Anne of Green Gables(赤毛のアン)の挿絵
Level 4 Intermediate名作文学

Anne of Green Gables

赤毛のアン

  • 📖 1,030 words
  • ⏱ 約9分
  • 🔊 5:11
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ男の子を引き取るはずだったマシューとマリラの家に来たのは、赤毛でおしゃべりな女の子アンでした。想像力いっぱいのアンの失敗と成長の日々。原作の物語全体を短くまとめた再話です。

L・M・モンゴメリ『赤毛のアン』(1908年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • adopt養子にする
  • orphanage孤児院
  • frecklesそばかす
  • gossipうわさ好きの人
  • bosom friend心の友、親友
  • slate石板(昔の筆記用具)
  • cordial果実のシロップ飲料
  • croupクループ(子どもののどの病気)
  • scholarship奨学金
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Matthew and Marilla Cuthbert lived at Green Gables, a farm in the village of Avonlea on Prince Edward Island in Canada. Matthew was sixty and terribly shy. His sister Marilla was strict and practical. They were getting old, so they decided to adopt a boy from an orphanage to help on the farm.

マシュウ・カスバートと妹のマリラは、カナダのプリンス・エドワード島のアヴォンリー村で、グリーン・ゲイブルズという農場に住んでいた。マシュウは六十歳で、ひどく内気だった。マリラは厳しくて、現実的な人だった。二人とも年をとってきたので、孤児院から男の子を一人引き取って、農場の手伝いをしてもらうことにした。

But when Matthew drove to the train station, he found only a thin girl of eleven with two red braids, freckles, and big gray eyes. She was holding an old bag. "I was afraid you weren't coming," she said. "I decided that if you didn't come, I would climb that cherry tree and sleep in the moonlight."

ところが、マシュウが馬車で駅へ迎えに行くと、そこにいたのは、十一歳のやせた女の子が一人だけだった。赤い髪を二本のおさげにして、顔はそばかすだらけ、目は大きな灰色だった。女の子は古いかばんを持っていた。「来てくださらないんじゃないかと、心配していたんです」と女の子は言った。「もし来てくださらなかったら、あの桜の木に登って、月の光を浴びながら眠ろうと決めていました」

Matthew could not bring himself to tell her that there had been a mistake. On the drive home she talked and talked. She named a road under the apple blossoms "the White Way of Delight," and she called a pond "the Lake of Shining Waters." Matthew, who was afraid of girls, found that he enjoyed listening to her.

何かの間違いだったとは、マシュウにはどうしても言い出せなかった。家までの道々、女の子はしゃべりにしゃべった。リンゴの花の下を通る道を「喜びの白い道」と名づけ、池を「きらめく湖」と呼んだ。女の子というものが苦手なマシュウだったが、気がつくと、その話を楽しんで聞いていた。

Marilla was shocked. "We wanted a boy," she said. "She's no use to us." When the girl heard this, she burst into tears. "You don't want me because I'm not a boy!" she cried. "Nobody ever did want me. This is the most tragic thing that has ever happened to me!" Marilla asked her name. "Will you please call me Cordelia?" she said. "It's such an elegant name." "Is Cordelia your name?" "No, it's Anne. But please spell it with an E."

マリラはびっくりした。「うちがほしかったのは男の子なのよ」とマリラは言った。「この子じゃ役に立たないわ」それを聞くと、女の子はわっと泣きだした。「わたしが男の子じゃないから、いらないんですね!」と女の子は叫んだ。「わたしをほしがってくれた人なんて、今まで一人もいなかった。こんなに悲劇的なことは、生まれて初めてです!」マリラが名前をたずねた。「どうか、コーデリアと呼んでいただけませんか?」と女の子は言った。「とても優雅な名前ですもの」「コーデリアっていうのが、あなたの名前なの?」「いいえ、アンです。でも、どうか最後にEのつくつづりで書いてください」

Marilla planned to send her back. But the next day she met a hard, unkind woman who wanted Anne only as a servant, and she saw the fear in Anne's face. That evening Matthew said quietly, "Well now, Marilla, I think we ought to keep her." So Anne stayed at Green Gables. It was the first real home she had ever had.

