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英語のマジか!?ホント

pineapple は元は「松ぼっくり」の名前だった。果物の意味になったのは1600年代

pineapple は元は「松ぼっくり」の名前だった。果物の意味になったのは1600年代

読む前に予想してみよう!

英語の pineapple は、もともと松ぼっくり(松かさ)を指す言葉だった

研究カード(どんな研究?)
対象
英語・スペイン語・日本語の辞書の語源欄
規模
1350〜1400年ごろ以降の記録
研究の種類
辞書の語源・初出の記述(文献にもとづく調査)
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

中英語(中世の英語)の pinappel は「松ぼっくり」のこと。見た目が似ていて1600年代に果物の名前になり、松ぼっくりは pine cone と呼ばれるようになった。

ひとことで言うとpineapple は、もともと松ぼっくりの名前だったんだって!

もくじ
  1. パイナップルの語源は? 1300年代の pinappel は「松ぼっくり」
  2. 名前を取られた松ぼっくりは pine cone に
  3. なぜ apple? 昔の apple は「くだもの全般」
  4. スペイン語でも piña は「松かさ」で「パイナップル」
  5. どんでん返し:似ているのは「らせん」だけ
  6. まとめ

pineapple を分解すると、pine(松)+ apple(りんご)。「松のりんご」?

でも、パイナップルは松の木にはなりません。りんごの仲間でもありません。

じつは pineapple の語源をたどると、もともとは松ぼっくり(松かさ)の呼び名でした。南国の果物は、あとから松ぼっくりの名前を借りた側なのです。

01パイナップルの語源は? 1300年代の pinappel は「松ぼっくり」

アメリカの辞書『アメリカン・ヘリテージ英語辞典』(AHD)によると、pineapple のもとは中英語(中世の英語)の pinappel。意味は pine cone(松かさ) でした。つくりは pine(松)+ appel(りんご)です。

パイナップルは熱帯アメリカ原産の植物です(AHD)。英語を話す人たちは、この見なれない果物に、形のよく似た松ぼっくりの名前をあてたわけです。

たしかに、パイナップルの皮は小さなこぶがびっしり並んでいて、松ぼっくりのうろこにそっくりです。

02名前を取られた松ぼっくりは pine cone に

では、果物が pineapple になったあと、本物の松ぼっくりは何と呼ばれたのでしょう。

答えは pine cone(pinecone とも書く)。cone は「円すい形のもの」です。この語の最初の記録は、Dictionary.com では1685〜95年ごろ、メリアム・ウェブスターでは1724年です。

年代を並べてみましょう。

  • 1350〜1400年ごろ:pinappel = 松かさ
  • 1600年代:pineapple = 果物のパイナップル
  • 1600年代末〜1700年代:pine cone = 松かさ

辞書は「名前を取られたから新しい名前ができた」とまでは書いていません。それでも、名前が果物に“引っ越し”したあとに、松ぼっくりの新しい名前が記録されるという順番になっています。

いまの辞書を引くと、pineapple の意味は「パイナップル(植物・果物)」と、俗語の「手りゅう弾(hand grenade)」だけ。AHD やメリアム・ウェブスターの意味の欄に、松ぼっくりはもう出てきません。

03なぜ apple? 昔の apple は「くだもの全般」

もうひとつのナゾは、なぜ「りんご」なのか。

古英語(1000年ほど前の英語)の辞書『ボズワース&トラー古英語辞典』を見ると、æppel(apple のご先祖)の意味は「りんご」と並んで fruit generally(くだもの全般) と書かれています。

つまり pinappel は、「松になる“実”」くらいの意味だったと考えられます。

この「apple = くだもの・丸いもの」のなごりは、いまの英語にも残っています。

  • pomegranate(ザクロ):古フランス語の pome(りんご)+ grenate(種がたくさんある)。「種だらけのりんご」です(AHD)
  • Adam's apple(のどぼとけ):もとをたどるとフランス語の pomme d'Adam(アダムのりんご)を訳したもの(AHD)
  • the apple of someone's eye(目に入れても痛くないほど大切な人):His youngest daughter was the apple of his eye.(末の娘は彼の自慢の宝物だった)。ケンブリッジ英語辞典では「古風」の注記つき
古英語の æppel は、りんごに限らず「くだもの全般」を指した(ボズワース&トラー古英語辞典)
古英語の æppel は、りんごに限らず「くだもの全般」を指した(ボズワース&トラー古英語辞典)

04スペイン語でも piña は「松かさ」で「パイナップル」

同じ発想は英語だけではありません。

スペイン王立アカデミーの辞書(RAE)で piña を引くと、1番目の意味は「松などの木の実(松かさ)」、2番目の意味が「パイナップル」です。スペイン語では、いまでも同じ一語で両方を指せるのです。

いっぽう、スペイン語にはパイナップルを表す ananás という語もあります。RAE によると、ポルトガル語の ananás から入った語で、もとは南米の先住民の言葉グアラニー語の naná です。ドイツ語の Ananas も同じ流れだと、ドイツの辞書ドゥーデンは書いています。

日本語の「パイナップル」は英語から来た言葉です。『日本国語大辞典』によると、パイナップルは1845年(弘化2年)にオランダ人が日本に伝えました。この辞書が挙げる日本語の最も古い例は、1860年の『航米日録』の「パイナープル」です。

