The Little Match-Seller(マッチ売りの少女)の挿絵

The Little Match-Seller

マッチ売りの少女

  • 📖 991 words
  • ⏱ 約9分
  • 🔊 5:07
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ大みそかの寒い夜、はだしの小さな女の子が雪の町でマッチを売り歩いています。一本も売れず家にも帰れない少女が、こごえる指でマッチを一本すると……。

アンデルセン「マッチ売りの少女」(1845年)の19世紀の英訳(この版には訳者名の記載なし)。底本: Project Gutenberg eBook #27200

キーワード(12語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • slippers室内ばき、スリッパ
  • matchesマッチ
  • huddled体を丸めた
  • sputteredパチパチ音を立てた
  • ornament飾り
  • stoveストーブ
  • polishedみがかれた
  • transparent透き通った
  • gooseガチョウ
  • decorated飾られた
  • glorious輝かしい
  • half-burnt燃えかけの
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It was terribly cold and nearly dark on the last evening of the old year, and the snow was falling fast. In the cold and the darkness, a poor little girl, with bare head and naked feet, roamed through the streets. It is true she had on a pair of slippers when she left home, but they were not of much use. They were very large, so large, indeed, that they had belonged to her mother, and the poor little creature had lost them in running across the street to avoid two carriages that were rolling along at a terrible rate. One of the slippers she could not find, and a boy seized upon the other and ran away with it, saying that he could use it as a cradle, when he had children of his own. So the little girl went on with her little naked feet, which were quite red and blue with the cold. In an old apron she carried a number of matches, and had a bundle of them in her hands. No one had bought anything of her the whole day, nor had any one given here even a penny. Shivering with cold and hunger, she crept along; poor little child, she looked the picture of misery. The snowflakes fell on her long, fair hair, which hung in curls on her shoulders, but she regarded them not.

年の暮れの、最後の晩のことでした。ひどく寒く、あたりはもうほとんど暗くなっていて、雪がさかんに降っていました。その寒さと暗やみの中を、ひとりの貧しい小さな女の子が、帽子もかぶらず、はだしで通りを歩いていました。家を出るときには、たしかにスリッパをはいていました。でも、それもたいして役には立ちませんでした。とても大きなスリッパで、なにしろもとはお母さんがはいていたものだったのです。かわいそうに、女の子はそのスリッパをなくしてしまいました。二台の馬車がものすごい勢いで走ってきたので、よけようとして通りをかけぬけたときのことです。片方はどうしても見つかりませんでした。もう片方は男の子がひったくって、いつか自分に子どもができたらゆりかごに使えるや、と言いながら持っていってしまいました。それで女の子は、小さなはだしのまま歩いていたのです。足は寒さで赤くなったり青くなったりしていました。古いエプロンの中にはマッチをたくさん入れ、手にもひとたばのマッチを持っていました。その日は一日中、だれひとりマッチを買ってくれず、一ペニーさえくれる人もいませんでした。寒さとひもじさにふるえながら、女の子はとぼとぼと歩いていきました。かわいそうに、その姿はみじめさそのものでした。長い金色の髪は、くるくると巻いて肩にかかっていました。その髪に雪がふりかかりましたが、女の子は気にもとめませんでした。

Lights were shining from every window, and there was a savory smell of roast goose, for it was New-year's eve—yes, she remembered that. In a corner, between two houses, one of which projected beyond the other, she sank down and huddled herself together. She had drawn her little feet under her, but she could not keep off the cold; and she dared not go home, for she had sold no matches, and could not take home even a penny of money. Her father would certainly beat her; besides, it was almost as cold at home as here, for they had only the roof to cover them, through which the wind howled, although the largest holes had been stopped up with straw and rags. Her little hands were almost frozen with the cold. Ah! perhaps a burning match might be some good, if she could draw it from the bundle and strike it against the wall, just to warm her fingers. She drew one out-"scratch!" how it sputtered as it burnt! It gave a warm, bright light, like a little candle, as she held her hand over it. It was really a wonderful light. It seemed to the little girl that she was sitting by a large iron stove, with polished brass feet and a brass ornament. How the fire burned! and seemed so beautifully warm that the child stretched out her feet as if to warm them, when, lo! the flame of the match went out, the stove vanished, and she had only the remains of the half-burnt match in her hand.

