The Time Machine(タイム・マシン)の挿絵
Level 4 Intermediate名作文学

The Time Machine

タイム・マシン

  • 📖 1,081 words
  • ⏱ 約10分
  • 🔊 5:39
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじある発明家が、友人たちの前で「時間の中を旅する機械」の模型を消してみせます。一週間後、よごれて足を引きずりながら帰ってきた彼は、八十万年後の未来で見てきたことを語りはじめ……。物語の全体を短くまとめた再話です。

H・G・ウェルズ『タイム・マシン』(1895年)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • inventor発明家
  • leverレバー
  • limping足を引きずって
  • sphinxスフィンクス
  • drownおぼれる
  • wells井戸
  • mankind人類
  • camphorしょうのう(燃えやすい薬品)
  • trapわな
  • gratitude感謝の気持ち
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・イギリス英語・Puck)

Every Thursday evening, a few of us met for dinner at the house of a man we called the Time Traveller. He was a brilliant inventor with gray eyes that shone when he talked about his ideas. One evening, after dinner, he showed us a small, beautiful machine made of shining metal and crystal. "This is a model of a machine that can travel through time," he said.

毎週木曜日の夜、わたしたち数人は、ある男の家に集まって夕食をともにした。わたしたちはその男を「時間旅行者」と呼んでいた。すぐれた発明家で、自分の考えを話すときには、灰色の目がきらきらと輝いた。ある晩、夕食のあとで、時間旅行者は小さな美しい機械を見せてくれた。光る金属と水晶でできていた。「これは、時間の中を旅する機械の模型です」と彼は言った。

He asked one of us to press a tiny lever. There was a breath of wind, and the little machine became thin and pale like a ghost. Then it was gone. "It has gone into the future," the Time Traveller said calmly. "And in my workshop, I am building a full-sized one." We thought it was a clever trick. None of us really believed him.

時間旅行者は、わたしたちの一人に、小さなレバーを押させた。ふっと風が吹き、小さな機械は幽霊のように薄く、ぼんやりとなった。そして消えてしまった。「未来へ行ったのです」と時間旅行者は落ち着きはらって言った。「わたしの作業場では今、実物大の機械を作っています」わたしたちは、うまい手品だと思った。本気にした者は一人もいなかった。

The next Thursday, we arrived for dinner, but our host was not there. We began to eat without him. Suddenly the door opened, and the Time Traveller came in. We were shocked. His clothes were dirty and torn, his face was pale, and he was limping. He drank a glass of wine and ate like a starving man. Then he lit his pipe and said, "I will tell you my story. But please do not interrupt me."

次の木曜日、夕食に集まってみると、主人の姿がなかった。わたしたちは先に食べはじめた。突然ドアが開き、時間旅行者が入ってきた。わたしたちはぎょっとした。服は汚れて破れ、顔は青ざめ、足を引きずっていた。時間旅行者はワインを一杯飲みほし、飢えた人のようにがつがつ食べた。それからパイプに火をつけて言った。「わたしの身に起きたことを話しましょう。でも、どうか途中で口をはさまないでください」

"This morning I sat in my Time Machine and pulled the lever," he began. "Night followed day faster and faster, until the sun was a band of fire across the sky. I saw buildings rise and fall like dreams. When I finally stopped, I was in the year 802,701. I was sitting on the grass in a beautiful garden, in front of a huge white stone figure. It was a sphinx with great wings."

「けさ、わたしはタイム・マシンに座って、レバーを引きました」と時間旅行者は話しはじめた。「夜と昼がどんどん速く入れかわり、とうとう太陽は、空にかかる炎の帯のようになりました。建物が、夢のように建っては消えていきました。ようやく機械を止めると、そこは八十万二千七百一年の世界でした。わたしは美しい庭の草の上にいて、目の前には白い石の大きな像がありました。大きなつばさのあるスフィンクスでした」

"Soon some small, gentle people came to meet me. They were only about four feet tall, with soft, pretty faces and clothes of bright colors. They were called the Eloi. They lived in great old buildings, ate only fruit, and spent their days playing and sleeping in the sun. They were like happy children, but they had no interest in anything. After a few minutes of talking to me, they got bored and wandered away."

