いちばん速いのは「知っているニュース」を英語で読むこと
英字新聞がむずかしい理由は2つあります。ひとつは英語そのもの、もうひとつは話の中身(背景知識)です。海外の政治ニュースを読むと、英語と中身の両方が分からないので、二重につまずきます。
そこで最初は、日本語のニュースでもう知っている出来事を英語で読みます。中身は分かっているので、頭の力を全部「英語」に使えます。知らない単語が出てきても、「この話ならたぶん〇〇のことだな」と推測がききます。
原田英語式「予習読み」
朝、日本語のニュースの見出しをざっと見る → 気になった1本を決める → 同じ出来事を英語の記事で読む。これだけで、読める量が一気に増えます。日本語で先に知ってしまうのは「ずる」ではなく、プロの翻訳者もやっている正攻法です。
レベル別:最初の1紙の選び方
媒体には、読みやすさの「段差」があります。下の表の上から順に進むと、無理なく階段をのぼれます。どれか1つを1〜2か月続けてから、次に進みましょう。
| 段階 | 媒体の例 | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 1 日本の話題を英語で | NHK WORLD-JAPAN、The Japan Times、The Mainichi(英語版)、Japan Today、Kyodo News | 日本のニュースなので背景知識がそのまま使える | まず1記事を読み切りたい人 |
| 2 通信社 | AP、Reuters、AFP | 事実を短く、決まった型で書く。文の形がそろっている | ニュース英語の「型」に慣れたい人 |
| 3 海外の一般紙・放送局 | BBC News、NPR、The Guardian、Al Jazeera、DW | 世界のニュースに加え、解説記事(explainer)が多い | 海外の話題も追いたい人 |
| 4 分析・論説が中心 | The New York Times、Financial Times、The Economist | 分析や論説が多く、語彙も表現もむずかしめ | 意見や背景まで深く読みたい人 |
媒体によっては、会員登録や有料契約をしないと読めない記事が多いものもあります。最初は無料で読める範囲で十分です。このサイトの見出しで読む英語には、毎朝その日の実際の見出しと記事へのリンクを載せています。
英語学習者向けのニュースも使える
英語学習者向けに、語彙をしぼったやさしい英語でニュースを伝えるサービスもあります。ふつうの記事が重いと感じる日は、こうした学習者向けのニュースで「量」を読むのも立派な練習です。ただし、ずっとそこにとどまらず、慣れたら本物の記事に戻りましょう。
記事の「種類」を見分けよう
英字新聞のサイトには、性格のちがう記事がまざっています。同じ媒体でも、記事の種類によって難しさがまるで違います。記事の上のほうや URL に、種類を示すラベルがついていることが多いので、読む前に確かめるくせをつけましょう。
| ラベルの例 | どんな記事? | むずかしさ |
|---|---|---|
| News | 起きたことを伝えるふつうの記事。逆ピラミッドで書かれる | ★☆☆ 最初はこれ |
| Explainer / Q&A | 「〇〇とは何か」をかみくだいて説明する記事 | ★☆☆ 背景知識の貯金に最適 |
| Live / Live updates | 大きな出来事を短い更新で追いかける速報 | ★★☆ 1つ1つは短いが、流れを追う力がいる |
| Analysis | 記者がニュースの意味や背景を読み解く記事 | ★★☆ |
| Feature | 人物や現場を追いかける読み物 | ★★☆ 物語のように書かれ、型がゆるい |
| Opinion / Comment / Editorial | 筆者や新聞社の主張。editorial は社説 | ★★★ 皮肉や遠回しな言い方が多い |
opinion は「主張」を読む
Opinion の記事は、事実を伝える記事ではなく、筆者の意見です。I would argue that ... や The real problem is ... のような言い方で主張が示されます。ニュースとして読むと誤解のもとなので、最初のうちは News と Explainer から始めましょう。
イギリス系とアメリカ系で、少しずつクセがちがう
英字新聞には、イギリス式の英語で書く媒体とアメリカ式で書く媒体があります。内容の読み方は同じですが、つづりや日付の書き方が少しちがうので、知っておくと戸惑いません。
| アメリカ式の例 | イギリス式の例 | |
|---|---|---|
| つづり | color, organize, defense | colour, organise, defence |
| 日付 | September 26 | 26 September |
| 曜日の前 | said Monday(on を省くことが多い) | said on Monday |
| パーセント | percent または % | per cent または %(媒体による) |
どちらが正しいということはありません。ひとつの媒体を読み続けていれば、自然にそのクセに慣れます。
見出しだけ読む日があってもいい
忙しい日や疲れた日は、記事を開かずに見出しだけ20本ながめる日にしてもかまいません。見出しは、その日のニュースで使われる単語のショーケースです。見出しの文法に慣れておくと、記事本文もぐっと読みやすくなります。
このサイトの見出しクイズは、毎朝その日の実際の見出しから5問を出しています。見出しを読む練習にどうぞ。
媒体選びと一緒に覚えたい時事英語2語
確認クイズ
Q1原田英語式で、最初に読むのにいちばん向いているのは?
中身が分かっているので、頭の力を全部英語に使えます。これが予習読みです。
Q2記事に Opinion というラベルがついていたら?
Opinion は筆者の意見です。ニュースとして読むと誤解のもとになります。
Q326 September という日付の書き方は、どちら式に多い?
イギリス式では日→月の順に書くことが多く、アメリカ式では September 26 のように月→日の順が多くなります。
英字新聞は紙で読むべきですか、ネットで読むべきですか?
続けやすい方でかまいません。ネットは無料で読める記事が多く、知らない語をすぐ調べられるのが利点です。原田英語式の「3語だけ引く」を守れば、ネットでも調べすぎずに読めます。
毎日ちがう媒体を読んだ方が力がつきますか?
最初の1〜2か月は、ひとつの媒体にしぼる方が伸びます。同じ記者・同じ書き方に慣れることで、読むスピードが上がるからです。慣れてきたら、同じニュースを2つの媒体で読み比べると、言い換えの練習になります。
日本のニュースばかり英語で読んでいて大丈夫ですか?
最初はそれがいちばんの近道です。読み切れる感覚がついたら、日本と関係の深い海外のニュース(為替、貿易、国際会議など)から少しずつ範囲を広げましょう。