どの窓からも明かりがもれ、ガチョウの丸焼きのおいしそうなにおいがただよっていました。今夜は大みそかなのです。そう、女の子はそれを思い出しました。二軒の家のあいだに、片方の家が前につき出して、すみっこになったところがありました。女の子はそこにしゃがみこみ、身をちぢめました。小さな足を体の下に引きよせましたが、寒さはふせげません。それでも、家へ帰る気にはなれませんでした。マッチは一本も売れず、一ペニーのお金も持って帰れないのです。きっとお父さんにぶたれるでしょう。それに、家だってここと同じくらい寒いのです。頭の上には屋根があるだけで、大きな穴はわらやぼろきれでふさいであっても、風がひゅうひゅう吹きこんでくるのでした。小さな手は、寒さでこごえそうでした。ああ! たばからマッチを一本ぬいて、壁でこすって火をつけたら、少しは指があたたまるかもしれません。女の子は一本ぬきとりました。「シュッ!」 なんとぱちぱちと燃えることでしょう! 手をかざすと、小さなろうそくのような、あたたかくて明るい光がともりました。本当にふしぎな光でした。女の子は、大きな鉄のストーブのそばに座っているような気がしました。ぴかぴかにみがいた真鍮の脚と、真鍮の飾りのついたストーブです。なんと火がよく燃えていることでしょう! あまりにあたたかくて気持ちよさそうなので、女の子は足もあたためようとして、前へのばしました。ところが、そのとたん、マッチの火は消え、ストーブもなくなりました。手の中には、燃えかけのマッチが残っているだけでした。

She rubbed another match on the wall. It burst into a flame, and where its light fell upon the wall it became as transparent as a veil, and she could see into the room. The table was covered with a snowy white table-cloth, on which stood a splendid dinner service, and a steaming roast goose, stuffed with apples and dried plums. And what was still more wonderful, the goose jumped down from the dish and waddled across the floor, with a knife and fork in its breast, to the little girl. Then the match went out, and there remained nothing but the thick, damp, cold wall before her.

女の子は、もう一本のマッチを壁でこすりました。ぱっと火がつくと、光の当たったところの壁が、薄いベールのように透きとおって、部屋の中が見えました。テーブルには雪のようにまっ白なテーブルクロスがかけられ、立派な食器が並んでいました。リンゴと干しプラムをつめたガチョウの丸焼きが、湯気を立てていました。もっとふしぎなことに、そのガチョウがお皿からとびおりて、胸にナイフとフォークをつきさしたまま、よちよちと床を歩いて、女の子のほうへやって来たのです。そこでマッチの火は消えました。目の前には、厚くてじめじめした冷たい壁があるばかりでした。

She lighted another match, and then she found herself sitting under a beautiful Christmas-tree. It was larger and more beautifully decorated than the one which she had seen through the glass door at the rich merchant's. Thousands of tapers were burning upon the green branches, and colored pictures, like those she had seen in the show-windows, looked down upon it all. The little one stretched out her hand towards them, and the match went out.

女の子がもう一本マッチに火をつけると、今度は美しいクリスマスツリーの下に座っていました。お金持ちの商人の家で、ガラス戸ごしに見たツリーよりも大きく、もっと美しく飾りつけてありました。緑の枝の上では、何千本もの細いろうそくが燃えていました。ショーウィンドーで見たような色とりどりの絵が、それをみんな見下ろしていました。女の子がそちらへ手をのばすと、マッチの火は消えました。

The Christmas lights rose higher and higher, till they looked to her like the stars in the sky. Then she saw a star fall, leaving behind it a bright streak of fire. "Some one is dying," thought the little girl, for her old grandmother, the only one who had ever loved her, and who was now dead, had told her that when a star falls, a soul was going up to God.

クリスマスの明かりはどんどん高くのぼっていき、とうとう空の星のように見えてきました。すると、星がひとつ、明るい火のすじを引いて流れ落ちました。「だれかが死んでいくんだわ」と、女の子は思いました。女の子をかわいがってくれたのは、年とったおばあさんただひとりでした。そのおばあさんも、今はもう亡くなっています。おばあさんは、星がひとつ流れるのは、魂がひとつ神さまのところへのぼっていくしるしなのだよ、と話してくれたことがあったのです。

She again rubbed a match on the wall, and the light shone round her; in the brightness stood her old grandmother, clear and shining, yet mild and loving in her appearance. "Grandmother," cried the little one, "O take me with you; I know you will go away when the match burns out; you will vanish like the warm stove, the roast goose, and the large, glorious Christmas-tree." And she made haste to light the whole bundle of matches, for she wished to keep her grandmother there. And the matches glowed with a light that was brighter than the noon-day, and her grandmother had never appeared so large or so beautiful. She took the little girl in her arms, and they both flew upwards in brightness and joy far above the earth, where there was neither cold nor hunger nor pain, for they were with God.

