Hachiko: The Dog Who Waited(忠犬ハチ公の本当の話)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateノンフィクション

Hachiko: The Dog Who Waited

忠犬ハチ公の本当の話

  • 📖 727 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 4:02
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ渋谷駅前で待ち合わせの目印になっている忠犬ハチ公の像。その裏には、大好きな飼い主を毎日駅で待ち続けた一匹の秋田犬の実話がありました。

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キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • bronze青銅(ブロンズ)
  • statue像
  • agriculture農学
  • gardener庭師
  • faithful忠実な
  • master主人・飼い主
  • loyalty忠誠心
  • ceremony式典
  • monument記念碑
  • preserved保存された
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Every day, thousands of people meet their friends in front of Shibuya Station in Tokyo. Many of them say the same thing: "Let's meet at Hachiko." Hachiko is a bronze statue of a dog. He sits quietly and looks toward the station, as if he is waiting for someone. In a way, he is. And his story is true.

東京の渋谷駅前では、毎日何千人もの人が待ち合わせをしています。その多くが、同じ言葉を口にします。「ハチ公前で会おう」。ハチ公は、犬の銅像です。静かにすわって駅のほうを見つめ、まるでだれかを待っているようです。ある意味では、本当に待っているのです。そして、その物語は実話です。

Hachi was born in November 1923 in Odate, a town in Akita Prefecture. He was a white Akita puppy. In January 1924, he was sent by train to Tokyo. His new owner was Hidesaburo Ueno, a professor of agriculture at Tokyo Imperial University, the school that is now the University of Tokyo. Professor Ueno loved dogs very much.

ハチは1923年11月、秋田県の大館という町で生まれた、白い秋田犬の子犬でした。1924年1月、ハチは汽車で東京へ送られます。新しい飼い主は上野英三郎。東京帝国大学(今の東京大学)で農学を教える教授でした。上野教授は、大の犬好きでした。

Ueno lived in Shibuya, not far from the station. Hachi grew into a big, strong dog, and the two became close friends. In the morning, Hachi often walked with the professor to the station. In the evening, he went back to meet him when he came home. People who lived near the station got used to seeing the professor and his dog together.

上野教授は、渋谷駅からそれほど遠くないところに住んでいました。ハチは大きくたくましい犬に育ち、教授とは大の仲よしになりました。朝になると、ハチはよく教授と一緒に駅まで歩いていきました。夕方には、帰ってくる教授を迎えに、また駅へ出かけました。駅の近くの人たちにとって、教授とハチが連れ立って歩く姿は見慣れた光景になっていきました。

Then, on May 21, 1925, something terrible happened. Professor Ueno suddenly became ill while he was working at the university, and he died that same day. He was only 53 years old. Hachi had lived with him for less than a year and a half.

ところが、1925年5月21日、悲しいできごとが起こります。上野教授が大学で仕事をしている最中に突然倒れ、その日のうちに亡くなったのです。まだ53歳でした。ハチが教授と暮らしたのは、1年半にも満たないあいだでした。

That evening, Hachi went to the station as usual. He waited, but the professor did not come. The next day, he went again. And the day after that. Hachi could not understand that his friend would never come back.

その日の夕方も、ハチはいつものように駅へ行きました。待っても待っても、教授は来ません。次の日も、ハチは駅へ行きました。その次の日も。大好きな友がもう二度と帰ってこないことが、ハチには分からなかったのです。

After Ueno's death, Hachi lived with several different people. For a long time, he was cared for by Kikuzaburo Kobayashi, a gardener who had worked for the Ueno family. But wherever he lived, Hachi kept going to Shibuya Station. He usually arrived in the evening, around the time when trains brought people home from work. He sat and watched the faces of the people who came out. Then, late at night, he walked away alone.

教授が亡くなったあと、ハチは何人かの家を転々としました。長いあいだ世話をしたのは、上野家に出入りしていた植木職人の小林菊三郎です。けれども、どこで暮らしていても、ハチは渋谷駅に通いつづけました。やって来るのはたいてい夕方、仕事帰りの人たちを乗せた電車が着くころです。ハチはすわりこんで、改札から出てくる人たちの顔をじっと見つめました。そして夜がふけると、ひとりで帰っていくのでした。

Not everyone was kind to him. Some station workers chased him away, and some children played roughly with him. A big dog with no owner was not always welcome. But other people began to feel sorry for him. Some shop owners and workers near the station gave him food.

