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英語のマジか!?ホント

「OK」の正体は、1839年ボストンの新聞の“わざと間違えたつづり”ジョークだった

「OK」の正体は、1839年ボストンの新聞の“わざと間違えたつづり”ジョークだった

読む前に予想してみよう!

「OK」はアメリカ先住民チョクトー族のことばが語源である

研究カード(どんな研究?)
対象
19世紀アメリカの新聞・文書
規模
1839〜1840年の用例
研究の種類
歴史言語学(文献調査)
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

「OK」は1839年3月、ボストンの新聞で all correct をわざと oll korrect とつづった略語として登場。翌年の大統領選で広く知られるようになった。

ひとことで言うとOKは「オール・コレクト(ぜんぶ正しい)」をわざと間違えて書いた略だった!

もくじ
  1. 1839年のボストンは「略語ブーム」だった
  2. 翌年の大統領選で「Old Kinderhook」とかけられた
  3. どんでん返し:有名な“語源説”はハズレだらけ
  4. 英語の「OK」、こう使える
  5. まとめ

「OK!」「オッケー」「OKです」。日本語でも毎日のように使うこの2文字、何の略か知っていますか?

答えは、「all correct(ぜんぶ正しい)」をわざと間違えて書いた「oll korrect」の頭文字。

しかもこれ、1839年にボストンの新聞記者がふざけて書いた、言葉遊びのジョークでした。世界でいちばん通じる英単語のひとつは、もとはといえば「スベりかけのギャグ」だったのです。

011839年のボストンは「略語ブーム」だった

アメリカの辞書メリアム・ウェブスターによると、1830年代の終わりごろ、ボストンの新聞は略語であふれていました。どんなフレーズでも頭文字にしてしまうのが流行りだったのです。

ブームはエスカレートし、つづりをわざと間違えてから略すという遊びまで生まれました。

  • N.G.(no go:ダメ)→ K.G.(know go)
  • A.R.(all right:大丈夫)→ O.W.(oll wright)
  • K.Y.(know yuse = no use:ムダ)

(K.G. の中身は資料によって know go/no good などと説明が分かれます。K.Y. はイリノイ大学のバロンのブログなどにある例です)

no を know と書いたり、all を oll と書いたり。今でいう「わざと崩したネットスラング」にちょっと似ています。その中のひとつが、all correct を oll korrect と書いた O.K. でした。

02翌年の大統領選で「Old Kinderhook」とかけられた

ふつうなら、こうしたジョーク略語はすぐに忘れられます。実際、K.G. や O.W. を今使う人はいません。では、なぜ OK だけが生き残ったのでしょうか。

大きなきっかけは、1840年のアメリカ大統領選挙でした。当時の大統領マーティン・ヴァン・ビューレンは、ニューヨーク州キンダーフック(Kinderhook)の生まれで、あだ名は Old Kinderhook(キンダーフックのおやじ)。頭文字はぴったり O.K. です。

ニューヨークの支持者たちは「O.K.クラブ(Democratic O.K. Club)」をつくり、O.K. を合言葉にして選挙を戦いました。ヴァン・ビューレン自身は再選に失敗しましたが、OK という言葉は全国区になったのです。

その後、OK は電信のオペレーターたちにも使われるようになり、アメリカ英語に定着していきます。メリアム・ウェブスターの記録では、形容詞・副詞としての初出が1839年、名詞(OK=承認)が1841年、動詞(OK=承認する)が1882年です。

1840年の大統領選が、ジョーク略語を全国区の言葉に押し上げた
1840年の大統領選が、ジョーク略語を全国区の言葉に押し上げた

03どんでん返し:有名な“語源説”はハズレだらけ

リードの研究が出るまで、OK の語源にはいろいろな説がありました。ケンブリッジ大学出版局の辞書ブログによると、

  • アメリカ先住民チョクトー族のことば(hoke / okeh)から来た
  • スコットランドの och aye(そうだとも)から来た
  • フランス語の aux quais(波止場へ)から来た
  • つづりが苦手だったとされるアンドリュー・ジャクソン大統領が、書類に「oll korrect」の略として O.K. と書いていた

などなど。どれも、それっぽくて面白い話です。

でも、1839年のボストンで意味つきの o.k. が書かれた記事が見つかり、同じ時期の“つづり崩し略語”ブームの中に位置づけられたことで、これらの説は根拠を失いました。アメリカ方言学会の事務局長も務めた英語学者メトカーフ(Metcalf)が2010年にオックスフォード大学出版局から出した OK の本では、章のタイトルがずばり「The Jackson Myth(ジャクソン神話)」です。

ただし、謎がすべて解けたわけではありません。イリノイ大学のサイトにあるブログ「The Web of Language」で、英語学者のバロン(Baron)は、ジョーク略語のなかでなぜ OK だけが生き残ったのかは、生まれたいきさつだけでは説明しきれない、と指摘しています。そのうえで、選挙や電信で広まったことに加え、どんな場面にもすべりこませられる“意味の軽さ”があったからではないか、と考えています。

