It Is Warm: Helen Learns to Speak(「It is warm」――はじめて声で話したことば)の挿絵

It Is Warm: Helen Learns to Speak

「It is warm」――はじめて声で話したことば

  • 📖 579 words
  • ⏱ 約5分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ指文字で話せるようになったヘレン。でも彼女は、もっと先を目指しました。目も耳も不自由な少女が「声で話す」ことに挑んだ記録です。

ヘレン・ケラー(1880〜1968年)の生涯の事実をもとにした多読ベストのオリジナル読み物(自伝の文章は使っていません)

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • communicate意思を伝え合う
  • deaf耳が聞こえない
  • satisfied満足した
  • tongue舌
  • rough(声が)かすれた、あらい
  • throatのど
  • discouragedがっかりした、くじけそうな
  • corrected直した、訂正した

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

By the age of ten, Helen Keller could already communicate with the people around her. Her teacher, Anne Sullivan, spelled words into her hand with her fingers, and Helen spelled back. She could also read books printed with raised letters. For a deaf and blind child in the 1880s, this was already amazing. But Helen was not satisfied.

10歳になるころには、ヘレン・ケラーはもう、まわりの人と気持ちを伝え合えるようになっていました。先生のアン・サリバンが指でヘレンの手に言葉をつづり、ヘレンも指でつづって返すのです。浮き出し文字で印刷された本も読めました。1880年代に、目も耳も不自由な子どもがここまでできるのは、それだけでも驚くべきことでした。それでも、ヘレンは満足していませんでした。

She knew that the people around her talked with their mouths. Spelling with fingers felt slow to her, and it limited what she could do. She often moved her lips and made sounds, even though she could not hear them. Not everyone liked this. Some people worried that speaking was too hard a goal for her and that she would get hurt. But Helen did not give up.

ヘレンは、まわりの人たちが口で話していることを知っていました。指でつづるのはもどかしいほど遅く、できることも限られてしまいます。自分では聞こえないのに、ヘレンはよくくちびるを動かして声を出していました。それをよく思わない人もいました。話すことはヘレンには難しすぎる目標で、傷つくだけではないか、と心配する人もいたのです。けれども、ヘレンはあきらめませんでした。

Then, in 1890, a visitor told her a story. In Norway, there was a girl named Ragnhild Kaata who was also deaf and blind, and she had learned to speak. Helen was filled with excitement when she heard this. Right away, she made up her mind: she would learn to speak, too.

そして1890年、ある訪問者がヘレンに一つの話をしてくれました。ノルウェーに、ラグンヒル・カータという少女がいる。その子もやはり目と耳が不自由だが、話せるようになった、というのです。これを聞いて、ヘレンは胸が高鳴りました。そしてその場で、自分も話せるようになろうと心に決めたのです。

Her teacher took her to Sarah Fuller, the head of a school for deaf children in Boston. Miss Fuller offered to teach Helen herself. Their lessons began on the twenty-sixth of March, 1890.

サリバン先生は、ヘレンをボストンの聾学校の校長、サラ・フラーのもとへ連れていきました。フラー先生は、自分がヘレンを教えましょうと申し出てくれました。授業は1890年3月26日に始まりました。

How can someone who cannot hear learn to speak? Miss Fuller let Helen touch her face while she talked. Through her fingers, Helen could feel how the tongue and lips moved for each sound. Then she tried to make the same movements herself. In just one hour, she could say six sounds: M, P, A, S, T and I. Altogether, she had eleven lessons with Miss Fuller.

耳の聞こえない人が、どうやって話せるようになるのでしょうか。フラー先生は、自分が話しているあいだ、ヘレンに顔をさわらせました。ヘレンは指を通して、一つ一つの音を出すときに舌やくちびるがどう動くかを感じとれました。それから、同じ動きを自分でもまねてみたのです。たった一時間で、M、P、A、S、T、I の六つの音が言えるようになりました。フラー先生との授業は、全部で11回でした。

During those lessons, Helen said her first full sentence aloud: "It is warm." Her voice was rough, and the words were not clear. Still, it was a real sentence, and she had made it with her own mouth. For Helen, it felt like a new door had opened.

その授業のなかで、ヘレンは初めて、まとまった一つの文を声に出して言いました。「It is warm(あたたかい)」。声はかすれ、言葉もはっきりしませんでした。それでも、それは本物の文で、ヘレンが自分の口で言えたものでした。ヘレンには、新しい扉が開いたように感じられました。

But one sentence was not enough. In the beginning, only her teachers could follow what she said. To strangers, her speech sounded like a string of strange noises.

けれども、一つの文だけでは足りません。最初のうち、ヘレンの言うことがわかるのは先生たちだけでした。知らない人には、ヘレンの話す言葉は、おかしな音がつながっているようにしか聞こえませんでした。

So Helen kept going, month after month. She rested her fingers on Miss Sullivan's lips and throat and copied what she felt. She said the same words again and again, sometimes for hours, until they sounded a little more natural. There was no shortcut. The only way forward was to keep repeating.

そこでヘレンは、来る月も来る月も練習を続けました。サリバン先生のくちびるとのどに指を当て、感じたとおりにまねをしました。同じ言葉を何度も何度も、ときには何時間もくり返し、少しでも自然に聞こえるようにしました。近道はありません。前に進むには、くり返し続けるしかなかったのです。

There were days when she felt tired and discouraged. On those days, she thought about going home. She wanted to talk to her family with her own voice, and most of all to her little sister, Mildred. That hope gave her the strength to try one more time.

