Ich bin ein Berliner(ケネディ「私はベルリン市民である」演説)の挿絵

Ich bin ein Berliner

ケネディ「私はベルリン市民である」演説

  • 📖 674 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ第二次世界大戦後、ドイツは東西に分かれ、ベルリンの町も東(ソ連側)と西(アメリカ・イギリス・フランス側)に分割されました。1961年、東ドイツは人々が西へ逃げるのを止めるため、町の真ん中に壁を築きます。その2年後、西ベルリンを訪れたケネディ大統領は、広場を埋めつくした数十万人の市民の前で、ドイツ語で「私はベルリン市民である」と宣言し、自由の側に立つ人々との連帯を示しました。壁が崩れたのは、この演説から26年後の1989年のことです。

ジョン・F・ケネディ、西ベルリンのルドルフ・ヴィルデ広場(シェーネベルク市庁舎前)での演説(1963年6月26日)。底本: ジョン・F・ケネディ大統領図書館(『大統領公文書集』版)。米国政府著作物のためパブリックドメイン。

キーワード(12語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • distinguishedすぐれた、著名な
  • civis Romanus sum(ラテン語)私はローマ市民である
  • Ich bin ein Berliner(ドイツ語)私はベルリン市民である
  • interpreter通訳
  • Communist共産主義の
  • Lass' sie nach Berlin kommen(ドイツ語)彼らをベルリンに来させよ
  • besieged包囲された
  • vitality活力
  • elementary基本的な
  • indivisible分けることのできない
  • enslaved奴隷にされた
  • sober落ち着いた、控えめな

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

I am proud to come to this city as the guest of your distinguished Mayor, who has symbolized throughout the world the fighting spirit of West Berlin. And I am proud to visit the Federal Republic with your distinguished Chancellor who for so many years has committed Germany to democracy and freedom and progress, and to come here in the company of my fellow American, General Clay, who has been in this city during its great moments of crisis and will come again if ever needed.

今日、この町に、すぐれた市長のお客として来られたことを、誇りに思います。市長は、西ベルリンの不屈の精神を象徴する人として、世界中に知られています。また、すぐれた首相とともに、ドイツ連邦共和国を訪れることができたのも誇りです。首相は長年にわたり、ドイツを民主主義と自由と進歩の道に進ませてきました。そして、同じアメリカ人のクレイ将軍とともに、ここに来られたことも誇りに思います。将軍は、この町が大きな危機に見舞われたときに、ここにいてくれました。必要とあれば、また来てくれる人です。

Two thousand years ago the proudest boast was "civis Romanus sum." Today, in the world of freedom, the proudest boast is "Ich bin ein Berliner."

二千年前、人が口にできる最も誇らしい言葉は、「私はローマ市民である」でした。今日、自由な世界で最も誇らしい言葉は、「私はベルリン市民である」です。

I appreciate my interpreter translating my German!

私のドイツ語を通訳してくださって、ありがとうございます。

There are many people in the world who really don't understand, or say they don't, what is the great issue between the free world and the Communist world. Let them come to Berlin. There are some who say that communism is the wave of the future. Let them come to Berlin. And there are some who say in Europe and elsewhere we can work with the Communists. Let them come to Berlin. And there are even a few who say that it is true that communism is an evil system, but it permits us to make economic progress. Lass' sie nach Berlin kommen. Let them come to Berlin.

自由な世界と共産主義の世界のあいだで、何が大きな問題になっているのか。それが本当に分かっていない人、あるいは分からないと言う人が、世界には大勢います。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。共産主義こそ未来の流れだと言う人もいます。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。ヨーロッパにも、ほかの場所にも、共産主義者とも手を組めると言う人がいます。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。そして、共産主義はたしかに悪い制度だが、経済は発展させてくれる、と言う人さえ、わずかながらいます。ラス・ジー・ナッハ・ベルリン・コメン。そういう人たちこそ、ベルリンに来ればいいのです。

Freedom has many difficulties and democracy is not perfect, but we have never had to put a wall up to keep our people in, to prevent them from leaving us. I want to say, on behalf of my countrymen, who live many miles away on the other side of the Atlantic, who are far distant from you, that they take the greatest pride that they have been able to share with you, even from a distance, the story of the last 18 years. I know of no town, no city, that has been besieged for 18 years that still lives with the vitality and the force, and the hope and the determination of the city of West Berlin. While the wall is the most obvious and vivid demonstration of the failures of the Communist system, for all the world to see, we take no satisfaction in it, for it is, as your Mayor has said, an offense not only against history but an offense against humanity, separating families, dividing husbands and wives and brothers and sisters, and dividing a people who wish to be joined together.

