Twenty Thousand Leagues Under the Sea(海底二万里)の挿絵
Level 4 Intermediate名作文学

Twenty Thousand Leagues Under the Sea

海底二万里

  • 📖 1,065 words
  • ⏱ 約10分
  • 🔊 6:17
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ世界の海で船をおそう、なぞの「怪物」。その正体を確かめに出かけたアロナックス教授がとらえられたのは、謎の男ネモ船長がひきいる潜水艦ノーチラス号の中でした。海の底をめぐる長い航海の全体を、短くまとめた再話です。

ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(1869〜70年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • leagueリーグ(距離の単位。約4キロ)
  • harpoonerもりを投げる人
  • submarine潜水艦
  • organオルガン
  • diving suits潜水服
  • oppressedしいたげられた(人々)
  • squidsイカ
  • whirlpoolうずまき
  • hatredにくしみ
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In the year 1866, sailors all over the world began to report a terrible sea monster. It was long and shining, much faster than any ship, and sometimes it glowed with a strange light. Several ships were damaged by it. People in every port talked about nothing else. Finally, the United States sent a fast warship, the Abraham Lincoln, to hunt it down.

一八六六年、世界じゅうの船乗りたちが、恐ろしい海の怪物を見たと言いだしました。細長くてきらきら光り、どんな船よりも速く、ときには不思議な光を放つというのです。何隻もの船が、その怪物にぶつけられて傷つきました。どこの港でも、人々はその話でもちきりでした。とうとうアメリカ合衆国は、怪物をしとめるために、足の速い軍艦エイブラハム・リンカーン号を送り出しました。

I was invited to join the hunt. My name is Pierre Aronnax, and I am a professor at the Museum of Natural History in Paris. With me came my loyal servant, Conseil, a calm young man who loved to sort every living thing into neat scientific groups. On board we also met Ned Land, a big Canadian who was the best harpooner in the world.

わたしも、この怪物狩りに招かれました。わたしの名前はピエール・アロナックス。パリの自然史博物館の教授です。一緒に来たのは、忠実な召使いのコンセイユでした。落ち着いた若者で、どんな生き物でも、学問の分類にきちんと当てはめるのが大好きなのです。船の上では、ネッド・ランドとも知り合いました。大柄なカナダ人で、世界一のもり打ちでした。

For months we searched the Pacific Ocean and saw nothing. Then, one night, the sea began to glow. The monster was there! The ship chased it, and Ned threw his harpoon with all his strength. We heard a hard, metallic sound, as if the harpoon had hit iron. A moment later, a huge wave crashed over the ship, and I was thrown into the dark sea.

何か月も太平洋を探し回りましたが、何も見つかりませんでした。ところがある夜、海が光りはじめました。怪物が現れたのです! 船は怪物を追いかけ、ネッドは力いっぱいもりを投げました。カーンという、かたい金属の音がしました。まるで、もりが鉄に当たったかのようでした。次の瞬間、巨大な波が船の上に打ち寄せ、わたしは暗い海へ投げ出されてしまいました。

Conseil jumped in after me, and later we found Ned in the water. The three of us climbed onto the back of the monster, which was floating quietly on the surface. Ned kicked it. "This beast is made of steel plates!" he shouted. It was not an animal at all. It was a submarine.

コンセイユが、わたしのあとから海に飛びこんでくれました。やがて、水の中でネッドも見つかりました。怪物は、海面に静かに浮かんでいました。わたしたち三人は、その背中によじ登りました。ネッドが足でけってみました。「こいつは、鋼鉄の板でできているぞ!」とネッドは叫びました。それは動物などではありませんでした。潜水艦だったのです。

In the morning, men came out and pulled us inside. We were locked in a dark room. Then a tall man with a proud face and deep, dark eyes came in. "I am Captain Nemo," he said, "and this is my ship, the Nautilus. I have left the world of men forever. You have seen my secret, so you can never go back to land. But inside my ship, you will be free."

