Is It a Crime for a Citizen to Vote?(スーザン・B・アンソニー「女性の選挙権について」)の挿絵

Is It a Crime for a Citizen to Vote?

スーザン・B・アンソニー「女性の選挙権について」

  • 📖 680 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ女性に選挙権がなかった1872年、アンソニーは仲間とともに投票し、「違法な投票」の罪で逮捕・起訴されました。裁判を前に彼女は各地を回り、「私は罪を犯したのではなく、市民の権利を使っただけだ」と訴えます。合衆国憲法の前文の「われら人民」には女性も含まれる、女性は「人」なのだから市民であり投票権がある、という論理です。アメリカで女性の参政権が認められたのは、彼女の死後14年たった1920年のことでした。

スーザン・B・アンソニー、1872年の大統領選挙で投票したとして裁判にかけられる前に、ニューヨーク州モンロー郡とオンタリオ郡の各地で行った演説(1873年)。底本: 『スーザン・B・アンソニー裁判記録』(1874年)付録、Project Gutenberg eBook #18281(抜粋。いくつかの部分を元の順番のまま選び、1段落は途中まで。1874年版のつづり obligarchy はそのまま)

キーワード(12語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • indictment起訴
  • unalienable奪うことのできない
  • dogma(疑ってはいけない)教え
  • barter away引きかえに手放す
  • posterity子孫
  • ballot投票(権)
  • bill of attainder私権剥奪法(裁判なしに罰する法律)
  • ex post facto law事後法(後から作って過去の行為を罰する法律)
  • aristocracy貴族政治、特権階級
  • obligarchy寡頭政治(oligarchy の当時のつづり)
  • hardihoodずうずうしさ、大胆さ
  • immunities免除特権(市民の権利)

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Friends and Fellow-citizens: I stand before you to-night, under indictment for the alleged crime of having voted at the last Presidential election, without having a lawful right to vote. It shall be my work this evening to prove to you that in thus voting, I not only committed no crime, but, instead, simply exercised my citizen's right, guaranteed to me and all United States citizens by the National Constitution, beyond the power of any State to deny.

友人のみなさん、市民のみなさん。私は今夜、起訴された身でみなさんの前に立っています。罪状は、さきの大統領選挙で、法律上の投票権がないのに投票した、というものです。今夜、私はみなさんに証明してみせます。私はこうして投票したことで、罪を犯したのではありません。市民としての権利を行使しただけなのです。その権利は、合衆国憲法が私とすべての合衆国市民に保障しているもので、どの州にもそれを否定する力はありません。

Our democratic-republican government is based on the idea of the natural right of every individual member thereof to a voice and a vote in making and executing the laws. We assert the province of government to be to secure the people in the enjoyment of their unalienable rights. We throw to the winds the old dogma that governments can give rights. Before governments were organized, no one denies that each individual possessed the right to protect his own life, liberty and property. And when 100 or 1,000,000 people enter into a free government, they do not barter away their natural rights; they simply pledge themselves to protect each other in the enjoyment of them, through prescribed judicial and legislative tribunals. They agree to abandon the methods of brute force in the adjustment of their differences, and adopt those of civilization.

私たちの民主共和制の政府は、ある考えの上に成り立っています。国の一員である一人ひとりが、法律をつくり、それを実行することについて、意見を言い、票を投じる、生まれながらの権利を持っている。そういう考えです。政府の役目は、人民が、誰にも奪えない権利を安心して享受できるよう守ることだ、と私たちは主張します。政府が権利を与えてやれるという古い教えなど、私たちは風に吹き飛ばしてしまいます。政府がつくられる前から、一人ひとりが自分の生命と自由と財産を守る権利を持っていたことは、誰も否定しません。そして、百人であれ百万人であれ、人々が自由な政府をつくるとき、生まれながらの権利を売り渡すわけではありません。定められた裁判所と議会を通じて、その権利をお互いに守り合うと約束するだけです。争いごとを片づけるのに、腕ずくのやり方をやめ、文明のやり方をとることに同意するのです。

It was we, the people, not we, the white male citizens, nor yet we, the male citizens; but we, the whole people, who formed this Union. And we formed it, not to give the blessings of liberty, but to secure them; not to the half of ourselves and the half of our posterity, but to the whole people--women as well as men. And it is downright mockery to talk to women of their enjoyment of the blessings of liberty while they are denied the use of the only means of securing them provided by this democratic-republican government--the ballot.