だれもがハチにやさしかったわけではありません。ハチを追いはらう駅員もいれば、乱暴にからかう子どもたちもいました。飼い主のいない大きな犬は、いつも歓迎されるとはかぎらなかったのです。それでも、ハチをかわいそうに思う人たちも出てきました。駅の近くの店の主人や、そこで働く人たちの中には、ハチに食べ物を分けてやる人もいました。

In 1932, a man who studied Japanese dogs wrote about Hachi, and a big newspaper printed the story. Suddenly, people all over Japan knew about the faithful dog who waited every day for his master. Visitors came to see him. People sent money and food. Teachers told his story to children as an example of loyalty.

1932年、日本犬を研究していた人がハチのことを文章に書き、大きな新聞がそれを記事にしました。たちまち、毎日主人を待ちつづける忠実な犬の話は、日本中に知れわたりました。ハチを一目見ようと、人々がやって来ました。お金や食べ物を送る人もいました。学校の先生たちは、忠義の手本として、子どもたちにハチの話を聞かせました。

In April 1934, a bronze statue of Hachi was put up in front of Shibuya Station. Amazingly, Hachi himself was at the ceremony. He was old by then, and one of his ears no longer stood up. But he was still there, still waiting.

1934年4月、渋谷駅前にハチの銅像が建てられました。驚いたことに、その除幕式にはハチ本人も出ていました。ハチはもう年をとり、片方の耳はたれてしまっていました。それでもハチはそこにいて、まだ待ちつづけていたのです。

Hachi died near the station on March 8, 1935. He was eleven years old. He had gone to the station for almost ten years. Many people came to say goodbye to him, and newspapers reported his death. Today, a small monument for him stands next to Professor Ueno's grave in Aoyama Cemetery in Tokyo, so the two friends are together again.

1935年3月8日、ハチは駅の近くで死にました。11歳でした。10年近くも駅に通いつづけたことになります。たくさんの人がお別れに訪れ、新聞もハチの死を伝えました。今、東京の青山霊園では、上野教授の墓のとなりにハチの小さな碑が立っています。二人の友は、こうしてまた一緒になれたのです。

The first statue did not last long. During World War II, Japan needed metal, and the statue was melted down. In 1948, after the war, a new statue was made by the son of the first artist. That is the statue people see in Shibuya today. Hachi's body was also preserved, and you can still see him at the National Museum of Nature and Science, which is in Ueno Park in Tokyo.

最初の銅像は、長くは残りませんでした。第二次世界大戦中、金属が足りなくなった日本で、とかされてしまったのです。戦後の1948年、最初の銅像を作った彫刻家の息子が、新しい銅像を作りました。今、渋谷で見られるのがその銅像です。ハチの体も剥製として保存されていて、東京の上野公園にある国立科学博物館で今も見ることができます。

Hachi's story has traveled far beyond Japan. It has been told in many books and movies, including a Hollywood film. In 2015, the University of Tokyo put up a new statue on its campus. It shows Hachi jumping up happily to greet Professor Ueno. After all those years of waiting, the dog finally meets his friend again.

ハチの物語は、日本をはるかにこえて広まりました。ハリウッド映画をはじめ、たくさんの本や映画になっています。2015年には、東京大学がキャンパスに新しい銅像を建てました。ハチがうれしそうに飛びついて、上野教授を出迎えている姿です。長い長い年月を待ちつづけて、ハチはやっと友に会えたのです。

Why do people still love this story? Perhaps it is because Hachi's love was so simple. He did not need words or reasons. He just waited, day after day, for someone he loved. The next time you are in Shibuya, stop for a moment and say hello to him.

