本館「マジカ!?サイエンス」科学の雑学とニュースを論文でウラ取り読みに行く →
日本語のマジか!?ホント

QRコードの「QR」は Quick Response、開発は2人、規格どおりなら使用料なし

QRコードの「QR」は Quick Response、開発は2人、規格どおりなら使用料なし

読む前に予想してみよう!

QRコードを自分のお店のチラシに印刷するには、作った会社に使用料を払う必要がある

研究カード(どんな研究?)
対象
デンソーウェーブ公式の開発史・FAQ・特許の案内
規模
公式ページ5件
研究の種類
開発元の公式資料の確認
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

QRコードは1994年にデンソーウェーブが発表。QRは「Quick Response(すばやい反応)」から。開発チームは2人だけ。特許を持ちながら、規格どおりのコードならだれでも無料で使えるようにした。

ひとことで言うとQRコードの「QR」は「クイック・レスポンス」、すばやく読めるって意味なんだって!

もくじ
  1. 「漢字も入れたい」から始まった
  2. 角の「回」の形の目印は、チラシと段ボールから生まれた
  3. 特許は持っている。でも使わない
  4. どんでん返し:「QR」は Quick Response の略…ではない?
  5. まとめ
  6. よくある質問

コンビニの支払い、電車のチケット、レストランのメニュー。スマホをかざすだけで読める、あの白黒の四角い模様。

QRコードの「QR」は、英語の Quick Response(クイック・レスポンス)から来ています。「すばやい反応」、つまり「すぐ読める」という意味です。

しかもこのコード、作ったのは日本の会社で、開発チームはたった2人。そして会社は特許を持ったまま、規格どおりのコードならだれでも無料で使えるようにしました。

01「漢字も入れたい」から始まった

開発元のデンソーウェーブが公開している開発の歴史「QRコード道のり」によると、話はスーパーのレジから始まります。

1960年代、スーパーのレジでは値段を手で打ち込んでいました。レジ係の多くが手首のしびれや腱鞘炎に悩み、それを解決したのがバーコードでした。ところがバーコードに入る情報は、英数字で20字ほどしかありません。

そこで、当時バーコードの読み取り機を作っていたデンソーウェーブ(当時はデンソーの一事業部)に、使う側から要望が届きます。もっと多くの情報を入れたい、漢字やカナも表したい、という声でした。

02角の「回」の形の目印は、チラシと段ボールから生まれた

QRコードの3つの角には、四角の中に四角が入った大きな印があります。これは「切り出しシンボル」と呼ばれ、読み取り機に「ここにコードがあるよ」と知らせる目印です。

原さんたちは、この印をほかの模様とまちがえられないものにしたいと考えました。そこで、チラシや雑誌、段ボールなどに印刷された絵や文字を白黒にして、白と黒の面積の比率を徹底的に調べたそうです。

見つけたのは、印刷物でいちばん使われていない比率「1:1:3:1:1」。黒・白・黒・白・黒の幅をこの比率にした目印なら、まわりの模様と取りちがえにくい。しかも、どの向きからスキャンしても、この比率を探せばコードの位置が分かります。コードがどの向きでも読めるのは、この仕組みのおかげです。

印刷物で「いちばん使われていない比率」を探して、角の目印の黒と白の幅が決まった(イメージ)
印刷物で「いちばん使われていない比率」を探して、角の目印の黒と白の幅が決まった(イメージ)

03特許は持っている。でも使わない

QRコードが世界中に広まった理由として、開発史が挙げているのがコードの決まり(仕様)の公開です。

デンソーウェーブは、QRコードの特許を持っています。それでも、規格どおりのQRコードについては、その特許の権利を使わないと宣言しました。開発史によると、これは開発を始めたころから決めていた方針で、より多くの人に使ってもらいたいという開発者の思いが込められているそうです。

同社のFAQには、JIS や ISO の規格どおりのQRコードなら、作るのも読むのも申請はいらず、商売に使っても使用料はかからない、と書かれています。

一般の人に広まったのは2002年。QRコードを読める携帯電話が発売されたのがきっかけでした。2012年にはグッドデザイン賞も受けています。開発史によると、評価の理由には「早くからパブリックドメインとした先見性」という言葉がありました。パブリックドメインは、だれでも自由に使えるものにすること、という意味です。

04どんでん返し:「QR」は Quick Response の略…ではない?

ここまで「QR は Quick Response から」と書いてきました。ところが、デンソーウェーブの FAQ には、少しちがう説明があります。

「QR」は Quick Response に由来する。そのうえで、正式な名前は「QRコード」で、「Quick Responseコード」の略ではない、とはっきり書かれているのです。名前の由来は Quick Response だけれど、「QRコード」というまとまりがそのまま正式名称、ということになります。

もう1つ。コードを作るのは無料ですが、「QRコード」という名前は、デンソーウェーブの登録商標です。同社の FAQ は、「QRコード」という名称を使う画面や印刷物ごとに、登録商標であることを示す一文を載せてほしいとしています。アメリカでも商標登録されているそうです。

コードは無料で開放、名前はきちんと守る。この2つは矛盾しません。

05まとめ

QRコードの「QR」は Quick Response。1994年に日本のデンソーウェーブが発表し、開発チームは2人だけでした。特許を持ちながら規格どおりのコードには権利を使わないと決めたことが、世界中で使われる理由の1つになりました。

ただし正式名称は「QRコード」で、名前は登録商標。次にお店でコードを読み取るとき、「すぐ読める」ための1:1:3:1:1の目印を、ちょっと見てみてください。

QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

よくある質問

QRコードの「QR」とは何の略ですか?

