Momotaro(桃太郎)の挿絵

Momotaro

桃太郎

  • 992 words
  • 約9分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 全訳つき

あらすじ鬼が島へ鬼退治に出かけた桃太郎。でも、そのわけは「働くのがいやだったから」でした。芥川龍之介が、だれもが知る昔話を鬼の側から見つめなおした、皮肉たっぷりの一編です。

芥川龍之介『桃太郎』(1924年)をもとに再話

ORIGINAL TEXT

まずは原文をチェック

この話は日本語の原文(青空文庫)でも読めます。青空文庫の本文を、そのまま載せています。やさしい版で筋をつかんでから原文へ進むと、作者の言葉をじっくり味わえます。

『桃太郎』芥川龍之介の日本語の原文を読む →

青空文庫の本文(新字新仮名・約4,400字)。

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • oni鬼
  • conquer征伐する・攻めほろぼす
  • millet dumplingsきびだんご
  • pheasantキジ
  • paradise楽園
  • hostages人質
  • grudgeうらみ
  • genius天才

音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

Long, long ago, deep in the mountains, there was a huge peach tree. Its branches spread above the clouds, and its roots reached down to the land of the dead.

むかし、むかし、大むかし、深い山の奥に、大きな桃の木が一本あった。その枝は雲の上にひろがり、その根は、地の底の黄泉の国にまで届いていた。

The tree flowered and bore fruit only once in ten thousand years. Its fruit was very large. But strangest of all, where the stone should be, each peach held a beautiful baby.

この木は、一万年に一度だけ花を開き、実をつけた。実はとても大きかった。しかし何より不思議なのは、どの桃も、種のあるところに、美しい赤んぼうを一人ずつ宿していたことだった。

One lonely morning, fate came down to the tree in the shape of a great crow. It pecked at a small peach, and the peach fell into a mountain stream far below. The stream flowed toward the land where people lived.

ある寂しい朝、運命は一羽の大きなからすになって、この木に舞いおりてきた。からすが小さな実を一つついばむと、実ははるか下の谷川へ落ちていった。谷川は、人間の住む国へと流れていた。

Who picked up this peach? As every child in Japan knows, an old woman was washing clothes downstream.

この桃を拾ったのはだれか。日本中の子どもが知っているとおり、谷川の下流では、お婆さんが一人、洗濯をしていたのである。

Momotaro, the boy born from the peach, decided to go and conquer Onigashima, the island of the oni. Why? Because he did not want to work in the mountains and fields like the old man and woman. The old couple were tired of this naughty boy, so they gladly gave him a flag, a sword, and everything he asked for. They even made kibi-dango, or millet dumplings, for his journey.

桃から生まれた桃太郎は、鬼の住む島、鬼が島の征伐を思い立った。なぜ思い立ったのか。お爺さんやお婆さんのように、山や畑へ仕事に出るのがいやだったからである。老夫婦もこの腕白者にはあきれはてていたので、旗でも刀でも、言われるままに喜んで持たせてやった。おまけに道中の食べ物として、きび団子までこしらえてやったのである。

On the way, a big, hungry dog called out to him. "Momotaro! What is that at your waist?" "The best millet dumplings in Japan," Momotaro answered proudly. In fact, even he was not sure of that. "Give me one, and I will go with you." Momotaro quickly did the math. "I will give you half."

道の途中で、腹をすかせた大きな犬が声をかけてきた。「桃太郎さん、お腰に下げたのは何でございます?」「日本一のきび団子だ」と、桃太郎は得意そうに答えた。じつは日本一かどうか、桃太郎自身にもあやしかったのである。「一つ下さい。お供しましょう。」桃太郎はとっさにそろばんをはじいた。「半分やろう。」

The dog kept asking for a whole one, but Momotaro would not change his mind. As in all business, the one who has nothing must obey the one who has something. At last the dog sighed and agreed to follow him for half a dumpling.

