「Google」の元ネタ「googol(10の100乗)」は、9歳の男の子が考えた言葉とされる

読む前に予想してみよう!
10の100乗を表す googol という名前は、子どもが考えたものだとされている
1940年の数学の本に、数学者カスナーの9歳の甥が考えたと書かれている。ただし辞書は「〜とされる」と慎重に書いている。
- 対象
- 数の名前 googol の由来
- 規模
- 1940年の本と1998年の論文
- 研究の種類
- 文献調査(本・論文・辞書の記述)
- 確かさ
- ★★★★☆
Google の名前は googol(10の100乗)から。創業者の1998年の論文にある。googol は数学者カスナーの9歳の甥が考えた名前とされる。
ひとことで言うと「グーグル」の名前のもとは、9歳の子が考えたといわれる、すごく大きな数の名前!
もくじ
「ググる」でおなじみの Google。この社名のもとになった英単語を知っていますか?
答えは googol(グーゴル)。10の100乗、つまり1のあとに0が100個並ぶ数の名前です。
しかもこの名前を考えたのは、えらい数学者ではなく、9歳の男の子だったと伝えられています。
01「1のあとに0が100個」に名前をつけて
1940年、アメリカのコロンビア大学の数学者エドワード・カスナー(1878〜1955)と、カスナーのもとで学んだジェイムズ・ニューマンが、一般の人向けの数学の本『Mathematics and the Imagination(数学と想像力)』を出しました。
その本に、こんな話が書かれています。
googol という名前を考えたのは、カスナー博士の9歳の甥。1のあとに0が100個つく、とても大きな数に名前をつけてほしいと頼まれたときのことでした。男の子は「この数は無限ではない」と確信していました。そして、無限ではないのだから、名前があるはずだと考えたのです。
0210の100乗って、どれくらい?
googol がどれほど大きいか、本にはいくつもたとえが出てきます。
- ニューヨークのコニーアイランドの砂浜の砂粒:およそ10の20乗
- 宇宙全体の電子の数:エディントンという学者の見積もりで、およそ10の79乗。それでも googol よりずっと小さい
本は、googol は物理学や天文学で使われるいちばん大きな数よりも、少し大きい数だと説明しています(1940年当時の話です)。
日本語の数の単位と比べてみましょう。とても大きな数を表す「無量大数」という単位は、小学館の『デジタル大辞泉』によると10の68乗(一説に10の88乗)です。googol は、その無量大数よりも、さらに大きいのです。

03googolplex は「疲れるまで0を書く」数だった
男の子が考えたもう1つの名前、googolplex の話も、この本の名場面です。
最初、googolplex は「1のあとに、疲れるまで0を書き続けた数」とされました。でも、これでは困ります。人によって疲れるタイミングがちがうからです。これでは、体力があるだけの人がアインシュタインよりすぐれた数学者ということになってしまう、と本は冗談まじりに書いています。
そこで本では、きちんと決め直しています。googolplex は、1のあとに0が googol 個並ぶ数。つまり10の googol 乗です。
- googol × googol でも、1のあとに0が200個にすぎない
- googolplex は、1のあとに0が googol 個(10の100乗個)
- 本によると、いちばん遠い星まで行って、1インチ(約2.5センチ)ごとに0を書いても、書ききれない
ちなみに本の脚注には、「googol」はロシアの作家(の名前)とはまったく関係ない、という冗談も添えられています。
04そして Google へ
それから半世紀以上たった1998年。スタンフォード大学のコンピュータ科学の博士課程の学生だったセルゲイ・ブリンとローレンス・ペイジが、新しい検索エンジンについての論文を発表しました。
その論文に、名前の由来がはっきり書かれています。2人は、Google という名前を選んだ理由を、googol(10の100乗)の「よくあるつづり」だから、そして、とても大規模な検索エンジンを作るという目標に合っているから、と説明しています。
論文の英語では、Google は "a common spelling of googol" と書かれています。とてつもなく大きな数の名前を、大きな検索エンジンの名前にしたわけです。
今では google は英語の動詞にもなっています。Oxford Learner's Dictionaries によると、動詞 google は1990年代に検索エンジンの名前から生まれました。
- I googled the word to check its meaning.(意味を確かめるためにその単語をググった)
- 発音は googol が /ˈɡuːɡɔːl/(グーゴール)、Google が /ˈɡuːɡl/(グーグル)
05どんでん返し:辞書は「〜とされる」と慎重
ここまでの話には、気をつけたい点があります。
1つ目。辞書は書き方が慎重です。Dictionary.com は、カスナーの9歳の甥が「allegedly(〜とされる)」作ったと書き、Oxford Learner's も「said to have been coined(作ったと言われている)」と書いています。今回確かめた資料の中で、甥の話をいちばん直接伝えているのは、カスナー自身が共著者として書いた1940年の本です。おじ本人が書いた話ですが、甥の名前はその本には出てきません。
2つ目。いつ考えたのかも、はっきりしません。1940年の本には、甥が9歳だったとは書かれていますが、それが何年のことかは書かれていません。辞書の初出年も「1935〜40年」「1940年代」と幅があります。
3つ目。Google は googol の「つづり間違い」だったのか。論文には「よくあるつづり」と書かれているだけです。わざとこのつづりにしたのか、間違えたのかは、論文からは分かりません。
06まとめ
世界でいちばん有名な社名のひとつ、Google。そのもとをたどると、「この数は無限じゃない。だから名前があるはず」と考えた9歳の男の子に行き着きます。
子どものひらめきが数学の本に載り、半世紀以上あとに検索エンジンの名前になった。次にググるときは、0が100個並んだ数を思い浮かべてみてください。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn 1998, two Stanford students wrote a paper about their new search engine, Google.
