READING 第6問
共通テスト英語リーディング 第6問の解き方とコツ
過去完了(had+過去分詞)は回想の最初の1〜2文だけ。回想が終わる所は Now や Today で探そう。第6問は12点・8マーク。目安10分、12分を過ぎたら次へ。解く手順、例題、テクニック、ひっかけ、点数別の対策をまとめた。
書いた人:原田高志(高校の英語教師・原田英語)/ 更新:/ 2021〜2026年度の本試験・追試験(R・L 24回分)を数えて作成
第6問はどんな問題?(配点・時間・形式)
過去と現在を行き来する物語を読み、出来事の順番、気持ちの変化、人物の関係、テーマをアウトライン(まとめ)の空所で問う。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 形式 | 物語(回想・時系列の並べ替え・アウトライン完成)。2026年は店を舞台にした回想の物語 |
| 配点 | 12点(8マーク) |
| 語数の目安 | 約640語 |
| 目安時間 | 10分(12分で次へ進む) |
| 難しさ | ★★★★ |
過去の出題(新形式)
| 年度 | テーマ | 語数 |
|---|---|---|
| 2025本 | 友人が書いたヒーロー小説+感想メール | 964語 |
| 2025追 | 電車でひとり旅をする少年の物語+ワークシート | 932語 |
| 2026本 | おにぎり屋の老人と剣道少女の物語+アウトライン | 967語 |
| 2026追 | ヨガで考え方が変わった会社員の物語+発表メモ | 881語 |
設問のパターン
| 設問の型 | 回数 | 例 |
|---|---|---|
| 出来事の並べ替え(5つから4つ) | 4 | Choose four out of the five … in the order they happened. |
| 空所(言葉の意味・物語が伝えること・学んだこと) | 5 | Choose the best option for ___. |
| 人物の性格・特徴 | 3 | Choose the best option for ___.(Personality の欄) |
| 2つ選ぶ(順不同) | 3 | Choose the best options for ___ and ___. The order does not matter. |
| 絵を選ぶ | 1 | Choose the picture that … |
毎回同じところ:4問・8マーク・12点。「5つから4つ並べる」が4回とも。人物の性格や心の変化を問う。
毎回変わるところ:空所のあるメモの形(感想メール/ワークシート/アウトライン/発表メモ)が毎回ちがう。2026年は2回とも最後が「物語が伝えること・学んだこと」。
2027年の予想:物語+メモの空所、並べ替え、人物の性格・学んだことが出る可能性が高い。大人が昔を思い出す話(回想)にも備えよう。
第6問の解き方(手順)
- アウトライン(まとめシート)の見出しと空所を先に読む。何を埋めるかが読み方の地図になる
- 登場人物を余白に書き出し、関係(祖母・先輩・店主など)を線で結ぶ
- 時・場所が変わる所に/を入れ、「今」「回想」とラベル
- 感情語・態度の変化に波線(最初→きっかけ→最後)
- 並べ替えは年齢・学年・季節・had p.p. を手がかりに時間軸に置く
- テーマの空所は最終段落とタイトルの意味から選ぶ
物語を読む手順
物語は、書かれた順と起きた順がちがう。読みながら、出来事を余白の年表に起きた順で書き直そう。
- アウトラインを先に
リード文・アウトラインの見出しと空所・並べ替えの設問を先に読む。何を集めながら読むかが決まる。 - 人物を書き出す
名前が出たら余白に書き、主人公との関係を1語で(祖母・店主など)。呼び名が変わったら同じ人に線でつなぐ。 - 回想の始まりに/
years earlier・remembered・had+過去分詞で/。始まりの後は過去形でも回想の中と考える。
例:Ten years earlier, Ken had moved to a small town. He missed his old friends. → had moved が回想の始まり。missed も回想の中 - 回想の終わりの Now を探す
Now・Today・These days が出たら、もう一度/。ここで今にもどる。始まりと終わりの間が1つの回想。
例:Now, Ken smiled at the new student. → ここで今にもどる。始まりからここまでを「昔」と囲む - 時を年表に置く
「中2の夏」「3年後」などを余白の横線に置く。並べ替えの設問は、この年表を見て解く。
例:when Ken was in his second year of junior high school → 年表に「中2」。three years later → 「高2」 - 気持ちを3点メモ
最初・きっかけ・最後の気持ちを、行動の文から1語ずつ。アウトラインの気持ちの空所はここで埋まる。 - ダミーを消して並べる
並べ替えは起きていない1つを先に消し、残りを年表の順に。テーマは何度も出る物と結末で決める。
秒単位の時間割
| 時間 | やること |
|---|---|
| 0:00〜1:00 | リード文・アウトライン・並べ替えの設問を先に読む |
| 1:00〜6:00 | 本文を読む。回想の始まりと終わりに/、年表と人物メモ |
| 6:00〜8:30 | アウトラインの空所を埋める。気持ちは根拠の行動に線 |
| 8:30〜10:00 | 並べ替えはダミーを消して年表順に。全マーク |
| 12:00 | あきらめて次へ行く時間。仮マークして第7問へ |
第6問の例題(書き下ろし)で解き方を確認
回想(昔の思い出)が入る物語を読み、出来事の順番・気持ちの変化・物語のテーマを、まとめシートの空所で答える問題。
実演:「青いかさ」の年表づくり
英語の授業で、次の物語のまとめ(アウトライン)を作って発表することになった。
Story
The Blue Umbrella
It was raining hard on Riku's first morning as a teacher. At the school gate, he noticed a small girl standing alone. She had no umbrella, and she was looking down at her shoes. Riku smiled. He knew that look very well.
