The Master Mind: You Do Not Have to Climb Alone(「マスターマインド」 一人で登らなくていい)の挿絵

The Master Mind: You Do Not Have to Climb Alone

「マスターマインド」 一人で登らなくていい

  • 📖 896 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 4:58
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじヒルが特に大切にしたのが、同じ目的を持つ仲間が力を合わせる「マスターマインド」という考え方です。その使い方を紹介するとともに、ヒル自身の経歴について歴史家が投げかけている疑問にもふれます。

ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』(1937年)の考え方を紹介する多読ベストのオリジナル英文(原文は著作権保護中のため引用していません)

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • harmony調和、協調
  • purpose目的
  • expert専門家
  • invisible目に見えない
  • literal文字どおりの
  • motivatedやる気がある
  • feedback意見、感想
  • legend伝説
  • confirm確かめる、裏づける
  • setbackつまずき
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This is the last of four short readings that introduce, in our own words, the main ideas of Napoleon Hill's Think and Grow Rich, published in 1937. So far, we have looked at desire, faith, planning, and persistence. All of these ideas are about what happens inside one person. But Hill believed that no one becomes truly successful alone. His name for this idea was the "Master Mind."

これは、1937年に出たナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』の主な考えを、私たちの言葉で紹介する四つの短い読み物の、最後の一つです。ここまで、願望、信念、計画、粘り強さについて見てきました。どれも、一人の人の心の中で起きることについての考えです。けれどもヒルは、たった一人で本当に成功する人はいないと考えていました。そして、この考えを「マスターマインド」と名づけました。

By Master Mind, Hill meant a small group of people who work together in a spirit of harmony toward a definite purpose. The important words are "harmony" and "purpose." A group of friends who chat about everything is not a Master Mind. A group that meets to complain is not one either. A Master Mind is a team whose members respect each other, share a clear aim, and actively help each other get there.

ヒルの言うマスターマインドとは、はっきりした目的に向かって、心を合わせて協力する少人数のグループのことです。大事な言葉は、「心を合わせる」と「目的」です。何でもおしゃべりする仲よしグループは、マスターマインドではありません。愚痴を言い合うために集まるグループも、ちがいます。マスターマインドとは、メンバーがおたがいを尊重し、はっきりした目標を共有し、そこへたどり着けるよう進んで助け合うチームのことです。

Why is this so important? Hill pointed out that one person's knowledge, time, and energy are always limited. Nobody can be an expert in everything. Hill even argued that you do not need to know everything yourself, as long as you know where to find the knowledge you need, and who can help you. A business owner needs people who understand money, law, and marketing. A student needs teachers, classmates, and sometimes older students who have already taken the same exam.

それが、なぜそんなに大事なのでしょうか。ヒルは、一人の人の知識や時間や力には、いつもかぎりがあると指摘しました。何もかもの専門家になれる人はいません。ヒルは、必要な知識がどこにあるか、誰が助けてくれるかさえ分かっていれば、何もかも自分で知っている必要はない、とまで言っています。会社を経営する人には、お金や法律や販売のことが分かる人が必要です。学生には、先生やクラスメートが必要ですし、ときには同じ試験をもう受けた先輩も必要です。

Hill went further. He believed that when two or more minds work together in harmony, they create a kind of extra power, which he compared to an unseen third mind. Modern science does not support this idea in a literal way. But there is a more ordinary truth inside it. When people share ideas, one person's question can lead to another person's answer, and the group often sees things that no single member would see.

ヒルの考えは、さらに先へ進みます。二人以上の心が力を合わせると、一種の特別な力が生まれる、とヒルは信じていました。そして、それを目に見えない「第三の心」にたとえました。今の科学は、この考えを文字どおりには認めていません。けれども、そこにはもっと身近な真実がふくまれています。人が考えを出し合うと、ある人の質問から別の人の答えが生まれることがあります。そしてグループは、メンバーの誰か一人では気づかないことに気づくことがよくあるのです。

Let's imagine three adults who want to improve their English. Taro works at a hotel, Sara is a nurse, and Ken is a university student. They met in an online English class and decided to form a small study group. Every Sunday evening, they meet online for forty minutes. Each person reports what they read or listened to during the week, shares one useful expression, and sets a goal for the next week.