朝になると、中から男たちが出てきて、わたしたちを船の中へ引き入れました。わたしたちは、暗い部屋に閉じこめられました。やがて、背の高い男が入ってきました。誇り高い顔つきで、深く黒い目をしています。「わたしはネモ船長だ」と男は言いました。「そしてこれが、わたしの船、ノーチラス号だ。わたしは人間の世界と、永遠に縁を切った。きみたちは、わたしの秘密を見てしまった。だから、二度と陸へは帰れない。だが、この船の中でなら、自由にしてかまわない」

Ned was furious, but I was secretly excited. The Nautilus was a wonder. It was powered by electricity, which the captain made from the sea itself. It had a library of twelve thousand books, a great organ, and a museum full of beautiful shells and treasures from the ocean floor. Through its huge windows, we could watch thousands of fish swimming past in the electric light.

ネッドはかんかんに怒りましたが、わたしは心ひそかに、わくわくしていました。ノーチラス号は、驚くべき船でした。動力は電気で、船長はその電気を、海そのものから作り出していました。船には一万二千冊の本がある図書室や、大きなオルガン、そして海の底から集めた美しい貝や宝物でいっぱいの博物室までありました。大きな窓からは、電気の光に照らされて、何千もの魚が泳いでいくのを眺めることができました。

Captain Nemo took us hunting in an underwater forest. We wore diving suits with metal helmets and carried tanks of air on our backs. We walked across the soft sand among strange plants and bright coral. It was like walking through a silent, magical garden. The captain even had special guns that fired electric bullets.

ネモ船長は、わたしたちを海底の森へ、狩りに連れていってくれました。わたしたちは金属のかぶとのついた潜水服を着て、空気のタンクを背負いました。やわらかい砂の上を、不思議な海草や色あざやかなサンゴのあいだをぬって歩きました。まるで、静まりかえった魔法の庭を歩いているようでした。船長は、電気の弾を撃つ特別な銃まで持っていました。

Near the island of Ceylon, we watched a poor pearl diver at work on the sea floor. Suddenly a huge shark rushed at him. Captain Nemo jumped in front of the shark with only a knife and fought it. Ned arrived and killed the shark with his harpoon just in time. The captain then gave the frightened diver a bag of pearls. "That Indian lives in a land of the oppressed," he said quietly. "And I am still one of that land's people."

セイロン島の近くで、わたしたちは、海の底で働く貧しい真珠とりを見ていました。そこへ突然、巨大なサメが真珠とりめがけて突進してきたのです。ネモ船長は、ナイフ一本でサメの前に飛び出し、戦いました。そこへネッドが駆けつけ、ぎりぎりのところで、もりでサメをしとめました。それから船長は、おびえている真珠とりに、真珠の入った袋を与えました。「あのインドの男は、しいたげられた人々の国に住んでいる」と船長は静かに言いました。「そしてわたしも、今なお、その国の人間なのだ」

We traveled around the whole world under the sea. We even passed under the land at Suez, through a secret tunnel from the Red Sea to the Mediterranean. One night, Captain Nemo showed me the ruins of a great city lying at the bottom of the Atlantic Ocean. It was Atlantis, the lost land of the old stories. I stood on the mountain beside the dark ruins and could hardly believe my eyes.

わたしたちは海の中を通って、世界をひと回りしました。スエズでは、紅海から地中海へ抜ける秘密のトンネルを通って、陸地の下をくぐり抜けさえしました。ある夜、ネモ船長は、大西洋の海の底に沈む、大きな都の廃墟を見せてくれました。昔の物語に出てくる、失われた国、アトランティスです。暗い廃墟のそばの山の上に立って、わたしは自分の目がほとんど信じられませんでした。

Then the Nautilus went south, far south, until it reached the South Pole. Captain Nemo climbed out onto the ice and raised a black flag with a golden N on it. "This land belongs to me," he said. But on the way back, a huge mountain of ice turned over and trapped the ship under the ice. There was ice above, below, and on every side, and our air was running out.

