Daddy-Long-Legs(あしながおじさん)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate名作文学

Daddy-Long-Legs

あしながおじさん

  • 📖 720 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 3:32
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ孤児院で育ったジェルーシャを、名前も顔も知らないお金持ちが大学へ行かせてくれることに。条件は、毎月手紙を書くこと。原作の物語全体を短くまとめた再話です。

ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』(1912年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • orphan孤児
  • trustees(孤児院の)評議員
  • shadow影
  • daddy-long-legsザトウムシ(足の長いクモに似た虫)
  • essays作文
  • address(手紙を)あてて出す
  • baldはげた
  • magazine雑誌
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The first Wednesday of every month was a terrible day at the John Grier Home, an orphan home. That was the day the trustees came to visit. Jerusha Abbott was the oldest orphan there. She was seventeen, and she spent the whole day washing small faces and making beds.

孤児院ジョン・グリア・ホームでは、毎月の第一水曜日は大変な一日だった。評議員たちが見回りにやってくる日だったのだ。ジルーシャ・アボットは、ホームでいちばん年上の孤児だった。十七歳のジルーシャは、その日一日じゅう、小さな子たちの顔を洗ったり、ベッドを整えたりして過ごした。

That afternoon, the head of the Home, Mrs. Lippett, called her to the office. As Jerusha came down the hall, one of the trustees was leaving. She did not see his face. She saw only his shadow on the wall. The lights of his car made his legs and arms look very long and thin. "He looks just like a huge daddy-long-legs spider," she thought, and she laughed.

その日の午後、院長のリペット夫人が、ジルーシャを事務室に呼んだ。ジルーシャが廊下を歩いていくと、ちょうど評議員の一人が帰るところだった。顔は見えなかった。見えたのは、壁に映った影だけだった。車のライトに照らされて、その人の脚と腕が、ひょろりと長く細く見えた。「まるで大きなあしながグモみたい」と思って、ジルーシャは笑ってしまった。

Mrs. Lippett had surprising news. "That trustee read one of your school essays," she said. "He thought it was very funny. He wants to send you to college, and he will pay for everything. But you must write him a letter once a month. He will never answer, and he will never tell you his real name. You will address your letters to Mr. John Smith."

リペット夫人の話は、思いもよらないものだった。「今の評議員の方が、あなたが学校で書いた作文を読まれたのです」と夫人は言った。「とてもおもしろいとお思いになったそうです。それで、あなたを大学に行かせたい、費用はすべて出す、とおっしゃるのです。ただし、月に一度、その方に手紙を書かなければなりません。その方からの返事は決して来ませんし、本当の名前も決して明かされません。手紙は、ジョン・スミス様あてに書くのですよ」

Jerusha could hardly believe it. She had never had a family, and now she had someone to write to. But she did not like the name John Smith. She remembered the long shadow, and she began her first letter like this.

ジルーシャには、とても信じられなかった。家族というものを持ったことがなかったのに、手紙を書く相手ができたのだ。でも、ジョン・スミスという名前は好きになれなかった。ジルーシャはあの長い影を思い出して、最初の手紙をこう書きはじめた。

"Dear Daddy-Long-Legs, I hope you don't mind the name. I know only three things about you. You are tall, you are rich, and you don't like girls. College is the biggest, most wonderful place in the world. I can't thank you enough."

「親愛なるあしながおじさま。こうお呼びしても、お気を悪くなさらないでくださいね。わたしがおじさまについて知っているのは、三つだけです。背が高いこと。お金持ちであること。そして、女の子がお嫌いなこと。大学は、世界でいちばん大きくて、いちばんすばらしい場所です。どんなにお礼を申し上げても足りません」

At college she gave herself a new name, Judy. She made two friends, Sallie McBride and Julia Pendleton. Julia came from a rich and proud family. The other girls talked about books and places that Judy had never heard of. So she read and read, late into the night. She did not want anyone to know that she had grown up in an orphan home.

大学で、ジルーシャは自分に新しい名前をつけた。ジュディだ。友だちも二人できた。サリー・マクブライドと、ジュリア・ペンドルトンだ。ジュリアは裕福で、家柄を鼻にかける家の娘だった。ほかの学生たちは、ジュディが聞いたこともない本や土地の話をした。そこでジュディは、毎晩おそくまで、本を読んで読んで読みまくった。孤児院で育ったことを、誰にも知られたくなかったのだ。

Judy's letters were full of life. She wrote about basketball, exams, new dresses, and the books she loved. She drew funny little pictures of herself. "Are you old?" she asked. "Are you bald? Please, just once, tell me what you look like." But Daddy-Long-Legs never answered. Once she was sick in bed, and a box of pink roses came for her. It was the first present of her life, and she cried over it.