この連邦をつくったのは、「われら人民」です。「われら白人男性市民」ではありません。「われら男性市民」でもありません。「われら人民全体」なのです。そして私たちがこの連邦をつくったのは、自由の恵みを与えるためではなく、それを確かなものにするためでした。それも、私たち自身の半分や、子孫の半分のためではありません。男性も女性も含めた、人民全体のためでした。この民主共和制の政府が、自由の恵みを確かなものにする手段として用意したのは、ただ一つ、投票です。その投票を女性にさせないでおきながら、女性に向かって、あなたがたは自由の恵みを味わっている、などと言うのは、まったくの愚弄です。

For any State to make sex a qualification that must ever result in the disfranchisement of one entire half of the people, is to pass a bill of attainder, or an ex post facto law, and is therefore a violation of the supreme law of the land. By it, the blessings of liberty are forever withheld from women and their female posterity. To them, this government has no just powers derived from the consent of the governed. To them this government is not a democracy. It is not a republic. It is an odious aristocracy; a hateful obligarchy of sex. The most hateful aristocracy ever established on the face of the globe. An obligarchy of wealth, where the rich govern the poor; an obligarchy of learning, where the educated govern the ignorant; or even an obligarchy of race, where the Saxon rules the African, might be endured; but this obligarchy of sex, which makes father, brothers, husband, sons, the obligarchs over the mother and sisters, the wife and daughters of every household; which ordains all men sovereigns, all women subjects, carries dissension, discord and rebellion into every home of the nation.

どの州であれ、性別を投票の資格の条件にすれば、人民のちょうど半分から、いつまでも選挙権を奪うことになります。それは私権剥奪法や事後法をつくるのと同じことであり、したがって、国の最高法規に違反しています。そのような条件のために、女性と、その子孫の女性たちは、自由の恵みを永久に受けられなくなるのです。女性にとって、この政府は、治められる者の同意から生まれる正当な権力を持っていません。女性にとって、この政府は民主制ではありません。共和制でもありません。いまわしい貴族政治です。性別による憎むべき寡頭政治です。地球上にかつてつくられた中で、最も憎むべき貴族政治です。富による寡頭政治、つまり金持ちが貧しい人を治めるのなら、まだ耐えられるかもしれません。学問による寡頭政治、つまり教育のある人が無学な人を治めるのでも、あるいは人種による寡頭政治、つまりサクソン人がアフリカ人を支配するのでさえ、まだ耐えられるかもしれません。しかし、性別による寡頭政治は違います。どの家庭でも、父や兄弟や夫や息子を支配者にし、母や姉妹や妻や娘をその下に置きます。すべての男性を君主と定め、すべての女性を臣下と定めるのです。これでは、国じゅうのあらゆる家庭に、もめごとと不和と反抗を持ちこむことになります。

The only question left to be settled, now, is: Are women persons? And I hardly believe any of our opponents will have the hardihood to say they are not. Being persons, then, women are citizens, and no state has a right to make any new law, or to enforce any old law, that shall abridge their privileges or immunities. Hence, every discrimination against women in the constitutions and laws of the several states, is to-day null and void, precisely as is every one against negroes.

そうなると、決着をつけるべき問題は、ただ一つです。女性は「人」なのか、ということです。反対する人たちの中に、女性は人ではないと言い切るほど図太い人がいるとは、とても思えません。女性が人であるなら、女性は市民です。そして、どの州にも、市民の特権や免除を制限する新しい法律をつくる権利はありません。そうした古い法律を施行する権利もありません。ですから、各州の憲法や法律の中にある女性への差別は、黒人への差別とまったく同じように、今日ではすべて無効なのです。

Is the right to vote one of the privileges or immunities of citizens? I think the disfranchised ex-rebels, and the ex-state prisoners will all agree with me, that it is not only one of them, but the one without which all the others are nothing. Seek first the kingdom of the ballot, and all things else shall be given thee, is the political injunction.

では、投票する権利は、市民の特権や免除の一つでしょうか。選挙権を奪われた元反乱軍の人々や、かつて州の囚人だった人々なら、みな私に賛成してくれるでしょう。投票権は特権の一つであるばかりではありません。それがなければ、ほかのすべての特権が無に等しくなる、ただ一つの特権なのです。「まず投票の国を求めよ。そうすれば、ほかのものはみな添えて与えられる」。これが政治の教えです。

Webster, Worcester and Bouvier all define citizen to be a person, in the United States, entitled to vote and hold office.