Fifteen years earlier, when Riku was nine, his family had moved to a quiet town by the sea. He did not know anyone there, and he was too shy to talk to his new classmates. Every day, he walked home alone.
One afternoon in his first week, it suddenly started to rain. Riku was standing under the roof of a shop when Mrs. Ono, the old woman who lived next door, walked by. She held out a blue umbrella. "Take this," she said. "You can give it back when you have made a friend."
Riku did not understand what she meant. The next day, it rained again. A boy from his class, Sota, was waiting at the gate without an umbrella. Riku took a deep breath and said, "Do you want to share?" They walked home together under the blue umbrella, talking about soccer all the way.
That evening, Riku returned the umbrella to Mrs. Ono. She just nodded and smiled, as if she had known all along.
Now, Riku took his spare umbrella out of his bag and handed it to the girl. "You can give it back when you have made a friend," he said. The girl looked up in surprise. For the first time that morning, she smiled.
Story Outline
The Blue Umbrella: Story Outline
Important events
| 1st | 2nd | 3rd | 4th |
|---|---|---|---|
| [1] | [2] | [3] | [4] |
(A) Riku shared an umbrella with a classmate.
(B) Riku's family moved to a new town.
(C) Riku lent an umbrella to a young student.
(D) A neighbor lent Riku an umbrella.
What the story tells us
[5]
Put events (A) to (D) in the order they happened in Riku's life.
- ① (C) → (B) → (D) → (A)
- ② (B) → (A) → (D) → (C)
- ③ (B) → (D) → (A) → (C)
- ④ (D) → (B) → (A) → (C)
答えと解き方を見る
正解:③
- ① 設問を先に読む
聞かれているのは「起きた順」。物語に書かれた順とはちがう、と覚えておく。 - ② 時間のスイッチに/
Fifteen years earlier で昔へ。Now で今へもどる。今→昔→今の3つのかたまりだ。 - ③ 言い換えを見つける
the old woman who lived next door=A neighbor。A boy from his class=a classmate。同じ人の言い換えだ。 - ④ 余白の年表に置く
9歳で引っ越し(B)→その週に傘を借りる(D)→次の日に友だちと帰る(A)→15年後の今(C)。 - ⑤ ひっかけを消す
いちばん多いミスは「書かれた順」で並べること。
【物語】青いかさ:リクが先生になった初日の朝は大雨だった。校門で、傘のない小さな女の子がひとり、靴を見つめて立っていた。リクはほほえんだ。その表情をよく知っていたからだ。15年前、リクが9歳のとき、家族は海辺の静かな町に引っ越した。知り合いはおらず、恥ずかしくて新しい同級生に話しかけられず、毎日ひとりで帰った。最初の週のある午後、急に雨が降り出した。店の軒下にいると、隣に住むオノさんというおばあさんが通りかかり、青い傘を差し出した。「持っていきなさい。友だちができたら返してね」。リクには意味がわからなかった。次の日も雨。同じクラスのソウタが傘なしで門のところにいた。リクは深呼吸して「いっしょに入る?」と言い、2人はサッカーの話をしながら青い傘で帰った。その夜、リクが傘を返すと、オノさんはすべてわかっていたかのように、うなずいてほほえんだ。そして今、リクはかばんから予備の傘を出して女の子に渡した。「友だちができたら返してね」。女の子は驚いて顔を上げ、その朝初めて笑った。【まとめ】(A)クラスメートと傘に入った (B)家族が新しい町に引っ越した (C)年下の生徒に傘を貸した (D)隣人がリクに傘を貸した。【設問】(A)〜(D)をリクの人生で起きた順に並べよ。正解:(B)→(D)→(A)→(C)。