自由にはいろいろな困難がありますし、民主主義も完全ではありません。しかし私たちは、国民を閉じこめ、国から出ていかせないために、壁を築かなければならなかったことなど、一度もありません。私の国の人々は、大西洋の向こう側の、遠く離れたところに住んでいます。その人々に代わって申し上げたい。この十八年の歩みを、遠くからではあっても、みなさんと分かち合えたことを、私たちは何よりも誇りに思っています。十八年ものあいだ包囲されながら、いまも西ベルリンのような活気と力強さ、希望と決意をもって生きている町を、私はほかに知りません。この壁は、共産主義体制の失敗を、全世界の目の前に、だれの目にも明らかな形で示しています。しかし、私たちはそれを喜んではいません。市長がおっしゃったとおり、この壁は、歴史を踏みにじるものであり、人間らしさを踏みにじるものでもあるからです。家族を引きさき、夫と妻を、兄弟と姉妹を引き離し、一つになりたいと願う人々を分断しているからです。

What is true of this city is true of Germany—real, lasting peace in Europe can never be assured as long as one German out of four is denied the elementary right of free men, and that is to make a free choice. In 18 years of peace and good faith, this generation of Germans has earned the right to be free, including the right to unite their families and their nation in lasting peace, with good will to all people. You live in a defended island of freedom, but your life is part of the main. So let me ask you as I close, to lift your eyes beyond the dangers of today, to the hopes of tomorrow, beyond the freedom merely of this city of Berlin, or your country of Germany, to the advance of freedom everywhere, beyond the wall to the day of peace with justice, beyond yourselves and ourselves to all mankind.

この町について言えることは、ドイツ全体についても言えます。ドイツ人の四人に一人が、自由な人間としての最も基本的な権利、つまり自分で自由に選ぶ権利を奪われているかぎり、ヨーロッパに本当の、長く続く平和が訪れることはありません。この十八年、平和を守り、誠実に歩んできたことで、いまの世代のドイツ人は、自由になる権利を自らの手で勝ち取りました。そこには、家族と国を再び一つにし、すべての人々と仲よく、長く続く平和の中で暮らす権利もふくまれています。みなさんは、守られた自由の島に住んでいます。しかし、みなさんの暮らしは、大きな大陸の一部なのです。ですから、最後にお願いさせてください。目を上げてください。今日の危険の向こうにある、明日の希望を見てください。このベルリンの町や、ドイツという国の自由だけでなく、世界中で自由が広がっていく姿を見てください。壁の向こうにある、正義をともなった平和の日を見てください。そして、みなさん自身や私たち自身を越えて、全人類を見てください。

Freedom is indivisible, and when one man is enslaved, all are not free. When all are free, then we can look forward to that day when this city will be joined as one and this country and this great Continent of Europe in a peaceful and hopeful globe. When that day finally comes, as it will, the people of West Berlin can take sober satisfaction in the fact that they were in the front lines for almost two decades.

自由は分けることができません。一人でも奴隷にされている人がいるかぎり、だれも本当に自由ではないのです。すべての人が自由になったとき、私たちはその日を待ち望むことができます。この町が一つに結ばれ、この国も、この偉大なヨーロッパ大陸も、平和で希望に満ちた世界の中で一つに結ばれる日を。その日は必ず来ます。その日がついに来たとき、西ベルリンの人々は、静かな満足とともに思い返すことができるでしょう。二十年近くものあいだ、自分たちが最前線に立っていたのだということを。

All free men, wherever they may live, are citizens of Berlin, and, therefore, as a free man, I take pride in the words "Ich bin ein Berliner."

自由な人はみな、どこに住んでいようと、ベルリン市民です。ですから、一人の自由な人間として、私はこの言葉を誇りをもって口にします。「イッヒ・ビン・アイン・ベルリーナー(私はベルリン市民である)」。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

今日、この町に、すぐれた市長のお客として来られたことを、誇りに思います。市長は、西ベルリンの不屈の精神を象徴する人として、世界中に知られています。また、すぐれた首相とともに、ドイツ連邦共和国を訪れることができたのも誇りです。首相は長年にわたり、ドイツを民主主義と自由と進歩の道に進ませてきました。そして、同じアメリカ人のクレイ将軍とともに、ここに来られたことも誇りに思います。将軍は、この町が大きな危機に見舞われたときに、ここにいてくれました。必要とあれば、また来てくれる人です。

