Emma(エマ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate名作文学

Emma

エマ

  • 📖 781 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 4:26
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ美しくて頭がよく、お金持ちのエマ・ウッドハウスは、人の縁結びが大好き。自分の恋には興味がないと言いながら、友だちのために次々と計画を立てますが……。長い原作の物語全体を短くまとめた再話です。

ジェイン・オースティン『エマ』(1815年)をもとに再話

キーワード(7語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • governess家庭教師
  • vicar牧師
  • nieceめい(姪)
  • engaged婚約している
  • picnicピクニック
  • praisedほめた
  • talented才能のある
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Emma Woodhouse was handsome, clever, and rich. She was twenty-one years old, and she lived with her kind but nervous old father in a fine house called Hartfield, in the village of Highbury. Few things had ever made her unhappy.

エマ・ウッドハウスは、美しく、頭がよく、お金持ちでした。二十一歳のエマは、やさしいけれど心配性の年老いた父親と二人で、ハイベリー村のハートフィールドという立派なお屋敷に暮らしていました。これまで、エマを不幸な気持ちにさせたことなど、ほとんど何もありませんでした。

When her old governess, Miss Taylor, married Mr. Weston, Emma was very proud. "I made that match," she said. "I will make more!" Mr. Knightley, an old friend of the family, shook his head. He was sixteen years older than Emma, and he was the only person who ever told her when she was wrong. "Leave people alone, Emma," he said. "You will only make trouble."

昔の家庭教師のミス・テイラーがウェストン氏と結婚したとき、エマは鼻高々でした。「あの二人を結びつけたのは、わたしよ」とエマは言いました。「もっと結びつけてみせるわ!」一家の古い友人のナイトリー氏は、首を横に振りました。ナイトリー氏はエマより十六歳年上で、エマが間違っているときに、それを言ってくれるただ一人の人でした。「人のことは、ほうっておきなさい、エマ」とナイトリー氏は言いました。「面倒を起こすだけだよ」

But Emma did not listen. She made friends with Harriet Smith, a sweet, pretty girl of seventeen. Nobody knew who Harriet's parents were. A young farmer named Robert Martin loved her, and he wrote a letter asking her to marry him. Harriet liked him very much, but Emma said, "A farmer is not good enough for you." So Harriet said no.

けれども、エマは聞き入れませんでした。エマは、ハリエット・スミスという、気だてがよくてかわいらしい十七歳の娘と友だちになりました。ハリエットの両親が誰なのかは、誰も知りませんでした。ロバート・マーティンという若い農夫がハリエットを愛していて、結婚を申しこむ手紙を書いてきました。ハリエットもロバートのことがとても好きでしたが、エマは言いました。「農夫なんて、あなたにはふさわしくないわ」そこでハリエットは、断ってしまいました。

Emma had a better plan. She wanted Harriet to marry Mr. Elton, the young vicar of Highbury. She painted a picture of Harriet, and Mr. Elton praised it very warmly. "You see?" Emma told Harriet. "He is falling in love with you."

エマには、もっといい考えがありました。ハリエットを、ハイベリーの若い牧師、エルトン氏と結婚させたかったのです。エマがハリエットの肖像画を描くと、エルトン氏はそれをとても熱心にほめました。「ほらね」とエマはハリエットに言いました。「あの方は、あなたに恋をしはじめているのよ」

Mr. Knightley was angry when he heard about Robert Martin. "He is a good man," he said. "Harriet will be sorry. And Mr. Elton will never marry a girl with no money."

ロバート・マーティンのことを聞いて、ナイトリー氏は怒りました。「あれは立派な男だ」とナイトリー氏は言いました。「ハリエットはきっと後悔するよ。それにエルトンは、お金のない娘とは決して結婚しないさ」

On Christmas Eve, after a party, Emma found herself alone in a carriage with Mr. Elton. Suddenly he took her hand and said that he loved her. Her! Not Harriet! "But I thought that you loved my friend Harriet," Emma said. Mr. Elton laughed. "Miss Smith? Never!" Emma was shocked. Now she had to tell poor Harriet, who cried and cried. A few weeks later, Mr. Elton went away and came back with a rich, proud wife.

