原田英語の時事英語ナビ

原田英語式 英字新聞の読み方 第1回

英字新聞が読めない本当の理由と、原田英語式「3つの3」

単語帳を何冊もやったのに、英字新聞を開くと1段落目で止まる。その原因は、たいてい単語力ではなく「読み方」にあります。第1回は、読めない人に共通する5つのクセと、それを一気にひっくり返す原田英語式「3つの3」を紹介します。

更新 2026/09/26

読めない人に共通する「5つのクセ」

英字新聞に挑戦して挫折した経験がある人は多いはずです。でも、原因を「単語力が足りないから」と決めつけるのは早すぎます。受験英語や英検の長文なら読める人でも、ニュースになると手が止まる。そういう人は、次のどれかのクセを持っていることがほとんどです。

  1. 1
    全部を日本語に訳そうとする

    和訳は試験のための作業です。ニュースを読む目的は「何が起きたか」をつかむこと。1文ずつきれいな日本語にしていると、3段落目あたりで最初の内容を忘れます。

  2. 2
    知らない単語を全部辞書で引く

    1記事で20回辞書を引くと、読んでいるのか調べているのかわからなくなります。引けば引くほど、内容は頭から抜けていきます。

  3. 3
    いきなり一番むずかしい記事から読む

    海外の政治の分析記事や論説(opinion)は、背景知識のかたまりです。英語力より先に「前提」が分からなくてつまずきます。

  4. 4
    毎日ちがう話題を読む

    今日は選挙、明日は半導体、あさっては感染症。これでは毎回、背景も単語もゼロから集め直しです。

  5. 5
    最初から最後まで読もうとする

    ニュース記事は「大事な順」に書かれています。後半は背景や補足なので、読まなくても骨組みはわかります。全部読まないと気がすまない人ほど、疲れてやめてしまいます。

実は、英字新聞は教科書より読みやすい面がある

ニュース記事は、世界中の記者が同じ「型」で書いています。型を知ってしまえば、どこに何が書いてあるかを先回りして読めます。小説や論説文より、ずっと予想がきく文章なのです。

ニュース記事は「大事な順」に書かれている

ニュース記事の多くは、いちばん大事なことを最初に書き、あとに行くほど細かい情報になる書き方をしています。上が広く下がとがった図にたとえて「逆ピラミッド」と呼ばれる型です。紙面が足りないときに、後ろから削っても記事が成り立つように生まれた書き方だと言われます。

場所書いてあること読み方
見出し記事でいちばん言いたいこと(短く圧縮)内容を予想する
リード(第1段落)誰が・何を・いつ・どこでここだけはじっくり
第2〜3段落なぜ・どのくらい・誰が何と言ったか大事なところを拾う
後半これまでの経緯、関係者の反応、今後の見通し興味があれば読む

つまり、見出しと最初の2段落を読めば、記事の骨組みはだいたいつかめるということです。ここに原田英語式の1つ目の柱があります。

原田英語式「3つの3」

原田英語式の読み方は、覚えることが3つだけです。どれも「がんばる」ためではなく「がんばらずに続ける」ためのルールです。

  1. 1
    3行で読む:見出し+最初の2段落

    まずは見出し・第1段落・第2段落の3かたまりだけ読みます。ここで「何が起きたか」を日本語1文で言えたら、その記事は合格です。時間と元気が残っていたら、続きを読みましょう。

  2. 2
    3語だけ引く:辞書は1記事3語まで

    引く語は、①見出しに入っている語、②記事の中で何度も出てくる語、③それが分からないと文の意味が通らない語、から選びます。それ以外は前後から推測するか、思い切って飛ばします。

  3. 3
    3日追いかける:同じニュースを3日読む

    気になったニュースを1つ決めて、続報を3日追いかけます。同じ単語・同じ人名・同じ背景がくり返し出てくるので、2日目・3日目は読むスピードがはっきり上がります。

なぜ「3日」なのか

続報の記事は、前日までの流れを短くまとめ直してから新しい話に入ります。The move comes after ...(この動きは〜を受けたもの)や as reported on Monday のような書き出しが典型です。つまり続報を読むこと自体が、前日の記事の復習になります。1日目にわからなかった語が、2日目には「あ、昨日のやつだ」に変わる。この感覚が、英字新聞を続けるいちばんのごほうびです。