マリラは、アンを孤児院へ送り返すつもりだった。ところが次の日、アンを召使いとしてこき使うことしか考えていない、冷たく意地の悪い女に会った。そして、アンの顔に浮かんだおびえた表情を見てしまった。その晩、マシュウが静かに言った。「なあ、マリラ、あの子はうちに置いてやったほうがいいと思うんだがね」こうして、アンはグリーン・ゲイブルズで暮らすことになった。アンにとって、生まれて初めての本当のわが家だった。

Anne was always in trouble, because her imagination ran faster than her good sense. When Mrs. Rachel Lynde, the village gossip, called her skinny and plain, with hair as red as carrots, Anne stamped her foot. "How would you like to be told that you are fat and clumsy?" she shouted. "I hate you!" Marilla made her apologize. Anne did it with such dramatic sorrow that Mrs. Lynde forgave her at once.

アンはしょっちゅう騒ぎを起こした。分別より先に、想像力が走りだしてしまうからだ。村一番のうわさ好きのレイチェル・リンド夫人に、やせっぽちで器量が悪くて、髪はニンジンみたいに赤い、と言われたとき、アンは足を踏み鳴らした。「あなたこそ、太っていてぶかっこうだって言われたら、どんな気がします?」とアンは叫んだ。「あなたなんか大嫌い!」マリラはアンに謝らせた。アンがあまりに芝居がかった悲しみ方で謝ったので、リンド夫人はすぐに許してくれた。

Anne longed for a "bosom friend," and she found one in Diana Barry, a pretty, dark-haired girl who lived nearby. They promised to be friends as long as the sun and moon shone in the sky. At school, a handsome boy named Gilbert Blythe pulled Anne's braid and called her "Carrots." Anne broke her slate over his head. For years after that she refused to speak to him, though Gilbert said sorry many times.

アンは「心の友」がほしくてたまらなかった。そして、近くに住むダイアナ・バリーという、黒い髪のかわいい女の子と心の友になった。二人は、空に太陽と月が輝くかぎり友だちでいようと誓い合った。学校では、ギルバート・ブライスというハンサムな男の子が、アンのおさげを引っぱって「ニンジン」と呼んだ。アンは石板をギルバートの頭にたたきつけて、割ってしまった。それから何年ものあいだ、ギルバートが何度謝っても、アンは口をきこうとしなかった。

There were many other troubles. Once Anne gave Diana currant wine by mistake, thinking it was raspberry cordial. Diana went home drunk, and her angry mother said that the girls could never be friends again. Anne was heartbroken. But one winter night, while Diana's parents were away, her little sister became very ill with croup. Anne had looked after younger children in her old homes, and she knew exactly what to do. She saved the child's life, and Mrs. Barry forgave her with all her heart.

騒ぎはほかにもたくさんあった。あるとき、アンはラズベリー水と間違えて、ダイアナにすぐり酒を飲ませてしまった。ダイアナは酔っぱらって家に帰り、怒ったダイアナのお母さんは、もう二度と二人を一緒に遊ばせないと言った。アンは悲しくて胸がはりさけそうだった。ところがある冬の夜、ダイアナの両親が留守のあいだに、ダイアナの小さな妹が、クループというのどの病気でひどく苦しみだした。アンは、それまで預けられていた家々で、小さな子どもたちの世話をしてきた。だから、どうすればいいかよくわかっていた。アンはその子の命を救った。バリー夫人は、心からアンを許してくれた。

Another time, Anne bought a bottle of hair dye from a traveling peddler. She hoped her red hair would become black, but it turned green! Marilla had to cut it short. Then, while acting out a sad poem with her friends, Anne lay in an old boat on the pond. The boat began to leak and sink, and she had to hold on to a bridge post. Who rescued her? Gilbert Blythe. "Can't we be friends, Anne?" he asked. She wanted to say yes, but her pride was too strong. "No," she said coldly. Later, she was sorry.