ウェブスターの辞書も、ウスターの辞書も、ブーヴィエの法律辞典も、市民とは、合衆国において、投票し公職につく資格を持つ人のことだと定義しています。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

友人のみなさん、市民のみなさん。私は今夜、起訴された身でみなさんの前に立っています。罪状は、さきの大統領選挙で、法律上の投票権がないのに投票した、というものです。今夜、私はみなさんに証明してみせます。私はこうして投票したことで、罪を犯したのではありません。市民としての権利を行使しただけなのです。その権利は、合衆国憲法が私とすべての合衆国市民に保障しているもので、どの州にもそれを否定する力はありません。

私たちの民主共和制の政府は、ある考えの上に成り立っています。国の一員である一人ひとりが、法律をつくり、それを実行することについて、意見を言い、票を投じる、生まれながらの権利を持っている。そういう考えです。政府の役目は、人民が、誰にも奪えない権利を安心して享受できるよう守ることだ、と私たちは主張します。政府が権利を与えてやれるという古い教えなど、私たちは風に吹き飛ばしてしまいます。政府がつくられる前から、一人ひとりが自分の生命と自由と財産を守る権利を持っていたことは、誰も否定しません。そして、百人であれ百万人であれ、人々が自由な政府をつくるとき、生まれながらの権利を売り渡すわけではありません。定められた裁判所と議会を通じて、その権利をお互いに守り合うと約束するだけです。争いごとを片づけるのに、腕ずくのやり方をやめ、文明のやり方をとることに同意するのです。

この連邦をつくったのは、「われら人民」です。「われら白人男性市民」ではありません。「われら男性市民」でもありません。「われら人民全体」なのです。そして私たちがこの連邦をつくったのは、自由の恵みを与えるためではなく、それを確かなものにするためでした。それも、私たち自身の半分や、子孫の半分のためではありません。男性も女性も含めた、人民全体のためでした。この民主共和制の政府が、自由の恵みを確かなものにする手段として用意したのは、ただ一つ、投票です。その投票を女性にさせないでおきながら、女性に向かって、あなたがたは自由の恵みを味わっている、などと言うのは、まったくの愚弄です。

どの州であれ、性別を投票の資格の条件にすれば、人民のちょうど半分から、いつまでも選挙権を奪うことになります。それは私権剥奪法や事後法をつくるのと同じことであり、したがって、国の最高法規に違反しています。そのような条件のために、女性と、その子孫の女性たちは、自由の恵みを永久に受けられなくなるのです。女性にとって、この政府は、治められる者の同意から生まれる正当な権力を持っていません。女性にとって、この政府は民主制ではありません。共和制でもありません。いまわしい貴族政治です。性別による憎むべき寡頭政治です。地球上にかつてつくられた中で、最も憎むべき貴族政治です。富による寡頭政治、つまり金持ちが貧しい人を治めるのなら、まだ耐えられるかもしれません。学問による寡頭政治、つまり教育のある人が無学な人を治めるのでも、あるいは人種による寡頭政治、つまりサクソン人がアフリカ人を支配するのでさえ、まだ耐えられるかもしれません。しかし、性別による寡頭政治は違います。どの家庭でも、父や兄弟や夫や息子を支配者にし、母や姉妹や妻や娘をその下に置きます。すべての男性を君主と定め、すべての女性を臣下と定めるのです。これでは、国じゅうのあらゆる家庭に、もめごとと不和と反抗を持ちこむことになります。

そうなると、決着をつけるべき問題は、ただ一つです。女性は「人」なのか、ということです。反対する人たちの中に、女性は人ではないと言い切るほど図太い人がいるとは、とても思えません。女性が人であるなら、女性は市民です。そして、どの州にも、市民の特権や免除を制限する新しい法律をつくる権利はありません。そうした古い法律を施行する権利もありません。ですから、各州の憲法や法律の中にある女性への差別は、黒人への差別とまったく同じように、今日ではすべて無効なのです。

では、投票する権利は、市民の特権や免除の一つでしょうか。選挙権を奪われた元反乱軍の人々や、かつて州の囚人だった人々なら、みな私に賛成してくれるでしょう。投票権は特権の一つであるばかりではありません。それがなければ、ほかのすべての特権が無に等しくなる、ただ一つの特権なのです。「まず投票の国を求めよ。そうすれば、ほかのものはみな添えて与えられる」。これが政治の教えです。

ウェブスターの辞書も、ウスターの辞書も、ブーヴィエの法律辞典も、市民とは、合衆国において、投票し公職につく資格を持つ人のことだと定義しています。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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It was we, the people, not we, the white male citizens, nor yet we, the male citizens; but we, the whole people, who formed this Union.

この連邦をつくったのは「われら人民」です。「われら白人男性市民」でも「われら男性市民」でもなく、「われら人民全体」なのです。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What was Susan B. Anthony charged with?

Q2. According to Anthony, who formed the Union?

Q3. What question does Anthony say is the only one left to be settled?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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