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多読におすすめのシリーズとレベル対応表

多読用の本選びで迷ったら、まずは定番シリーズの「レベルのしくみ」を知るのが近道です。この記事では、各シリーズのレベルと見出し語数を出版社の公式情報で確認したうえで比べ、多読ベストのレベル(L0〜L6)との対応の目安をまとめました。

graded readers とは

graded readers(グレーデッド・リーダーズ)は、英語学習者のために、使う単語や文法をレベルごとに制限して書かれた本です。名作を書き直したもの、オリジナルの物語、ノンフィクションなどがあります。

各シリーズは「見出し語数(headwords)」でレベルを表すことが多いです。見出し語数とは、そのレベルで使ってよい基本語の数のこと。たとえば「400 headwords」なら、おおよそ基本の400語(とその変化形)で書かれている、という意味です。ただし、数え方や基準はシリーズごとに違うので、シリーズをまたいで数字だけを比べるのは目安にとどめてください。

以下の数字は、2026年10月時点で各出版社の公式サイト・公式カタログ・公式ハンドブックで確認できたものだけを載せています。公式情報で数字を確認できなかったシリーズは、数字を書かずに特徴だけを紹介しています。

Oxford Bookworms Library(オックスフォード大学出版局)

大人や高校生の多読で最も定番のシリーズのひとつです。名作のリライト、オリジナル、ノンフィクション(Factfiles)がそろっています。出版社の公式ページ(OUP スペイン)で確認できたレベルは次のとおりです。

  • Starter:250 headwords(CEFR A1)
  • Stage 1:400 headwords(A1–A2)
  • Stage 2:700 headwords(A2–B1)
  • Stage 3:1,000 headwords(B1)
  • Stage 4:1,400 headwords(B1–B2)
  • Stage 5:1,800 headwords(B2)
  • Stage 6:2,500 headwords(B2–C1)

CEFR(セファール)は、ヨーロッパで作られた語学力の国際的なものさしで、A1(入門)からC2(最上級)まであります。

Penguin Readers(ペンギン・ランダムハウス)

現代の人気小説や映画化作品、ノンフィクションが多いシリーズです。公式の Penguin Readers Handbook では、Starter から Level 7 までの8段階で、各レベルの見出し語数と1冊の語数(story word count)が示されています。

  • Starter:Pre-A1/350 headwords/1冊 400–600語
  • Level 1:A1/550 headwords/1,000–1,600語
  • Level 2:A1+/700 headwords/3,000–5,000語
  • Level 3:A2/1,000 headwords/7,000–10,000語
  • Level 4:A2+/1,200 headwords/11,000–14,000語
  • Level 5:B1/1,600 headwords/15,000–18,000語
  • Level 6:B1+/2,000 headwords/18,000–22,000語
  • Level 7:B2/2,500 headwords/22,000–26,000語

同じハンドブックでは、生徒のレベルと同じか、ひとつ下のレベルの本を選ぶことがすすめられています。多読の考え方と同じですね。

Cambridge English Readers/Cambridge Experience Readers(ケンブリッジ大学出版局)

Cambridge English Readers は、学習者向けに書き下ろされたオリジナルの物語が中心で、大人が読んでも読みごたえのある作品が多いシリーズです。ケンブリッジの公式カタログ(2025年版)で確認できたレベルは次のとおりです。

  • Starter:250 headwords
  • Level 1:400/Level 2:800/Level 3:1,300
  • Level 4:1,900/Level 5:2,800/Level 6:3,800 headwords

Cambridge Experience Readers は10代向けのシリーズで、同じカタログでは Starter(250)から Level 6(3,800、C1)までの7段階が示されています。中高生には登場人物の年齢が近いこちらも読みやすいでしょう。

Macmillan Readers(マクミラン)

古典の名作から現代作品まで幅広くそろうシリーズです。公式カタログでは、Starter、Beginner、Elementary、Pre-intermediate、Intermediate、Upper Intermediate の6段階(CEFR A1–B2)と案内されています。多くの作品に音声があります。なお、各レベルの語数について公式サイトで数字を確認できなかったため、ここでは書いていません。

Oxford Reading Tree(オックスフォード大学出版局)

英国の子どもが学校で文字を読み始めるときに使う、ネイティブの子ども向けのリーディング教材です。Biff、Chip、Kipper という家族の物語がとくに有名です。公式サイト Oxford Owl によると、800冊以上の本が 20段階の Oxford Levels(Level 1、1+、2…20)に分けられ、対象年齢の目安はおおよそ3〜11歳です(あくまで目安と明記されています)。フォニックス(つづりと音のルール)を学ぶ「Floppy's Phonics」などのシリーズもあります。

ネイティブ向けとはいえ、低いレベルは1ページに1〜数文と非常にやさしく、日本の大人の多読の入口としても定番です。Oxford Owl には、無料登録で読める電子書籍のコーナーもあります。

I Can Read!(ハーパーコリンズ)

米国の子ども向けの「はじめて自分で読む本」のシリーズです。公式サイトでは次の段階が示されています。

  • My Very First:読み始めのいちばん最初の段階
  • My First(Shared Reading):大人と一緒に読む・読み聞かせ向け
  • Level 1(Beginning Reading):短い文、身近な単語
  • Level 2(Reading With Help):少し長い文、ことば遊び
  • Level 3(Reading Alone):ひとりで読む。複雑な筋や難しめの語も
  • Level 4(Advanced Reading):短い段落と章立て。章立ての本への橋渡し