ジュディの手紙は、元気いっぱいだった。バスケットボールのこと、試験のこと、新しいドレスのこと、大好きな本のこと。自分の姿を描いた、おかしな小さい絵もそえた。「おじさまは、お年寄りですか?」とジュディはたずねた。「頭ははげていらっしゃいますか? お願いです、一度だけでいいから、どんなお姿なのか教えてください」でも、あしながおじさんからの返事は一度も来なかった。一度、ジュディが病気で寝ていたとき、ピンクのバラが一箱届いた。生まれて初めてもらったプレゼントだった。ジュディはそれを抱いて泣いた。

In her first year, Julia's uncle came to visit. His name was Jervis Pendleton. He was tall and kind, with a funny smile. Julia was busy, so Judy showed him around the college. They had tea together and talked and laughed. "Master Jervie is not like the other Pendletons," Judy wrote. "He is a dear."

一年生のとき、ジュリアのおじさんが大学をたずねてきた。ジャーヴィス・ペンドルトンという人だった。背が高く、やさしくて、ちょっと変わった笑顔の人だった。ジュリアが忙しかったので、ジュディが大学を案内した。二人は一緒にお茶を飲み、おしゃべりをして笑い合った。「ジャーヴィぼっちゃまは、ほかのペンドルトン家の人たちとは違います」とジュディは書いた。「とってもすてきな方です」

Judy spent her summers at Lock Willow Farm, because Daddy-Long-Legs sent her there. It was a lovely old farm in the hills, with cows, chickens, and apple trees. Master Jervie came there too. He had stayed at the farm as a boy. He and Judy walked in the hills and talked about everything.

夏休みになると、ジュディはロック・ウィロー農場で過ごした。あしながおじさんが、そこへ行かせてくれたのだ。丘の上にある、すてきな古い農場で、牛やニワトリがいて、リンゴの木があった。ジャーヴィぼっちゃまも、そこへやってきた。子どものころ、この農場で過ごしたことがあったのだ。二人は丘を歩きながら、ありとあらゆることを語り合った。

Year by year, Judy grew. She began to write stories, and at last a magazine bought one. "I want to pay back all the money you spent on me," she wrote. "But I can never pay back the happiness you gave me."

年ごとに、ジュディは成長していった。物語を書きはじめ、とうとう、書いた物語の一つが雑誌に売れた。「わたしのために使ってくださったお金は、全部お返ししたいと思います」とジュディは書いた。「でも、おじさまがくださった幸せは、一生かかってもお返しできません」

In her last year, Master Jervie asked Judy to marry him. She loved him with all her heart, but she said no. Then she cried all night. She wrote to Daddy-Long-Legs, "He comes from a fine old family, and I am a nobody from an orphan home. I was afraid to tell him the truth. Now he is gone, and I am so unhappy. Please tell me what to do."

最後の年、ジャーヴィぼっちゃまがジュディに結婚を申しこんだ。ジュディは心から彼を愛していた。それなのに、断ってしまった。そしてひと晩じゅう泣いた。ジュディはあしながおじさんに手紙を書いた。「あの方は、由緒ある立派なお家の方です。わたしは孤児院から来た、何者でもない娘です。本当のことを打ち明けるのが怖かったのです。あの方は行ってしまいました。わたしはとても不幸です。どうしたらいいのか、教えてください」

For the first time, Daddy-Long-Legs answered. He was ill, and he asked her to visit him in New York. Judy's heart was beating fast as she walked into the big house. A servant led her upstairs. There, in a big chair by the window, sat a man with pillows behind him. He stood up and smiled at her.

初めて、あしながおじさんから返事が来た。病気で寝ているので、ニューヨークの家まで会いに来てほしい、という手紙だった。大きな屋敷に入っていくとき、ジュディの胸はどきどきしていた。召使いに案内されて二階へ上がると、窓辺の大きないすに、背中にクッションをあてて、男の人が座っていた。その人は立ち上がって、ジュディにほほえみかけた。

It was Master Jervie.

ジャーヴィぼっちゃまだった。

Judy's next letter began, "My very dearest Master-Jervie-Daddy-Long-Legs-Pendleton-Smith." "Why didn't I guess?" she wrote. "You were always there, looking after me. I will never be lonely again. I am yours, forever and ever."

ジュディの次の手紙は、こう始まっていた。「わたしのいちばん大切な、ジャーヴィぼっちゃま・あしながおじさま・ペンドルトン・スミスさま」「どうして気づかなかったのでしょう?」とジュディは書いた。「あなたはいつもそばにいて、わたしを見守ってくださっていたのですね。わたしはもう二度とさびしい思いはしません。わたしはあなたのものです。いつまでも、いつまでも」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

孤児院ジョン・グリア・ホームでは、毎月の第一水曜日は大変な一日だった。評議員たちが見回りにやってくる日だったのだ。ジルーシャ・アボットは、ホームでいちばん年上の孤児だった。十七歳のジルーシャは、その日一日じゅう、小さな子たちの顔を洗ったり、ベッドを整えたりして過ごした。

その日の午後、院長のリペット夫人が、ジルーシャを事務室に呼んだ。ジルーシャが廊下を歩いていくと、ちょうど評議員の一人が帰るところだった。顔は見えなかった。見えたのは、壁に映った影だけだった。車のライトに照らされて、その人の脚と腕が、ひょろりと長く細く見えた。「まるで大きなあしながグモみたい」と思って、ジルーシャは笑ってしまった。

