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英語のマジか!?ホント

イギリス英語でボールペンは「Biro」、掃除機がけは「hoover」。どちらも元は人の名前

イギリス英語でボールペンは「Biro」、掃除機がけは「hoover」。どちらも元は人の名前

読む前に予想してみよう!

イギリス英語の hoover(掃除機をかける)は、アメリカのフーバー大統領の名前から来ている

研究カード(どんな研究?)
対象
イギリス英語の Biro・hoover ほか
規模
英語辞典5種・日本の百科事典
研究の種類
辞書に載る意味・由来の照らし合わせ
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

イギリスではボールペンを Biro、掃除機をかけることを hoover と言う。どちらも商標で、ハンガリーの発明者ビーローとアメリカの実業家フーバーの名前から。

ひとことで言うとイギリスでは、ボールペンも掃除機も、人の名前で呼ばれているんだって!

もくじ
  1. Biro は「ボールペン」の商標。名前はハンガリーの発明者から
  2. hoover は「掃除機をかける」。名前はアメリカの実業家から
  3. アメリカでは vacuum。逆のパターンもある
  4. どんでん返し:アメリカでも hoover は辞書に載っている
  5. まとめ

Can I borrow your Biro?

イギリスでこう言われたら、何を貸せばいいでしょう。答えはボールペンです。

I need to hoover the living room.

こちらは「リビングに掃除機をかけなきゃ」。イギリス英語では、ボールペンを Biro(バイロウ)、掃除機をかけることを hoover(フーヴァー) と言うことがよくあります。どちらも、もとは商標。しかも人の名前から来ています。

01Biro は「ボールペン」の商標。名前はハンガリーの発明者から

ケンブリッジ英語辞典を引くと、Biro は「UK trademark(イギリスの商標)」と書かれ、意味は「ボールペンの一種の商品名」。発音は /ˈbaɪ.rəʊ/(バイロウ)、複数形は Biros です。

由来は、オックスフォードの学習辞典の、言葉の由来を書いた欄にあります。1940年代、ボールペンを発明したハンガリーのラースロー・ヨージェフ・ビーロー(László József Bíró)にちなんで名付けられた。

日本の事典では「ビロ」と書かれる人の名前が、イギリスでは「バイロウ」と読まれて、ボールペンそのものを指すようになったわけです。

02hoover は「掃除機をかける」。名前はアメリカの実業家から

次は hoover。ケンブリッジ英語辞典には2つの使い方が載っています。

  • Hoover(名詞):UK trademark。掃除機の商品名
  • hoover(動詞):UK。掃除機を使って床などをきれいにすること。She hoovers the stairs every Sunday.(彼女は毎週日曜に階段に掃除機をかける)

オックスフォードの学習辞典も、動詞の hoover に「British English」と付けています。名詞の Hoover の由来の説明によると、1920年代、アメリカの実業家W・H・フーバー(1849〜1932年)にちなんで名付けられた。アメリカの人の名前が、イギリスで動詞になっているのです。

hoover は「掃除機をかける」。名前はアメリカの実業家W・H・フーバーから(Oxford Learner's Dictionaries)
hoover は「掃除機をかける」。名前はアメリカの実業家W・H・フーバーから(Oxford Learner's Dictionaries)

hoover には、くだけた言い方もあります。オックスフォードによると、hoover something up は「掃除機で吸い取る」のほかに、「何かを大量に手に入れる・集める」という意味でも使われます。Our school hoovered up most of the prizes.(うちの学校が賞をほとんど持っていった)のような使い方です。

03アメリカでは vacuum。逆のパターンもある

アメリカで同じことを言うなら、ふつうは vacuum です。ケンブリッジ英語辞典の動詞 vacuum には「(UK also hoover)」、つまり「イギリスでは hoover とも言う」と書かれています。

  • (英)I'll hoover the carpet later.
  • (米)I'll vacuum the carpet later.

逆に、アメリカで商標の名前がそのまま使われ、イギリスでは別の言葉を使う例もあります。ケンブリッジ英語辞典によると、ばんそうこうの Band-Aid はアメリカの商標(US trademark)で、イギリスでは plaster(sticking plaster)と言います。

  • (米)I need a Band-Aid.
  • (英)I need a plaster.