また別のときには、旅の行商人から髪の染め薬を一びん買った。赤い髪が黒くなればいいと思ったのに、なんと緑色になってしまった! マリラは、アンの髪を短く切るしかなかった。それから、友だちと悲しい詩のお芝居をしたときのことだ。アンは池に浮かべた古いボートの中に横たわった。ところがボートは水がもれて沈みはじめ、アンは橋のくいにしがみつくはめになった。助けてくれたのは誰だったか? ギルバート・ブライスだった。「ぼくたち、友だちになれないかな、アン?」とギルバートはたずねた。アンは、ええ、と言いたかった。でも、意地が邪魔をした。「いいえ」とアンは冷たく言った。あとになって、アンは後悔した。

Anne grew taller and wiser, and Green Gables was full of her laughter. Matthew loved her quietly with all his heart. One Christmas he bought her a dress with puffed sleeves, the very fashion she had always dreamed of. Even Marilla, who rarely showed her feelings, could no longer imagine life without her.

アンは背がのび、だんだん分別もついてきた。グリーン・ゲイブルズは、アンの笑い声でいっぱいになった。マシュウは何も言わずに、心の底からアンをかわいがった。あるクリスマスには、アンがずっとあこがれていた、そでのふくらんだ流行のドレスを買ってやった。めったに気持ちを表に出さないマリラでさえ、もうアンのいない暮らしなど考えられなくなっていた。

At fifteen, Anne went to Queen's Academy in town to study to become a teacher. She and Gilbert studied hard, and each wanted to be first. In the end, Anne won a scholarship to college. Matthew was so proud. "I'd rather have you than a dozen boys, Anne," he told her. "It wasn't a boy that won the scholarship, was it? It was a girl. My girl."

十五歳になると、アンは教師になる勉強をするため、町のクイーン学院に入った。アンとギルバートは、どちらも一番になろうと一生懸命勉強した。そしてとうとう、アンが大学の奨学金を勝ちとった。マシュウは鼻が高かった。「わしは男の子が十二人いるより、おまえ一人がいてくれるほうがいいよ、アン」とマシュウは言った。「奨学金をとったのは男の子じゃなかっただろう? 女の子だった。わしの娘だよ」

But that summer, terrible news came. The bank that held all of Matthew and Marilla's money had failed. Matthew read the news in the paper, and his weak heart gave out. He died that same day. Anne felt that her world had ended. That night she cried in Marilla's arms, and for the first time Marilla told her, "I love you as dearly as if you were my own child."

ところがその夏、恐ろしい知らせが届いた。マシュウとマリラが全財産を預けていた銀行が、つぶれてしまったのだ。マシュウは新聞でその知らせを読むと、弱っていた心臓がもたなかった。マシュウはその日のうちに亡くなった。アンは、自分の世界が終わってしまったような気がした。その夜、アンはマリラの腕の中で泣いた。そしてマリラは初めて、アンにこう言った。「あなたのことは、自分が産んだ子どもと同じくらい、いとしく思っているのよ」

Then Anne learned that Marilla's eyes were failing, and that Marilla would have to sell Green Gables. Anne made a brave decision. She would not go to college. She would stay with Marilla and teach at a nearby school. "I'm not going to let you be alone," she said. "And I can study at home."

それからアンは、マリラの目が悪くなってきていて、グリーン・ゲイブルズを手放さなければならないかもしれないと知った。アンは勇気のいる決心をした。大学には行かない。マリラのそばに残って、近くの学校で教えよう。「マリラをひとりぼっちになんかさせないわ」とアンは言った。「勉強なら、家でもできるもの」

Then came another surprise. Gilbert had been promised the teaching job at the Avonlea school. But when he heard about Anne's decision, he gave the job to her, so that she could live at home with Marilla. He took a school in another village instead.

すると、もう一つ驚くことが起こった。アヴォンリーの学校の先生には、ギルバートがなることに決まっていた。ところがギルバートは、アンの決心を聞くと、その仕事をアンにゆずったのだ。アンが家でマリラと一緒に暮らせるように。そして自分は、別の村の学校に行くことにした。

The next evening Anne met Gilbert on the road. She held out her hand. "Thank you for giving up the school for me," she said. "I want to be friends." Gilbert smiled and took her hand. "We were born to be good friends, Anne," he said. "You've fought against it long enough." He walked her home, and they talked at the gate for half an hour.

