The Nighthawk Star(よだかの星)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate日本の昔話と名作

The Nighthawk Star

よだかの星

  • 744 words
  • 約7分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 全訳つき

あらすじみにくい顔のために、ほかの鳥たちにきらわれている、よだか。ある日、タカから「名前を変えろ。さもないと、あさっての朝、つかみ殺すぞ」と言われてしまいます。

宮沢賢治『よだかの星』(1921年ごろ)をもとに再話

ORIGINAL TEXT

まずは原文をチェック

この話は日本語の原文(青空文庫)でも読めます。青空文庫の本文を、そのまま載せています。やさしい版で筋をつかんでから原文へ進むと、作者の言葉をじっくり味わえます。

『よだかの星』宮沢賢治の日本語の原文を読む →

青空文庫の本文(新字新仮名・約5,200字)。

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • nighthawkヨタカ(よだか)
  • beakくちばし
  • kingfisherカワセミ
  • hummingbirdハチドリ(ハチスズメ)
  • hawkタカ
  • beetleカブトムシ・甲虫
  • swallowed飲みこんだ
  • frost霜
  • Cassiopeiaカシオペア座
  • Milky Way天の川

音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

The nighthawk was a very ugly bird. His face was covered with spots, and his flat beak opened wide, almost to his ears. His legs were so weak that he could hardly walk.

よだかは、大変みにくい鳥でした。顔はところどころ、まだらのしみだらけで、平たいくちばしは、耳のあたりまで大きく裂けていました。足はとても弱くて、ほとんど歩けませんでした。

The other birds did not like him at all. "Look, here comes the nighthawk," they said. "What an ugly face! He makes all birds look bad." Even the little skylark turned away when it saw him.

ほかの鳥たちは、よだかのことがすっかりきらいでした。「ほら、よだかが来たよ」と鳥たちは言いました。「なんてみっともない顔だろう。鳥の仲間の面よごしだよ」小さなヒバリでさえ、よだかを見ると顔をそむけました。

But the nighthawk was not a bad bird. In fact, his younger brothers were the beautiful kingfisher and the tiny hummingbird, the jewel of birds. And he was not a hawk at all. People called him a "nighthawk" only because his wings were strong and his cry was a little like a hawk's.

けれども、よだかは悪い鳥ではありませんでした。それどころか、よだかの弟たちは、あの美しいカワセミと、鳥の中の宝石と呼ばれる小さなハチスズメだったのです。それに、よだかはタカの仲間でもなんでもありませんでした。よだかと呼ばれるのは、翼が強く、鳴き声が少しタカに似ているからにすぎませんでした。

The hawk hated this. One evening he came to the nighthawk's house. "Hey! Change your name," the hawk said. "You are no hawk. From now on, your name is Ichizo. Hang a sign with your new name around your neck, and go to every bird's house and tell them. If you don't do it by the morning after tomorrow, I will kill you."

タカは、これがいやでたまりませんでした。ある晩、タカはよだかの家へやってきました。「おい、名前を変えろ」とタカは言いました。「おまえはタカなんかじゃない。これからは、市蔵と名乗れ。新しい名前を書いた札を首にぶらさげて、鳥の家を一軒ずつまわって、そう言ってこい。あさっての朝までにやらなかったら、つかみ殺すぞ」

"I can't do that," said the nighthawk. "God gave me this name." But the hawk only said, "Remember. The morning after tomorrow," and flew away.

「そんなことはできません」とよだかは言いました。「この名前は、神さまからいただいたのです」けれどもタカは、「いいか、あさっての朝までだぞ」と言っただけで、飛んでいってしまいました。

The nighthawk closed his eyes and thought. "Why does everyone hate me? I have never done anything wrong. Once, a baby bird fell out of its nest, and I carried it back home. But its mother took it away from me as if I were a thief. And now the hawk is going to kill me."