ミニ実演:「3行で読む」とこうなる

練習用に作ったオリジナルの記事(実在のニュースではありません)の、見出しと最初の2段落です。まずは訳を見ずに読み、「何が起きたか」を日本語1文で言ってみてください。

オリジナル記事:見出しと最初の2段落やさしめ

[1]Rail operator to raise fares for first time in decades

[2]A major railway company in eastern Japan said Tuesday it will raise its basic fares by an average of 8 percent next spring, citing rising energy and labor costs.

[3]The increase would add about 20 yen to a typical one-way ticket, the company said. It is the first general fare hike by the operator in more than 30 years, apart from changes linked to the consumption tax.

注

  • raise fares運賃を上げる
  • citing〜を理由に挙げて
  • labor costs人件費
  • fare hike運賃の値上げ(見出しでよく使う短い言い方)
  • apart from〜を除けば

日本語1文にすると「東日本の大手鉄道会社が、エネルギー費と人件費の上昇を理由に、来春に運賃を平均8%上げると発表した」。これが言えれば、この記事は読めています。3行目までで、誰が・何を・いつ・なぜ・どのくらい、が全部そろっていることに気づいたでしょうか。

見出しの to raise は「上げる予定だ」という意味です。見出しでは be 動詞が省かれ、to +動詞で「これから〜する」を表します。見出しの文法は見出し英語のルールにまとめてあります。

「3語」はこう選ぶ

上の記事で、もし知らない語が5つあったとします。たとえば operator fares citing labor hike。全部引きたくなりますが、ここで3つにしぼります。

語引く?理由
fares引く見出しにも本文にも出てくる、記事の主役
citing引くここが分からないと「なぜ」が読めない
hike引くfare hike の形で出てくる。見出しでもよく使う
operator飛ばすRail operator と railway company が同じものを指すと推測できる
labor飛ばすenergy and labor costs で「何かの費用」と分かれば十分

推測のコツ

英字新聞は、同じものを別の言葉で言い換えるのが大好きです(第4回でくわしく扱います)。見出しの Rail operator が本文では railway company になっているように、知らない語の答えが数行先に書いてあることがよくあります。

確認クイズ

Q1原田英語式で、まず読むのはどこまで?

Q21記事で辞書を引くのは何語まで?

Q3同じニュースを3日追いかけると、なぜ読みやすくなる?

英字新聞を読むには、単語はどのくらい必要ですか?

高校で習う基本語がだいたい分かれば、日本のニュースを英語で読むところから始められます。足りない分は時事英語(ニュース特有のフレーズ)で、これは毎朝の今日のニュース英語のように、読みながら少しずつ増やすのが近道です。

全部読まないと内容を誤解しませんか?

ニュース記事は大事な順に書かれているので、最初の2段落で大筋を誤解することはあまりありません。数字や条件が大事な記事(値上げ、選挙結果など)は、第2〜3段落まで読めば十分です。

和訳しながら読むのは絶対にダメですか?

ダメではありません。精読の練習としては効果があります。ただ「ニュースを読む」ときは、段落ごとに日本語1文でまとめるくらいにとどめると、最後まで読み切れるようになります。

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連載の目次

  1. 第1回 英字新聞が読めない本当の理由と、原田英語式「3つの3」読めない原因は単語力ではなく「読み方」。全体の地図をつくる回
  2. 第2回 何から読む? 挫折しない英字新聞の選び方いちばん速いのは「もう知っているニュース」を英語で読むこと
  3. 第3回 1記事10分で読み切る、原田英語式5ステップ連載の中心。予想→骨組み→拾い読み→精読→1文要約
  4. 第4回 英字新聞の「6つのクセ」を攻略する言い換え、said の位置、ぼかし表現、数字と略語…知れば一気に読める
  5. 第5回 毎日10分を続ける仕組み(原田英語式・最終回)1週間のメニュー、フレーズ単語帳、音読、動画、レベル別の道のり