英語を上達させたい三人の大人を思い浮かべてみましょう。タロウはホテルで働いていて、サラは看護師、ケンは大学生です。三人はオンラインの英語クラスで知り合い、小さな勉強会を作ることにしました。毎週日曜の夜、三人はオンラインで四十分だけ集まります。一人ずつ、その週に読んだものや聞いたものを報告し、役に立つ表現を一つ紹介し、次の週の目標を決めるのです。

At first, it seemed like a small thing. But after a few months, all three noticed a big change. When Taro felt too busy to study, he remembered that he would have to report to the others on Sunday, so he read on the train. Sara found a website with easy news stories and shared it with the group. Ken, who is good at grammar, explained difficult points, and he found that teaching others made his own understanding deeper. Each of them was moving faster than they could have moved alone.

はじめは、たいしたことではないように思えました。ところが数か月たつと、三人とも大きな変化に気づきました。タロウは、忙しくて勉強なんかできないと思ったとき、日曜にはみんなに報告しなければならないことを思い出して、電車の中で本を読みました。サラは、やさしい英語のニュースがのっているウェブサイトを見つけて、みんなに教えました。文法が得意なケンは、難しいところを説明してあげるうちに、人に教えると自分の理解も深まることに気づきました。三人とも、一人のときよりずっと速く前に進んでいたのです。

This matches what many teachers know from experience. Studying with others can keep you motivated, and explaining something to someone else is often one of the best ways to learn it well yourself. A good group also gives you something very valuable: honest feedback from people who want you to succeed.

これは、多くの先生が経験から知っていることと同じです。人と一緒に勉強すると、やる気が続きやすくなります。そして、何かを人に説明するのは、自分がそれをしっかり身につけるためのいちばんいい方法の一つであることが多いのです。いいグループは、とても貴重なものも与えてくれます。あなたの成功を願っている人たちからの、正直な意見です。

If you want to build your own small Master Mind, a few simple rules can help. Keep the group small, perhaps two to five people. Choose people who are serious about their goals and who are kind. Meet regularly, even for a short time. And make the meeting about action: what did you do, what did you learn, and what will you do next?

自分でも小さなマスターマインドを作ってみたいなら、いくつかの簡単な決まりが役に立ちます。グループは小さく、二人から五人くらいにしましょう。目標に本気で取り組んでいて、思いやりのある人を選びましょう。短い時間でもいいので、決まった間隔で集まりましょう。そして、集まりでは行動の話をしましょう。何をしたか。何を学んだか。次に何をするか。

Before we finish, there is one more thing an honest reader should know. In his books and talks, Hill told a dramatic story about his own life. He said that in 1908, as a young magazine writer, he met the rich steel businessman Andrew Carnegie. According to Hill, Carnegie asked him to spend about twenty years studying successful people and to write down the rules of success. This story became a big part of the legend of the book.

話を終える前に、公平に読むために知っておいてほしいことが、もう一つあります。ヒルは本や講演で、自分の人生について劇的な話をしていました。1908年、若い雑誌記者だったヒルは、大金持ちの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに会った、というのです。ヒルによると、カーネギーは、二十年ほどかけて成功した人たちを研究し、成功の法則を書きまとめてほしいとヒルに頼みました。この話は、この本にまつわる伝説の大きな柱になりました。

However, historians and journalists who have looked for evidence of this meeting have not been able to confirm it. Carnegie's own papers and the major books about his life do not seem to mention Hill. Some of Hill's other claims about the famous people he knew, and about his own business life, have also been questioned. Hill died in 1970, and the full truth may never be known.