よだかは目をつぶって、考えました。「どうして、ぼくはみんなにきらわれるのだろう。ぼくは何ひとつ悪いことをしたことがないのに。いつだったか、ひなが巣から落ちたとき、ぼくは巣まで運んでやった。それなのに、その子のお母さんは、まるでぼくがどろぼうでもあるかのように、ひなをひったくっていった。そして今度は、タカに殺されるんだ」

It was getting dark. The nighthawk flew out into the evening sky with his big mouth open, as always. Many small insects flew into his mouth. Then a beetle went in. It moved around inside his throat, and he swallowed it with difficulty. Suddenly, a cold feeling went through his heart.

あたりは暗くなってきました。よだかは、いつものように大きな口を開けて、夕方の空へ飛び出しました。小さな虫が、たくさん口の中へ飛びこんできました。そのうちに、一ぴきのカブトムシが入りました。カブトムシはのどの中でばたばたもがき、よだかはやっとのことで、それを飲みこみました。そのとき、よだかの胸を、急に冷たいものがつらぬきました。

He began to cry, flying round and round in the sky. "Every night I kill so many insects. And now I will be killed by the hawk. That is why it hurts so much. I won't eat anything any more. Before the hawk kills me, I will go far, far away, to the other side of the sky."

よだかは、空をぐるぐる飛びまわりながら、泣きだしました。「ぼくは毎晩、こんなにたくさんの虫を殺している。そして今度は、そのぼくがタカに殺される。だから、こんなにつらいんだ。ぼくはもう、何も食べない。タカに殺される前に、遠い遠い空の向こうへ行ってしまおう」

He went to his brother, the kingfisher. "I am going far away," he said. "Please don't catch fish unless you really have to." He asked the kingfisher to say goodbye to the hummingbird for him. Then he went home, cleaned his little house, and waited for the morning.

よだかは、弟のカワセミのところへ行きました。「ぼくは遠くへ行くよ」とよだかは言いました。「おまえも、どうしてもとらなければならないとき以外は、むやみに魚をとったりしないでおくれ」よだかは、ハチスズメによろしく伝えてくれるよう、カワセミに頼みました。それから家に帰って、小さな家をきれいに片づけ、朝が来るのを待ちました。

When the sun came up, the nighthawk flew straight toward it. "Sun, please take me with you. I don't mind if I burn. Even an ugly body like mine can give a little light." But the sun said, "You are a bird of the night. Ask the stars tonight."

お日さまがのぼると、よだかは、まっすぐお日さまのほうへ飛んでいきました。「お日さん、どうか、ぼくをつれていってください。焼け死んでもかまいません。ぼくのようなみにくい体でも、焼けるときには小さな光を出すでしょう」けれどもお日さまは言いました。「おまえは夜の鳥ではないか。今夜、星に頼んでごらん」

That night, the nighthawk flew to the stars, one by one. "Orion, please take me with you!" But Orion did not even look at him. He asked the Great Dog. "Don't be silly," it said. "With your wings, it would take you millions and millions of years to get here." He asked the Great Bear. "Go and cool your head," it said. "Jump into a sea with icebergs in it, or into a glass of ice water." He asked the Eagle. "To become a star, you must be an important person. You also need a lot of money," it said.

その夜、よだかは星から星へと飛んでいきました。「オリオンさん、どうかぼくをつれていってください!」けれどもオリオンは、よだかのほうを見ようともしませんでした。よだかは大犬座に頼みました。「ばかを言うな」と大犬座は言いました。「おまえの翼で、ここまで来るには、億年、兆年かかるぞ」大熊座にたのむと、「頭を冷やしてきなさい。氷山のうかんだ海に飛びこむか、氷を入れたコップの水に飛びこむのがいちばんだ」と言われました。わし座にたのむと、「星になるには、それなりの身分でなければならん。お金もたくさんいるのだ」と言われました。

The nighthawk lost all his strength and fell down toward the ground. But just before he hit it, he flew up again like a rocket. "Kishi, kishi, kishi!" he cried in a high, sharp voice. It sounded just like a hawk. All the birds woke up and looked up at the sky, shaking with fear.

