Why Should We Learn?(人はなぜ学ぶのか)の挿絵

Why Should We Learn?

人はなぜ学ぶのか

  • 📖 519 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ「天は人の上に人を造らず」で始まる、明治の大ベストセラー。でも、この有名な一文のあとに、福沢諭吉は何を言いたかったのでしょうか。

福沢諭吉『学問のすゝめ』(1872〜1876年)初編・三編をもとに

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • encouragementすすめ、励まし
  • equal平等な
  • foolish愚かな
  • practical実用的な
  • accounts帳簿、お金の記録
  • abacusそろばん
  • selfishnessわがまま
  • independent独立した

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In 1872, Japan was changing very fast. The age of the samurai had just ended, and the country was opening up to the world. In that year, a teacher named Fukuzawa Yukichi published a short book called Gakumon no Susume. In English, the title means "An Encouragement of Learning." It became one of the best-selling books of its time.

1872年、日本は急速に変わりつつありました。武士の時代が終わったばかりで、国は世界に向かって開かれようとしていました。その年、福沢諭吉という教育者が、『学問のすゝめ』という短い本を出版しました。英語にすると「学ぶことのすすめ」という意味です。この本は、当時の大ベストセラーの一つになりました。

The book begins with very famous words. "Heaven does not make one person above another person, and does not make one person below another person," it is said. In other words, all people are born equal. No one is born to be a master, and no one is born to be a servant.

この本は、とても有名なことばで始まります。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言われている」。つまり、人はみな平等に生まれてくる、ということです。主人になるために生まれる人もいなければ、召し使いになるために生まれる人もいないのです。

Many Japanese people know this sentence. But many people forget what comes next. Fukuzawa asks a question. If all people are born equal, why is the world so different?

この一文を知っている日本人はたくさんいます。でも、そのあとに何が書かれているかは、忘れられがちです。福沢は一つの問いを投げかけます。人がみな平等に生まれるのなら、なぜ世の中にはこんなにちがいがあるのだろうか。

Look around, he says. There are wise people and foolish people. There are rich people and poor people. There are people with important jobs and people with very hard lives. Why?

まわりを見てごらんなさい、と福沢は言います。かしこい人もいれば、愚かな人もいる。お金持ちもいれば、貧しい人もいる。重要な仕事についている人もいれば、とても苦しい生活をしている人もいる。それはなぜなのか。

His answer is simple: learning. The difference between a wise person and a foolish person, he says, comes from whether they learn or not. Heaven does not give people their place in the world. People make it for themselves, by studying and working hard.

福沢の答えは単純です。学問です。かしこい人と愚かな人のちがいは、学ぶか学ばないかで生まれるのだ、と福沢は言います。世の中での立場は、天が与えるものではありません。人が自分で学び、懸命に働くことによって、つくっていくものなのです。

But what kind of learning did Fukuzawa mean? He did not mean only knowing difficult old words, or writing beautiful poems. He thought those things were pleasant and had some value, but they were not the most important. He wanted people to study useful, practical things for everyday life. This kind of learning is often called jitsugaku, or "real learning."

では、福沢の言う学問とは、どんなものだったのでしょうか。むずかしい古いことばを知っていることや、美しい詩歌を作ることだけを指していたのではありません。そうしたものも楽しく、それなりの値打ちはあるけれど、いちばん大切なものではない、と考えていたのです。福沢が人々に学んでほしかったのは、毎日の暮らしに役立つ、実際的なことでした。このような学問は、よく「実学」と呼ばれます。

What was real learning? First came reading and writing, including how to write letters. Then keeping accounts and using the abacus. After that, subjects like geography, science, history, economics, and how to live a good life. Fukuzawa believed that everyone should learn these things: farmers, shop owners, workers and samurai, all alike.

実学とは何だったのでしょうか。まずは読み書き、そして手紙の書き方です。次に、帳簿のつけ方やそろばんの使い方。そのあとに、地理学、物理学などの科学、歴史、経済学、そしてよく生きるための修身学といった科目が続きます。福沢は、農民も、商人も、職人も、武士も、みな同じようにこれらを学ぶべきだと考えていました。

Fukuzawa also wrote about freedom. Every person is free, he said, but freedom does not mean doing anything you like. The line between freedom and selfishness is whether you harm other people or not. Real freedom comes with responsibility.

福沢は自由についても書いています。人はだれでも自由だ。しかし自由とは、好き勝手に何でもすることではない、と福沢は言いました。自由とわがままの境目は、他人に害を与えるかどうかにある、というのです。本当の自由には、責任がともなうのです。

In a later part of the book, he wrote a big idea about Japan. A country cannot be truly independent if its people are not independent. When each person learns to think and to stand on his or her own feet, the whole country can stand on its own feet too.