しかも日本語の辞書にも、「パイナップル爆弾」の略という意味が載っています。英語でも日本語でも、パイナップルは手りゅう弾のあだ名になっているのです。

05どんでん返し:似ているのは「らせん」だけ

ここで、ひとつ注意があります。名前は同じでも、パイナップルと松ぼっくりは、植物としてはまったく別物です。

  • 松ぼっくり:AHD によると、針葉樹などがつくる、種のもとをのせたうろこが、軸のまわりにらせん状に重なったもの。果物ではありません
  • パイナップル:『日本国語大辞典』によると、150ほどの小さな花が集まってでき、表面の六角形のこぶの一つひとつが一個の実にあたります(集合果)

ただ、どちらも「小さな部品がらせん状にびっしり並ぶ」という点は同じです。『日本国語大辞典』も、パイナップルの花の集まりを「松毬(まつかさ)状」、こぶの並び方を「螺旋(らせん)状」と説明しています。昔の人がこの果物に松ぼっくりの名前をあてたのも、無理はなかったのかもしれません。

もうひとつ。「パイナップルの意味は1624年から」「pine cone は1724年から」といった年は、辞書によって少しずつちがいます。初出の年は、もっと古い文献が見つかると書きかえられます。「1600年代」「1700年前後」くらいの幅で覚えておくのが安全です。

06まとめ

pineapple は、もともと松ぼっくりの名前でした。1600年代、見た目がよく似た南国の果物がその名前を受けつぎ、松ぼっくりは pine cone と呼ばれるようになりました。

apple が「くだもの全般」を指した時代のなごりは、ザクロやのどぼとけの名前にも残っています。次にパイナップルを食べるときは、皮のらせん模様をながめて、「元祖 pineapple」の松ぼっくりを思い出してみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerCut the word "pineapple" in half and you get "pine" and "apple." But the fruit does not grow on pine trees,… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Cut the word "pineapple" in half and you get "pine" and "apple." But the fruit does not grow on pine trees, and it is not related to apples.

So where does the name come from? In Middle English, "pinappel" was the word for a pine cone, and records of this use go back to the late 1300s. The fruit comes from tropical America.

Its rough skin, covered in small bumps, looks a lot like a giant pine cone, and in the 1600s "pineapple" became the name of the fruit. The cone itself came to be called a "pine cone," a name first recorded around 1700. And why "apple"? In Old English, the word for apple could also mean fruit in general.

121 words ・ CEFR B1

和訳を見る

「pineapple」という語を半分に切ると「pine」と「apple」になる。しかし、この果物は松の木にはならないし、りんごの仲間でもない。

では、この名前はどこから来たのだろうか。中英語では「pinappel」は松かさを表す語で、この使い方の記録は1300年代後半にさかのぼる。この果物は熱帯アメリカが原産だ。

小さなこぶにおおわれたごつごつした皮は巨大な松かさによく似ていて、1600年代に「pineapple」はこの果物の名前になった。松かさのほうは「pine cone」と呼ばれるようになり、この名前は1700年ごろに初めて記録されている。では、なぜ「apple」なのか。古英語では、りんごを表す語が果物全般を意味することもあった。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main point of the passage?

Q2. When was the name "pine cone" first recorded?

Q3. Why did people probably give the fruit the name "pineapple"?

重要単語

  • pine coneB1
    名詞松かさ、松ぼっくりMy little brother collects pine cones in the park. pinecone と1語でも書く。cone は「円すい形のもの」で、ice cream cone の cone と同じ。
  • tropicalB1
    形容詞熱帯のMangoes and pineapples are tropical fruits. the tropics(熱帯地方)の形容詞。tropical rainforest「熱帯雨林」は入試の長文でもよく出る。
  • resembleB2
    動詞〜に似ているThe fruit resembles a large pine cone. resemble to 〜 とはしない(他動詞)。進行形にもしない。look like とほぼ同じ意味。
  • pomegranateC1
    名詞ザクロA pomegranate is full of tiny red seeds. 古フランス語の pome(りんご)+ grenate(種の多い)から。「種だらけのりんご」。
  • originB1
    名詞起源、由来The origin of this word surprised me. 形容詞は original(最初の、独創的な)。word origin で「語源」。
  • recordA2
    名詞・動詞記録;記録するThe word was first recorded in the 1600s. 名詞は前、動詞は後ろを強く読む(RE-cord / re-CORD)。first recorded「最初に記録された」は語源の説明の決まった言い方。
  • the apple of someone's eyeC1
    熟語目に入れても痛くないほど大切な人Their only grandson is the apple of their eye. やや古風な言い方。古英語でも目のひとみを æppel と呼んだ。

4コマでわかる

pineapple は元は「松ぼっくり」の名前だった。果物の意味になったのは1600年代の4コマ漫画
pineapple は「松のりんご」…ではなく、もとは松ぼっくりの名前。中英語の pinappel は松かさのことで、果物の意味が記録されるのは1600年代から。松ぼっくりはその後 pine cone に。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. The American Heritage Dictionary of the English Language, 5th ed.「pineapple」ahdictionary.com
  2. Merriam-Webster「pineapple」(Etymology / First Known Use)merriam-webster.com
  3. Dictionary.com(Random House Unabridged)「pineapple」dictionary.com
  4. Bosworth & Toller, An Anglo-Saxon Dictionary Online(カレル大学)「æppel」bosworthtoller.com
  5. Real Academia Española, Diccionario de la lengua española「piña」dle.rae.es

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