Why Do We Dream?(わたしたちはなぜ夢を見るの?)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateノンフィクション

Why Do We Dream?

わたしたちはなぜ夢を見るの?

  • 📖 703 words
  • ⏱ 約6分
  • 🔊 3:46
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ空を飛ぶ夢、テストに遅れる夢……。人はなぜ毎晩夢を見るのでしょう。夢について科学者たちが見つけてきたことと、まだわかっていないことを紹介します。

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キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • influential影響力の大きい
  • theory理論・説
  • vividあざやかな
  • rapidすばやい
  • cycle周期・くり返し
  • stages段階
  • muscles筋肉
  • emotions感情
  • embarrassmentはずかしさ
  • lucid dreams明晰夢(夢だと気づいている夢)
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Last night, you probably had several dreams. Maybe you were flying over your town, or running late for a test, or talking with a friend you have not seen for years. When you woke up, you may have remembered nothing at all. Everyone dreams, even people who say they never do. But why do we dream? Scientists have studied this question for a long time, and the answer is still not completely clear.

あなたはゆうべも、たぶんいくつかの夢を見たはずです。町の上を飛んでいたかもしれません。テストに遅れそうになって走っていたかもしれません。何年も会っていない友だちと話していたかもしれません。そして目が覚めたら、何ひとつ覚えていなかったかもしれません。夢はだれでも見ます。夢なんて見たことがないという人でも、じつは見ているのです。では、人はなぜ夢を見るのでしょう。科学者たちは長いあいだこの問題を研究してきましたが、答えはまだすっかり分かったわけではありません。

For thousands of years, people believed that dreams were messages from gods or signs of the future. In 1899, the Austrian doctor Sigmund Freud published a famous book about dreams. He believed that dreams showed our hidden wishes. His ideas were very influential. But most scientists today think that his theory is difficult to test and cannot be proven.

何千年ものあいだ、人々は、夢は神々からのお告げだとか、未来の前ぶれだとか信じてきました。1899年、オーストリアの医師ジークムント・フロイトが、夢についての有名な本を出しました。フロイトは、夢には心の奥にかくれた願いが表れていると考えました。この考えは、たいへん大きな影響を与えました。けれども今の科学者の多くは、フロイトの説はたしかめるのが難しく、正しいと証明することはできないと考えています。

Modern dream science began in 1953. At the University of Chicago, a young researcher named Eugene Aserinsky and his professor, Nathaniel Kleitman, were watching people sleep. They noticed that at certain times during the night, the sleepers' eyes moved quickly back and forth under their eyelids. When they woke people up during these times, the people often said they had been having vivid dreams. This type of sleep was named REM sleep. REM stands for rapid eye movement.

夢の科学が本格的に始まったのは、1953年のことです。シカゴ大学で、若い研究者ユージン・アセリンスキーと、その指導教授ナサニエル・クライトマンが、人が眠っている様子を観察していました。すると、夜のある時間になると、眠っている人の目がまぶたの下ですばやく左右に動くことに気づきました。その時間に起こしてみると、多くの人が、ありありとした夢を見ていたと答えたのです。この眠りは、レム睡眠と名づけられました。レム(REM)とは「すばやい目の動き(rapid eye movement)」の頭文字です。

We go through a cycle of sleep stages several times each night. One cycle takes about ninety minutes. Most cycles include a period of REM sleep, and these periods get longer toward the morning. That is one reason why we often remember a dream just as we wake up. We can also dream in other stages of sleep, but REM dreams are usually the most vivid and story-like.

わたしたちの眠りには、いくつかの段階があります。毎晩、その段階をひと回りするサイクルを、何度もくり返しているのです。1回のサイクルは約90分です。ほとんどのサイクルにはレム睡眠の時間があり、それは朝が近づくほど長くなります。目が覚めたときに、ちょうど見ていた夢を覚えていることが多いのは、ひとつにはこのためです。ほかの段階の眠りでも夢は見ますが、レム睡眠のときの夢は、たいてい最もあざやかで、物語のような筋があります。

During REM sleep, something strange happens. The brain is very active, almost as active as when we are awake. But most of the muscles of the body are switched off, and we cannot move our arms and legs. Scientists think this keeps us from acting out our dreams. Without it, you might jump out of bed when you dream about running!

レム睡眠のあいだには、不思議なことが起こります。脳は、起きているときとほとんど変わらないほど活発に働いています。ところが、体の筋肉のほとんどはスイッチが切れていて、手も足も動かせないのです。科学者たちは、夢で見たとおりに体が動いてしまわないように、こうなっているのだと考えています。もしこのしくみがなかったら、走る夢を見たとたん、ベッドから飛び出してしまうかもしれません!

