Hikoichi and the Tengu's Magic Cloak(天狗のかくれみの)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate日本の昔話と名作

Hikoichi and the Tengu's Magic Cloak

天狗のかくれみの

  • 📖 647 words
  • ⏱ 約6分
  • 🔊 3:44
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ天狗が持っている「着ると姿が消えるみの」。いたずら好きの彦一は、ただの竹の筒でそれを手に入れようと考えます。

日本の昔話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • cloakマント・みの
  • invisible目に見えない
  • tube筒
  • telescope望遠鏡
  • pretendedふりをした
  • tickledくすぐった
  • confusedわけがわからなくなった
  • rubbedこすりつけた
  • sweat汗(をかく)
  • underwear下着
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Aoede)

In a village in Kyushu, there lived a boy named Hikoichi. He was famous for being the cleverest boy in the village. He was also famous for playing tricks on everyone.

九州のある村に、彦一という男の子が住んでいました。彦一は、村いちばんのかしこい子として有名でした。そして、みんなにいたずらをすることでも有名でした。

On the hill behind the village, there lived a tengu. A tengu is a mountain spirit with a red face, a very long nose, and big wings like a bird. People said that this tengu had a magic cloak called a kakuremino. Anyone who wore it became invisible.

村の裏の丘には、天狗が住んでいました。天狗というのは、赤い顔にとても長い鼻、そして鳥のような大きなつばさを持つ山の精です。この天狗は「かくれみの」というふしぎなみのを持っているといわれていました。それを着た者は、だれでも姿が見えなくなるのです。

"I want that cloak," thought Hikoichi. "Think of all the tricks I could play!" So he cut a piece of bamboo into a short tube and walked up the hill.

「あのみのがほしいなあ」と、彦一は思いました。「どんないたずらだってやりほうだいだぞ!」そこで彦一は、竹を切って短い筒を作り、丘を登っていきました。

He sat on a big rock near the tengu's tree. Then he put the bamboo tube to his eye and looked into the distance. "Wow!" he shouted. "I can see Kyoto! Oh, there is a big festival today. Look at all the dancers! Look at the beautiful lanterns!"

彦一は、天狗のすむ木の近くにある大きな岩にすわりました。そして竹の筒を目に当てて、遠くをながめました。「うわあ!」と、彦一はさけびました。「京の都が見える!おや、今日は大きなお祭りをやっているぞ。踊り手がいっぱいだ!きれいなちょうちんがたくさんだ!」

The tengu was in the tree, wearing his cloak, so Hikoichi could not see him. But the tengu was very interested. Kyoto was hundreds of kilometers away. "Boy," said a voice from nowhere. "Can you really see Kyoto with that thing?"

天狗はかくれみのを着て木の上にいたので、彦一にはその姿が見えませんでした。けれども、天狗はたいそう興味をひかれました。京の都は何百キロも遠くにあるのです。「小僧」と、どこからともなく声がしました。「その道具で、本当に京が見えるのか?」

"Of course," said Hikoichi, still looking. "It is a magic telescope. Ha ha, look at that man! He fell into the river!"

「もちろんさ」と、彦一はのぞいたまま答えました。「これは魔法の遠めがねなんだ。あはは、あの男を見てごらんよ!川に落っこちた!」

"Let me look," said the tengu. "Oh, no," said Hikoichi. "This is my treasure. I can't lend it to anyone." "Please," said the tengu. "Just for a moment. I will lend you my cloak while I look."

「わしにも見せてくれ」と、天狗が言いました。「だめだよ」と彦一。「これはおれの宝物なんだ。だれにも貸せないよ」「たのむ」と天狗は言いました。「ほんのちょっとだけでいい。わしが見ているあいだ、このみのを貸してやるから」

Hikoichi pretended to think about it. "Well... all right. Just for a moment." The tengu took off the cloak and appeared, with his red face and long nose. He gave the cloak to Hikoichi and took the bamboo tube.

彦一は考えるふりをしました。「うーん……しかたないなあ。ちょっとだけだよ」天狗はみのをぬいで、赤い顔と長い鼻の姿をあらわしました。そして彦一にみのを渡して、竹の筒を受け取りました。

The tengu looked through the tube. He saw nothing but the trees on the other side of the hill. "I can't see Kyoto at all," he said. "Boy, where is the festival?" There was no answer. Hikoichi had put on the cloak, and he was already running down the hill, laughing.