犬はしばらく「一つ下さい」とねばったが、桃太郎はどうしても考えを変えなかった。あらゆる商売と同じで、持たない者は、持っている者に従うしかない。犬もとうとうため息をつき、きび団子半分で桃太郎のお供をすることになった。

In the same way, for half a dumpling each, Momotaro made a monkey and a pheasant his servants too. But they did not get along. The dog looked down on the weak monkey, the monkey looked down on the serious pheasant, and the pheasant looked down on the slow dog.

桃太郎は同じように、きび団子を半分ずつやって、猿と雉も家来にした。ところが、この三匹は仲がよくなかった。犬は弱虫の猿をばかにし、猿はまじめくさった雉をばかにし、雉は頭のにぶい犬をばかにした。

Soon the monkey, with his stomach full, began to complain that half a dumpling was not enough. The angry dog tried to bite him, and the monkey escaped up a tree. Momotaro said coldly, "All right, then don't come. But I will not give you any of the treasure of Onigashima."

まもなく猿は、腹がふくれると、きび団子半分では割に合わないと文句を言い出した。怒った犬がかみつこうとすると、猿は木の上へ逃げてしまった。桃太郎は冷ややかに言いはなった。「よしよし、では供をするな。そのかわり、鬼が島の宝物は一つも分けてやらないぞ。」

The greedy monkey's eyes grew round. "Treasure?" "Yes. There is even a magic hammer that gives you anything you want." "Then I can shake out more magic hammers and get everything! Please take me, too!"

欲の深い猿は目を丸くした。「宝物?」「そうだ。何でも好きなものが出てくる、打出の小槌という宝物さえある。」「では、その小槌から小槌をいくつも振り出せば、何でも手に入りますね! どうかわたしも連れて行って下さい!」

But Onigashima was not a rocky island, as people imagine. It was a beautiful paradise, with tall palm trees and colorful singing birds. The oni there loved peace. They played music, danced, and sang old songs. Their wives and daughters wove cloth and made bunches of orchids, just like human women.

しかし鬼が島は、世間で思われているような岩山の島ではなかった。ヤシの木がそびえ、色あざやかな鳥がさえずる、美しい楽園だったのである。そこに住む鬼は、もちろん平和を愛していた。楽器をかなで、踊りを踊り、古い歌を歌って暮らしていた。鬼の妻や娘も、布を織ったり、ランの花束をこしらえたりして、人間の女と少しも変わらずに暮らしていた。

An old oni grandmother often told her grandchildren how frightening humans were. "If you are naughty, I will send you to the island of humans. Humans have no horns, and their faces are pale and creepy. They tell lies, they are greedy, they kill each other, and they steal. They are terrible beasts..."

年取った鬼のお婆さんは、いつも孫たちに、人間の恐ろしさを話して聞かせていた。「いたずらをすると、人間の島へやってしまうよ。人間というものは角が生えていなくて、なまっ白い、気味の悪い顔をしているのだよ。うそはつくし、欲は深いし、仲間同士で殺し合うし、泥棒はするし、本当にひどいけだものなのだよ……」

Momotaro brought these innocent oni a terror they had never known. The oni ran here and there among the palm trees, crying, "The humans are coming!" "Forward! Kill every oni you find!" Momotaro shouted, waving his peach flag.

桃太郎は、この罪のない鬼たちに、これまで味わったことのない恐ろしさを与えた。鬼たちは「人間が来たぞ」と叫びながら、ヤシの林を右往左往して逃げまどった。「進め! 鬼という鬼は、見つけしだい殺してしまえ!」と、桃太郎は桃の旗を振りながら叫んだ。

The three animals were not good friends, but no soldiers are braver than hungry animals. The dog killed young oni with one bite, and the pheasant pecked the oni children to death with its sharp beak. The monkey, perhaps because monkeys are our close relatives, did terrible things to the oni girls before strangling them.

三匹の家来は、仲のよい間柄ではなかった。しかし、腹をすかせた動物ほど勇ましい兵隊はいない。犬は鬼の若者をひとかみでかみ殺し、雉はするどいくちばしで鬼の子どもをつき殺した。猿は、我々人間と親類同士の間柄だからだろうか、鬼の娘たちにむごいことをしたうえで、しめ殺した。

At last, the chief of the oni and the few oni still alive gave up. Fallen oni lay everywhere. Momotaro said solemnly, "Because I am merciful, I will spare your lives. In return, you must give me all your treasure, and your children as hostages."