音声
4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Google got its name from a very big number. It is 1 with 100 zeros after it. The name of that number is "googol." Who made up this name? A 1940 book says it was a nine-year-old boy.
His uncle, Edward Kasner, was a mathematician at Columbia University. The boy was asked to think of a name for the number, and he said "googol." He also made up a name for an even bigger number, the "googolplex."
77 words ・ CEFR A2
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Google の名前は、とても大きな数から来ています。それは1のあとに0が100個つく数です。その数の名前は「googol」です。この名前を考えたのはだれでしょう?1940年の本によると、9歳の男の子です。
彼のおじのエドワード・カスナーは、コロンビア大学の数学者でした。男の子はその数の名前を考えるように頼まれ、「googol」と言いました。彼はさらに大きな数の名前「googolplex」も考えました。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
googol という大きな数の名前をだれが考えたかの話なので B。
Q2. How old was the boy who made up the name?
A nine-year-old boy. とあるので B。
Q3. In the passage, what does "made up" mean?
Who made up this name? の答えとして、男の子が自分で名前を考えたと書かれているので、made up は「新しく考え出した」。C。
In 1998, two Stanford students wrote a paper about their new search engine, Google. They explained that the name was a common spelling of "googol," the number 1 followed by 100 zeros, and that it fit their goal of building a very large search engine. The word "googol" itself came from a child.
According to a 1940 book by the mathematician Edward Kasner and James Newman, Kasner's nine-year-old nephew invented it. The boy was sure the number was not infinite, so he thought it had to have a name. He also named a bigger number, the "googolplex." At first it meant 1 followed by zeros until you got tired of writing them.
112 words ・ CEFR B1
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1998年、スタンフォード大学の2人の学生が、新しい検索エンジン Google についての論文を書いた。2人は、その名前は「googol」、つまり1のあとに0が100個続く数のよくあるつづりで、とても大きな検索エンジンを作るという目標に合っていると説明した。「googol」という語そのものは、子どもから生まれた。
数学者エドワード・カスナーとジェイムズ・ニューマンの1940年の本によると、それを考え出したのはカスナーの9歳の甥だった。男の子はその数が無限ではないと確信していたので、名前があるはずだと考えた。彼はもっと大きな数にも「googolplex」と名前をつけた。それは最初、1のあとに、書くのに疲れるまで0を続けた数という意味だった。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
Google の名前が googol から来ていて、googol は子どもが考えた語だという流れなので B。
Q2. According to the 1940 book, who invented the word "googol"?
Kasner's nine-year-old nephew invented it とあるので C。
Q3. Why did the boy think the number needed a name?
The boy was sure the number was not infinite, so he thought it had to have a name. とあるので B。無限ではないから名前があるはずだと考えた。
Google's name starts with a word said to come from a child. In a 1998 paper, Sergey Brin and Lawrence Page, then Ph.D. students at Stanford, said they picked "Google" because it is a common spelling of "googol," or ten to the hundredth power, and because it suited their plan for a very large search engine. The paper says nothing more about the spelling, so whether it was a deliberate choice or a mistake is anyone's guess.
"Googol" goes back to Mathematics and the Imagination, a 1940 book by the mathematician Edward Kasner and James Newman. They wrote that Kasner's nine-year-old nephew came up with the word when he was asked to name the number 1 followed by 100 zeros. The boy reasoned that even a number that large was not infinite, so it deserved a name.
