WHY NOW
いま話題になっている理由
フランスのパリで現地時間10月31日、物価高に抗議するデモのあとの衝突で、警備にあたっていた警察官や憲兵に火炎瓶が投げつけられた。パリの検察は11月1日、殺人未遂の疑いで捜査を始めたと発表し、英字ニュースの見出しには petrol bomb が並んだ。同じ物を Molotov cocktail とも言う。辞書には10月にアルバニアのデモの記事で載せた語だが、今回は「殺人未遂の捜査」という見出しとセットで出ている。英米で呼び方が違う点とあわせて整理しておきたい。
petrol はイギリス英語
petrol はイギリス英語で「ガソリン」。アメリカ英語なら gasoline(gas)なので、petrol bomb はおもにイギリスやオーストラリアなどの媒体が使う言い方だ。中身は、ガソリンなど燃えやすい液体を瓶に入れ、布で栓をして火をつけて投げるもの。日本語の「火炎瓶」にあたり、「ガソリン爆弾」と直訳しないほうが伝わる。
Molotov cocktail も同じ
今回の報道でも、記事によって petrol bomb と Molotov cocktail(モロトフ・カクテル)の両方が使われている。アメリカの媒体は Molotov cocktail か firebomb を使うことが多い。Molotov は、ソ連の外相だったモロトフの名前から来た呼び名。同じ記事の中で言い換えているだけのことも多いので、別の武器と思わないこと。
見出しの murder probe
見出しの attempted murder は「殺人未遂」、probe は「捜査・調査」を表す見出し向きの短い語。opens a probe で「捜査を始める」になる。今回の見出しには security forces(治安部隊)も出ている。フランスでは警察と憲兵(gendarmes)の両方が治安を担うため、まとめてこう呼んでいる。