The Happy Prince(幸福な王子)の挿絵

The Happy Prince

幸福な王子

  • 📖 642 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 3:41
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ金と宝石でできた「幸福な王子」の像は、町の人々の悲しみを見て涙を流していました。南へ旅立つ途中のツバメに、王子はある頼みごとをします。

オスカー・ワイルド『幸福な王子』(1888年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • statue像
  • sapphiresサファイア(青い宝石)
  • rubyルビー(赤い宝石)
  • Swallowツバメ
  • lead鉛
  • beakくちばし
  • blind目が見えない
  • shabbyみすぼらしい
  • precious貴重な、大切な
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High above the city stood the statue of the Happy Prince. He was covered with thin leaves of gold. His eyes were two bright blue sapphires, and a large red ruby shone on his sword.

町を見下ろす高い柱の上に、幸福な王子の像が立っていました。王子の体は、うすい金ぱくでおおわれていました。両方の目は明るく輝く青いサファイアで、剣には大きな赤いルビーが光っていました。

One night a little Swallow flew over the city. His friends were already in Egypt, but he was late. "I will sleep between the feet of the Happy Prince," he said. Then a large drop of water fell on him. The Swallow looked up. The eyes of the Happy Prince were full of tears.

ある夜、一羽の小さなツバメが、町の上を飛んでいました。仲間たちはもうエジプトへ行ってしまったのに、このツバメだけ出発が遅れたのです。「幸福な王子の足のあいだで眠ることにしよう」とツバメは言いました。そのとき、大きな水のしずくがツバメの上に落ちてきました。ツバメは見上げました。幸福な王子の目は、涙でいっぱいでした。

"Why are you crying?" asked the Swallow. "When I was alive, I lived in a palace," said the Prince. "I never saw sadness there. Now I stand up here, and I can see all the sadness of my city. My heart is made of lead, but still I cannot stop crying."

「どうして泣いているのですか?」とツバメはたずねました。「生きていたころ、わたしは宮殿に住んでいた」と王子は言いました。「そこでは、悲しみというものを見たことがなかった。今わたしはこの高いところに立っていて、町じゅうの悲しみがすっかり見える。わたしの心臓は鉛でできているけれど、それでも泣かずにはいられないのだよ」

"Far away there is a poor house," the Prince went on. "A woman is sewing by the window. Her little boy is ill in bed, and he is asking for oranges. But she has only river water to give him. Swallow, little Swallow, will you take her the ruby from my sword?"

「ずっと向こうに、貧しい家がある」と王子は続けました。「窓辺で、女の人が縫い物をしている。小さな息子が病気で寝ていて、オレンジがほしいと言っている。けれども母親には、川の水しか飲ませてやれるものがないのだ。ツバメよ、小さなツバメよ、わたしの剣のルビーを、あの人のところへ持っていってくれないか?」

"My friends are waiting for me in Egypt," said the Swallow. But the Prince looked so sad. "All right. I will stay with you one night." So he took the ruby in his beak and flew over the roofs. He put it on the woman's table and cooled the sick boy with his wings.

「仲間たちが、エジプトでぼくを待っているんです」とツバメは言いました。けれども王子があまりに悲しそうだったので、「わかりました。一晩だけ、あなたと一緒にいます」と言いました。そこでツバメは、くちばしにルビーをくわえて、屋根の上を飛んでいきました。そしてルビーを女の人のテーブルに置き、病気の男の子を翼であおいで、冷やしてあげました。

The next night the Prince said, "Swallow, stay with me one more night. I see a young man in a cold room. He is trying to finish a play, but he is too cold and hungry to write. My eyes are all that I have now. Take one of them to him." The Swallow cried, but he did it. The young man found the sapphire. "Someone likes my work!" he said happily.

次の夜、王子は言いました。「ツバメよ、もう一晩だけ一緒にいておくれ。寒い部屋にいる若者が見える。劇を書き上げようとしているのだが、寒さとひもじさで、書くことができないのだ。わたしに残っているのは、もうこの目だけだ。片方を取って、あの若者のところへ持っていっておくれ」ツバメは泣きましたが、言われたとおりにしました。若者はサファイアを見つけました。「誰かが、ぼくの作品を気に入ってくれたんだ!」と若者はうれしそうに言いました。

The next night the Swallow came to say goodbye. "It is winter," he said. "In the square below stands a little match girl," said the Prince. "Her matches fell in the water. She has no shoes, and her father will be angry. Take out my other eye and give it to her." "Then you will be blind," said the Swallow. But he did it, and the girl ran home laughing.