ところが、この出会いの証拠を探した歴史家やジャーナリストたちは、それを確かめることができませんでした。カーネギー自身が残した記録にも、カーネギーの生涯を書いた主な本にも、ヒルの名前は出てこないようです。ヒルが知り合いだったと語っている有名人のことや、ヒル自身の仕事についての話にも、疑問の声が上がっています。ヒルは1970年に亡くなっており、本当のところはこの先もすべては分からないままかもしれません。

Does this mean that the ideas in Think and Grow Rich are worthless? Not necessarily. Many of its practical ideas, such as setting clear goals, making plans, and keeping going after a setback, also appear in modern research and in the lives of many ordinary people. The wisest way to read a book like this is with an open but careful mind. Take the ideas that help you, test them in your own life, and do not believe a story only because it is told with confidence. Interestingly, this is also something a good Master Mind group can help you with, because friends can check your thinking.

では、『思考は現実化する』の考えには値打ちがない、ということになるのでしょうか。そうとはかぎりません。はっきりした目標を立てる、計画を作る、つまずいてもやり続ける、といった実際的な考えの多くは、今の研究や、多くのふつうの人の暮らしの中にも見られるものです。こうした本は、心を開きつつ、気をつけて読むのがいちばん賢いやり方です。役に立つ考えは取り入れて、自分の暮らしでためしてみる。そして、自信たっぷりに語られているからというだけで、話をうのみにしないことです。おもしろいことに、これもまた、いいマスターマインドのグループが手伝ってくれることの一つです。仲間が、あなたの考えを確かめてくれるからです。

Try this today. Think of one or two people who share a goal with you, such as passing the same exam or reading more English. Send them a short message and suggest meeting once a week for twenty minutes to share progress. Decide on one simple rule for the group, for example, "Everyone reports one thing they did and one thing they will do next."

今日、ためしてみましょう。同じ試験に受かりたい、もっと英語を読みたい、といった目標を一緒に持っている人を、一人か二人思い浮かべてください。その人たちに短いメッセージを送って、週に一回、二十分だけ、進み具合を報告し合わないかと誘ってみましょう。そして、グループの決まりを一つ決めましょう。たとえば、「全員が、やったことを一つと、次にやることを一つ報告する」といった決まりです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

これは、1937年に出たナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』の主な考えを、私たちの言葉で紹介する四つの短い読み物の、最後の一つです。ここまで、願望、信念、計画、粘り強さについて見てきました。どれも、一人の人の心の中で起きることについての考えです。けれどもヒルは、たった一人で本当に成功する人はいないと考えていました。そして、この考えを「マスターマインド」と名づけました。

ヒルの言うマスターマインドとは、はっきりした目的に向かって、心を合わせて協力する少人数のグループのことです。大事な言葉は、「心を合わせる」と「目的」です。何でもおしゃべりする仲よしグループは、マスターマインドではありません。愚痴を言い合うために集まるグループも、ちがいます。マスターマインドとは、メンバーがおたがいを尊重し、はっきりした目標を共有し、そこへたどり着けるよう進んで助け合うチームのことです。

それが、なぜそんなに大事なのでしょうか。ヒルは、一人の人の知識や時間や力には、いつもかぎりがあると指摘しました。何もかもの専門家になれる人はいません。ヒルは、必要な知識がどこにあるか、誰が助けてくれるかさえ分かっていれば、何もかも自分で知っている必要はない、とまで言っています。会社を経営する人には、お金や法律や販売のことが分かる人が必要です。学生には、先生やクラスメートが必要ですし、ときには同じ試験をもう受けた先輩も必要です。

ヒルの考えは、さらに先へ進みます。二人以上の心が力を合わせると、一種の特別な力が生まれる、とヒルは信じていました。そして、それを目に見えない「第三の心」にたとえました。今の科学は、この考えを文字どおりには認めていません。けれども、そこにはもっと身近な真実がふくまれています。人が考えを出し合うと、ある人の質問から別の人の答えが生まれることがあります。そしてグループは、メンバーの誰か一人では気づかないことに気づくことがよくあるのです。