クリスマス・イブのパーティーの帰り、エマは、いつのまにかエルトン氏と二人きりで馬車に乗っていました。突然、エルトン氏はエマの手を取り、あなたを愛していますと言いました。エマを、です! ハリエットではなく!「でも、あなたは、わたしの友だちのハリエットを愛していらっしゃるのだと思っていましたわ」とエマは言いました。エルトン氏は笑いました。「ミス・スミスを? まさか!」エマは、あっけにとられました。今度は、かわいそうなハリエットに、このことを伝えなければなりません。ハリエットは、泣いて泣いて、泣き続けました。数週間後、エルトン氏は村を出ていき、お金持ちで高慢な妻を連れて戻ってきました。

Then two young people came to Highbury. One was Frank Churchill, Mr. Weston's handsome, lively son. Everybody thought that he and Emma would make a perfect couple. Frank paid her a lot of attention, and Emma enjoyed it. The other was Jane Fairfax, the niece of Miss Bates. Miss Bates was a poor, kind, old lady who talked and talked about nothing at all. Jane was beautiful and talented, but very quiet. Emma did not like her very much, perhaps because everyone praised her.

それから、二人の若い人がハイベリーにやって来ました。一人は、ウェストン氏のハンサムで陽気な息子、フランク・チャーチルです。誰もが、フランクとエマならお似合いだと思いました。フランクはエマにあれこれと気を配り、エマもそれを楽しみました。もう一人は、ミス・ベイツのめいのジェイン・フェアファックスでした。ミス・ベイツは、貧しくて親切な年配の女の人で、どうでもいいことを延々としゃべり続ける人でした。ジェインは美しく、才能もありましたが、とても無口でした。エマは、ジェインのことがあまり好きではありませんでした。みんながジェインをほめるからだったのかもしれません。

One summer day, a group of friends had a picnic on Box Hill. Frank said, "Each of you must say one very clever thing, or two fairly clever things, or three very dull things." Miss Bates laughed. "Oh, then I will be fine! I only need to say three dull things." And Emma said, "Ah, but there may be a difficulty. You will only be allowed to say three at once." Everyone was silent. Miss Bates's face turned red. She understood.

ある夏の日、仲間たちでボックス・ヒルへピクニックに出かけました。フランクが言いました。「みなさん、一人ずつ、とても気のきいたことをひとつか、まあまあ気のきいたことを二つか、とても退屈なことを三つ、言わなければいけません」ミス・ベイツは笑いました。「まあ、それなら、わたしはだいじょうぶ! 退屈なことを三つ言えばいいんですもの」するとエマが言いました。「あら、でも、ひとつ困ったことがあるかもしれませんわ。一度に三つまでしか言わせてもらえませんもの」みんな、黙りこんでしまいました。ミス・ベイツの顔が赤くなりました。エマの言う意味が、わかったのです。

Later, Mr. Knightley spoke to Emma quietly. "How could you be so unkind to her? She is poor, and she is old. She has known you since you were a baby. Badly done, Emma! Badly done!" Emma cried all the way home in the carriage. The next morning, she went to visit Miss Bates, and she was kind to her and to Jane.

あとで、ナイトリー氏はエマに静かに話しかけました。「どうして、あの人にあんなひどいことが言えたんだ? あの人は貧しくて、年をとっている。きみが赤ん坊のころから、きみを知っているんだよ。ひどいことをしたね、エマ! 本当にひどいことを!」エマは、帰りの馬車の中で、ずっと泣いていました。次の朝、エマはミス・ベイツをたずね、ミス・ベイツにもジェインにも、心をこめてやさしく接しました。

Soon after that, the village had a great surprise. Frank Churchill had been secretly engaged to Jane Fairfax all along! He had only been friendly to Emma to hide the secret. Emma was glad that she had not fallen in love with him.

それからまもなく、村じゅうが驚く出来事がありました。フランク・チャーチルは、ずっと前から、ジェイン・フェアファックスとひそかに婚約していたのです! フランクがエマに親しくしていたのは、その秘密を隠すためにすぎませんでした。エマは、フランクに恋をしなくてよかったと思いました。

But then Harriet told her something worse. "I am not sad about Frank," said Harriet. "I love someone much better. I love Mr. Knightley. And I think that he may love me too."