よだかは、すっかり力をなくして、地面へと落ちていきました。けれども、もう少しで地面にぶつかるというとき、よだかはロケットのように、ふたたび空へ舞い上がりました。「キシキシキシキシ!」よだかは、高く、するどい声で叫びました。その声は、まるでタカのようでした。鳥たちはみな目をさまし、ぶるぶるふるえながら空を見上げました。

He flew up and up, straight into the sky. The air became colder and thinner. His breath turned white, and frost covered his wings. But he kept going. At last he did not know if he was going up or down. His heart was calm. His big beak had a little blood on it and was turned to the side, but he was surely smiling a little.

よだかは、どこまでもまっすぐ、空へのぼっていきました。空気はだんだん冷たく、うすくなっていきました。吐く息は白くなり、翼には霜がおりました。それでも、よだかはのぼりつづけました。とうとう、自分がのぼっているのか、落ちているのかも分からなくなりました。けれども、よだかの心は穏やかでした。血のついた大きなくちばしは、横にまがっていましたが、たしかに、少し笑っていました。

After a while, the nighthawk opened his eyes. His own body was burning with a beautiful blue light. He was now next to the stars of Cassiopeia, and the Milky Way was right behind him.

しばらくして、よだかは目を開けました。よだかの体は、美しい青い光をあげて、燃えていました。よだかは、カシオペア座のすぐとなりにいて、すぐうしろには天の川が流れていました。

The nighthawk star kept burning. It is still burning now, quietly, in the night sky.

よだかの星は、燃えつづけました。今でも、夜空で、静かに燃えています。

全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

よだかは、大変みにくい鳥でした。顔はところどころ、まだらのしみだらけで、平たいくちばしは、耳のあたりまで大きく裂けていました。足はとても弱くて、ほとんど歩けませんでした。

ほかの鳥たちは、よだかのことがすっかりきらいでした。「ほら、よだかが来たよ」と鳥たちは言いました。「なんてみっともない顔だろう。鳥の仲間の面よごしだよ」小さなヒバリでさえ、よだかを見ると顔をそむけました。

けれども、よだかは悪い鳥ではありませんでした。それどころか、よだかの弟たちは、あの美しいカワセミと、鳥の中の宝石と呼ばれる小さなハチスズメだったのです。それに、よだかはタカの仲間でもなんでもありませんでした。よだかと呼ばれるのは、翼が強く、鳴き声が少しタカに似ているからにすぎませんでした。

タカは、これがいやでたまりませんでした。ある晩、タカはよだかの家へやってきました。「おい、名前を変えろ」とタカは言いました。「おまえはタカなんかじゃない。これからは、市蔵と名乗れ。新しい名前を書いた札を首にぶらさげて、鳥の家を一軒ずつまわって、そう言ってこい。あさっての朝までにやらなかったら、つかみ殺すぞ」

「そんなことはできません」とよだかは言いました。「この名前は、神さまからいただいたのです」けれどもタカは、「いいか、あさっての朝までだぞ」と言っただけで、飛んでいってしまいました。

よだかは目をつぶって、考えました。「どうして、ぼくはみんなにきらわれるのだろう。ぼくは何ひとつ悪いことをしたことがないのに。いつだったか、ひなが巣から落ちたとき、ぼくは巣まで運んでやった。それなのに、その子のお母さんは、まるでぼくがどろぼうでもあるかのように、ひなをひったくっていった。そして今度は、タカに殺されるんだ」

あたりは暗くなってきました。よだかは、いつものように大きな口を開けて、夕方の空へ飛び出しました。小さな虫が、たくさん口の中へ飛びこんできました。そのうちに、一ぴきのカブトムシが入りました。カブトムシはのどの中でばたばたもがき、よだかはやっとのことで、それを飲みこみました。そのとき、よだかの胸を、急に冷たいものがつらぬきました。