なぜ人々は、今もこの話を愛しているのでしょうか。それはきっと、ハチの愛があまりにもまっすぐだったからでしょう。ハチには言葉も理由もいりませんでした。ただ、愛する人を来る日も来る日も待ちつづけたのです。今度渋谷に行ったら、少し足を止めて、ハチにあいさつしてみてください。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

東京の渋谷駅前では、毎日何千人もの人が待ち合わせをしています。その多くが、同じ言葉を口にします。「ハチ公前で会おう」。ハチ公は、犬の銅像です。静かにすわって駅のほうを見つめ、まるでだれかを待っているようです。ある意味では、本当に待っているのです。そして、その物語は実話です。

ハチは1923年11月、秋田県の大館という町で生まれた、白い秋田犬の子犬でした。1924年1月、ハチは汽車で東京へ送られます。新しい飼い主は上野英三郎。東京帝国大学(今の東京大学)で農学を教える教授でした。上野教授は、大の犬好きでした。

上野教授は、渋谷駅からそれほど遠くないところに住んでいました。ハチは大きくたくましい犬に育ち、教授とは大の仲よしになりました。朝になると、ハチはよく教授と一緒に駅まで歩いていきました。夕方には、帰ってくる教授を迎えに、また駅へ出かけました。駅の近くの人たちにとって、教授とハチが連れ立って歩く姿は見慣れた光景になっていきました。

ところが、1925年5月21日、悲しいできごとが起こります。上野教授が大学で仕事をしている最中に突然倒れ、その日のうちに亡くなったのです。まだ53歳でした。ハチが教授と暮らしたのは、1年半にも満たないあいだでした。

その日の夕方も、ハチはいつものように駅へ行きました。待っても待っても、教授は来ません。次の日も、ハチは駅へ行きました。その次の日も。大好きな友がもう二度と帰ってこないことが、ハチには分からなかったのです。

教授が亡くなったあと、ハチは何人かの家を転々としました。長いあいだ世話をしたのは、上野家に出入りしていた植木職人の小林菊三郎です。けれども、どこで暮らしていても、ハチは渋谷駅に通いつづけました。やって来るのはたいてい夕方、仕事帰りの人たちを乗せた電車が着くころです。ハチはすわりこんで、改札から出てくる人たちの顔をじっと見つめました。そして夜がふけると、ひとりで帰っていくのでした。

だれもがハチにやさしかったわけではありません。ハチを追いはらう駅員もいれば、乱暴にからかう子どもたちもいました。飼い主のいない大きな犬は、いつも歓迎されるとはかぎらなかったのです。それでも、ハチをかわいそうに思う人たちも出てきました。駅の近くの店の主人や、そこで働く人たちの中には、ハチに食べ物を分けてやる人もいました。

1932年、日本犬を研究していた人がハチのことを文章に書き、大きな新聞がそれを記事にしました。たちまち、毎日主人を待ちつづける忠実な犬の話は、日本中に知れわたりました。ハチを一目見ようと、人々がやって来ました。お金や食べ物を送る人もいました。学校の先生たちは、忠義の手本として、子どもたちにハチの話を聞かせました。

1934年4月、渋谷駅前にハチの銅像が建てられました。驚いたことに、その除幕式にはハチ本人も出ていました。ハチはもう年をとり、片方の耳はたれてしまっていました。それでもハチはそこにいて、まだ待ちつづけていたのです。

1935年3月8日、ハチは駅の近くで死にました。11歳でした。10年近くも駅に通いつづけたことになります。たくさんの人がお別れに訪れ、新聞もハチの死を伝えました。今、東京の青山霊園では、上野教授の墓のとなりにハチの小さな碑が立っています。二人の友は、こうしてまた一緒になれたのです。

最初の銅像は、長くは残りませんでした。第二次世界大戦中、金属が足りなくなった日本で、とかされてしまったのです。戦後の1948年、最初の銅像を作った彫刻家の息子が、新しい銅像を作りました。今、渋谷で見られるのがその銅像です。ハチの体も剥製として保存されていて、東京の上野公園にある国立科学博物館で今も見ることができます。

ハチの物語は、日本をはるかにこえて広まりました。ハリウッド映画をはじめ、たくさんの本や映画になっています。2015年には、東京大学がキャンパスに新しい銅像を建てました。ハチがうれしそうに飛びついて、上野教授を出迎えている姿です。長い長い年月を待ちつづけて、ハチはやっと友に会えたのです。

なぜ人々は、今もこの話を愛しているのでしょうか。それはきっと、ハチの愛があまりにもまっすぐだったからでしょう。ハチには言葉も理由もいりませんでした。ただ、愛する人を来る日も来る日も待ちつづけたのです。今度渋谷に行ったら、少し足を止めて、ハチにあいさつしてみてください。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Where was Hachi born?

Q2. What happened to the first statue during World War II?

Q3. What does the 2015 statue at the University of Tokyo show?

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