とうとう鬼の酋長は、生き残った数人の鬼とともに降参した。倒れた鬼が、あちこちに横たわっていた。桃太郎はおごそかに言いわたした。「格別のあわれみによって、貴様たちの命は助けてやる。そのかわり、宝物は一つ残らず差し出すのだぞ。貴様の子どもも、人質として差し出すのだぞ。」

"Yes, sir," said the chief. Then he timidly asked, "We must have been rude to you somehow, but we cannot understand how. Could you please tell us?" Momotaro nodded calmly. "I came to conquer Onigashima because I had taken on three loyal servants: the dog, the monkey, and the pheasant."

「はい、承知いたしました」と酋長は答えた。それから、おそるおそるたずねた。「わたくしどもは、何かあなた様に無礼をはたらいたのでございましょう。けれども、それが何なのか、とんとわかりませぬ。どうか教えていただけませぬか。」桃太郎はゆうゆうとうなずいた。「わたしは、犬・猿・雉という三匹の忠義な家来を召しかかえた。だから鬼が島を征伐に来たのだ。」

"Then why did you take on those three, sir?" "Because I wanted to conquer Onigashima, of course. That is why I gave them millet dumplings. Well? If you still don't understand, I will kill all of you, too." The chief jumped back in surprise and bowed even more politely.

「では、その三匹をお召しかかえになったのは、どういうわけでございますか?」「それはもちろん、鬼が島を征伐したかったからだ。だからきび団子をやって召しかかえたのだ。どうだ? これでもまだわからないと言うなら、貴様たちもみな殺してしまうぞ。」鬼の酋長は驚いて後ろへ飛びさがると、いっそう丁寧にお辞儀をした。

Momotaro returned home in triumph, with the oni children pulling a cart of treasure. Every child knows this much. But Momotaro did not live happily ever after. When the oni children grew up, they bit to death the pheasant who guarded them and ran back to Onigashima. The oni sometimes crossed the sea to set fire to Momotaro's house or to try to kill him in his sleep. People say they killed the monkey by mistake, thinking he was Momotaro.

桃太郎は、人質の鬼の子どもたちに宝物の車を引かせ、意気揚々と故郷へ帰った。ここまでは、だれでも知っている話である。しかし、桃太郎は幸せな一生を送ったわけではない。鬼の子どもたちは大人になると、見張り番の雉をかみ殺して、鬼が島へ逃げ帰った。鬼が島の鬼たちは、ときどき海を渡ってきては、桃太郎の屋敷に火をつけたり、寝ている桃太郎の命をねらったりした。猿が殺されたのは、桃太郎とまちがえられたからだといううわさである。

"Oni never forget a grudge. What a nuisance they are!" Momotaro sighed. "They even forget your kindness in sparing their lives!" the dog growled bitterly.

「どうも鬼というやつは、執念深くて困ったものだ」と、桃太郎はため息をついた。「命を助けていただいたご恩さえ忘れるとは、けしからんやつらでございます!」と、犬もくやしそうにうなった。

Meanwhile, on the lonely shore of Onigashima, under the lovely tropical moon, five or six young oni were putting bombs into coconuts to win back their island's freedom. They seemed to have forgotten even to fall in love with the gentle oni girls. They worked silently but happily, their teacup-sized eyes shining.

そのころ、寂しい鬼が島の浜辺では、美しい熱帯の月の光をあびて、五、六人の鬼の若者が、ヤシの実に爆弾をしかけていた。島の自由を取りもどすためである。やさしい鬼の娘たちに恋をすることさえ、忘れてしまったらしい。若者たちは黙々と、しかしうれしそうに働いていた。茶碗ほどもある目玉が、やみの中でかがやいていた。

Deep in the mountains where no human goes, the peach tree above the clouds still bears countless fruits today. The peach that held Momotaro floated away long ago. But no one knows how many future geniuses are still sleeping inside those fruits. When will that great crow come down to the tree again? Ah, no one knows how many future geniuses are still sleeping inside those fruits...

