The Arrest of Arsène Lupin(アルセーヌ・ルパンの逮捕)の挿絵
Level 2 Elementary名作文学

The Arrest of Arsène Lupin

アルセーヌ・ルパンの逮捕

  • 📖 527 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 3:05
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじフランスからニューヨークへ向かう大きな客船に、一通の無線が届きます。「怪盗アルセーヌ・ルパンが一等船客の中にいる」。乗客たちはおたがいを疑い始めますが……。名探偵ならぬ「怪盗」ルパンのデビュー作。

モーリス・ルブラン「アルセーヌ・ルパンの逮捕」(1905年、フランス語の原作)のあらすじをもとに英語で再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • deck(船の)甲板
  • radio無線
  • wound傷
  • thief泥棒
  • passengers乗客
  • jewels宝石
  • detective刑事、探偵
  • cameraカメラ
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・イギリス英語・Aoede)

It was a long trip across the sea from France to New York. Our ship, the Provence, was big and comfortable, and the weather was fine. A young American woman, Miss Nelly Underdown, was on the ship, too. She was beautiful and kind, and I liked to walk on the deck and talk with her.

フランスからニューヨークまでは、長い船旅だった。僕たちの乗ったプロヴァンス号は大きくて快適な船で、天気にもめぐまれた。船には、ネリー・アンダーダウンという若いアメリカ人女性も乗っていた。美しくてやさしい人で、僕は彼女と甲板を歩きながらおしゃべりするのが楽しみだった。

On the second day, a strange message came to the ship by radio. "Arsène Lupin is on your ship," it said. "He is in first class. He has fair hair. He has a wound on his right arm. He is traveling alone under the name..." Then a storm began, and the rest of the message never came.

二日目、奇妙な知らせが無線で船に届いた。「アルセーヌ・ルパンが貴船に乗っている」という電文だった。「一等船客。金髪。右腕に傷あり。一人旅で、名前は……」そのとき嵐になり、つづきはとうとう届かなかった。

Everyone on the ship was excited. Arsène Lupin was the most famous thief in France. He could change his face, his voice and his name. Nobody knew what he really looked like.

船じゅうが大さわぎになった。アルセーヌ・ルパンは、フランスでいちばん有名な泥棒だった。顔も、声も、名前も、自由に変えられる。本当の顔を知っている者は誰もいなかった。

"Lupin is here, with us!" said Miss Nelly. "How exciting! Who is he, do you think?" "Perhaps it is me," I said with a smile. She laughed. "You? No. You are much too nice."

「ルパンがここに、わたしたちと一緒にいるのね!」とネリーさんは言った。「わくわくするわ! 誰だと思う?」「ひょっとすると、僕かもしれませんよ」と僕はほほえんで言った。ネリーさんは笑った。「あなたが? まさか。あなたはいい人すぎるもの」

All the passengers began to watch each other. Men with fair hair had a hard time. One of them, Mr. Rozaine, had fair hair and was traveling alone. People looked at him angrily. But he showed them his right arm, and there was no wound on it.

乗客はみな、おたがいを疑いの目で見るようになった。金髪の男たちは、つらい思いをした。そのひとり、ロザンヌ氏は金髪で、しかも一人旅だった。人々はロザンヌ氏をにらみつけた。だがロザンヌ氏が右腕を見せると、傷などどこにもなかった。

Then, one night, Lady Jerland's jewels were stolen from her room. Only a small card was left on the table. On it were the words "Arsène Lupin." Now everyone was afraid. Lupin was really on the ship!

そんなある夜、ジャーランド夫人の部屋から宝石が盗まれた。テーブルの上に、小さなカードが一枚残されていただけだった。そこには「アルセーヌ・ルパン」と書かれていた。今度こそ誰もがふるえあがった。ルパンは本当に船にいるのだ!

The captain searched the ship, but he found nothing. A few days later, Mr. Rozaine was found on the deck at night, hurt. "I was following a man in the dark," he said. "He attacked me." So Rozaine was not Lupin, after all. But who was?

船長は船じゅうをさがしたが、何も見つからなかった。数日後の夜、ロザンヌ氏がけがをして甲板にたおれているのが見つかった。「暗がりで、ある男のあとをつけていたんです」とロザンヌ氏は言った。「そいつにおそわれました」つまり、ロザンヌはルパンではなかったのだ。では、いったい誰が?

At last we saw the tall buildings of New York. Miss Nelly and I stood together on the deck. "Will you carry my camera for me?" I asked her. "My hands are full." "Of course," she said.

ついに、ニューヨークの高いビルが見えてきた。ネリーさんと僕は、並んで甲板に立っていた。「僕のカメラを持っていてもらえませんか?」と僕はたのんだ。「両手がふさがっているんです」「ええ、いいわよ」とネリーさんは言った。

On the land below, a man was waiting. I knew his face. It was Ganimard, the best police detective in France. He had come all the way to America on a faster ship.

下の岸壁で、ひとりの男が待っていた。見覚えのある顔だった。フランスきっての名刑事、ガニマールだ。もっと速い船に乗って、はるばるアメリカまで先回りしていたのだ。

The passengers walked down from the ship one by one. Ganimard looked at every face. When I came near him, he put his hand on my arm, my right arm. I could not stop a small cry of pain.