女の子がまたマッチを壁でこすると、光があたりを照らしました。その光の中に、年とったおばあさんが立っていました。おばあさんはくっきりと光り輝いていましたが、その顔はやさしく、愛情にみちていました。「おばあちゃん」と、女の子は叫びました。「ああ、わたしも一緒に連れていって。マッチが燃えつきたら、おばあちゃんはいなくなってしまうんでしょう。あのあたたかいストーブや、ガチョウの丸焼きや、大きくてすばらしいクリスマスツリーみたいに、消えてしまうんでしょう」。女の子はおばあさんを引きとめておきたくて、急いでマッチのたばをまるごと全部すりました。マッチは真昼よりも明るく輝きました。おばあさんがこれほど大きく、これほど美しく見えたことはありませんでした。おばあさんは女の子を腕にだきあげました。ふたりは光と喜びにつつまれて、地上のはるか上へと飛んでいきました。そこには寒さもひもじさも苦しみもありませんでした。ふたりは神さまのもとにいたのです。

In the dawn of morning there lay the poor little one, with pale cheeks and smiling mouth, leaning against the wall; she had been frozen to death on the last evening of the year; and the New-year's sun rose and shone upon a little corpse! The child still sat, in the stiffness of death, holding the matches in her hand, one bundle of which was burnt. "She tried to warm herself," said some. No one imagined what beautiful things she had seen, nor into what glory she had entered with her grandmother, on New-year's day.

夜が明けると、かわいそうな女の子が、壁にもたれて座っていました。ほおは青ざめ、口もとにはほほえみがうかんでいました。年の暮れの最後の晩に、こごえ死んでしまったのです。新しい年のお日さまがのぼって、小さななきがらを照らしました! 女の子は死んでこわばったまま、マッチを手ににぎって座っていました。マッチのひとたばは、燃えつきていました。「あたたまろうとしたんだね」と言う人もいました。けれども、女の子がどんなに美しいものを見たかを、思ってみる人はだれもいませんでした。元日の朝、おばあさんと一緒に、どんなに輝かしいところへ入っていったかも。

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年の暮れの、最後の晩のことでした。ひどく寒く、あたりはもうほとんど暗くなっていて、雪がさかんに降っていました。その寒さと暗やみの中を、ひとりの貧しい小さな女の子が、帽子もかぶらず、はだしで通りを歩いていました。家を出るときには、たしかにスリッパをはいていました。でも、それもたいして役には立ちませんでした。とても大きなスリッパで、なにしろもとはお母さんがはいていたものだったのです。かわいそうに、女の子はそのスリッパをなくしてしまいました。二台の馬車がものすごい勢いで走ってきたので、よけようとして通りをかけぬけたときのことです。片方はどうしても見つかりませんでした。もう片方は男の子がひったくって、いつか自分に子どもができたらゆりかごに使えるや、と言いながら持っていってしまいました。それで女の子は、小さなはだしのまま歩いていたのです。足は寒さで赤くなったり青くなったりしていました。古いエプロンの中にはマッチをたくさん入れ、手にもひとたばのマッチを持っていました。その日は一日中、だれひとりマッチを買ってくれず、一ペニーさえくれる人もいませんでした。寒さとひもじさにふるえながら、女の子はとぼとぼと歩いていきました。かわいそうに、その姿はみじめさそのものでした。長い金色の髪は、くるくると巻いて肩にかかっていました。その髪に雪がふりかかりましたが、女の子は気にもとめませんでした。