この本ののちの編で、福沢は日本についての大きな考えを書きました。国民が独立していなければ、国も本当の意味で独立することはできない。一人ひとりが自分で考え、自分の足で立つことを身につけたとき、国全体も自分の足で立てるようになる、というのです。

Fukuzawa lived what he taught. As a young man, he studied Dutch and then English. He traveled to America and Europe and wrote books about what he saw there. He also started a school that later became Keio University. For many years, his face was on Japan's ten-thousand-yen note.

福沢は、自分の教えたことを自ら実行しました。若いころにはオランダ語を、そして英語を学びました。アメリカやヨーロッパに渡り、そこで見たことを本に書きました。また、のちに慶應義塾大学となる学校をつくりました。長い間、日本の一万円札には福沢の肖像が描かれていました。

Try this today. Fukuzawa said that learning should be useful in real life. So use your English for something real today. Read a short sign, a label or a menu in English, or write one sentence about your day. Small, real learning is how people learn to stand on their own feet.

今日、やってみましょう。福沢は、学問は実生活に役立つものであるべきだと言いました。だから今日は、英語を何か実際のことに使ってみましょう。英語の短い看板やラベル、メニューを読んでみる。あるいは、自分の一日について英語で一文書いてみる。小さくても実際に役立つ学びこそが、自分の足で立つ力を育てるのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

1872年、日本は急速に変わりつつありました。武士の時代が終わったばかりで、国は世界に向かって開かれようとしていました。その年、福沢諭吉という教育者が、『学問のすゝめ』という短い本を出版しました。英語にすると「学ぶことのすすめ」という意味です。この本は、当時の大ベストセラーの一つになりました。

この本は、とても有名なことばで始まります。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言われている」。つまり、人はみな平等に生まれてくる、ということです。主人になるために生まれる人もいなければ、召し使いになるために生まれる人もいないのです。

この一文を知っている日本人はたくさんいます。でも、そのあとに何が書かれているかは、忘れられがちです。福沢は一つの問いを投げかけます。人がみな平等に生まれるのなら、なぜ世の中にはこんなにちがいがあるのだろうか。

まわりを見てごらんなさい、と福沢は言います。かしこい人もいれば、愚かな人もいる。お金持ちもいれば、貧しい人もいる。重要な仕事についている人もいれば、とても苦しい生活をしている人もいる。それはなぜなのか。

福沢の答えは単純です。学問です。かしこい人と愚かな人のちがいは、学ぶか学ばないかで生まれるのだ、と福沢は言います。世の中での立場は、天が与えるものではありません。人が自分で学び、懸命に働くことによって、つくっていくものなのです。

では、福沢の言う学問とは、どんなものだったのでしょうか。むずかしい古いことばを知っていることや、美しい詩歌を作ることだけを指していたのではありません。そうしたものも楽しく、それなりの値打ちはあるけれど、いちばん大切なものではない、と考えていたのです。福沢が人々に学んでほしかったのは、毎日の暮らしに役立つ、実際的なことでした。このような学問は、よく「実学」と呼ばれます。

実学とは何だったのでしょうか。まずは読み書き、そして手紙の書き方です。次に、帳簿のつけ方やそろばんの使い方。そのあとに、地理学、物理学などの科学、歴史、経済学、そしてよく生きるための修身学といった科目が続きます。福沢は、農民も、商人も、職人も、武士も、みな同じようにこれらを学ぶべきだと考えていました。

福沢は自由についても書いています。人はだれでも自由だ。しかし自由とは、好き勝手に何でもすることではない、と福沢は言いました。自由とわがままの境目は、他人に害を与えるかどうかにある、というのです。本当の自由には、責任がともなうのです。

この本ののちの編で、福沢は日本についての大きな考えを書きました。国民が独立していなければ、国も本当の意味で独立することはできない。一人ひとりが自分で考え、自分の足で立つことを身につけたとき、国全体も自分の足で立てるようになる、というのです。

福沢は、自分の教えたことを自ら実行しました。若いころにはオランダ語を、そして英語を学びました。アメリカやヨーロッパに渡り、そこで見たことを本に書きました。また、のちに慶應義塾大学となる学校をつくりました。長い間、日本の一万円札には福沢の肖像が描かれていました。

今日、やってみましょう。福沢は、学問は実生活に役立つものであるべきだと言いました。だから今日は、英語を何か実際のことに使ってみましょう。英語の短い看板やラベル、メニューを読んでみる。あるいは、自分の一日について英語で一文書いてみる。小さくても実際に役立つ学びこそが、自分の足で立つ力を育てるのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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We are born equal; learning is what makes the difference.

人は生まれながらに平等。差をつくるのは、学ぶか学ばないかだ。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. According to Fukuzawa, what makes the difference between wise and foolish people?

Q2. What is useful learning for everyday life often called?

Q3. What did Fukuzawa say about freedom?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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