次の夜、ツバメはお別れを言いに来ました。「もう冬です」とツバメは言いました。「下の広場に、小さなマッチ売りの女の子が立っている」と王子は言いました。「マッチを水の中に落としてしまったのだ。靴もはいていないし、このままではお父さんに怒られてしまう。わたしのもう片方の目を取り出して、あの子にあげておくれ」「そんなことをしたら、あなたは何も見えなくなってしまいます」とツバメは言いました。それでもツバメは言われたとおりにしました。女の子は笑いながら、家へ走って帰っていきました。

"You are blind now," said the Swallow, "so I will stay with you always." He told the Prince about the hungry children in the streets. "Take off my gold, leaf by leaf, and give it to the poor," said the Prince. Leaf after leaf the Swallow took off. The Prince became dull and grey, but the children laughed in the streets.

「あなたはもう、目が見えないのですね」とツバメは言いました。「だから、ぼくはいつまでもあなたのそばにいます」ツバメは王子に、通りにいるおなかをすかせた子どもたちの話をしました。「わたしの体の金ぱくを一枚ずつはがして、貧しい人たちにあげておくれ」と王子は言いました。ツバメは一枚、また一枚と、金ぱくをはがしていきました。王子はくすんだ灰色になってしまいましたが、通りでは子どもたちが笑っていました。

Then the snow came, and the poor Swallow grew colder and colder. But he did not leave the Prince. He loved him too much. At last he knew that he was going to die. "Goodbye, dear Prince," he whispered. "I am glad you are going to Egypt at last," said the Prince. "No," said the Swallow. "I am going to the House of Death." He kissed the Prince and fell down dead at his feet. At that moment the lead heart inside the statue broke in two.

やがて雪が降り、かわいそうなツバメは、どんどん体が冷えていきました。それでもツバメは、王子のそばを離れませんでした。王子のことが、大好きだったのです。とうとうツバメは、自分がもうすぐ死ぬのだとわかりました。「さようなら、大好きな王子さま」とツバメはささやきました。「やっとエジプトへ行くのだね。よかった」と王子は言いました。「いいえ」とツバメは言いました。「ぼくは、死の家へ行くのです」ツバメは王子にキスをすると、その足もとに落ちて死んでしまいました。その瞬間、像の中の鉛の心臓が、ぱちんと二つに割れました。

The next morning the Mayor walked by. "How shabby the Happy Prince looks!" he said. So they pulled down the statue and melted it. But the broken lead heart did not melt. The workers threw it on a pile of trash, where the dead Swallow was also lying.

次の朝、市長がそばを通りかかりました。「幸福な王子は、なんてみすぼらしいんだ!」と市長は言いました。そこで人々は像を引き倒して、溶かしてしまいました。けれども、割れた鉛の心臓だけは、溶けませんでした。職人たちはそれを、ごみの山に捨てました。そこには、死んだツバメも横たわっていました。

"Bring me the two most precious things in the city," God said to one of His Angels. The Angel brought Him the lead heart and the dead bird. "You have chosen well," said God. "In my garden of Paradise, this little bird will sing forever, and the Happy Prince will be with me in my city of gold."

「町でいちばん尊いものを、二つ持ってきなさい」と、神さまは天使の一人に言いました。天使は、鉛の心臓と死んだ鳥を持ってきました。「よく選びましたね」と神さまは言いました。「天国のわたしの庭で、この小さな鳥はいつまでも歌い続けるでしょう。そして幸福な王子は、わたしの黄金の都で、わたしと一緒に暮らすでしょう」

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町を見下ろす高い柱の上に、幸福な王子の像が立っていました。王子の体は、うすい金ぱくでおおわれていました。両方の目は明るく輝く青いサファイアで、剣には大きな赤いルビーが光っていました。

ある夜、一羽の小さなツバメが、町の上を飛んでいました。仲間たちはもうエジプトへ行ってしまったのに、このツバメだけ出発が遅れたのです。「幸福な王子の足のあいだで眠ることにしよう」とツバメは言いました。そのとき、大きな水のしずくがツバメの上に落ちてきました。ツバメは見上げました。幸福な王子の目は、涙でいっぱいでした。