So why do we dream? Here are some of the main ideas that scientists are studying.

では、人はなぜ夢を見るのでしょう。科学者たちが研究している、おもな考えをいくつか紹介しましょう。

One idea is that dreaming is connected to memory. Many experiments have shown that sleep helps us remember what we learned during the day. While we sleep, the brain seems to replay and sort new memories, keeping important ones and connecting them with older ones. Dreams may be part of this work, or they may be a side effect of it. Interestingly, people sometimes dream about things they practiced during the day, such as a new computer game.

ひとつ目は、夢は記憶と関係があるという考えです。眠ると、昼間に学んだことを覚えやすくなる。そのことは、多くの実験でたしかめられています。眠っているあいだ、脳は新しい記憶をもう一度再生して整理し、大事なものを残して、古い記憶と結びつけているようなのです。夢は、この作業の一部なのかもしれません。あるいは、その作業にともなって生まれるおまけのようなものかもしれません。おもしろいことに、昼間に練習したこと、たとえば新しいコンピューターゲームの夢を見ることもあります。

Another idea is that dreams help us deal with our emotions. Many dreams are about fear, worry or embarrassment. Some scientists think that dreaming lets the brain experience these feelings in a safe place. This may help us feel calmer the next day.

ふたつ目は、夢は気持ちの整理を助けているという考えです。夢には、こわい、心配だ、はずかしい、といった気持ちがからむものがたくさんあります。夢の中なら、脳はこうした感情を安全に味わうことができる。そう考える科学者もいます。そのおかげで、次の日には気持ちが落ち着くのかもしれません。

A third idea is that dreams are a kind of practice. In dreams, we are often being chased or are in some kind of trouble. Maybe the brain is practicing how to handle danger, just as a fire drill helps people prepare for a real fire.

三つ目は、夢は一種の練習だという考えです。夢の中では、何かに追いかけられたり、困ったことにまきこまれたりすることがよくあります。脳は、危険な目にあったときにどうすればよいかを練習しているのかもしれません。避難訓練をしておくと、本当の火事のときにあわてずにすむのと同じです。

Finally, some scientists think that dreams may not have a special purpose at all. During sleep, parts of the brain send out signals, and other parts try to make a story out of them. That could explain why dreams are often so strange, with places and people mixing in ways that make no sense.

最後に、夢には特別な目的などまったくないのかもしれない、と考える科学者もいます。眠っているあいだ、脳のある部分があれこれと信号を出し、別の部分がそれをつなぎ合わせて物語を作ろうとする、というのです。夢がたいてい奇妙で、場所や人がめちゃくちゃに入り混じっているのも、それなら説明がつきます。

These ideas do not have to be completely separate. Dreaming may have more than one job. What is clear is that sleep itself is very important for the brain and the body. When we do not get enough sleep, it becomes harder to learn, to remember and to control our emotions.

これらの考えは、どれかひとつだけが正しいというものではないかもしれません。夢には、役割がいくつもあるのかもしれないのです。はっきりしているのは、眠ること自体が、脳と体にとってとても大切だということです。睡眠が足りないと、ものを学ぶことも、覚えることも、気持ちをおさえることも難しくなってしまいます。

Do you want to remember your dreams? Try keeping a notebook by your bed. Write your dreams down as soon as you wake up. Dreams fade very quickly, often within minutes. Some people even learn to have lucid dreams, in which they know they are dreaming while the dream is still going on. For now, the world of dreams is still one of the great mysteries of the human brain. And you visit it every night.

自分の見た夢を覚えておきたいですか。それなら、ベッドのそばにノートを置いておきましょう。目が覚めたら、すぐに夢を書きとめるのです。夢の記憶はあっという間に薄れ、たいていは数分のうちに消えてしまいます。中には、明晰夢(めいせきむ)を見られるようになる人もいます。夢を見ている最中に、これは夢だと分かっている夢のことです。夢の世界は、今のところ、人間の脳の大きななぞのひとつのままです。そしてあなたは、毎晩その世界を訪れているのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

あなたはゆうべも、たぶんいくつかの夢を見たはずです。町の上を飛んでいたかもしれません。テストに遅れそうになって走っていたかもしれません。何年も会っていない友だちと話していたかもしれません。そして目が覚めたら、何ひとつ覚えていなかったかもしれません。夢はだれでも見ます。夢なんて見たことがないという人でも、じつは見ているのです。では、人はなぜ夢を見るのでしょう。科学者たちは長いあいだこの問題を研究してきましたが、答えはまだすっかり分かったわけではありません。