次の日の夕方、アンは道でギルバートに会った。アンは手を差し出した。「わたしのために学校をゆずってくださって、ありがとう」とアンは言った。「お友だちになりたいの」ギルバートはほほえんで、アンの手を握った。「ぼくたちは、いい友だちになるように生まれてきたんだよ、アン」とギルバートは言った。「きみはずいぶん長いあいだ、それに逆らってきたけどね」ギルバートはアンを家まで送り、二人は門のところで三十分も話しこんだ。

That night Anne sat at her window. Her future seemed narrower than before, but it was full of quiet joy. "God's in his heaven, all's right with the world," she whispered softly.

その夜、アンは窓辺に座っていた。アンの未来は、前より狭くなったように思えた。それでも、静かな喜びに満ちていた。「神は天にいまし、すべて世は事もなし」とアンはそっとつぶやいた。

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マシュウ・カスバートと妹のマリラは、カナダのプリンス・エドワード島のアヴォンリー村で、グリーン・ゲイブルズという農場に住んでいた。マシュウは六十歳で、ひどく内気だった。マリラは厳しくて、現実的な人だった。二人とも年をとってきたので、孤児院から男の子を一人引き取って、農場の手伝いをしてもらうことにした。

ところが、マシュウが馬車で駅へ迎えに行くと、そこにいたのは、十一歳のやせた女の子が一人だけだった。赤い髪を二本のおさげにして、顔はそばかすだらけ、目は大きな灰色だった。女の子は古いかばんを持っていた。「来てくださらないんじゃないかと、心配していたんです」と女の子は言った。「もし来てくださらなかったら、あの桜の木に登って、月の光を浴びながら眠ろうと決めていました」

何かの間違いだったとは、マシュウにはどうしても言い出せなかった。家までの道々、女の子はしゃべりにしゃべった。リンゴの花の下を通る道を「喜びの白い道」と名づけ、池を「きらめく湖」と呼んだ。女の子というものが苦手なマシュウだったが、気がつくと、その話を楽しんで聞いていた。

マリラはびっくりした。「うちがほしかったのは男の子なのよ」とマリラは言った。「この子じゃ役に立たないわ」それを聞くと、女の子はわっと泣きだした。「わたしが男の子じゃないから、いらないんですね!」と女の子は叫んだ。「わたしをほしがってくれた人なんて、今まで一人もいなかった。こんなに悲劇的なことは、生まれて初めてです!」マリラが名前をたずねた。「どうか、コーデリアと呼んでいただけませんか?」と女の子は言った。「とても優雅な名前ですもの」「コーデリアっていうのが、あなたの名前なの?」「いいえ、アンです。でも、どうか最後にEのつくつづりで書いてください」

マリラは、アンを孤児院へ送り返すつもりだった。ところが次の日、アンを召使いとしてこき使うことしか考えていない、冷たく意地の悪い女に会った。そして、アンの顔に浮かんだおびえた表情を見てしまった。その晩、マシュウが静かに言った。「なあ、マリラ、あの子はうちに置いてやったほうがいいと思うんだがね」こうして、アンはグリーン・ゲイブルズで暮らすことになった。アンにとって、生まれて初めての本当のわが家だった。

アンはしょっちゅう騒ぎを起こした。分別より先に、想像力が走りだしてしまうからだ。村一番のうわさ好きのレイチェル・リンド夫人に、やせっぽちで器量が悪くて、髪はニンジンみたいに赤い、と言われたとき、アンは足を踏み鳴らした。「あなたこそ、太っていてぶかっこうだって言われたら、どんな気がします?」とアンは叫んだ。「あなたなんか大嫌い!」マリラはアンに謝らせた。アンがあまりに芝居がかった悲しみ方で謝ったので、リンド夫人はすぐに許してくれた。

アンは「心の友」がほしくてたまらなかった。そして、近くに住むダイアナ・バリーという、黒い髪のかわいい女の子と心の友になった。二人は、空に太陽と月が輝くかぎり友だちでいようと誓い合った。学校では、ギルバート・ブライスというハンサムな男の子が、アンのおさげを引っぱって「ニンジン」と呼んだ。アンは石板をギルバートの頭にたたきつけて、割ってしまった。それから何年ものあいだ、ギルバートが何度謝っても、アンは口をきこうとしなかった。