Foundations Reading Library・Scholastic のレベル別絵本

Foundations Reading Library は、多読研究者の Rob Waring らが書いた、10代の登場人物が活躍するやさしいシリーズです。絵が多く、中高生の多読の入口として使われています。Scholastic にも、子ども向けのレベル別の読み物(Scholastic Reader など)があります。どちらも、今回は出版社の公式サイトでレベルごとの数字を確認できなかったため、数字は載せていません。購入前に本の裏表紙や出版社の最新情報を確認してください。

多読ベストのレベルとの対応(目安)

多読ベストのレベルは、1話の語数と使う語の範囲で決めています(レベルの選び方)。上の公式情報をもとに、多読ベスト編集部が考えた大まかな目安を示します。出版社の公式の対応ではありません。

  • L0 Starter(1話40–160語):Oxford Reading Tree の低いレベル、I Can Read! の My Very First・My First など
  • L1(120–380語):Oxford Reading Tree の低〜中レベル、I Can Read! Level 1 など
  • L2(280–650語):Penguin Readers Starter、Oxford Bookworms Starter、Cambridge の Starter など
  • L3(450–1,000語):Oxford Bookworms Stage 1–2、Penguin Readers Level 1–2、Cambridge Level 1 など
  • L4(800–1,700語):Oxford Bookworms Stage 3–4、Penguin Readers Level 3–4、Cambridge Level 2–3 など
  • L5(1,200–2,600語):Oxford Bookworms Stage 5–6、Penguin Readers Level 5–7、Cambridge Level 4–6 など
  • L6 原文:リライトされていない原書

ただし、graded readers は1冊が数千〜数万語あるので、同じ語彙レベルでも「長さ」の負担は大きくなります。多読ベストの短い読み物でそのレベルの英文に慣れてから、紙の graded readers に進むと挫折しにくくなります。

シリーズの選び方のコツ

  • 最初はいちばん下のレベルから。どのシリーズでも、「簡単すぎる」と感じるくらいがちょうどよい出発点です。迷ったらレベル診断を使いましょう。
  • シリーズを混ぜる。同じレベルを複数のシリーズで読むと、語彙が自然に繰り返され、飽きにくくなります。
  • 音声つきを選ぶ。多くのシリーズに音声があります。聞き読みは読む速さと発音の両方に役立ちます。
  • ネイティブ向けとのバランス。Webb と Macalister(2013)は688の文章を分析し、ネイティブの子ども向けの文章で98%の語をカバーするには、大人向けの文章と同じく1万語+固有名詞などの知識が必要だった一方、学習者向けの文章は3,000語族+固有名詞などで足りたと報告しています。子ども向けの本=やさしい、とはかぎらないのです。語彙をコントロールした graded readers を軸にしましょう。

本はどこで手に入れる?

graded readers は書店やネット書店で買えますが、まずは図書館で借りるのがおすすめです。大学図書館や一部の公共図書館には多読コーナーがあります(図書館で多読)。また、電子書籍やアプリで読めるサービスもあります(多読に使えるアプリ・電子書籍)。お金をかけずに始めたい人は、無料で多読もどうぞ。

よくある質問

どのシリーズから始めるのがおすすめですか?

大人や高校生なら、Oxford Bookworms の Starter、Penguin Readers の Starter、Cambridge の Starter など、各シリーズのいちばん下のレベルが入口になります。それでも難しければ、Oxford Reading Tree の低いレベルや、多読ベストの L0・L1 から始めましょう。

シリーズが違うと、同じ「Level 2」でも難しさは違いますか?

違います。たとえば公式情報では、Penguin Readers の Level 2 は700 headwords、Cambridge English Readers の Level 2 は800 headwords です。見出し語数の数え方もシリーズごとに異なるので、数字は目安として使い、実際に数ページ読んでみて判断してください。

見出し語数(headwords)とは何ですか?

そのレベルで使ってよい基本語の数です。400 headwords なら、おおよそ基本の400語とその変化形で書かれています。ただし物語に必要な固有名詞や、巻末の語注で説明される語は別に出てくることがあります。

Oxford Reading Tree は大人が読んでもよいのですか?

よいです。英国の子ども向け教材ですが、低いレベルは1ページに1〜数文と非常にやさしく、家族のユーモラスな物語なので大人でも楽しめます。大人の多読の入口として広く使われています。

参考文献

  1. Oxford University Press España. Oxford Bookworms Library(レベル表・見出し語数). 2026年10月確認. oup.es/en/oxfordbookwormslibrary
  2. Penguin Readers. Penguin Readers Handbook(CEFR・見出し語数・語数の表). 2026年10月確認. www.penguinreaders.co.uk/wp-content/uploads/2019/09/PR_ReadersHandbook_Main.pdf
  3. Cambridge University Press & Assessment. Cambridge English International Catalogue 2025(Cambridge English Readers / Cambridge Experience Readers). 2026年10月確認. online.flippingbook.com/view/382617513/100/
  4. Macmillan Education. Macmillan Readers catalogue. 2026年10月確認. www.macmillanenglish.com/catalogue/graded-readers/macmillan-readers/page/2
  5. Oxford Owl. Oxford Reading Tree & Oxford Levels. 2026年10月確認. home.oxfordowl.co.uk/reading/reading-schemes-oxford-levels/oxford-reading-tree-levels/
  6. HarperCollins. I Can Read! Reading Levels. 2026年10月確認. www.icanread.com/levels/
  7. Webb, S., & Macalister, J. (2013). Is text written for children useful for L2 extensive reading? TESOL Quarterly, 47(2), 300–322. doi.org/10.1002/tesq.70
  8. Nation, I. S. P., & Waring, R. (2019). Teaching Extensive Reading in Another Language. Routledge. doi.org/10.4324/9780367809256

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