ところがそのあと、ハリエットが、もっと困ったことを打ち明けました。「わたし、フランクさんのことは悲しくないんです」とハリエットは言いました。「もっとずっとすてきな方を、愛しているんです。ナイトリーさんです。それに、あの方もわたしを愛してくださっているかもしれないと思うんです」

At that moment, Emma understood her own heart. It hit her like an arrow. Mr. Knightley must not marry Harriet. He must marry no one but Emma herself! She had loved him all the time, and she had never known it. "What have I done?" she thought. "I put these ideas into Harriet's head."

その瞬間、エマには自分の心がわかりました。その思いは、矢のようにエマの胸を突き刺しました。ナイトリー氏がハリエットと結婚するなんて、とんでもない。あの人が結婚する相手は、エマ自身でなければならないのです! エマはずっとナイトリー氏を愛していたのに、そのことに気づいていなかったのです。「わたし、なんてことをしてしまったの?」とエマは思いました。「ハリエットの頭にあんな考えを吹きこんだのは、わたしなのに」

For days she was very unhappy. Then Mr. Knightley came to Hartfield and walked with her in the garden. He looked nervous. "I cannot make speeches, Emma," he said. "If I loved you less, I might be able to talk about it more. But you know what I am. I have always told you the truth." He loved her, and he had loved her for a long time.

何日ものあいだ、エマはとても不幸な気持ちで過ごしました。やがてナイトリー氏がハートフィールドにやって来て、エマと一緒に庭を歩きました。ナイトリー氏は、落ち着かない様子でした。「エマ、ぼくは気のきいたことは言えない」とナイトリー氏は言いました。「きみへの愛がもっと小さければ、もっとうまく話せるのかもしれない。でも、ぼくがどういう人間か、きみは知っているだろう。ぼくはいつも、きみに本当のことを言ってきた」ナイトリー氏は、エマを愛していたのです。それも、ずっと前から。

Emma was very happy. And there was good news for Harriet too. Robert Martin asked her again, and this time she said yes. Emma had learned a hard lesson about other people's hearts, and about her own.

エマは、とても幸せでした。そしてハリエットにも、うれしい知らせがありました。ロバート・マーティンがもう一度結婚を申しこみ、今度はハリエットも「はい」と答えたのです。エマは、人の心について、そして自分自身の心について、苦い教訓を学んだのでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

エマ・ウッドハウスは、美しく、頭がよく、お金持ちでした。二十一歳のエマは、やさしいけれど心配性の年老いた父親と二人で、ハイベリー村のハートフィールドという立派なお屋敷に暮らしていました。これまで、エマを不幸な気持ちにさせたことなど、ほとんど何もありませんでした。

昔の家庭教師のミス・テイラーがウェストン氏と結婚したとき、エマは鼻高々でした。「あの二人を結びつけたのは、わたしよ」とエマは言いました。「もっと結びつけてみせるわ!」一家の古い友人のナイトリー氏は、首を横に振りました。ナイトリー氏はエマより十六歳年上で、エマが間違っているときに、それを言ってくれるただ一人の人でした。「人のことは、ほうっておきなさい、エマ」とナイトリー氏は言いました。「面倒を起こすだけだよ」

けれども、エマは聞き入れませんでした。エマは、ハリエット・スミスという、気だてがよくてかわいらしい十七歳の娘と友だちになりました。ハリエットの両親が誰なのかは、誰も知りませんでした。ロバート・マーティンという若い農夫がハリエットを愛していて、結婚を申しこむ手紙を書いてきました。ハリエットもロバートのことがとても好きでしたが、エマは言いました。「農夫なんて、あなたにはふさわしくないわ」そこでハリエットは、断ってしまいました。

エマには、もっといい考えがありました。ハリエットを、ハイベリーの若い牧師、エルトン氏と結婚させたかったのです。エマがハリエットの肖像画を描くと、エルトン氏はそれをとても熱心にほめました。「ほらね」とエマはハリエットに言いました。「あの方は、あなたに恋をしはじめているのよ」

ロバート・マーティンのことを聞いて、ナイトリー氏は怒りました。「あれは立派な男だ」とナイトリー氏は言いました。「ハリエットはきっと後悔するよ。それにエルトンは、お金のない娘とは決して結婚しないさ」