何千年ものあいだ、人々は、夢は神々からのお告げだとか、未来の前ぶれだとか信じてきました。1899年、オーストリアの医師ジークムント・フロイトが、夢についての有名な本を出しました。フロイトは、夢には心の奥にかくれた願いが表れていると考えました。この考えは、たいへん大きな影響を与えました。けれども今の科学者の多くは、フロイトの説はたしかめるのが難しく、正しいと証明することはできないと考えています。

夢の科学が本格的に始まったのは、1953年のことです。シカゴ大学で、若い研究者ユージン・アセリンスキーと、その指導教授ナサニエル・クライトマンが、人が眠っている様子を観察していました。すると、夜のある時間になると、眠っている人の目がまぶたの下ですばやく左右に動くことに気づきました。その時間に起こしてみると、多くの人が、ありありとした夢を見ていたと答えたのです。この眠りは、レム睡眠と名づけられました。レム(REM)とは「すばやい目の動き(rapid eye movement)」の頭文字です。

わたしたちの眠りには、いくつかの段階があります。毎晩、その段階をひと回りするサイクルを、何度もくり返しているのです。1回のサイクルは約90分です。ほとんどのサイクルにはレム睡眠の時間があり、それは朝が近づくほど長くなります。目が覚めたときに、ちょうど見ていた夢を覚えていることが多いのは、ひとつにはこのためです。ほかの段階の眠りでも夢は見ますが、レム睡眠のときの夢は、たいてい最もあざやかで、物語のような筋があります。

レム睡眠のあいだには、不思議なことが起こります。脳は、起きているときとほとんど変わらないほど活発に働いています。ところが、体の筋肉のほとんどはスイッチが切れていて、手も足も動かせないのです。科学者たちは、夢で見たとおりに体が動いてしまわないように、こうなっているのだと考えています。もしこのしくみがなかったら、走る夢を見たとたん、ベッドから飛び出してしまうかもしれません!

では、人はなぜ夢を見るのでしょう。科学者たちが研究している、おもな考えをいくつか紹介しましょう。

ひとつ目は、夢は記憶と関係があるという考えです。眠ると、昼間に学んだことを覚えやすくなる。そのことは、多くの実験でたしかめられています。眠っているあいだ、脳は新しい記憶をもう一度再生して整理し、大事なものを残して、古い記憶と結びつけているようなのです。夢は、この作業の一部なのかもしれません。あるいは、その作業にともなって生まれるおまけのようなものかもしれません。おもしろいことに、昼間に練習したこと、たとえば新しいコンピューターゲームの夢を見ることもあります。

ふたつ目は、夢は気持ちの整理を助けているという考えです。夢には、こわい、心配だ、はずかしい、といった気持ちがからむものがたくさんあります。夢の中なら、脳はこうした感情を安全に味わうことができる。そう考える科学者もいます。そのおかげで、次の日には気持ちが落ち着くのかもしれません。

三つ目は、夢は一種の練習だという考えです。夢の中では、何かに追いかけられたり、困ったことにまきこまれたりすることがよくあります。脳は、危険な目にあったときにどうすればよいかを練習しているのかもしれません。避難訓練をしておくと、本当の火事のときにあわてずにすむのと同じです。

最後に、夢には特別な目的などまったくないのかもしれない、と考える科学者もいます。眠っているあいだ、脳のある部分があれこれと信号を出し、別の部分がそれをつなぎ合わせて物語を作ろうとする、というのです。夢がたいてい奇妙で、場所や人がめちゃくちゃに入り混じっているのも、それなら説明がつきます。

これらの考えは、どれかひとつだけが正しいというものではないかもしれません。夢には、役割がいくつもあるのかもしれないのです。はっきりしているのは、眠ること自体が、脳と体にとってとても大切だということです。睡眠が足りないと、ものを学ぶことも、覚えることも、気持ちをおさえることも難しくなってしまいます。

自分の見た夢を覚えておきたいですか。それなら、ベッドのそばにノートを置いておきましょう。目が覚めたら、すぐに夢を書きとめるのです。夢の記憶はあっという間に薄れ、たいていは数分のうちに消えてしまいます。中には、明晰夢(めいせきむ)を見られるようになる人もいます。夢を見ている最中に、これは夢だと分かっている夢のことです。夢の世界は、今のところ、人間の脳の大きななぞのひとつのままです。そしてあなたは、毎晩その世界を訪れているのです。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What happens to our eyes during REM sleep?

Q2. Why might our muscles be switched off during REM sleep?

Q3. What do scientists today say about why we dream?

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この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

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