騒ぎはほかにもたくさんあった。あるとき、アンはラズベリー水と間違えて、ダイアナにすぐり酒を飲ませてしまった。ダイアナは酔っぱらって家に帰り、怒ったダイアナのお母さんは、もう二度と二人を一緒に遊ばせないと言った。アンは悲しくて胸がはりさけそうだった。ところがある冬の夜、ダイアナの両親が留守のあいだに、ダイアナの小さな妹が、クループというのどの病気でひどく苦しみだした。アンは、それまで預けられていた家々で、小さな子どもたちの世話をしてきた。だから、どうすればいいかよくわかっていた。アンはその子の命を救った。バリー夫人は、心からアンを許してくれた。

また別のときには、旅の行商人から髪の染め薬を一びん買った。赤い髪が黒くなればいいと思ったのに、なんと緑色になってしまった! マリラは、アンの髪を短く切るしかなかった。それから、友だちと悲しい詩のお芝居をしたときのことだ。アンは池に浮かべた古いボートの中に横たわった。ところがボートは水がもれて沈みはじめ、アンは橋のくいにしがみつくはめになった。助けてくれたのは誰だったか? ギルバート・ブライスだった。「ぼくたち、友だちになれないかな、アン?」とギルバートはたずねた。アンは、ええ、と言いたかった。でも、意地が邪魔をした。「いいえ」とアンは冷たく言った。あとになって、アンは後悔した。

アンは背がのび、だんだん分別もついてきた。グリーン・ゲイブルズは、アンの笑い声でいっぱいになった。マシュウは何も言わずに、心の底からアンをかわいがった。あるクリスマスには、アンがずっとあこがれていた、そでのふくらんだ流行のドレスを買ってやった。めったに気持ちを表に出さないマリラでさえ、もうアンのいない暮らしなど考えられなくなっていた。

十五歳になると、アンは教師になる勉強をするため、町のクイーン学院に入った。アンとギルバートは、どちらも一番になろうと一生懸命勉強した。そしてとうとう、アンが大学の奨学金を勝ちとった。マシュウは鼻が高かった。「わしは男の子が十二人いるより、おまえ一人がいてくれるほうがいいよ、アン」とマシュウは言った。「奨学金をとったのは男の子じゃなかっただろう? 女の子だった。わしの娘だよ」

ところがその夏、恐ろしい知らせが届いた。マシュウとマリラが全財産を預けていた銀行が、つぶれてしまったのだ。マシュウは新聞でその知らせを読むと、弱っていた心臓がもたなかった。マシュウはその日のうちに亡くなった。アンは、自分の世界が終わってしまったような気がした。その夜、アンはマリラの腕の中で泣いた。そしてマリラは初めて、アンにこう言った。「あなたのことは、自分が産んだ子どもと同じくらい、いとしく思っているのよ」

それからアンは、マリラの目が悪くなってきていて、グリーン・ゲイブルズを手放さなければならないかもしれないと知った。アンは勇気のいる決心をした。大学には行かない。マリラのそばに残って、近くの学校で教えよう。「マリラをひとりぼっちになんかさせないわ」とアンは言った。「勉強なら、家でもできるもの」

すると、もう一つ驚くことが起こった。アヴォンリーの学校の先生には、ギルバートがなることに決まっていた。ところがギルバートは、アンの決心を聞くと、その仕事をアンにゆずったのだ。アンが家でマリラと一緒に暮らせるように。そして自分は、別の村の学校に行くことにした。

次の日の夕方、アンは道でギルバートに会った。アンは手を差し出した。「わたしのために学校をゆずってくださって、ありがとう」とアンは言った。「お友だちになりたいの」ギルバートはほほえんで、アンの手を握った。「ぼくたちは、いい友だちになるように生まれてきたんだよ、アン」とギルバートは言った。「きみはずいぶん長いあいだ、それに逆らってきたけどね」ギルバートはアンを家まで送り、二人は門のところで三十分も話しこんだ。

その夜、アンは窓辺に座っていた。アンの未来は、前より狭くなったように思えた。それでも、静かな喜びに満ちていた。「神は天にいまし、すべて世は事もなし」とアンはそっとつぶやいた。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Matthew and Marilla want at first?

Q2. Why did Anne break her slate over Gilbert's head?

Q3. Why did Anne decide not to go to college?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

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