それからノーチラス号は南へ、はるか南へと進み、とうとう南極にたどり着きました。ネモ船長は氷の上に降り立ち、金色のNの字が入った黒い旗をかかげました。「この土地は、わたしのものだ」と船長は言いました。ところが帰り道、巨大な氷山がひっくり返って、船は氷の下に閉じこめられてしまいました。上も下も、まわりも、すべて氷です。そして、空気が残り少なくなってきました。

The whole crew worked day and night to cut through the ice. The air became so thin that I could hardly breathe. I lay on the floor, dying. Then Ned and Conseil gave me the last of their own air. At last, the captain drove the Nautilus hard against the thinnest part of the ice, and it broke. Fresh air rushed in, and we were saved.

乗組員全員が、昼も夜も氷を切りくずし続けました。空気がうすくなって、わたしはほとんど息ができなくなりました。床に横たわって、死にかけていたのです。そのとき、ネッドとコンセイユが、自分たちに残された最後の空気を、わたしに吸わせてくれました。とうとう船長は、氷のいちばんうすいところへ、ノーチラス号を力いっぱいぶつけました。氷は割れました。新しい空気が流れこみ、わたしたちは助かったのです。

Near the Bahamas, giant squids attacked the ship. One of them caught a sailor in its long arms and carried him away. I heard him cry for help in French, my own language. Captain Nemo fought the squids with an axe, and when the battle was over, he wept for his lost man. I began to understand that this cold, proud captain had a deep sadness in his heart.

バハマ諸島の近くで、巨大なイカの群れが船を襲いました。そのうちの一匹が、長い腕で船員を一人つかまえて、さらっていきました。助けを求めるその男の声が、聞こえました。わたしの国の言葉、フランス語でした。ネモ船長は斧を手にイカと戦い、戦いが終わると、失った部下のために涙を流しました。この冷たく誇り高い船長の心には、深い悲しみがあるのだと、わたしはわかりはじめました。

One day a warship found the Nautilus and fired its guns at us. Captain Nemo's face changed. "I am the oppressed, and there is the oppressor!" he cried. "Because of them, I lost everything I loved, my country, my wife, my children!" He drove the Nautilus straight into the warship and broke its side open. The ship sank with all of its men. I watched with horror. Afterwards, I saw the captain kneeling in his room in front of a picture of a woman and two children, crying.

ある日、一隻の軍艦がノーチラス号を見つけて、大砲を撃ってきました。ネモ船長の顔つきが変わりました。「わたしはしいたげられた者だ。そして、あれがしいたげる者だ!」と船長は叫びました。「あいつらのせいで、わたしは愛するものをすべて失ったのだ。祖国も、妻も、子どもたちも!」船長はノーチラス号をまっすぐ軍艦に突っこませ、船の横腹を突き破りました。軍艦は、乗組員もろとも沈んでいきました。わたしは、ぞっとしてそれを見ていました。そのあと、船長が自分の部屋で、一人の女の人と二人の子どもの絵の前にひざまずき、泣いているのを見ました。

After that, we could not stay any longer. "We must escape, or I will go mad," said Ned. One night, as the Nautilus moved along the coast of Norway, we crept into the small boat fixed to the top of the ship. Through the wall, I heard the captain playing the organ and crying, "Almighty God! Enough! Enough!"

このことがあってから、わたしたちはもう、船にとどまってはいられなくなりました。「逃げなきゃ、おれは気が変になっちまう」とネッドは言いました。ある夜、ノーチラス号がノルウェーの海岸ぞいを進んでいるとき、わたしたちは船の上に取りつけてある小さなボートに、こっそり乗りこみました。壁の向こうから、オルガンをひきながら叫ぶ船長の声が聞こえました。「全能の神よ! もうたくさんだ! もうたくさんだ!」

Just then, the ship was caught in the Maelstrom, a terrible whirlpool. Our little boat broke loose and was thrown into the spinning water. I hit my head and fainted. When I woke up, I was lying in a fisherman's hut on a Norwegian island, and Ned and Conseil were beside me.

ちょうどそのとき、船はメエルシュトレームという恐ろしい大渦巻きに巻きこまれました。わたしたちの小さなボートは船から外れて、ぐるぐる回る水の中へ投げこまれました。わたしは頭を打って、気を失いました。気がつくと、ノルウェーの島の、漁師の小屋に寝かされていました。そばには、ネッドとコンセイユがいました。

In less than ten months, we had traveled twenty thousand leagues under the sea. I do not know if the Nautilus escaped from the whirlpool, or if Captain Nemo is still alive. But I hope that the hatred in his heart has gone at last. I hope that he is still quietly studying the wonders of the sea he loved so much.