疲れて、くじけそうになる日もありました。そんな日には、家に帰ることを考えました。自分の声で家族と話したい。とくに、妹のミルドレッドと話したい。その願いが、もう一度やってみる力をくれたのです。

Helen also gave much of the credit to Anne Sullivan. For many years, her teacher listened to her every day and gently corrected the words she said wrongly. Learning to speak was not a race that Helen ran alone. It was teamwork.

ヘレンは、アン・サリバン先生のおかげが大きかったとも語っています。何年ものあいだ、先生は毎日ヘレンの話を聞き、間違って言った言葉をやさしく直してくれました。話せるようになるのは、ヘレンがひとりで走る競走ではありませんでした。二人のチームワークだったのです。

Helen Keller went on to give speeches in many countries. Her voice was never perfect, but people listened, because what she said mattered.

ヘレン・ケラーはその後、多くの国で講演をしました。その声は最後まで完ぺきではありませんでしたが、人々は耳をかたむけました。話の中身が大切なものだったからです。

Try this today. Helen learned by feeling how sounds are made. Choose one English sound that is hard for you, such as R, L or TH. Look in a mirror, watch your mouth and tongue, and put your fingers on your throat as you say it. Practice it ten times today. Like Helen, take one small step, and then another.

今日、やってみましょう。ヘレンは、音がどうやって作られるかを感じとって学びました。R、L、TH など、自分にとって難しい英語の音を一つ選びます。鏡を見て口と舌の動きを観察し、その音を出しながら、のどに指を当ててみましょう。今日、それを10回練習してみましょう。ヘレンのように、一歩、また一歩と進んでいきましょう。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

10歳になるころには、ヘレン・ケラーはもう、まわりの人と気持ちを伝え合えるようになっていました。先生のアン・サリバンが指でヘレンの手に言葉をつづり、ヘレンも指でつづって返すのです。浮き出し文字で印刷された本も読めました。1880年代に、目も耳も不自由な子どもがここまでできるのは、それだけでも驚くべきことでした。それでも、ヘレンは満足していませんでした。

ヘレンは、まわりの人たちが口で話していることを知っていました。指でつづるのはもどかしいほど遅く、できることも限られてしまいます。自分では聞こえないのに、ヘレンはよくくちびるを動かして声を出していました。それをよく思わない人もいました。話すことはヘレンには難しすぎる目標で、傷つくだけではないか、と心配する人もいたのです。けれども、ヘレンはあきらめませんでした。

そして1890年、ある訪問者がヘレンに一つの話をしてくれました。ノルウェーに、ラグンヒル・カータという少女がいる。その子もやはり目と耳が不自由だが、話せるようになった、というのです。これを聞いて、ヘレンは胸が高鳴りました。そしてその場で、自分も話せるようになろうと心に決めたのです。

サリバン先生は、ヘレンをボストンの聾学校の校長、サラ・フラーのもとへ連れていきました。フラー先生は、自分がヘレンを教えましょうと申し出てくれました。授業は1890年3月26日に始まりました。

耳の聞こえない人が、どうやって話せるようになるのでしょうか。フラー先生は、自分が話しているあいだ、ヘレンに顔をさわらせました。ヘレンは指を通して、一つ一つの音を出すときに舌やくちびるがどう動くかを感じとれました。それから、同じ動きを自分でもまねてみたのです。たった一時間で、M、P、A、S、T、I の六つの音が言えるようになりました。フラー先生との授業は、全部で11回でした。

その授業のなかで、ヘレンは初めて、まとまった一つの文を声に出して言いました。「It is warm(あたたかい)」。声はかすれ、言葉もはっきりしませんでした。それでも、それは本物の文で、ヘレンが自分の口で言えたものでした。ヘレンには、新しい扉が開いたように感じられました。

けれども、一つの文だけでは足りません。最初のうち、ヘレンの言うことがわかるのは先生たちだけでした。知らない人には、ヘレンの話す言葉は、おかしな音がつながっているようにしか聞こえませんでした。

そこでヘレンは、来る月も来る月も練習を続けました。サリバン先生のくちびるとのどに指を当て、感じたとおりにまねをしました。同じ言葉を何度も何度も、ときには何時間もくり返し、少しでも自然に聞こえるようにしました。近道はありません。前に進むには、くり返し続けるしかなかったのです。

疲れて、くじけそうになる日もありました。そんな日には、家に帰ることを考えました。自分の声で家族と話したい。とくに、妹のミルドレッドと話したい。その願いが、もう一度やってみる力をくれたのです。

ヘレンは、アン・サリバン先生のおかげが大きかったとも語っています。何年ものあいだ、先生は毎日ヘレンの話を聞き、間違って言った言葉をやさしく直してくれました。話せるようになるのは、ヘレンがひとりで走る競走ではありませんでした。二人のチームワークだったのです。

ヘレン・ケラーはその後、多くの国で講演をしました。その声は最後まで完ぺきではありませんでしたが、人々は耳をかたむけました。話の中身が大切なものだったからです。

今日、やってみましょう。ヘレンは、音がどうやって作られるかを感じとって学びました。R、L、TH など、自分にとって難しい英語の音を一つ選びます。鏡を見て口と舌の動きを観察し、その音を出しながら、のどに指を当ててみましょう。今日、それを10回練習してみましょう。ヘレンのように、一歩、また一歩と進んでいきましょう。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Step by step, try after try: even the hardest goal comes closer.

一歩ずつ、一回ずつ。どんなに難しい目標も、少しずつ近づいてくる。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What news made Helen decide to learn to speak?

Q2. How did Miss Fuller teach Helen the sounds?

Q3. What thought helped Helen when she felt tired?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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