クリスマス・イブのパーティーの帰り、エマは、いつのまにかエルトン氏と二人きりで馬車に乗っていました。突然、エルトン氏はエマの手を取り、あなたを愛していますと言いました。エマを、です! ハリエットではなく!「でも、あなたは、わたしの友だちのハリエットを愛していらっしゃるのだと思っていましたわ」とエマは言いました。エルトン氏は笑いました。「ミス・スミスを? まさか!」エマは、あっけにとられました。今度は、かわいそうなハリエットに、このことを伝えなければなりません。ハリエットは、泣いて泣いて、泣き続けました。数週間後、エルトン氏は村を出ていき、お金持ちで高慢な妻を連れて戻ってきました。

それから、二人の若い人がハイベリーにやって来ました。一人は、ウェストン氏のハンサムで陽気な息子、フランク・チャーチルです。誰もが、フランクとエマならお似合いだと思いました。フランクはエマにあれこれと気を配り、エマもそれを楽しみました。もう一人は、ミス・ベイツのめいのジェイン・フェアファックスでした。ミス・ベイツは、貧しくて親切な年配の女の人で、どうでもいいことを延々としゃべり続ける人でした。ジェインは美しく、才能もありましたが、とても無口でした。エマは、ジェインのことがあまり好きではありませんでした。みんながジェインをほめるからだったのかもしれません。

ある夏の日、仲間たちでボックス・ヒルへピクニックに出かけました。フランクが言いました。「みなさん、一人ずつ、とても気のきいたことをひとつか、まあまあ気のきいたことを二つか、とても退屈なことを三つ、言わなければいけません」ミス・ベイツは笑いました。「まあ、それなら、わたしはだいじょうぶ! 退屈なことを三つ言えばいいんですもの」するとエマが言いました。「あら、でも、ひとつ困ったことがあるかもしれませんわ。一度に三つまでしか言わせてもらえませんもの」みんな、黙りこんでしまいました。ミス・ベイツの顔が赤くなりました。エマの言う意味が、わかったのです。

あとで、ナイトリー氏はエマに静かに話しかけました。「どうして、あの人にあんなひどいことが言えたんだ? あの人は貧しくて、年をとっている。きみが赤ん坊のころから、きみを知っているんだよ。ひどいことをしたね、エマ! 本当にひどいことを!」エマは、帰りの馬車の中で、ずっと泣いていました。次の朝、エマはミス・ベイツをたずね、ミス・ベイツにもジェインにも、心をこめてやさしく接しました。

それからまもなく、村じゅうが驚く出来事がありました。フランク・チャーチルは、ずっと前から、ジェイン・フェアファックスとひそかに婚約していたのです! フランクがエマに親しくしていたのは、その秘密を隠すためにすぎませんでした。エマは、フランクに恋をしなくてよかったと思いました。

ところがそのあと、ハリエットが、もっと困ったことを打ち明けました。「わたし、フランクさんのことは悲しくないんです」とハリエットは言いました。「もっとずっとすてきな方を、愛しているんです。ナイトリーさんです。それに、あの方もわたしを愛してくださっているかもしれないと思うんです」

その瞬間、エマには自分の心がわかりました。その思いは、矢のようにエマの胸を突き刺しました。ナイトリー氏がハリエットと結婚するなんて、とんでもない。あの人が結婚する相手は、エマ自身でなければならないのです! エマはずっとナイトリー氏を愛していたのに、そのことに気づいていなかったのです。「わたし、なんてことをしてしまったの?」とエマは思いました。「ハリエットの頭にあんな考えを吹きこんだのは、わたしなのに」

何日ものあいだ、エマはとても不幸な気持ちで過ごしました。やがてナイトリー氏がハートフィールドにやって来て、エマと一緒に庭を歩きました。ナイトリー氏は、落ち着かない様子でした。「エマ、ぼくは気のきいたことは言えない」とナイトリー氏は言いました。「きみへの愛がもっと小さければ、もっとうまく話せるのかもしれない。でも、ぼくがどういう人間か、きみは知っているだろう。ぼくはいつも、きみに本当のことを言ってきた」ナイトリー氏は、エマを愛していたのです。それも、ずっと前から。

エマは、とても幸せでした。そしてハリエットにも、うれしい知らせがありました。ロバート・マーティンがもう一度結婚を申しこみ、今度はハリエットも「はい」と答えたのです。エマは、人の心について、そして自分自身の心について、苦い教訓を学んだのでした。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Who did Emma first want Harriet to marry?

Q2. Why was Mr. Knightley angry with Emma after the picnic?

Q3. What surprising thing did Emma learn about Frank Churchill?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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