Urashima Taro(浦島太郎)の挿絵

Urashima Taro

浦島太郎

  • 📖 509 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじいじめられていたカメを助けた漁師の浦島太郎。お礼に連れていかれたのは、海の底の竜宮城でした。楽しい日々のあと、太郎は玉手箱を持って村へ帰りますが……。

日本の昔話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • fisherman漁師
  • turtleカメ
  • palace宮殿・御殿
  • breathe息をする
  • coralサンゴ
  • pearls真珠
  • sea breamタイ(魚)
  • tamatebako玉手箱
  • untiedほどいた
  • bent曲がった

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Long ago, a young fisherman named Urashima Taro lived in a small village by the sea. He lived with his old mother, and he was kind to everyone.

むかしむかし、海辺の小さな村に、浦島太郎という若い漁師が住んでいました。太郎は年老いたお母さんと一緒に暮らしていて、だれにでもやさしい若者でした。

One evening, when he was walking home along the beach, he saw some children. They were laughing and hitting a small turtle with sticks. The poor turtle was trying to get back to the sea.

ある夕方、浜辺を歩いて家に帰るとちゅう、太郎は何人かの子どもたちを見かけました。子どもたちは笑いながら、小さなカメを棒でたたいていました。かわいそうに、カメはなんとか海へもどろうとしていました。

"Stop that!" said Taro. "A turtle is a living thing, too. Here, take this money and let him go." The children took the coins and ran away. Taro carried the turtle to the water. "Be careful," he said. "Go home now."

「やめなさい!」と、太郎は言いました。「カメだって生きものなんだよ。さあ、このお金をあげるから、カメを放してやりなさい」子どもたちはお金を受け取ると、走っていってしまいました。太郎はカメを水ぎわまで運んでやりました。「気をつけるんだよ。さあ、もうお帰り」

A few days later, Taro was fishing in his boat. Suddenly he heard a voice. "Taro-san! Taro-san!" It was the turtle. "Thank you for saving me. The princess of the sea wants to thank you, too. Please get on my back. I will take you to Ryugu-jo, the Dragon Palace under the sea."

それから数日後、太郎が船で釣りをしていると、とつぜん声が聞こえました。「太郎さん!太郎さん!」あのカメでした。「助けていただいて、ありがとうございました。海のお姫さまも、あなたにお礼をしたいとおっしゃっています。どうぞわたしの背中に乗ってください。海の底にある竜宮城へご案内します」

Taro climbed onto the turtle's back. Down, down, down they went into the blue water. Taro was surprised because he could breathe easily. Colorful fish swam past him, and soon he saw a beautiful palace made of red coral and white pearls.

太郎はカメの背中に乗りました。青い海の中を、深く、深く、深くもぐっていきます。らくに息ができるので、太郎はびっくりしました。色とりどりの魚が、そばを泳いでいきます。やがて、赤いサンゴと白い真珠でできた美しい御殿が見えてきました。

The princess, Otohime, was waiting at the gate. She was the most beautiful woman in the world. "Welcome, Taro," she said with a smile. "You were kind to our turtle. Please stay with us and enjoy yourself."

門のところでは、乙姫さまが待っていました。乙姫さまは、この世でいちばん美しい女の人でした。「ようこそ、太郎さん」と、乙姫さまはほほえみました。「わたしたちのカメに親切にしてくださいましたね。どうぞここにとどまって、楽しんでいってください」

Every day was like a festival. The food was delicious, and all of it was new to Taro. Red sea bream and flatfish danced for him to soft music. Taro was so happy that he forgot about time.

毎日がお祭りのようでした。ごちそうはどれもおいしく、太郎がはじめて口にするものばかりです。タイやヒラメが、やさしい音楽に合わせて太郎のために踊りました。太郎はあまりに楽しくて、時のたつのも忘れてしまいました。

But after three days, he remembered his mother. "I must go home," he said. "My mother is waiting for me." Otohime looked sad. She gave him a shiny black box tied with a red string. "This is a tamatebako, a treasure box," she said. "Take it with you. But you must never, never open it."

けれども三日たつと、太郎はお母さんのことを思い出しました。「家に帰らなければなりません。母が待っていますから」乙姫さまは悲しそうな顔をしました。そして、つやつやした黒い箱を太郎にわたしました。箱には赤いひもが結んであります。「これは玉手箱という宝の箱です。お持ちください。でも、決して、決して開けてはいけませんよ」

The turtle took Taro back to the beach. But something was strange. The trees were different. The houses were different. He did not know anyone, and no one knew him. His own house was gone.

カメは太郎を浜辺まで送りとどけました。ところが、何かがおかしいのです。木々がちがっていました。家々もちがっていました。太郎の知っている人はだれもいないし、太郎を知っている人もだれもいません。自分の家もなくなっていました。

He asked an old woman, "Do you know Urashima Taro?" She thought for a moment. "Urashima Taro? There is an old story about a fisherman with that name. He went out to sea three hundred years ago and never came back."