「まもなく、小がらで、おとなしそうな人たちが迎えにやってきました。背は四フィートほどしかなく、やわらかい、かわいらしい顔をして、あざやかな色の服を着ていました。エロイと呼ばれる人たちでした。大きな古い建物に住み、くだものだけを食べ、毎日遊んだり、日なたで眠ったりして暮らしていました。楽しそうな子どものようでしたが、何ごとにも興味を持たないのです。わたしと数分話すと、もうあきてしまって、ぶらぶらとどこかへ行ってしまいました」

"At first I thought I had found a perfect world. There was no hard work, no sickness, and no war. Humans had defeated nature, I thought, and now they could simply enjoy life. But that evening I came back to the sphinx, and my Time Machine was gone! Someone had dragged it into the hollow stone base of the sphinx, behind heavy bronze doors. I could not open them. I was trapped in the future."

「はじめは、理想の世界を見つけたのだと思いました。つらい労働もなく、病気もなく、戦争もない。人間は自然を打ち負かして、今はただ人生を楽しめばいいのだ、と。ところがその夕方、スフィンクスのところへもどってみると、タイム・マシンがなくなっていたのです! 誰かが、スフィンクスの石の台座の中へ引きずりこんでいたのです。台座の中は空洞になっていて、重い青銅の扉がついていました。扉はどうしても開きませんでした。わたしは未来に閉じこめられてしまったのです」

"A few days later, I saw some of the Eloi swimming in the river. One little woman was caught by the current and began to drown. The others just watched. I jumped in and pulled her out. Her name was Weena. After that, she followed me everywhere like a little friend, and she brought me flowers. I noticed one strange thing about her. She was terribly afraid of the dark."

「数日後、何人かのエロイが川で泳いでいるのを見かけました。小がらな女が一人、流れにのまれて、おぼれかけました。ほかの者たちは、ただながめているだけでした。わたしは飛びこんで、その女を引き上げました。ウィーナという名前でした。それからというもの、ウィーナは小さな友だちのように、どこへでもついてきて、花を持ってきてくれました。一つだけ、ウィーナには不思議なところがありました。暗やみをひどく怖がるのです」

"Then I discovered why. Here and there across the land stood deep wells with no water in them. From the bottom came the sound of machines. One night, I saw pale, ape-like creatures with big red eyes moving in the moonlight. These were the Morlocks. They lived underground in the dark, and they came up only at night. Bright light hurt their eyes."

「やがて、そのわけがわかりました。この土地のあちこちに、水のない深い井戸がありました。その底から、機械の音が聞こえてくるのです。ある夜、月明かりの中を、青白い、サルのような生き物たちが動いているのを見ました。大きな赤い目をしていました。それがモーロックでした。モーロックは地下の暗やみに住み、夜だけ地上に出てくるのです。明るい光をあびると、目が痛むのでした」

"I decided to go down one of the wells. At the bottom I found dark tunnels full of huge machines, and the Morlocks crowded around me, touching me with their cold hands. I had only a few matches. Each time I lit one, they ran away from the light. I escaped up the well just as my last match went out."

「わたしは、井戸の一つをおりてみることにしました。底には暗いトンネルが続いていて、大きな機械がぎっしり並んでいました。モーロックたちがわたしのまわりに群がり、冷たい手でさわってきました。マッチは数本しか持っていませんでした。一本すって火をつけるたびに、モーロックたちは光から逃げていきました。最後のマッチが消えると同時に、わたしは井戸を登って逃げ出しました」

"Slowly, I understood the terrible truth. Long ago, mankind had divided into two races. The rich had become the Eloi, beautiful but weak and foolish. The workers had gone underground and become the Morlocks. The Morlocks still worked the machines and made clothes for the Eloi. But they also came up in the dark to catch the Eloi for food. The Eloi were like animals on a farm."