「どうして泣いているのですか?」とツバメはたずねました。「生きていたころ、わたしは宮殿に住んでいた」と王子は言いました。「そこでは、悲しみというものを見たことがなかった。今わたしはこの高いところに立っていて、町じゅうの悲しみがすっかり見える。わたしの心臓は鉛でできているけれど、それでも泣かずにはいられないのだよ」

「ずっと向こうに、貧しい家がある」と王子は続けました。「窓辺で、女の人が縫い物をしている。小さな息子が病気で寝ていて、オレンジがほしいと言っている。けれども母親には、川の水しか飲ませてやれるものがないのだ。ツバメよ、小さなツバメよ、わたしの剣のルビーを、あの人のところへ持っていってくれないか?」

「仲間たちが、エジプトでぼくを待っているんです」とツバメは言いました。けれども王子があまりに悲しそうだったので、「わかりました。一晩だけ、あなたと一緒にいます」と言いました。そこでツバメは、くちばしにルビーをくわえて、屋根の上を飛んでいきました。そしてルビーを女の人のテーブルに置き、病気の男の子を翼であおいで、冷やしてあげました。

次の夜、王子は言いました。「ツバメよ、もう一晩だけ一緒にいておくれ。寒い部屋にいる若者が見える。劇を書き上げようとしているのだが、寒さとひもじさで、書くことができないのだ。わたしに残っているのは、もうこの目だけだ。片方を取って、あの若者のところへ持っていっておくれ」ツバメは泣きましたが、言われたとおりにしました。若者はサファイアを見つけました。「誰かが、ぼくの作品を気に入ってくれたんだ!」と若者はうれしそうに言いました。

次の夜、ツバメはお別れを言いに来ました。「もう冬です」とツバメは言いました。「下の広場に、小さなマッチ売りの女の子が立っている」と王子は言いました。「マッチを水の中に落としてしまったのだ。靴もはいていないし、このままではお父さんに怒られてしまう。わたしのもう片方の目を取り出して、あの子にあげておくれ」「そんなことをしたら、あなたは何も見えなくなってしまいます」とツバメは言いました。それでもツバメは言われたとおりにしました。女の子は笑いながら、家へ走って帰っていきました。

「あなたはもう、目が見えないのですね」とツバメは言いました。「だから、ぼくはいつまでもあなたのそばにいます」ツバメは王子に、通りにいるおなかをすかせた子どもたちの話をしました。「わたしの体の金ぱくを一枚ずつはがして、貧しい人たちにあげておくれ」と王子は言いました。ツバメは一枚、また一枚と、金ぱくをはがしていきました。王子はくすんだ灰色になってしまいましたが、通りでは子どもたちが笑っていました。

やがて雪が降り、かわいそうなツバメは、どんどん体が冷えていきました。それでもツバメは、王子のそばを離れませんでした。王子のことが、大好きだったのです。とうとうツバメは、自分がもうすぐ死ぬのだとわかりました。「さようなら、大好きな王子さま」とツバメはささやきました。「やっとエジプトへ行くのだね。よかった」と王子は言いました。「いいえ」とツバメは言いました。「ぼくは、死の家へ行くのです」ツバメは王子にキスをすると、その足もとに落ちて死んでしまいました。その瞬間、像の中の鉛の心臓が、ぱちんと二つに割れました。

次の朝、市長がそばを通りかかりました。「幸福な王子は、なんてみすぼらしいんだ!」と市長は言いました。そこで人々は像を引き倒して、溶かしてしまいました。けれども、割れた鉛の心臓だけは、溶けませんでした。職人たちはそれを、ごみの山に捨てました。そこには、死んだツバメも横たわっていました。

「町でいちばん尊いものを、二つ持ってきなさい」と、神さまは天使の一人に言いました。天使は、鉛の心臓と死んだ鳥を持ってきました。「よく選びましたね」と神さまは言いました。「天国のわたしの庭で、この小さな鳥はいつまでも歌い続けるでしょう。そして幸福な王子は、わたしの黄金の都で、わたしと一緒に暮らすでしょう」

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why was the Happy Prince crying?

Q2. What did the Swallow give to the match girl?

Q3. What did the Angel bring to God?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
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