リペット夫人の話は、思いもよらないものだった。「今の評議員の方が、あなたが学校で書いた作文を読まれたのです」と夫人は言った。「とてもおもしろいとお思いになったそうです。それで、あなたを大学に行かせたい、費用はすべて出す、とおっしゃるのです。ただし、月に一度、その方に手紙を書かなければなりません。その方からの返事は決して来ませんし、本当の名前も決して明かされません。手紙は、ジョン・スミス様あてに書くのですよ」

ジルーシャには、とても信じられなかった。家族というものを持ったことがなかったのに、手紙を書く相手ができたのだ。でも、ジョン・スミスという名前は好きになれなかった。ジルーシャはあの長い影を思い出して、最初の手紙をこう書きはじめた。

「親愛なるあしながおじさま。こうお呼びしても、お気を悪くなさらないでくださいね。わたしがおじさまについて知っているのは、三つだけです。背が高いこと。お金持ちであること。そして、女の子がお嫌いなこと。大学は、世界でいちばん大きくて、いちばんすばらしい場所です。どんなにお礼を申し上げても足りません」

大学で、ジルーシャは自分に新しい名前をつけた。ジュディだ。友だちも二人できた。サリー・マクブライドと、ジュリア・ペンドルトンだ。ジュリアは裕福で、家柄を鼻にかける家の娘だった。ほかの学生たちは、ジュディが聞いたこともない本や土地の話をした。そこでジュディは、毎晩おそくまで、本を読んで読んで読みまくった。孤児院で育ったことを、誰にも知られたくなかったのだ。

ジュディの手紙は、元気いっぱいだった。バスケットボールのこと、試験のこと、新しいドレスのこと、大好きな本のこと。自分の姿を描いた、おかしな小さい絵もそえた。「おじさまは、お年寄りですか?」とジュディはたずねた。「頭ははげていらっしゃいますか? お願いです、一度だけでいいから、どんなお姿なのか教えてください」でも、あしながおじさんからの返事は一度も来なかった。一度、ジュディが病気で寝ていたとき、ピンクのバラが一箱届いた。生まれて初めてもらったプレゼントだった。ジュディはそれを抱いて泣いた。

一年生のとき、ジュリアのおじさんが大学をたずねてきた。ジャーヴィス・ペンドルトンという人だった。背が高く、やさしくて、ちょっと変わった笑顔の人だった。ジュリアが忙しかったので、ジュディが大学を案内した。二人は一緒にお茶を飲み、おしゃべりをして笑い合った。「ジャーヴィぼっちゃまは、ほかのペンドルトン家の人たちとは違います」とジュディは書いた。「とってもすてきな方です」

夏休みになると、ジュディはロック・ウィロー農場で過ごした。あしながおじさんが、そこへ行かせてくれたのだ。丘の上にある、すてきな古い農場で、牛やニワトリがいて、リンゴの木があった。ジャーヴィぼっちゃまも、そこへやってきた。子どものころ、この農場で過ごしたことがあったのだ。二人は丘を歩きながら、ありとあらゆることを語り合った。

年ごとに、ジュディは成長していった。物語を書きはじめ、とうとう、書いた物語の一つが雑誌に売れた。「わたしのために使ってくださったお金は、全部お返ししたいと思います」とジュディは書いた。「でも、おじさまがくださった幸せは、一生かかってもお返しできません」

最後の年、ジャーヴィぼっちゃまがジュディに結婚を申しこんだ。ジュディは心から彼を愛していた。それなのに、断ってしまった。そしてひと晩じゅう泣いた。ジュディはあしながおじさんに手紙を書いた。「あの方は、由緒ある立派なお家の方です。わたしは孤児院から来た、何者でもない娘です。本当のことを打ち明けるのが怖かったのです。あの方は行ってしまいました。わたしはとても不幸です。どうしたらいいのか、教えてください」

初めて、あしながおじさんから返事が来た。病気で寝ているので、ニューヨークの家まで会いに来てほしい、という手紙だった。大きな屋敷に入っていくとき、ジュディの胸はどきどきしていた。召使いに案内されて二階へ上がると、窓辺の大きないすに、背中にクッションをあてて、男の人が座っていた。その人は立ち上がって、ジュディにほほえみかけた。

ジャーヴィぼっちゃまだった。

ジュディの次の手紙は、こう始まっていた。「わたしのいちばん大切な、ジャーヴィぼっちゃま・あしながおじさま・ペンドルトン・スミスさま」「どうして気づかなかったのでしょう?」とジュディは書いた。「あなたはいつもそばにいて、わたしを見守ってくださっていたのですね。わたしはもう二度とさびしい思いはしません。わたしはあなたのものです。いつまでも、いつまでも」

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Jerusha call the trustee "Daddy-Long-Legs"?

Q2. Why did Judy say no to Master Jervie at first?

Q3. Who was Daddy-Long-Legs?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
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