イギリスに行ったら Biro と hoover、アメリカでは Band-Aid。どちらの国でも、商品名がふつうの言葉のように使われています。

04どんでん返し:アメリカでも hoover は辞書に載っている

では、アメリカ人には hoover が通じないのかというと、そうとも言い切れません。

アメリカの辞書サイト Dictionary.com は、アメリカ英語の項目で hoover を「掃除機で掃除する」という動詞として載せ、「最初の文字を大文字で書くことが多い」と書き添えています。最初の記録は1925〜30年ごろで、掃除機メーカーの商標から、としています。ケンブリッジのアメリカ英語向けの辞書にも Hoover は動詞「to vacuum」として載っていますが、こちらには「Br(イギリス英語)」の印が付いています。

つまり、hoover は「イギリスでしか通じない言葉」ではなく、「おもにイギリスで使う言葉」と考えるのが正確です。辞書の UK や British English という表示は、「おもにその国で使われる」という目印です。

もう1つ。ボールペンを「発明した」のがだれかも、言い方に注意が必要です。オックスフォードはビーローを「ボールペンの発明者」としていますが、日本の百科事典は、原型は1888年のアメリカにあり、ビーローはそれを改良して完成させた人物、と書いています。

05まとめ

イギリスの Biro と hoover は、ハンガリーの発明者とアメリカの実業家の名前が、商品名を経てふつうの言葉になった例でした。アメリカでは vacuum や Band-Aid が使われます。

日本語の「セロテープ」や「宅急便」が会社の商品名であるのと同じように、英語にも「じつは商品名」の言葉がたくさん隠れています。辞書の trademark という表示を見つけたら、その単語の後ろにいる人や会社を調べてみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIf a British friend asks, "Can I borrow your Biro?" they want a pen. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

If a British friend asks, "Can I borrow your Biro?" they want a pen. If they say they need to hoover, they are about to clean the floor. Both words began as trademarks, and both come from real people.

Oxford's learner's dictionary says Biro was named in the 1940s after László Bíró, a Hungarian who developed the ballpoint pen. Japanese encyclopedias add that he completed his pen in 1943.

Hoover was named in the 1920s after W. H. Hoover, an American businessman, so an American name turned into a British verb. In the United States, people usually say "vacuum." It can also work the other way. Americans put a "Band-Aid," another trademark, on a cut, while British people use a "plaster."

121 words ・ CEFR B1

和訳を見る

イギリスの友だちが「Biro を貸してくれる?」と聞いたら、ペンがほしいということだ。hoover しなきゃと言ったら、これから床を掃除するということだ。どちらの言葉も商標として始まり、どちらも実在の人物から来ている。

オックスフォードの学習辞典によると、Biro は1940年代、ボールペンを開発したハンガリー人ラースロー・ビーローにちなんで名付けられた。日本の百科事典によれば、彼は1943年にこのペンを完成させた。

Hoover は1920年代、アメリカの実業家W・H・フーバーにちなんで名付けられた。つまり、アメリカ人の名前がイギリスの動詞になったのだ。アメリカでは、ふつう「vacuum」と言う。逆の場合もある。切り傷に、アメリカ人はやはり商標である「Band-Aid」を貼り、イギリス人は「plaster」を使う。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main idea of the passage?

Q2. According to the passage, what happened in 1943?

Q3. Why does the writer say "an American name turned into a British verb"?

重要単語

  • ballpoint penA2
    名詞ボールペンCan I borrow your ballpoint pen for a minute? 日本語の「ボールペン」は ball-point pen から(日本国語大辞典)。英語では ballpoint だけでも通じる。
  • vacuumB1
    動詞・名詞掃除機をかける;真空I vacuum my room every Saturday morning. つづりは u が2つ。vacuum cleaner で「掃除機」。イギリスでは hoover とも言う。
  • trademarkB2
    名詞商標Biro is a trademark in the UK. 辞書の UK trademark は「イギリスの商標」という表示。TM マークは trademark の略。
  • inventorB1
    名詞発明者Who was the inventor of the ballpoint pen? invent(発明する)+-or(人)。invention は「発明」。
  • patentC1
    名詞特許The company bought the patent and started making the pens. trademark(商標)は名前を守り、patent(特許)は発明を守る。
  • plasterB2
    名詞(イギリス英語で)ばんそうこうPut a plaster on that cut. アメリカでは Band-Aid(商標)。壁に塗る「しっくい」の意味もある。
イギリスではボールペンを Biro、掃除機をかけることを hoover と言う。どちらも元は商標で、Biro はハンガリーの発明者ビーロー、Hoover はアメリカの実業家W・H・フーバーの名前から(オックスフォードの辞書より)。

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出典・参考文献(8件)タップで表示
  1. Cambridge Dictionary「Biro」(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)dictionary.cambridge.org
  2. Oxford Advanced Learner's Dictionary「Biro™」oxfordlearnersdictionaries.com
  3. Cambridge Dictionary「Hoover」「hoover」dictionary.cambridge.org
  4. Oxford Advanced Learner's Dictionary「Hoover™」oxfordlearnersdictionaries.com
  5. Oxford Advanced Learner's Dictionary「hoover」(動詞)・「hoover up」oxfordlearnersdictionaries.com
  6. Cambridge Dictionary「vacuum」dictionary.cambridge.org
  7. Dictionary.com「hoover」(アメリカ英語の項目・Collins English Dictionary)dictionary.com
  8. 日本大百科全書(ニッポニカ)・改訂新版 世界大百科事典・ブリタニカ国際大百科事典「ボールペン」(コトバンク)kotobank.jp

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