どの窓からも明かりがもれ、ガチョウの丸焼きのおいしそうなにおいがただよっていました。今夜は大みそかなのです。そう、女の子はそれを思い出しました。二軒の家のあいだに、片方の家が前につき出して、すみっこになったところがありました。女の子はそこにしゃがみこみ、身をちぢめました。小さな足を体の下に引きよせましたが、寒さはふせげません。それでも、家へ帰る気にはなれませんでした。マッチは一本も売れず、一ペニーのお金も持って帰れないのです。きっとお父さんにぶたれるでしょう。それに、家だってここと同じくらい寒いのです。頭の上には屋根があるだけで、大きな穴はわらやぼろきれでふさいであっても、風がひゅうひゅう吹きこんでくるのでした。小さな手は、寒さでこごえそうでした。ああ! たばからマッチを一本ぬいて、壁でこすって火をつけたら、少しは指があたたまるかもしれません。女の子は一本ぬきとりました。「シュッ!」 なんとぱちぱちと燃えることでしょう! 手をかざすと、小さなろうそくのような、あたたかくて明るい光がともりました。本当にふしぎな光でした。女の子は、大きな鉄のストーブのそばに座っているような気がしました。ぴかぴかにみがいた真鍮の脚と、真鍮の飾りのついたストーブです。なんと火がよく燃えていることでしょう! あまりにあたたかくて気持ちよさそうなので、女の子は足もあたためようとして、前へのばしました。ところが、そのとたん、マッチの火は消え、ストーブもなくなりました。手の中には、燃えかけのマッチが残っているだけでした。

女の子は、もう一本のマッチを壁でこすりました。ぱっと火がつくと、光の当たったところの壁が、薄いベールのように透きとおって、部屋の中が見えました。テーブルには雪のようにまっ白なテーブルクロスがかけられ、立派な食器が並んでいました。リンゴと干しプラムをつめたガチョウの丸焼きが、湯気を立てていました。もっとふしぎなことに、そのガチョウがお皿からとびおりて、胸にナイフとフォークをつきさしたまま、よちよちと床を歩いて、女の子のほうへやって来たのです。そこでマッチの火は消えました。目の前には、厚くてじめじめした冷たい壁があるばかりでした。

女の子がもう一本マッチに火をつけると、今度は美しいクリスマスツリーの下に座っていました。お金持ちの商人の家で、ガラス戸ごしに見たツリーよりも大きく、もっと美しく飾りつけてありました。緑の枝の上では、何千本もの細いろうそくが燃えていました。ショーウィンドーで見たような色とりどりの絵が、それをみんな見下ろしていました。女の子がそちらへ手をのばすと、マッチの火は消えました。

クリスマスの明かりはどんどん高くのぼっていき、とうとう空の星のように見えてきました。すると、星がひとつ、明るい火のすじを引いて流れ落ちました。「だれかが死んでいくんだわ」と、女の子は思いました。女の子をかわいがってくれたのは、年とったおばあさんただひとりでした。そのおばあさんも、今はもう亡くなっています。おばあさんは、星がひとつ流れるのは、魂がひとつ神さまのところへのぼっていくしるしなのだよ、と話してくれたことがあったのです。

女の子がまたマッチを壁でこすると、光があたりを照らしました。その光の中に、年とったおばあさんが立っていました。おばあさんはくっきりと光り輝いていましたが、その顔はやさしく、愛情にみちていました。「おばあちゃん」と、女の子は叫びました。「ああ、わたしも一緒に連れていって。マッチが燃えつきたら、おばあちゃんはいなくなってしまうんでしょう。あのあたたかいストーブや、ガチョウの丸焼きや、大きくてすばらしいクリスマスツリーみたいに、消えてしまうんでしょう」。女の子はおばあさんを引きとめておきたくて、急いでマッチのたばをまるごと全部すりました。マッチは真昼よりも明るく輝きました。おばあさんがこれほど大きく、これほど美しく見えたことはありませんでした。おばあさんは女の子を腕にだきあげました。ふたりは光と喜びにつつまれて、地上のはるか上へと飛んでいきました。そこには寒さもひもじさも苦しみもありませんでした。ふたりは神さまのもとにいたのです。

夜が明けると、かわいそうな女の子が、壁にもたれて座っていました。ほおは青ざめ、口もとにはほほえみがうかんでいました。年の暮れの最後の晩に、こごえ死んでしまったのです。新しい年のお日さまがのぼって、小さななきがらを照らしました! 女の子は死んでこわばったまま、マッチを手ににぎって座っていました。マッチのひとたばは、燃えつきていました。「あたたまろうとしたんだね」と言う人もいました。けれども、女の子がどんなに美しいものを見たかを、思ってみる人はだれもいませんでした。元日の朝、おばあさんと一緒に、どんなに輝かしいところへ入っていったかも。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What happened to the little girl's slippers?

Q2. Why is the girl afraid to go home?

Q3. Whom does the girl see in the light of the last matches?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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