「少しずつ、わたしは恐ろしい真実を理解しました。はるか昔、人類は二つの種族に分かれたのです。金持ちたちはエロイになりました。美しいけれど、弱く、愚かになったのです。働く者たちは地下にもぐって、モーロックになりました。モーロックは今でも機械を動かして、エロイのために服を作っていました。けれども、暗くなると地上に出てきて、エロイを食べるためにつかまえていたのです。エロイは、農場で飼われている家畜のようなものでした」

"Weena and I set out for a huge green building far away. It was an old museum, full of dust. There I found a box of matches, some camphor that burned brightly, and a heavy iron bar to fight with. But on the way back, night came while we were still in a forest. The Morlocks surrounded us in the dark. I lit a fire to keep them away, but the fire spread through the dry trees. In the smoke and confusion, I lost Weena. I never saw her again."

「ウィーナとわたしは、遠くに見える大きな緑色の建物へ出かけました。ほこりだらけの古い博物館でした。そこで、マッチを一箱と、明るく燃える樟脳と、武器にする重い鉄の棒を見つけました。ところが帰り道、まだ森の中にいるうちに、夜になってしまいました。暗やみの中で、モーロックたちがわたしたちを取り囲みました。近よらせないように火をたきましたが、火は乾いた木々に燃え広がってしまいました。煙と大混乱の中で、わたしはウィーナを見失いました。それきり、二度とウィーナには会えませんでした」

"In the morning, sad and exhausted, I returned to the sphinx. The bronze doors were open! My machine was standing inside. Of course it was a trap. As soon as I stepped in, the doors slammed shut behind me, and the Morlocks came for me in the darkness. But I jumped onto the machine and pulled the lever, and I was gone."

「朝になって、悲しみと疲れでくたくたになって、わたしはスフィンクスのところへもどりました。すると、青銅の扉が開いていたのです! 中にはわたしの機械が置いてありました。もちろん、わなでした。わたしが一歩ふみこんだとたん、うしろで扉がばたんと閉まり、暗やみの中からモーロックたちが襲いかかってきました。でも、わたしは機械に飛び乗ってレバーを引き、その場から消えたのです」

"I did not stop. I traveled millions of years into the future. The sun grew huge and red, and the earth stopped turning. I stood on a cold, gray beach under a dark sky, where giant crab-like creatures crawled slowly over the rocks. Further still, thirty million years from now, there was almost no life at all. Snow was falling, the air was bitterly cold, and the silence was terrible. Feeling sick and afraid, I turned the machine back toward home. And here I am."

「わたしは止まりませんでした。何百万年も先の未来まで旅しました。太陽は大きくふくらんで赤くなり、地球は回るのをやめていました。わたしは暗い空の下の、冷たい灰色の浜辺に立っていました。カニのような巨大な生き物が、岩の上をのろのろとはっていました。さらに先へ、今から三千万年後まで行くと、生き物はほとんど何もいませんでした。雪が降り、空気は身を切るように冷たく、静けさが恐ろしいほどでした。気分が悪くなり、怖くなって、わたしは機械を自分の時代へ向けました。そして今、ここにいるというわけです」

We did not know what to say. Nobody believed him. But then he put his hand in his pocket and laid two strange white flowers on the table. They were a kind that none of us had ever seen. "Weena put them in my pocket," he said quietly.

わたしたちは、何と言っていいかわからなかった。誰も信じてはいなかった。ところがそのとき、時間旅行者はポケットに手を入れ、不思議な白い花を二つ、テーブルの上に置いた。わたしたちの誰も見たことのない花だった。「ウィーナが、わたしのポケットに入れてくれたのです」と彼は静かに言った。

The next day I went back to his house. The Time Traveller was just leaving with a camera and a small bag. "Wait for me," he said. "I'll be back in half an hour. I want to bring back proof." I waited, but he never returned. That was three years ago. Did he travel back into the distant past, or forward to some even stranger future? I do not know. But I still have the two white flowers. They remind me that even when people's minds and strength were gone, gratitude and tenderness still lived in the human heart.