第6問のコツ・テクニック
回想のスイッチに/
remembered / back then / years ago / when I was ~ / had p.p. で過去へ、Now / Today で現在へ戻る。切り替わりに/。
余白に時間軸
横線を1本引き、出来事を「小3・中2・今」のように置く。並べ替えの設問がそのまま解ける。
感情の3点セット
最初の感情・きっかけ・最後の感情を拾う。「どう変わったか」「なぜ変わったか」はこの3つで決まる。
呼び名の変化に注意
同じ人が Mr. Sato / the owner / he と呼び変わる。別人と思い込むと人物関係の設問を落とす。
行動から気持ちを読む
物語は気持ちを直接書かないことがある。looked away / smiled / said nothing などの行動が心情の根拠。
空所は抽象語で来る
アウトラインの選択肢は gratitude / confidence のように出来事を抽象化した語。本文の具体的場面を1語でまとめて照合。
8マークは1問1分強
マークが多い分1問は軽い。並べ替えだけに3分以上かけない。12分を超えたら次へ。
超絶テク(目から鱗)
過去完了は回想の最初だけ
had+過去分詞の文に/を引いたら、その後の過去形も回想として読む。Now・Today が出るまで囲みを続ける。
👀 英語は回想の最初だけ過去完了にし、すぐ過去形に戻す。ここで多くの人が迷う。
ダミーを先に消す
並べ替えの5つを見たら、まず「本文で実際に起きていない1つ」を探して×。dreamed・planned・hoped の話が怪しい。
👀 4つを並べる前に1つ消せば、考える組み合わせが一気に減る。
何度も出る物がテーマ
タイトルや本文に何度も出る物(かさ・手紙・レシピ)に□。最後の場面でその物がどうなったかに線を引く。
👀 物語では、主人公の気持ちが物の扱い方で表される。最後にその物をどうしたか(捨てた・大切にしたなど)が、最後の気持ち。
最終段落を先に読む
時間がない時は、最終段落の2〜3文を先に読む。主人公の最後の気持ちがわかれば、変化の設問の答えの向きが決まる。
👀 試験の物語は、結末を知ってから読む方が速い。推理小説とはちがう。
空所のうしろを読む
アウトラインの空所は、後ろの because / after / when 以下を先に読む。それがどの場面かを本文で探してから選ぶ。
👀 空所の後ろに「どの場面の話か」が書いてあることが多い。探す範囲が1段落になる。
気持ちの強さを合わせる
本文の気持ちに「少し・かなり・とても」の強さを書き添える。a little upset の人に furious(激怒した)は×。
👀 気持ちの種類が合っていても、強さがちがえば✕になる。
例で確認
Standing in front of the closed bakery, Mika remembered the morning her aunt had first let her knead the dough. Back then, she had been too shy to speak to customers.
閉店したパン屋の前に立ち、ミカはおばが初めて生地をこねさせてくれた朝を思い出した。当時の彼女は恥ずかしがりで、客に話しかけられなかった。
remembered / had p.p. / Back then が回想のスイッチ。too shy は「最初の状態」。物語の最後で変化している可能性が高い。
第6問のひっかけ(✕選択肢の作られ方)
回想を現在と取り違える
回想の中の出来事を「今起きていること」として書いた選択肢。/とラベルで判定。
常識で気持ちを決める
「別れ=悲しい」とは限らない。本文の描写(行動・セリフ)に根拠がある感情だけを選ぶ。
人物の取り違え
AがBに言ったことを、BがAに言ったことにすり替える。セリフの話し手と相手を確認。
テーマの言い過ぎ
物語の一場面から大きな人生論に飛んだ選択肢は×。本文全体の変化を1文にしたものを選ぶ。
✕選択肢の正体3型
願望を事実に
本文:Mika dreamed of opening her own bakery someday.
✕選択肢:Mika opened her own bakery.
dreamed of〜は夢の話。実際に開いたとは書いていない。並べ替えのダミーにも多い。
気持ちを強くしすぎ
本文:Ken felt a little nervous before his speech, but he spoke clearly.
✕選択肢:Ken was terrified of speaking in front of people.
a little nervous=少し緊張。terrified(ひどくおびえた)は強すぎる。
きっかけのすり替え
本文:At first, Aya cooked only because her mother was busy. But when her grandfather asked for more soup, she decided to learn new recipes.
✕選択肢:Aya started learning new recipes because her mother asked her to.