人間の知らない山の奥で、雲の上にそびえる桃の木は、今日も数えきれないほどの実をつけている。桃太郎を宿していた実は、とうに谷川を流れ去ってしまった。しかし未来の天才は、まだそれらの実の中に、何人とも知れず眠っている。あの大きなからすは、今度はいつ、この木へ舞いおりてくるのだろう。ああ、未来の天才は、まだそれらの実の中に、何人とも知れず眠っている……。

全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、むかし、大むかし、深い山の奥に、大きな桃の木が一本あった。その枝は雲の上にひろがり、その根は、地の底の黄泉の国にまで届いていた。

この木は、一万年に一度だけ花を開き、実をつけた。実はとても大きかった。しかし何より不思議なのは、どの桃も、種のあるところに、美しい赤んぼうを一人ずつ宿していたことだった。

ある寂しい朝、運命は一羽の大きなからすになって、この木に舞いおりてきた。からすが小さな実を一つついばむと、実ははるか下の谷川へ落ちていった。谷川は、人間の住む国へと流れていた。

この桃を拾ったのはだれか。日本中の子どもが知っているとおり、谷川の下流では、お婆さんが一人、洗濯をしていたのである。

桃から生まれた桃太郎は、鬼の住む島、鬼が島の征伐を思い立った。なぜ思い立ったのか。お爺さんやお婆さんのように、山や畑へ仕事に出るのがいやだったからである。老夫婦もこの腕白者にはあきれはてていたので、旗でも刀でも、言われるままに喜んで持たせてやった。おまけに道中の食べ物として、きび団子までこしらえてやったのである。

道の途中で、腹をすかせた大きな犬が声をかけてきた。「桃太郎さん、お腰に下げたのは何でございます?」「日本一のきび団子だ」と、桃太郎は得意そうに答えた。じつは日本一かどうか、桃太郎自身にもあやしかったのである。「一つ下さい。お供しましょう。」桃太郎はとっさにそろばんをはじいた。「半分やろう。」

犬はしばらく「一つ下さい」とねばったが、桃太郎はどうしても考えを変えなかった。あらゆる商売と同じで、持たない者は、持っている者に従うしかない。犬もとうとうため息をつき、きび団子半分で桃太郎のお供をすることになった。

桃太郎は同じように、きび団子を半分ずつやって、猿と雉も家来にした。ところが、この三匹は仲がよくなかった。犬は弱虫の猿をばかにし、猿はまじめくさった雉をばかにし、雉は頭のにぶい犬をばかにした。

まもなく猿は、腹がふくれると、きび団子半分では割に合わないと文句を言い出した。怒った犬がかみつこうとすると、猿は木の上へ逃げてしまった。桃太郎は冷ややかに言いはなった。「よしよし、では供をするな。そのかわり、鬼が島の宝物は一つも分けてやらないぞ。」

欲の深い猿は目を丸くした。「宝物?」「そうだ。何でも好きなものが出てくる、打出の小槌という宝物さえある。」「では、その小槌から小槌をいくつも振り出せば、何でも手に入りますね! どうかわたしも連れて行って下さい!」

しかし鬼が島は、世間で思われているような岩山の島ではなかった。ヤシの木がそびえ、色あざやかな鳥がさえずる、美しい楽園だったのである。そこに住む鬼は、もちろん平和を愛していた。楽器をかなで、踊りを踊り、古い歌を歌って暮らしていた。鬼の妻や娘も、布を織ったり、ランの花束をこしらえたりして、人間の女と少しも変わらずに暮らしていた。

年取った鬼のお婆さんは、いつも孫たちに、人間の恐ろしさを話して聞かせていた。「いたずらをすると、人間の島へやってしまうよ。人間というものは角が生えていなくて、なまっ白い、気味の悪い顔をしているのだよ。うそはつくし、欲は深いし、仲間同士で殺し合うし、泥棒はするし、本当にひどいけだものなのだよ……」

桃太郎は、この罪のない鬼たちに、これまで味わったことのない恐ろしさを与えた。鬼たちは「人間が来たぞ」と叫びながら、ヤシの林を右往左往して逃げまどった。「進め! 鬼という鬼は、見つけしだい殺してしまえ!」と、桃太郎は桃の旗を振りながら叫んだ。