乗客たちは、ひとりずつ船からおりていった。ガニマールは、ひとりひとりの顔を見ていた。僕が近づくと、ガニマールは僕の腕に手をかけた。右腕にだ。僕は、思わず小さくうめいてしまった。

"Hello, Arsène Lupin," he said quietly. Yes. I was Arsène Lupin, the famous thief.

「やあ、アルセーヌ・ルパン」とガニマールは静かに言った。そうだ。僕こそがアルセーヌ・ルパン、あの名高い泥棒だったのだ。

Miss Nelly's face went white. She looked at me, and then at the camera in her hands. Inside it were the jewels and the money. Now she knew it. Then, without a word, she opened her hand. The camera fell into the water between the ship and the land, and it was gone.

ネリーさんの顔から血の気が引いた。僕を見て、それから手の中のカメラを見た。その中には、宝石とお金が入っていた。ネリーさんは、すべてをさとったのだ。そして、ひと言も言わずに手を開いた。カメラは船と岸壁のあいだの水に落ち、見えなくなった。

She walked away and did not look back. Ganimard took me away. I was sad, but I was also thankful. She did not help me, but she did not help the police, either. I will never forget her.

ネリーさんは歩き去り、一度もふり返らなかった。ガニマールは僕を連行していった。悲しかったが、ありがたくも思った。ネリーさんは僕を助けはしなかった。けれど、警察に手を貸すこともしなかったのだ。僕は、あの人のことを決して忘れないだろう。

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フランスからニューヨークまでは、長い船旅だった。僕たちの乗ったプロヴァンス号は大きくて快適な船で、天気にもめぐまれた。船には、ネリー・アンダーダウンという若いアメリカ人女性も乗っていた。美しくてやさしい人で、僕は彼女と甲板を歩きながらおしゃべりするのが楽しみだった。

二日目、奇妙な知らせが無線で船に届いた。「アルセーヌ・ルパンが貴船に乗っている」という電文だった。「一等船客。金髪。右腕に傷あり。一人旅で、名前は……」そのとき嵐になり、つづきはとうとう届かなかった。

船じゅうが大さわぎになった。アルセーヌ・ルパンは、フランスでいちばん有名な泥棒だった。顔も、声も、名前も、自由に変えられる。本当の顔を知っている者は誰もいなかった。

「ルパンがここに、わたしたちと一緒にいるのね!」とネリーさんは言った。「わくわくするわ! 誰だと思う?」「ひょっとすると、僕かもしれませんよ」と僕はほほえんで言った。ネリーさんは笑った。「あなたが? まさか。あなたはいい人すぎるもの」

乗客はみな、おたがいを疑いの目で見るようになった。金髪の男たちは、つらい思いをした。そのひとり、ロザンヌ氏は金髪で、しかも一人旅だった。人々はロザンヌ氏をにらみつけた。だがロザンヌ氏が右腕を見せると、傷などどこにもなかった。

そんなある夜、ジャーランド夫人の部屋から宝石が盗まれた。テーブルの上に、小さなカードが一枚残されていただけだった。そこには「アルセーヌ・ルパン」と書かれていた。今度こそ誰もがふるえあがった。ルパンは本当に船にいるのだ!

船長は船じゅうをさがしたが、何も見つからなかった。数日後の夜、ロザンヌ氏がけがをして甲板にたおれているのが見つかった。「暗がりで、ある男のあとをつけていたんです」とロザンヌ氏は言った。「そいつにおそわれました」つまり、ロザンヌはルパンではなかったのだ。では、いったい誰が?

ついに、ニューヨークの高いビルが見えてきた。ネリーさんと僕は、並んで甲板に立っていた。「僕のカメラを持っていてもらえませんか?」と僕はたのんだ。「両手がふさがっているんです」「ええ、いいわよ」とネリーさんは言った。

下の岸壁で、ひとりの男が待っていた。見覚えのある顔だった。フランスきっての名刑事、ガニマールだ。もっと速い船に乗って、はるばるアメリカまで先回りしていたのだ。

乗客たちは、ひとりずつ船からおりていった。ガニマールは、ひとりひとりの顔を見ていた。僕が近づくと、ガニマールは僕の腕に手をかけた。右腕にだ。僕は、思わず小さくうめいてしまった。

「やあ、アルセーヌ・ルパン」とガニマールは静かに言った。そうだ。僕こそがアルセーヌ・ルパン、あの名高い泥棒だったのだ。

ネリーさんの顔から血の気が引いた。僕を見て、それから手の中のカメラを見た。その中には、宝石とお金が入っていた。ネリーさんは、すべてをさとったのだ。そして、ひと言も言わずに手を開いた。カメラは船と岸壁のあいだの水に落ち、見えなくなった。

ネリーさんは歩き去り、一度もふり返らなかった。ガニマールは僕を連行していった。悲しかったが、ありがたくも思った。ネリーさんは僕を助けはしなかった。けれど、警察に手を貸すこともしなかったのだ。僕は、あの人のことを決して忘れないだろう。

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the radio message say about Lupin?

Q2. Who was waiting for the ship in New York?

Q3. What did Miss Nelly do with the camera?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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