His other word, "googolplex," first meant 1 followed by zeros until you got tired of writing. Since people get tired at different times, the authors gave it a fixed value: ten to the power of a googol. Dictionaries handle the story with care. Dictionary.com says the nephew "allegedly" invented the word, and the book gives neither his name nor the year.
198 words ・ CEFR B2
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Google の名前のもとは、ある子どもが考えたといわれる言葉だ。1998年の論文で、当時スタンフォード大学の博士課程の学生だったセルゲイ・ブリンとローレンス・ペイジは、「Google」を選んだのは、それが「googol」、つまり10の100乗のよくあるつづりで、とても大きな検索エンジンを作る計画に合っていたからだと述べた。論文はつづりについてそれ以上何も書いていないので、わざとなのか間違いなのかはだれにも分からない。
「googol」は、数学者エドワード・カスナーとジェイムズ・ニューマンの1940年の本『Mathematics and the Imagination』にさかのぼる。2人は、1のあとに0が100個続く数に名前をつけるよう頼まれたカスナーの9歳の甥が、この語を思いついたと書いた。男の子は、それほど大きな数でも無限ではないのだから、名前があってしかるべきだと考えた。彼のもう1つの言葉「googolplex」は、最初、1のあとに、書くのに疲れるまで0を続けた数という意味だった。
人によって疲れるタイミングはちがうので、著者たちはそれに決まった値を与えた。10の googol 乗である。辞書はこの話を慎重に扱っている。Dictionary.com は甥がこの語を作った「とされる」と書いており、本には甥の名前も年も書かれていない。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
Google の名前の由来から googol を考えた子どもの話へ進み、最後に辞書が慎重に書いていることにも触れているので B。
Q2. Why did the authors give "googolplex" a fixed value?
Since people get tired at different times, the authors gave it a fixed value とあるので C。
Q3. What does the writer suggest about the story of the nephew?
Dictionaries handle the story with care ... the book gives neither his name nor the year とあり、話を否定してはいないが細部が欠けていると言っているので B。
重要単語
- googolC1名詞グーゴル(10の100乗)A googol is 1 followed by 100 zeros.
発音は /ˈɡuːɡɔːl/。Google(/ˈɡuːɡl/)とつづりも発音も少しちがう。 - infiniteB2形容詞無限のThe boy knew the number was huge but not infinite.
in-(〜でない)+ finite(限りのある)。発音は「インフィニット」で、最初を強く読む。名詞は infinity。 - nephewB1名詞おい(甥)My nephew is nine and loves big numbers.
めい(姪)は niece。uncle(おじ)・aunt(おば)とセットで覚える。 - coinC1動詞(新しい言葉を)作り出すWho coined the word "googol"?
名詞の coin(硬貨)と同じつづり。coin a word / coin a phrase の形でよく使う。 - zeroA1名詞ゼロ、0A million has six zeros.
複数形は zeros。six zeros「0が6個」のように、0の個数を数えるときにも使う。 - googleB1動詞(インターネットで)検索する、ググるI googled the word to check its meaning.
Oxford Learner's によると1990年代に検索エンジンの名前から生まれた動詞。過去形は googled。 - search engineB1名詞検索エンジンA search engine helps you find web pages.
search(さがす)+ engine(エンジン、仕組み)。
動画でもっと知る
動画は各チャンネルの公式埋め込みで表示しています(YouTube)。
公式・一次情報をチェック
- The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine(スタンフォード大学に残る論文の公開版)infolab.stanford.edu
- googolplex(American Heritage Dictionary)ahdictionary.com
- 無量大数(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典、コトバンク掲載)kotobank.jp
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Google の名前のもとは googol(グーゴル)=10の100乗。創業者が1998年の論文に書いている。その googol を考えたのは、数学者カスナーの9歳の甥とされる。「無限じゃないなら名前があるはず」と考えたらしい。
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出典・参考文献(5件)タップで表示
- Kasner & Newman (1940) Mathematics and the Imagination, Simon and Schuster(Dover 2001年復刊版)store.doverpublications.com
- Brin & Page (1998) The anatomy of a large-scale hypertextual Web search engine, Computer Networks and ISDN Systems 30(1-7)doi.org
- The American Heritage Dictionary of the English Language, 5th ed.「googol」ahdictionary.com
- Dictionary.com(Random House Unabridged)「googol」(Origin)dictionary.com
- Oxford Learner's Dictionaries「googol」(Word Origin)oxfordlearnersdictionaries.com
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。
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