次の日、わたしはもう一度、時間旅行者の家をたずねた。時間旅行者は、カメラと小さなかばんを持って、ちょうど出かけるところだった。「待っていてください」と彼は言った。「三十分でもどります。証拠を持って帰りたいのです」わたしは待った。けれども、時間旅行者は二度ともどらなかった。もう三年も前のことだ。はるか遠い過去へ行ったのだろうか。それとも、もっと不思議な未来へ進んだのだろうか。わたしにはわからない。けれども、あの二つの白い花は今もわたしの手もとにある。花を見るたびに思うのだ。人間が知恵も力も失ってしまったあとでも、感謝の心とやさしさは、まだ人の胸に生きていたのだと。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

毎週木曜日の夜、わたしたち数人は、ある男の家に集まって夕食をともにした。わたしたちはその男を「時間旅行者」と呼んでいた。すぐれた発明家で、自分の考えを話すときには、灰色の目がきらきらと輝いた。ある晩、夕食のあとで、時間旅行者は小さな美しい機械を見せてくれた。光る金属と水晶でできていた。「これは、時間の中を旅する機械の模型です」と彼は言った。

時間旅行者は、わたしたちの一人に、小さなレバーを押させた。ふっと風が吹き、小さな機械は幽霊のように薄く、ぼんやりとなった。そして消えてしまった。「未来へ行ったのです」と時間旅行者は落ち着きはらって言った。「わたしの作業場では今、実物大の機械を作っています」わたしたちは、うまい手品だと思った。本気にした者は一人もいなかった。

次の木曜日、夕食に集まってみると、主人の姿がなかった。わたしたちは先に食べはじめた。突然ドアが開き、時間旅行者が入ってきた。わたしたちはぎょっとした。服は汚れて破れ、顔は青ざめ、足を引きずっていた。時間旅行者はワインを一杯飲みほし、飢えた人のようにがつがつ食べた。それからパイプに火をつけて言った。「わたしの身に起きたことを話しましょう。でも、どうか途中で口をはさまないでください」

「けさ、わたしはタイム・マシンに座って、レバーを引きました」と時間旅行者は話しはじめた。「夜と昼がどんどん速く入れかわり、とうとう太陽は、空にかかる炎の帯のようになりました。建物が、夢のように建っては消えていきました。ようやく機械を止めると、そこは八十万二千七百一年の世界でした。わたしは美しい庭の草の上にいて、目の前には白い石の大きな像がありました。大きなつばさのあるスフィンクスでした」

「まもなく、小がらで、おとなしそうな人たちが迎えにやってきました。背は四フィートほどしかなく、やわらかい、かわいらしい顔をして、あざやかな色の服を着ていました。エロイと呼ばれる人たちでした。大きな古い建物に住み、くだものだけを食べ、毎日遊んだり、日なたで眠ったりして暮らしていました。楽しそうな子どものようでしたが、何ごとにも興味を持たないのです。わたしと数分話すと、もうあきてしまって、ぶらぶらとどこかへ行ってしまいました」

「はじめは、理想の世界を見つけたのだと思いました。つらい労働もなく、病気もなく、戦争もない。人間は自然を打ち負かして、今はただ人生を楽しめばいいのだ、と。ところがその夕方、スフィンクスのところへもどってみると、タイム・マシンがなくなっていたのです! 誰かが、スフィンクスの石の台座の中へ引きずりこんでいたのです。台座の中は空洞になっていて、重い青銅の扉がついていました。扉はどうしても開きませんでした。わたしは未来に閉じこめられてしまったのです」

「数日後、何人かのエロイが川で泳いでいるのを見かけました。小がらな女が一人、流れにのまれて、おぼれかけました。ほかの者たちは、ただながめているだけでした。わたしは飛びこんで、その女を引き上げました。ウィーナという名前でした。それからというもの、ウィーナは小さな友だちのように、どこへでもついてきて、花を持ってきてくれました。一つだけ、ウィーナには不思議なところがありました。暗やみをひどく怖がるのです」