母は料理を始めた理由。新しいレシピを学ぶきっかけは祖父のおかわり。
第6問の出題パターン別の解き方
| パターン | 出た年 | 見る所 | 解き方 | ひっかけ |
|---|---|---|---|---|
| 物語→発表用アウトライン・メモ | 2026本・2026追 | アウトラインの見出しと空所の位置 | 先に見出しを読み、どの場面の話かを決めてから本文へ。空所ごとに本文の段落を1つ対応させる。 | 別の場面の出来事を入れた選択肢 |
| 物語→ワークシート+絵を選ぶ | 2025追 | 絵の違いと、場面を細かく書いた文 | 4枚の絵の違いを先に確かめてから、その場面だけを読む。人の位置や持ち物に線を引く。 | 別の場面の様子を描いた絵 |
| 友だちの作品を読んで感想を書く | 2025本 | 登場人物の能力・特徴が書かれた場面 | 特徴の組み合わせ設問は、1つずつ本文で○×を付ける。○が2つの組み合わせだけを残す。 | ほかの人物の能力を混ぜた組み合わせ |
| 人物の性格「AだけどB」・2つ選ぶ | 2026本・2026追 | 人物の行動と、ほかの人からの言葉 | 性格の語は行動で確かめる。「AだけどB」は両方の半分が合うものだけ。2つ選ぶ設問は1つずつ本文で確かめる。 | 半分だけ合う性格の組み合わせ |
| 実在の人物の伝記→スライド | 2021第2日程・2022本・2022追 | 年号と、「その後」「同じ年」などの時の言葉 | 年号を本文の横に書き出して、順番設問と業績の設問の両方に使う。サブタイトルは人生全体で選ぶ。 | 若いころだけの話をサブタイトルにした選択肢 |
| 物語・体験談→発表メモ(年齢の計算など) | 2021本・2023本・2023追・2024本・2024追 | 年齢・年数の数字と、「〜年後」などの語 | 数字は本文の横に書き出し、足し算・引き算は冊子の余白でする。学んだことは最後の段落で決める。 | 計算の途中の数字をそのまま使った選択肢 |
得点帯別:第6問で点が伸びない原因と対策
| 今の得点 | つまずき | やること |
|---|---|---|
| 〜5割 | 回想と今が混ざり、誰がいつ何をしたかわからなくなる。 | /を回想の始まりと終わりの2か所に引き、間を丸ごと「昔」と囲む。余白に横線を1本書いて出来事を並べれば、誰がいつ何をしたかがわかる。 |
| 6〜7割 | 並べ替えは解けても、気持ちやテーマの空所で落とす。 | 気持ちの空所は、根拠になる行動の文を1つ見つけてから選ぶ。smiled・looked away などに線を引く習慣をつけよう。 |
| 8割 | relief・gratitude のような気持ちの名詞の選択肢で迷う。 | 気持ちの名詞を20語覚える。本文の場面を日本語1語(ほっとした・感謝)にしてから選択肢と比べる。 |
| 9割→満点 | 夢や予定を、起きた出来事と読むダミーに1つだけ引っかかる。 | 並べ替えの5つの出来事を、本文の該当する所に①〜⑤と書き込む。書き込めない1つがダミー。 |
第6問の練習メニュー
年表づくり(1日10分)
過去問・模試の第6問を1回分、設問を見ずに読み、余白に年表と人物メモを作る。そのあと並べ替えを解き、年表だけで正解できたら合格。
気持ちの名詞20語(1日5分)
relief・regret・pride・gratitude・envy など気持ちの名詞20語を、英→日・日→英で言う。全部3秒以内に言えたら卒業。週2回見直す。
回想の始まりと終わりに/を引く練習(1日5分)
英語の物語を1ページ読み、回想の始まりと終わりに/を引く。訳や解説で場面の切り替わりを確かめ、2か所とも合えば合格。
試験10分前に読む3行
- 過去完了は回想の最初だけ。回想の終わりは Now で探す
- 並べ替えはダミーを消してから
- 気持ちは行動の文に線を引いて選ぶ
よくある質問
回想の場面は、ずっと had+過去分詞(過去完了)で書かれる?
✕(まちがい)。過去完了は回想の最初の1〜2文だけのことが多い。あとは普通の過去形で続く。Now や Today が出るまでは回想と考えよう。
5つの出来事から4つを選ぶ並べ替えは、使わない1つを先に消すと速い?
○(正しい)。1つはダミー。夢・予定・勘違いの出来事を先に消すと、残り4つを年表の順に並べるだけになる。
何度も出てくる物は、物語のテーマを答えるヒントになりやすい?
○(正しい)。かさ・手紙・レシピのような物は、主人公の気持ちの変化を表すために使われる。テーマの設問では、その物が最後にどうなったかを見よう。