二千年前、人が口にできる最も誇らしい言葉は、「私はローマ市民である」でした。今日、自由な世界で最も誇らしい言葉は、「私はベルリン市民である」です。

私のドイツ語を通訳してくださって、ありがとうございます。

自由な世界と共産主義の世界のあいだで、何が大きな問題になっているのか。それが本当に分かっていない人、あるいは分からないと言う人が、世界には大勢います。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。共産主義こそ未来の流れだと言う人もいます。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。ヨーロッパにも、ほかの場所にも、共産主義者とも手を組めると言う人がいます。そういう人たちは、ベルリンに来ればいいのです。そして、共産主義はたしかに悪い制度だが、経済は発展させてくれる、と言う人さえ、わずかながらいます。ラス・ジー・ナッハ・ベルリン・コメン。そういう人たちこそ、ベルリンに来ればいいのです。

自由にはいろいろな困難がありますし、民主主義も完全ではありません。しかし私たちは、国民を閉じこめ、国から出ていかせないために、壁を築かなければならなかったことなど、一度もありません。私の国の人々は、大西洋の向こう側の、遠く離れたところに住んでいます。その人々に代わって申し上げたい。この十八年の歩みを、遠くからではあっても、みなさんと分かち合えたことを、私たちは何よりも誇りに思っています。十八年ものあいだ包囲されながら、いまも西ベルリンのような活気と力強さ、希望と決意をもって生きている町を、私はほかに知りません。この壁は、共産主義体制の失敗を、全世界の目の前に、だれの目にも明らかな形で示しています。しかし、私たちはそれを喜んではいません。市長がおっしゃったとおり、この壁は、歴史を踏みにじるものであり、人間らしさを踏みにじるものでもあるからです。家族を引きさき、夫と妻を、兄弟と姉妹を引き離し、一つになりたいと願う人々を分断しているからです。

この町について言えることは、ドイツ全体についても言えます。ドイツ人の四人に一人が、自由な人間としての最も基本的な権利、つまり自分で自由に選ぶ権利を奪われているかぎり、ヨーロッパに本当の、長く続く平和が訪れることはありません。この十八年、平和を守り、誠実に歩んできたことで、いまの世代のドイツ人は、自由になる権利を自らの手で勝ち取りました。そこには、家族と国を再び一つにし、すべての人々と仲よく、長く続く平和の中で暮らす権利もふくまれています。みなさんは、守られた自由の島に住んでいます。しかし、みなさんの暮らしは、大きな大陸の一部なのです。ですから、最後にお願いさせてください。目を上げてください。今日の危険の向こうにある、明日の希望を見てください。このベルリンの町や、ドイツという国の自由だけでなく、世界中で自由が広がっていく姿を見てください。壁の向こうにある、正義をともなった平和の日を見てください。そして、みなさん自身や私たち自身を越えて、全人類を見てください。

自由は分けることができません。一人でも奴隷にされている人がいるかぎり、だれも本当に自由ではないのです。すべての人が自由になったとき、私たちはその日を待ち望むことができます。この町が一つに結ばれ、この国も、この偉大なヨーロッパ大陸も、平和で希望に満ちた世界の中で一つに結ばれる日を。その日は必ず来ます。その日がついに来たとき、西ベルリンの人々は、静かな満足とともに思い返すことができるでしょう。二十年近くものあいだ、自分たちが最前線に立っていたのだということを。

自由な人はみな、どこに住んでいようと、ベルリン市民です。ですから、一人の自由な人間として、私はこの言葉を誇りをもって口にします。「イッヒ・ビン・アイン・ベルリーナー(私はベルリン市民である)」。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Freedom is indivisible, and when one man is enslaved, all are not free.

自由は分けることのできないものであり、ひとりでも奴隷にされていれば、すべての人が自由ではないのです。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What was the proudest boast two thousand years ago, according to Kennedy?

Q2. What does Kennedy say the free world has never had to do?

Q3. Who does Kennedy say are citizens of Berlin?

🎥 本物を見る・聞く 実際のスピーチ

🎥 映像・CBS NewsFrom the archives: John F. Kennedy's "Ich bin ein Berliner" speech on June 26, 1963CBSニュースのアーカイブ映像。1963年6月26日、西ベルリンのルドルフ・ヴィルデ広場での演説(約13分)🎥 映像・John F. Kennedy Library FoundationUSG:2B-1 (excerpt) President Kennedy's Address at the Rudolph Wilde Platz, Berlin, Germanyケネディ大統領図書館の公式記録映像。演説の前後の様子を含む長い映像(約35分)

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