よだかは、空をぐるぐる飛びまわりながら、泣きだしました。「ぼくは毎晩、こんなにたくさんの虫を殺している。そして今度は、そのぼくがタカに殺される。だから、こんなにつらいんだ。ぼくはもう、何も食べない。タカに殺される前に、遠い遠い空の向こうへ行ってしまおう」

よだかは、弟のカワセミのところへ行きました。「ぼくは遠くへ行くよ」とよだかは言いました。「おまえも、どうしてもとらなければならないとき以外は、むやみに魚をとったりしないでおくれ」よだかは、ハチスズメによろしく伝えてくれるよう、カワセミに頼みました。それから家に帰って、小さな家をきれいに片づけ、朝が来るのを待ちました。

お日さまがのぼると、よだかは、まっすぐお日さまのほうへ飛んでいきました。「お日さん、どうか、ぼくをつれていってください。焼け死んでもかまいません。ぼくのようなみにくい体でも、焼けるときには小さな光を出すでしょう」けれどもお日さまは言いました。「おまえは夜の鳥ではないか。今夜、星に頼んでごらん」

その夜、よだかは星から星へと飛んでいきました。「オリオンさん、どうかぼくをつれていってください!」けれどもオリオンは、よだかのほうを見ようともしませんでした。よだかは大犬座に頼みました。「ばかを言うな」と大犬座は言いました。「おまえの翼で、ここまで来るには、億年、兆年かかるぞ」大熊座にたのむと、「頭を冷やしてきなさい。氷山のうかんだ海に飛びこむか、氷を入れたコップの水に飛びこむのがいちばんだ」と言われました。わし座にたのむと、「星になるには、それなりの身分でなければならん。お金もたくさんいるのだ」と言われました。

よだかは、すっかり力をなくして、地面へと落ちていきました。けれども、もう少しで地面にぶつかるというとき、よだかはロケットのように、ふたたび空へ舞い上がりました。「キシキシキシキシ!」よだかは、高く、するどい声で叫びました。その声は、まるでタカのようでした。鳥たちはみな目をさまし、ぶるぶるふるえながら空を見上げました。

よだかは、どこまでもまっすぐ、空へのぼっていきました。空気はだんだん冷たく、うすくなっていきました。吐く息は白くなり、翼には霜がおりました。それでも、よだかはのぼりつづけました。とうとう、自分がのぼっているのか、落ちているのかも分からなくなりました。けれども、よだかの心は穏やかでした。血のついた大きなくちばしは、横にまがっていましたが、たしかに、少し笑っていました。

しばらくして、よだかは目を開けました。よだかの体は、美しい青い光をあげて、燃えていました。よだかは、カシオペア座のすぐとなりにいて、すぐうしろには天の川が流れていました。

よだかの星は、燃えつづけました。今でも、夜空で、静かに燃えています。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the hawk want the nighthawk to do?

Q2. What did the nighthawk ask the kingfisher to do?

Q3. What happened to the nighthawk at the end?

この話の単語 CEFR-JB1・B2の語 16語/タップで意味・単語帳へ
  • A1中学基礎 85.8%
  • A2高校入門 5.9%
  • B1受験コア 1.8%
  • B2難関大 0.8%
  • リストにない語 5.7%

本文の語の割合(人名などは数えていません)。「リストにない語」は固有名詞・古い言い方・やさしい複合語などです。

B2難関大の語 5語

B1受験コアの語 11語

原田英語の究極の英単語帳(CEFR-J 6,868語)で、例文・語源・ゲームでしっかり覚えよう。CEFR-J 単語コーナー →

読み終わったら、原文でも読んでみよう ↑

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む 計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 3 の読み物をもっと見る →