十か月もたたないうちに、わたしたちは海の中を二万リーグも旅したのです。ノーチラス号が渦巻きから逃れられたのか、ネモ船長が今も生きているのか、わたしにはわかりません。けれども、船長の心の憎しみが、ようやく消えていてくれればと思います。そして、あれほど愛した海の不思議を、今も静かに研究していてくれればと願っています。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

一八六六年、世界じゅうの船乗りたちが、恐ろしい海の怪物を見たと言いだしました。細長くてきらきら光り、どんな船よりも速く、ときには不思議な光を放つというのです。何隻もの船が、その怪物にぶつけられて傷つきました。どこの港でも、人々はその話でもちきりでした。とうとうアメリカ合衆国は、怪物をしとめるために、足の速い軍艦エイブラハム・リンカーン号を送り出しました。

わたしも、この怪物狩りに招かれました。わたしの名前はピエール・アロナックス。パリの自然史博物館の教授です。一緒に来たのは、忠実な召使いのコンセイユでした。落ち着いた若者で、どんな生き物でも、学問の分類にきちんと当てはめるのが大好きなのです。船の上では、ネッド・ランドとも知り合いました。大柄なカナダ人で、世界一のもり打ちでした。

何か月も太平洋を探し回りましたが、何も見つかりませんでした。ところがある夜、海が光りはじめました。怪物が現れたのです! 船は怪物を追いかけ、ネッドは力いっぱいもりを投げました。カーンという、かたい金属の音がしました。まるで、もりが鉄に当たったかのようでした。次の瞬間、巨大な波が船の上に打ち寄せ、わたしは暗い海へ投げ出されてしまいました。

コンセイユが、わたしのあとから海に飛びこんでくれました。やがて、水の中でネッドも見つかりました。怪物は、海面に静かに浮かんでいました。わたしたち三人は、その背中によじ登りました。ネッドが足でけってみました。「こいつは、鋼鉄の板でできているぞ!」とネッドは叫びました。それは動物などではありませんでした。潜水艦だったのです。

朝になると、中から男たちが出てきて、わたしたちを船の中へ引き入れました。わたしたちは、暗い部屋に閉じこめられました。やがて、背の高い男が入ってきました。誇り高い顔つきで、深く黒い目をしています。「わたしはネモ船長だ」と男は言いました。「そしてこれが、わたしの船、ノーチラス号だ。わたしは人間の世界と、永遠に縁を切った。きみたちは、わたしの秘密を見てしまった。だから、二度と陸へは帰れない。だが、この船の中でなら、自由にしてかまわない」

ネッドはかんかんに怒りましたが、わたしは心ひそかに、わくわくしていました。ノーチラス号は、驚くべき船でした。動力は電気で、船長はその電気を、海そのものから作り出していました。船には一万二千冊の本がある図書室や、大きなオルガン、そして海の底から集めた美しい貝や宝物でいっぱいの博物室までありました。大きな窓からは、電気の光に照らされて、何千もの魚が泳いでいくのを眺めることができました。

ネモ船長は、わたしたちを海底の森へ、狩りに連れていってくれました。わたしたちは金属のかぶとのついた潜水服を着て、空気のタンクを背負いました。やわらかい砂の上を、不思議な海草や色あざやかなサンゴのあいだをぬって歩きました。まるで、静まりかえった魔法の庭を歩いているようでした。船長は、電気の弾を撃つ特別な銃まで持っていました。

セイロン島の近くで、わたしたちは、海の底で働く貧しい真珠とりを見ていました。そこへ突然、巨大なサメが真珠とりめがけて突進してきたのです。ネモ船長は、ナイフ一本でサメの前に飛び出し、戦いました。そこへネッドが駆けつけ、ぎりぎりのところで、もりでサメをしとめました。それから船長は、おびえている真珠とりに、真珠の入った袋を与えました。「あのインドの男は、しいたげられた人々の国に住んでいる」と船長は静かに言いました。「そしてわたしも、今なお、その国の人間なのだ」

