた、というお話です。いかにも運のいい瞬間に聞こえます。けれども、偉大な発見のきっかけは本当にリンゴだったのでしょうか。

サミュエル・スマイルズは『自助論』の中で、そうではないと言っています。偉大な発見は偶然から生まれる。その例として、多くの人がこのリンゴの話を持ち出します。けれどもスマイルズによれば、ニュートンはその日までに何年も、重力の問題を根気よく考えぬいていました。頭の中は、そのことでいっぱいだったのです。落ちてきたリンゴが答えをくれたわけではありません。リンゴは、火をつける火花にすぎませんでした。燃やす薪のほうは、ニュートンが長い時間をかけて積み上げていたのです。

発見に本当の偶然などほとんどない、とスマイルズは考えていました。幸運な偶然と呼ばれるものも、たいていは、準備のできた心だけが生かせるチャンスなのです。リンゴが落ちるのを見た人は、何百万人もいました。けれども、それが何を意味するのかが分かったのは、何年も考え続けたニュートンただ一人だったのです。

スマイルズは、有名な昔話からもう一つ例を挙げています。イタリアのピサの大聖堂で、一人の作業員が、天井からつり下がったランプに油をさし、ゆれるにまかせて立ち去りました。ゆれるランプなど、毎日誰もが見ていました。けれども、十八歳ほどの若い学生ガリレオは、それをじっと見つめました。ランプはいつも同じ調子でゆれているようだ。そう気づいたガリレオは、これを使えば時間を測れるのではないかと考えはじめたのです。

それが始まりでした。けれども、スマイルズは大事なことを付け加えています。年老いたガリレオが振り子を使った時計を考え出すまでには、それから五十年以上も研究と努力が続いたのです。気づいたのは一瞬でした。けれども、そのあとの仕事は長かったのです。

では、ニュートン自身は、自分の発見をどう説明していたのでしょうか。人に尋ねられたとき、ニュートンは「いつもそのことを考えていたからです」とあっさり答えました。また別のときには、自分のやり方をこう語っています。「問題をいつも目の前に置いておく。そして、夜明けのかすかな光が少しずつ広がって、明るくはっきりした真昼の光になるまで待つのです」

ニュートンは、歴史上でもとびぬけてすぐれた頭脳の持ち主でした。それでも、自分は天才だなどとは言いませんでした。もし自分が世の中の役に立つことを何かしたとすれば、それはひとえに、こつこつ働き、根気よく考えたおかげだ、と友人に語っています。フランスの科学者ビュフォンは、さらに一歩進んで、「天才とは忍耐である」と言いました。

スマイルズが好んだロシアの古いことわざがあります。ぼんやりして何も目に入らない人のことを、こう言うのです。「森を歩いて、薪を見ず」。森は木であふれているのに、その人は気づかないのです。私たちの暮らしも、学べるおもしろいことであふれています。けれども、それが見えるのは、よく注意して、考え続けているときだけなのです。

これは、私たちみんなにとってうれしい知らせです。誰もがニュートンのような才能を持って生まれるわけではありません。けれども、忍耐を練習することなら誰にでもできます。一つの問いを長い間胸に抱き続け、周りの世界をよく見ることなら、誰にでもできるのです。偉大な発見の多くは、そうやって始まったのです。

今日、試してみましょう。本当に答えを知りたい問いを、一つ選んでください。理科のことでも、英語のことでも、スポーツのことでも、何でもかまいません。それを紙に書いて、一週間持ち歩きましょう。バスの中でも、お風呂でも、寝る前にも、そのことを考えてみてください。ニュートンのように、問題をいつも目の前に置いて、光がさしてくるのを待つのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Lucky accidents come to minds that have been thinking patiently.

幸運な偶然は、辛抱強く考え続けた心にやってくる。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What does Smiles say about Newton's apple?

Q2. How old was Galileo when he watched the lamp?

Q3. What did Buffon say genius is?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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