「やがて、そのわけがわかりました。この土地のあちこちに、水のない深い井戸がありました。その底から、機械の音が聞こえてくるのです。ある夜、月明かりの中を、青白い、サルのような生き物たちが動いているのを見ました。大きな赤い目をしていました。それがモーロックでした。モーロックは地下の暗やみに住み、夜だけ地上に出てくるのです。明るい光をあびると、目が痛むのでした」

「わたしは、井戸の一つをおりてみることにしました。底には暗いトンネルが続いていて、大きな機械がぎっしり並んでいました。モーロックたちがわたしのまわりに群がり、冷たい手でさわってきました。マッチは数本しか持っていませんでした。一本すって火をつけるたびに、モーロックたちは光から逃げていきました。最後のマッチが消えると同時に、わたしは井戸を登って逃げ出しました」

「少しずつ、わたしは恐ろしい真実を理解しました。はるか昔、人類は二つの種族に分かれたのです。金持ちたちはエロイになりました。美しいけれど、弱く、愚かになったのです。働く者たちは地下にもぐって、モーロックになりました。モーロックは今でも機械を動かして、エロイのために服を作っていました。けれども、暗くなると地上に出てきて、エロイを食べるためにつかまえていたのです。エロイは、農場で飼われている家畜のようなものでした」

「ウィーナとわたしは、遠くに見える大きな緑色の建物へ出かけました。ほこりだらけの古い博物館でした。そこで、マッチを一箱と、明るく燃える樟脳と、武器にする重い鉄の棒を見つけました。ところが帰り道、まだ森の中にいるうちに、夜になってしまいました。暗やみの中で、モーロックたちがわたしたちを取り囲みました。近よらせないように火をたきましたが、火は乾いた木々に燃え広がってしまいました。煙と大混乱の中で、わたしはウィーナを見失いました。それきり、二度とウィーナには会えませんでした」

「朝になって、悲しみと疲れでくたくたになって、わたしはスフィンクスのところへもどりました。すると、青銅の扉が開いていたのです! 中にはわたしの機械が置いてありました。もちろん、わなでした。わたしが一歩ふみこんだとたん、うしろで扉がばたんと閉まり、暗やみの中からモーロックたちが襲いかかってきました。でも、わたしは機械に飛び乗ってレバーを引き、その場から消えたのです」

「わたしは止まりませんでした。何百万年も先の未来まで旅しました。太陽は大きくふくらんで赤くなり、地球は回るのをやめていました。わたしは暗い空の下の、冷たい灰色の浜辺に立っていました。カニのような巨大な生き物が、岩の上をのろのろとはっていました。さらに先へ、今から三千万年後まで行くと、生き物はほとんど何もいませんでした。雪が降り、空気は身を切るように冷たく、静けさが恐ろしいほどでした。気分が悪くなり、怖くなって、わたしは機械を自分の時代へ向けました。そして今、ここにいるというわけです」

わたしたちは、何と言っていいかわからなかった。誰も信じてはいなかった。ところがそのとき、時間旅行者はポケットに手を入れ、不思議な白い花を二つ、テーブルの上に置いた。わたしたちの誰も見たことのない花だった。「ウィーナが、わたしのポケットに入れてくれたのです」と彼は静かに言った。

次の日、わたしはもう一度、時間旅行者の家をたずねた。時間旅行者は、カメラと小さなかばんを持って、ちょうど出かけるところだった。「待っていてください」と彼は言った。「三十分でもどります。証拠を持って帰りたいのです」わたしは待った。けれども、時間旅行者は二度ともどらなかった。もう三年も前のことだ。はるか遠い過去へ行ったのだろうか。それとも、もっと不思議な未来へ進んだのだろうか。わたしにはわからない。けれども、あの二つの白い花は今もわたしの手もとにある。花を見るたびに思うのだ。人間が知恵も力も失ってしまったあとでも、感謝の心とやさしさは、まだ人の胸に生きていたのだと。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why was Weena afraid of the dark?

Q2. What did the Time Traveller find inside the museum?

Q3. What did he show his friends at the end of his story?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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