英語を上達させたい三人の大人を思い浮かべてみましょう。タロウはホテルで働いていて、サラは看護師、ケンは大学生です。三人はオンラインの英語クラスで知り合い、小さな勉強会を作ることにしました。毎週日曜の夜、三人はオンラインで四十分だけ集まります。一人ずつ、その週に読んだものや聞いたものを報告し、役に立つ表現を一つ紹介し、次の週の目標を決めるのです。

はじめは、たいしたことではないように思えました。ところが数か月たつと、三人とも大きな変化に気づきました。タロウは、忙しくて勉強なんかできないと思ったとき、日曜にはみんなに報告しなければならないことを思い出して、電車の中で本を読みました。サラは、やさしい英語のニュースがのっているウェブサイトを見つけて、みんなに教えました。文法が得意なケンは、難しいところを説明してあげるうちに、人に教えると自分の理解も深まることに気づきました。三人とも、一人のときよりずっと速く前に進んでいたのです。

これは、多くの先生が経験から知っていることと同じです。人と一緒に勉強すると、やる気が続きやすくなります。そして、何かを人に説明するのは、自分がそれをしっかり身につけるためのいちばんいい方法の一つであることが多いのです。いいグループは、とても貴重なものも与えてくれます。あなたの成功を願っている人たちからの、正直な意見です。

自分でも小さなマスターマインドを作ってみたいなら、いくつかの簡単な決まりが役に立ちます。グループは小さく、二人から五人くらいにしましょう。目標に本気で取り組んでいて、思いやりのある人を選びましょう。短い時間でもいいので、決まった間隔で集まりましょう。そして、集まりでは行動の話をしましょう。何をしたか。何を学んだか。次に何をするか。

話を終える前に、公平に読むために知っておいてほしいことが、もう一つあります。ヒルは本や講演で、自分の人生について劇的な話をしていました。1908年、若い雑誌記者だったヒルは、大金持ちの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに会った、というのです。ヒルによると、カーネギーは、二十年ほどかけて成功した人たちを研究し、成功の法則を書きまとめてほしいとヒルに頼みました。この話は、この本にまつわる伝説の大きな柱になりました。

ところが、この出会いの証拠を探した歴史家やジャーナリストたちは、それを確かめることができませんでした。カーネギー自身が残した記録にも、カーネギーの生涯を書いた主な本にも、ヒルの名前は出てこないようです。ヒルが知り合いだったと語っている有名人のことや、ヒル自身の仕事についての話にも、疑問の声が上がっています。ヒルは1970年に亡くなっており、本当のところはこの先もすべては分からないままかもしれません。

では、『思考は現実化する』の考えには値打ちがない、ということになるのでしょうか。そうとはかぎりません。はっきりした目標を立てる、計画を作る、つまずいてもやり続ける、といった実際的な考えの多くは、今の研究や、多くのふつうの人の暮らしの中にも見られるものです。こうした本は、心を開きつつ、気をつけて読むのがいちばん賢いやり方です。役に立つ考えは取り入れて、自分の暮らしでためしてみる。そして、自信たっぷりに語られているからというだけで、話をうのみにしないことです。おもしろいことに、これもまた、いいマスターマインドのグループが手伝ってくれることの一つです。仲間が、あなたの考えを確かめてくれるからです。

今日、ためしてみましょう。同じ試験に受かりたい、もっと英語を読みたい、といった目標を一緒に持っている人を、一人か二人思い浮かべてください。その人たちに短いメッセージを送って、週に一回、二十分だけ、進み具合を報告し合わないかと誘ってみましょう。そして、グループの決まりを一つ決めましょう。たとえば、「全員が、やったことを一つと、次にやることを一つ報告する」といった決まりです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Working in harmony with others multiplies what one person can do.

仲間と心を合わせて取り組めば、一人の力を何倍にもできる。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Hill mean by a "Master Mind"?

Q2. What did Ken find when he explained grammar to the others?

Q3. What have historians said about Hill's story of meeting Andrew Carnegie?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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