天狗は筒をのぞきました。見えるのは、丘の向こう側の木々ばかりです。「京なんか、ちっとも見えんぞ」と、天狗は言いました。「小僧、祭りはどこだ?」返事はありませんでした。彦一はみのを身につけて、もう笑いながら丘をかけ下りていたのです。

With the magic cloak, Hikoichi had a wonderful time. He ate rice cakes at the shop, and the shopkeeper could not understand where they went. He tickled the village head's neck with a feather during an important meeting. He drank sweet sake at the sake shop and made the owner very confused.

ふしぎなみののおかげで、彦一はそれは楽しい毎日をすごしました。店でおもちを食べても、店の主人には、おもちがどこへ消えたのかさっぱり分かりませんでした。大事な寄り合いの最中に、村長さんの首すじを鳥の羽でくすぐりました。酒屋で甘い酒を飲んで、主人をすっかりまごつかせました。

But one day, while Hikoichi was out, his mother cleaned the house. She found a dirty old straw cloak in the closet. "What is this old thing?" she said, and she burned it in the fire.

ところがある日、彦一が出かけているあいだに、お母さんが家のそうじをしました。押し入れを開けると、うすよごれた古いわらのみのが出てきました。「なんだい、この古ぼけたものは」と言って、お母さんはそれを火にくべて燃やしてしまいました。

When Hikoichi came home, he was terribly upset. But then he had another idea. He took the ashes of the cloak and rubbed them all over his body. He looked in the mirror. He was gone! The magic was still in the ashes.

家に帰った彦一は、ひどくあわてました。けれども、また別の考えがうかびました。彦一はみのの灰を集めて、体じゅうにぬりつけました。鏡をのぞくと、姿が消えていました!灰にも、まだ魔法の力が残っていたのです。

He ran straight to the sake shop and started to drink. But when he wiped his mouth with his hand, the ashes came off his lips. The owner saw a mouth floating in the air, drinking his sake. "A ghost!" he screamed.

彦一はまっすぐ酒屋へかけていき、酒を飲みはじめました。ところが、手で口をぬぐったとき、くちびるの灰が取れてしまいました。主人が見ると、宙にうかんだ口が、店の酒を飲んでいるではありませんか。「おばけだあ!」と、主人は悲鳴をあげました。

Hikoichi ran out. It was a hot day, and he began to sweat. The ashes ran down his body in black lines. Soon people could see an arm here and a leg there, running down the street. "There he is! Catch him!" they shouted.

彦一は外へ逃げ出しました。暑い日だったので、彦一は汗をかきはじめました。灰は汗で流れて、体に黒いすじができました。まもなく、こっちに腕が一本、あっちに足が一本と、通りを走っていくのが人びとに見えるようになりました。「あそこにいるぞ!つかまえろ!」と、人びとはさけびました。

Hikoichi jumped into the river to escape. Splash! The water washed off every bit of ash. He stood up in the middle of the river, wet, red-faced, and wearing nothing but his underwear. The whole village stood on the bank and laughed and laughed.

彦一は逃げようとして、川に飛びこみました。ザブン!水が灰をすっかり洗い流してしまいました。彦一は川のまん中に立ち上がりました。ずぶぬれで、顔を真っ赤にして、身につけているのはふんどし一枚だけです。村じゅうの人が土手にならんで、大笑いに笑いました。

Far away on the hill, the tengu was still looking through the bamboo tube. Some people say that if you look at the tengu's tree today, you can see him there, waiting for the festival in Kyoto to appear.