三匹の家来は、仲のよい間柄ではなかった。しかし、腹をすかせた動物ほど勇ましい兵隊はいない。犬は鬼の若者をひとかみでかみ殺し、雉はするどいくちばしで鬼の子どもをつき殺した。猿は、我々人間と親類同士の間柄だからだろうか、鬼の娘たちにむごいことをしたうえで、しめ殺した。

とうとう鬼の酋長は、生き残った数人の鬼とともに降参した。倒れた鬼が、あちこちに横たわっていた。桃太郎はおごそかに言いわたした。「格別のあわれみによって、貴様たちの命は助けてやる。そのかわり、宝物は一つ残らず差し出すのだぞ。貴様の子どもも、人質として差し出すのだぞ。」

「はい、承知いたしました」と酋長は答えた。それから、おそるおそるたずねた。「わたくしどもは、何かあなた様に無礼をはたらいたのでございましょう。けれども、それが何なのか、とんとわかりませぬ。どうか教えていただけませぬか。」桃太郎はゆうゆうとうなずいた。「わたしは、犬・猿・雉という三匹の忠義な家来を召しかかえた。だから鬼が島を征伐に来たのだ。」

「では、その三匹をお召しかかえになったのは、どういうわけでございますか?」「それはもちろん、鬼が島を征伐したかったからだ。だからきび団子をやって召しかかえたのだ。どうだ? これでもまだわからないと言うなら、貴様たちもみな殺してしまうぞ。」鬼の酋長は驚いて後ろへ飛びさがると、いっそう丁寧にお辞儀をした。

桃太郎は、人質の鬼の子どもたちに宝物の車を引かせ、意気揚々と故郷へ帰った。ここまでは、だれでも知っている話である。しかし、桃太郎は幸せな一生を送ったわけではない。鬼の子どもたちは大人になると、見張り番の雉をかみ殺して、鬼が島へ逃げ帰った。鬼が島の鬼たちは、ときどき海を渡ってきては、桃太郎の屋敷に火をつけたり、寝ている桃太郎の命をねらったりした。猿が殺されたのは、桃太郎とまちがえられたからだといううわさである。

「どうも鬼というやつは、執念深くて困ったものだ」と、桃太郎はため息をついた。「命を助けていただいたご恩さえ忘れるとは、けしからんやつらでございます!」と、犬もくやしそうにうなった。

そのころ、寂しい鬼が島の浜辺では、美しい熱帯の月の光をあびて、五、六人の鬼の若者が、ヤシの実に爆弾をしかけていた。島の自由を取りもどすためである。やさしい鬼の娘たちに恋をすることさえ、忘れてしまったらしい。若者たちは黙々と、しかしうれしそうに働いていた。茶碗ほどもある目玉が、やみの中でかがやいていた。

人間の知らない山の奥で、雲の上にそびえる桃の木は、今日も数えきれないほどの実をつけている。桃太郎を宿していた実は、とうに谷川を流れ去ってしまった。しかし未来の天才は、まだそれらの実の中に、何人とも知れず眠っている。あの大きなからすは、今度はいつ、この木へ舞いおりてくるのだろう。ああ、未来の天才は、まだそれらの実の中に、何人とも知れず眠っている……。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Momotaro decide to go to Onigashima?

Q2. What was Onigashima really like?

Q3. What were the young oni doing at the end of the story?

この話の単語 CEFR-JB1・B2の語 52語/タップで意味・単語帳へ
  • A1中学基礎 77.2%
  • A2高校入門 9%
  • B1受験コア 4.4%
  • B2難関大 3.1%
  • リストにない語 6.3%

本文の語の割合(人名などは数えていません)。「リストにない語」は固有名詞・古い言い方・やさしい複合語などです。

B2難関大の語 18語

B1受験コアの語 34語

原田英語の究極の英単語帳(CEFR-J 6,868語)で、例文・語源・ゲームでしっかり覚えよう。CEFR-J 単語コーナー →

読み終わったら、原文でも読んでみよう ↑

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む 計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 3 の読み物をもっと見る →