太郎は一人のおばあさんにたずねました。「浦島太郎を知りませんか?」おばあさんはしばらく考えて、こう答えました。「浦島太郎?その名前の漁師の古い言い伝えならありますよ。三百年前に海へ出て、それっきり帰ってこなかったそうです」

Taro sat down on the sand. He felt very sad and lonely. He did not know what to do. He looked at the box in his hands. "Maybe the answer is inside," he thought. He untied the red string and opened the lid.

太郎は砂の上にすわりこみました。とても悲しく、さびしい気持ちでした。どうしたらいいのか分かりません。太郎は手にした箱を見つめました。「もしかしたら、答えはこの中にあるのかもしれない」そう思って、太郎は赤いひもをほどき、ふたを開けました。

White smoke came out of the box. It went around and around Taro. His black hair turned white. His face became full of lines. His back became bent. In a moment, he was a very old man.

箱の中から、白いけむりが出てきました。けむりは太郎のまわりをぐるぐると回りました。太郎の黒い髪は白くなりました。顔はしわだらけになりました。背中は曲がってしまいました。あっという間に、太郎はよぼよぼのおじいさんになっていたのです。

The three days at the Dragon Palace were really three hundred years. On the quiet beach, the waves came and went, just like before.

竜宮城での三日間は、じつは三百年だったのです。静かな浜辺には、むかしと同じように、波が寄せては返していました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかしむかし、海辺の小さな村に、浦島太郎という若い漁師が住んでいました。太郎は年老いたお母さんと一緒に暮らしていて、だれにでもやさしい若者でした。

ある夕方、浜辺を歩いて家に帰るとちゅう、太郎は何人かの子どもたちを見かけました。子どもたちは笑いながら、小さなカメを棒でたたいていました。かわいそうに、カメはなんとか海へもどろうとしていました。

「やめなさい!」と、太郎は言いました。「カメだって生きものなんだよ。さあ、このお金をあげるから、カメを放してやりなさい」子どもたちはお金を受け取ると、走っていってしまいました。太郎はカメを水ぎわまで運んでやりました。「気をつけるんだよ。さあ、もうお帰り」

それから数日後、太郎が船で釣りをしていると、とつぜん声が聞こえました。「太郎さん!太郎さん!」あのカメでした。「助けていただいて、ありがとうございました。海のお姫さまも、あなたにお礼をしたいとおっしゃっています。どうぞわたしの背中に乗ってください。海の底にある竜宮城へご案内します」

太郎はカメの背中に乗りました。青い海の中を、深く、深く、深くもぐっていきます。らくに息ができるので、太郎はびっくりしました。色とりどりの魚が、そばを泳いでいきます。やがて、赤いサンゴと白い真珠でできた美しい御殿が見えてきました。

門のところでは、乙姫さまが待っていました。乙姫さまは、この世でいちばん美しい女の人でした。「ようこそ、太郎さん」と、乙姫さまはほほえみました。「わたしたちのカメに親切にしてくださいましたね。どうぞここにとどまって、楽しんでいってください」

毎日がお祭りのようでした。ごちそうはどれもおいしく、太郎がはじめて口にするものばかりです。タイやヒラメが、やさしい音楽に合わせて太郎のために踊りました。太郎はあまりに楽しくて、時のたつのも忘れてしまいました。

けれども三日たつと、太郎はお母さんのことを思い出しました。「家に帰らなければなりません。母が待っていますから」乙姫さまは悲しそうな顔をしました。そして、つやつやした黒い箱を太郎にわたしました。箱には赤いひもが結んであります。「これは玉手箱という宝の箱です。お持ちください。でも、決して、決して開けてはいけませんよ」

カメは太郎を浜辺まで送りとどけました。ところが、何かがおかしいのです。木々がちがっていました。家々もちがっていました。太郎の知っている人はだれもいないし、太郎を知っている人もだれもいません。自分の家もなくなっていました。

太郎は一人のおばあさんにたずねました。「浦島太郎を知りませんか?」おばあさんはしばらく考えて、こう答えました。「浦島太郎?その名前の漁師の古い言い伝えならありますよ。三百年前に海へ出て、それっきり帰ってこなかったそうです」

太郎は砂の上にすわりこみました。とても悲しく、さびしい気持ちでした。どうしたらいいのか分かりません。太郎は手にした箱を見つめました。「もしかしたら、答えはこの中にあるのかもしれない」そう思って、太郎は赤いひもをほどき、ふたを開けました。

箱の中から、白いけむりが出てきました。けむりは太郎のまわりをぐるぐると回りました。太郎の黒い髪は白くなりました。顔はしわだらけになりました。背中は曲がってしまいました。あっという間に、太郎はよぼよぼのおじいさんになっていたのです。

竜宮城での三日間は、じつは三百年だったのです。静かな浜辺には、むかしと同じように、波が寄せては返していました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the turtle take Taro to the Dragon Palace?

Q2. What did Otohime tell Taro about the box?

Q3. How long was Taro really away from his village?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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