遠く離れた丘の上では、天狗がまだ竹の筒をのぞいていました。今でもあの木を見上げると、天狗がまだそこにいて、京の祭りが見えるのを待っている。そう話す人もいます。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

九州のある村に、彦一という男の子が住んでいました。彦一は、村いちばんのかしこい子として有名でした。そして、みんなにいたずらをすることでも有名でした。

村の裏の丘には、天狗が住んでいました。天狗というのは、赤い顔にとても長い鼻、そして鳥のような大きなつばさを持つ山の精です。この天狗は「かくれみの」というふしぎなみのを持っているといわれていました。それを着た者は、だれでも姿が見えなくなるのです。

「あのみのがほしいなあ」と、彦一は思いました。「どんないたずらだってやりほうだいだぞ!」そこで彦一は、竹を切って短い筒を作り、丘を登っていきました。

彦一は、天狗のすむ木の近くにある大きな岩にすわりました。そして竹の筒を目に当てて、遠くをながめました。「うわあ!」と、彦一はさけびました。「京の都が見える!おや、今日は大きなお祭りをやっているぞ。踊り手がいっぱいだ!きれいなちょうちんがたくさんだ!」

天狗はかくれみのを着て木の上にいたので、彦一にはその姿が見えませんでした。けれども、天狗はたいそう興味をひかれました。京の都は何百キロも遠くにあるのです。「小僧」と、どこからともなく声がしました。「その道具で、本当に京が見えるのか?」

「もちろんさ」と、彦一はのぞいたまま答えました。「これは魔法の遠めがねなんだ。あはは、あの男を見てごらんよ!川に落っこちた!」

「わしにも見せてくれ」と、天狗が言いました。「だめだよ」と彦一。「これはおれの宝物なんだ。だれにも貸せないよ」「たのむ」と天狗は言いました。「ほんのちょっとだけでいい。わしが見ているあいだ、このみのを貸してやるから」

彦一は考えるふりをしました。「うーん……しかたないなあ。ちょっとだけだよ」天狗はみのをぬいで、赤い顔と長い鼻の姿をあらわしました。そして彦一にみのを渡して、竹の筒を受け取りました。

天狗は筒をのぞきました。見えるのは、丘の向こう側の木々ばかりです。「京なんか、ちっとも見えんぞ」と、天狗は言いました。「小僧、祭りはどこだ?」返事はありませんでした。彦一はみのを身につけて、もう笑いながら丘をかけ下りていたのです。

ふしぎなみののおかげで、彦一はそれは楽しい毎日をすごしました。店でおもちを食べても、店の主人には、おもちがどこへ消えたのかさっぱり分かりませんでした。大事な寄り合いの最中に、村長さんの首すじを鳥の羽でくすぐりました。酒屋で甘い酒を飲んで、主人をすっかりまごつかせました。

ところがある日、彦一が出かけているあいだに、お母さんが家のそうじをしました。押し入れを開けると、うすよごれた古いわらのみのが出てきました。「なんだい、この古ぼけたものは」と言って、お母さんはそれを火にくべて燃やしてしまいました。

家に帰った彦一は、ひどくあわてました。けれども、また別の考えがうかびました。彦一はみのの灰を集めて、体じゅうにぬりつけました。鏡をのぞくと、姿が消えていました!灰にも、まだ魔法の力が残っていたのです。

彦一はまっすぐ酒屋へかけていき、酒を飲みはじめました。ところが、手で口をぬぐったとき、くちびるの灰が取れてしまいました。主人が見ると、宙にうかんだ口が、店の酒を飲んでいるではありませんか。「おばけだあ!」と、主人は悲鳴をあげました。

彦一は外へ逃げ出しました。暑い日だったので、彦一は汗をかきはじめました。灰は汗で流れて、体に黒いすじができました。まもなく、こっちに腕が一本、あっちに足が一本と、通りを走っていくのが人びとに見えるようになりました。「あそこにいるぞ!つかまえろ!」と、人びとはさけびました。

彦一は逃げようとして、川に飛びこみました。ザブン!水が灰をすっかり洗い流してしまいました。彦一は川のまん中に立ち上がりました。ずぶぬれで、顔を真っ赤にして、身につけているのはふんどし一枚だけです。村じゅうの人が土手にならんで、大笑いに笑いました。

遠く離れた丘の上では、天狗がまだ竹の筒をのぞいていました。今でもあの木を見上げると、天狗がまだそこにいて、京の祭りが見えるのを待っている。そう話す人もいます。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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A trick may work once, but it will not work forever.

ずるいやり方は、いつまでも続かない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Hikoichi say he could see through the bamboo tube?

Q2. Why did Hikoichi's mother burn the cloak?

Q3. How did the people finally see Hikoichi?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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