わたしたちは海の中を通って、世界をひと回りしました。スエズでは、紅海から地中海へ抜ける秘密のトンネルを通って、陸地の下をくぐり抜けさえしました。ある夜、ネモ船長は、大西洋の海の底に沈む、大きな都の廃墟を見せてくれました。昔の物語に出てくる、失われた国、アトランティスです。暗い廃墟のそばの山の上に立って、わたしは自分の目がほとんど信じられませんでした。

それからノーチラス号は南へ、はるか南へと進み、とうとう南極にたどり着きました。ネモ船長は氷の上に降り立ち、金色のNの字が入った黒い旗をかかげました。「この土地は、わたしのものだ」と船長は言いました。ところが帰り道、巨大な氷山がひっくり返って、船は氷の下に閉じこめられてしまいました。上も下も、まわりも、すべて氷です。そして、空気が残り少なくなってきました。

乗組員全員が、昼も夜も氷を切りくずし続けました。空気がうすくなって、わたしはほとんど息ができなくなりました。床に横たわって、死にかけていたのです。そのとき、ネッドとコンセイユが、自分たちに残された最後の空気を、わたしに吸わせてくれました。とうとう船長は、氷のいちばんうすいところへ、ノーチラス号を力いっぱいぶつけました。氷は割れました。新しい空気が流れこみ、わたしたちは助かったのです。

バハマ諸島の近くで、巨大なイカの群れが船を襲いました。そのうちの一匹が、長い腕で船員を一人つかまえて、さらっていきました。助けを求めるその男の声が、聞こえました。わたしの国の言葉、フランス語でした。ネモ船長は斧を手にイカと戦い、戦いが終わると、失った部下のために涙を流しました。この冷たく誇り高い船長の心には、深い悲しみがあるのだと、わたしはわかりはじめました。

ある日、一隻の軍艦がノーチラス号を見つけて、大砲を撃ってきました。ネモ船長の顔つきが変わりました。「わたしはしいたげられた者だ。そして、あれがしいたげる者だ!」と船長は叫びました。「あいつらのせいで、わたしは愛するものをすべて失ったのだ。祖国も、妻も、子どもたちも!」船長はノーチラス号をまっすぐ軍艦に突っこませ、船の横腹を突き破りました。軍艦は、乗組員もろとも沈んでいきました。わたしは、ぞっとしてそれを見ていました。そのあと、船長が自分の部屋で、一人の女の人と二人の子どもの絵の前にひざまずき、泣いているのを見ました。

このことがあってから、わたしたちはもう、船にとどまってはいられなくなりました。「逃げなきゃ、おれは気が変になっちまう」とネッドは言いました。ある夜、ノーチラス号がノルウェーの海岸ぞいを進んでいるとき、わたしたちは船の上に取りつけてある小さなボートに、こっそり乗りこみました。壁の向こうから、オルガンをひきながら叫ぶ船長の声が聞こえました。「全能の神よ! もうたくさんだ! もうたくさんだ!」

ちょうどそのとき、船はメエルシュトレームという恐ろしい大渦巻きに巻きこまれました。わたしたちの小さなボートは船から外れて、ぐるぐる回る水の中へ投げこまれました。わたしは頭を打って、気を失いました。気がつくと、ノルウェーの島の、漁師の小屋に寝かされていました。そばには、ネッドとコンセイユがいました。

十か月もたたないうちに、わたしたちは海の中を二万リーグも旅したのです。ノーチラス号が渦巻きから逃れられたのか、ネモ船長が今も生きているのか、わたしにはわかりません。けれども、船長の心の憎しみが、ようやく消えていてくれればと思います。そして、あれほど愛した海の不思議を、今も静かに研究していてくれればと願っています。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Ned Land discover when he kicked the "monster"?

Q2. How was Aronnax saved when the ship was trapped under the ice?

Q3. How did Aronnax, Ned, and Conseil leave the Nautilus?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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