04英語の「OK」、こう使える

英語の OK は、形容詞・副詞だけでなく、名詞や動詞にもなります。

  • 形容詞:Are you OK?(大丈夫?)/Is it OK if I sit here?(ここに座ってもいい?)
  • 名詞:We got the OK from our teacher.(先生からOKが出た)
  • 動詞:The principal OK'd our plan.(校長が私たちの計画を承認した)

つづりは OK と okay の両方が辞書に載っていて、動詞の過去形も OK'd と okayed の両方があります。

05まとめ

世界中で通じる「OK」は、1839年の新聞記者の悪ふざけと、1840年の大統領選という“偶然の追い風”から生まれた言葉でした。

次に「OK!」と言うときは、心の中で oll korrect とつぶやいてみてください。180年以上前のボストンの記者が、ちょっとうれしそうに笑うかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn the late 1830s, Boston newspapers were full of joke abbreviations. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

In the late 1830s, Boston newspapers were full of joke abbreviations. Writers first misspelled a phrase and then shortened it, so "no go" became "know go" and then "K.G."

On March 23, 1839, the Boston Morning Post printed "o.k." and explained it as "all correct." The joke came from the silly spelling "oll korrect." Most of these jokes soon died, but "O.K." got lucky.

In the 1840 election, supporters of President Martin Van Buren, who was known as "Old Kinderhook," formed an O.K. Club. He lost the election, yet the word spread across the country. Other stories say it came from a Choctaw word or from President Andrew Jackson's poor spelling. Experts no longer accept them.

116 words ・ CEFR B1

和訳を見る

1830年代の終わり、ボストンの新聞は冗談の略語であふれていた。書き手たちはまずフレーズのつづりをわざと間違え、それから短くした。

そのため「no go」は「know go」になり、さらに「K.G.」になった。1839年3月23日、『ボストン・モーニング・ポスト』紙は「o.k.」と書き、それを「all correct」と説明した。この冗談は「oll korrect」というふざけたつづりから来ていた。こうした冗談のほとんどはすぐに消えたが、「O.K.」は運がよかった。

1840年の選挙で、「オールド・キンダーフック」として知られたマーティン・ヴァン・ビューレン大統領の支持者たちが「O.K.クラブ」を作った。彼は選挙に負けたが、言葉は全国に広まった。ほかに、チョクトー族の言葉が語源だとか、アンドリュー・ジャクソン大統領のつづり下手が語源だとかいう話もある。専門家はもうそれらを認めていない。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. What was Martin Van Buren's nickname?

Q3. Why did "O.K." survive when most other joke abbreviations did not?

重要単語

  • abbreviationB2
    名詞略語、省略形"ASAP" is an abbreviation of "as soon as possible." 動詞 abbreviate(略す)。be abbreviated to ~「~と略される」。
  • misspellingB2
    名詞つづりの間違いThe joke depended on a silly misspelling. mis-(誤って)+spell(つづる)。misunderstand, mistake と同じ mis-。
  • deliberateB2
    形容詞わざとの、意図的なIt was a deliberate mistake, not a careless one. 副詞 deliberately は on purpose とほぼ同じ。動詞(発音デリバレイト)だと「熟考する」。
  • etymologyC1
    名詞語源、語源学The etymology of "OK" puzzled scholars for years. -logy は「学問」。昆虫学 entomology と混同しやすいので注意。
  • sloganB1
    名詞標語、スローガンThe campaign used "O.K." as its slogan. campaign slogan「選挙スローガン」の形でよく使う。
  • crazeC1
    名詞(一時的な)大流行、ブームJoke abbreviations were a craze in 1830s Boston. fad とほぼ同じ。the latest craze「最新の流行」。
  • approveB1
    動詞承認する、賛成するThe principal approved our plan, so we got the OK. 動詞の OK(OK'd / okayed)とほぼ同じ意味。名詞は approval。

動画でもっと知る

4コマでわかる

「OK」の正体は、1839年ボストンの新聞の“わざと間違えたつづり”ジョークだったの4コマ漫画
「OK」の正体は、1839年ボストンの新聞の“わざと間違えたつづり”ジョーク。all correct を oll korrect と書いて O.K.。翌年の大統領選で Old Kinderhook とかけられ全米へ。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Read (1963) The First Stage in the History of "O. K.", American Speech 38(1)doi.org
  2. Metcalf (2010) OK: The Improbable Story of America's Greatest Word, Oxford University Pressglobal.oup.com
  3. Merriam-Webster「OK」(Etymology / Word Origin)merriam-webster.com
  4. Rawson (2011) It's All OK, Cambridge Dictionary Blog(About Words)dictionaryblog.cambridge.org
  5. Baron (2011) Happy birthday OK: the world's most-popular word turns 172, The Web of Language(イリノイ大学)blogs.illinois.edu

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