英語の Quick Response(クイック・レスポンス、すばやい反応)に由来します。ただし開発元デンソーウェーブの FAQ によると、正式な名前は「QRコード」で、「Quick Responseコード」の略ではありません。

QRコードを作ったのは誰ですか?

日本のデンソーウェーブ(当時はデンソーの一事業部)で、1994年に発表しました。開発の担当は原昌宏さんで、チームは原さんを入れて2人。開発を始めてから1年半で完成したと、同社の開発史にあります。

QRコードはなぜ作られたのですか?

バーコードより多くの情報を入れたい、という使う側の要望からです。バーコードに入るのは英数字で20字ほど。もっと多くの情報を入れたい、漢字やカナも表したい、という声に応えて開発されました(デンソーウェーブ「QRコード道のり」)。

QRコードは無料で使えますか?

規格どおりのコードなら無料です。デンソーウェーブは特許を持っていますが、JIS や ISO の規格どおりのQRコードには権利を使わないと宣言しています。作るのも読むのも申請はいらず、商売に使っても使用料はかかりません。

「QRコード」は登録商標ですか?

はい。「QRコード」という名前はデンソーウェーブの登録商標です。同社の FAQ は、名称を使う画面や印刷物ごとに、登録商標であることを示す一文を載せてほしいとしています。

QRコードの角にある四角い目印は何ですか?

「切り出しシンボル」という、コードの位置を知らせる目印です。黒・白・黒・白・黒の幅を、印刷物でいちばん使われていない比率「1:1:3:1:1」にしてあり、どの向きからスキャンしてもコードを見つけられます。

QRコードはいつから広まったのですか?

一般の人に広まったのは2002年です。QRコードを読める携帯電話が発売されたのがきっかけでした。規格としては、1997年に業界団体 AIM、1999年に JIS、2000年に ISO の国際規格になっています。

QRコードは英語で何と言いますか?

英語でも QR code です。「QRコードを読み取る」は scan a QR code、「QRコードで払う」は pay with a QR code と言います。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerA barcode can hold only about 20 letters and numbers. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

A barcode can hold only about 20 letters and numbers. Users asked Denso Wave, a Japanese company that made barcode readers, for a code that could hold much more, including kanji. Masahiro Hara took on the job with just one other person. To make the code quick to read, they put a large square mark in three of its corners.

They studied flyers, magazines and boxes to find the black-and-white pattern that is used least in print, and they used that pattern for the marks. The QR code came out in 1994. The company kept its patents but said it would not use them against codes that follow the official standards. Ordinary people started using QR codes in 2002, when phones that could read them went on sale.

128 words ・ CEFR B1

和訳を見る

バーコードには、英数字で20字ほどしか入らない。利用者たちは、バーコードの読み取り機を作っていた日本の会社デンソーウェーブに、漢字も含めてもっと多くの情報が入るコードを求めた。原昌宏さんが、たった1人の仲間とこの仕事を引き受けた。コードを速く読めるように、2人はコードの3つの角に大きな四角い目印を入れた。

チラシや雑誌、箱を調べて、印刷物でいちばん使われていない白黒の模様を探し、その模様を目印に使った。QRコードは1994年に発表された。会社は特許を持ち続けたが、公式の規格に従うコードに対しては権利を使わないと述べた。一般の人がQRコードを使い始めたのは2002年で、QRコードを読める携帯電話が発売されたときだった。

4択リーディングクイズ

Q1. Why did users ask Denso Wave for a new code?

Q2. What did the team study to design the corner marks?

Q3. What can be inferred about the corner marks?

重要単語

  • quick responseB1
    名詞句すばやい反応We need a quick response from the team. QRコードの名前の由来。response は respond(答える、反応する)の名詞形。
  • scanB1
    動詞(読み取り機などで)読み取るScan the QR code with your phone. scan a QR code で「QRコードを読み取る」。read a QR code とも言う。
  • patentC1
    名詞特許The company holds a patent on the design. hold a patent「特許を持つ」、apply for a patent「特許を出願する」。
  • standardB2
    名詞規格、標準The code follows an international standard. JIS は Japanese Industrial Standards(日本産業規格)の略。
  • trademarkC1
    名詞商標"QR Code" is a registered trademark. registered trademark「登録商標」。® のマークはこの意味。
  • free of chargeB2
    熟語無料でYou can use the app free of charge. charge は「料金」。for free より少しかたい言い方。
  • enforceC1
    動詞(権利・法律を)行使する、守らせるThe company decided not to enforce its patents. en-(~にする)+force(力)。enforce a rule「規則を守らせる」。
毎日スマホで読むQRコード。「QR」は Quick Response(すばやい反応)から来た名前で、1994年に日本のデンソーウェーブが発表した。開発チームはたった2人。特許を持ったまま、規格どおりのコードなら誰でも無料で使えるようにした。

押すと「マジかリスト」に保存されます

出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. デンソーウェーブ「QRコード道のり」(QRコードドットコム)qrcode.com
  2. DENSO WAVE "History of QR Code"(QRcode.com)qrcode.com
  3. デンソーウェーブ「FAQ」(QRコードドットコム)qrcode.com
  4. デンソーウェーブ「特許について」(QRコードドットコム)qrcode.com
  5. デンソーウェーブ「QRコード®とは」denso-wave.com

本館

マジカ!?サイエンスで読む、ことばの研究

論文でウラ取りした科学の「マジか!?」。言語・脳・学習の研究も

マジカ!?サイエンスのトップへ →