Address on the Challenger Disaster(レーガン「スペースシャトル・チャレンジャー号事故」追悼演説)の挿絵

Address on the Challenger Disaster

レーガン「スペースシャトル・チャレンジャー号事故」追悼演説

  • 📖 648 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ1986年1月28日、スペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げからわずか73秒後に爆発し、7人の乗組員全員が亡くなりました。乗組員には、宇宙から授業をする予定だった高校教師クリスタ・マコーリフさんや、日系アメリカ人のエリソン・オニヅカさんもいて、全米の多くの学校の子どもたちが打ち上げを生中継で見ていました。その夜、レーガン大統領は予定していた一般教書演説を延期し、わずか4分ほどの追悼演説を行います。悲しみに寄りそいながら、とくに子どもたちに向けて「未来は勇気ある人のものだ」と語りかけました。

ロナルド・レーガン、スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故についての国民向け演説(1986年1月28日、ホワイトハウス大統領執務室)。底本: ロナルド・レーガン大統領図書館。米国政府著作物のためパブリックドメイン。

キーワード(15語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • mourning喪、悲しみ
  • tragedy悲劇
  • astronauts宇宙飛行士
  • brilliantlyみごとに
  • daring大胆な
  • grace気品、優雅さ
  • dazzle目をみはらせる
  • pioneers開拓者
  • fainthearted臆病な
  • diminish減らす、損なう
  • quest探求
  • civilians民間人
  • dedication献身
  • anguish苦悩
  • surly不機嫌な、荒々しい

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Ladies and gentlemen, I'd planned to speak to you tonight to report on the state of the Union, but the events of earlier today have led me to change those plans. Today is a day for mourning and remembering. Nancy and I are pained to the core by the tragedy of the shuttle Challenger. We know we share this pain with all of the people of our country. This is truly a national loss.

みなさん、今夜は、一般教書演説で国の現状をご報告する予定でした。しかし、今日起きた出来事を受けて、予定を変えることにしました。今日は、悲しみ、亡くなった人々をしのぶ日です。スペースシャトル・チャレンジャー号の悲劇に、ナンシーと私は、心の底から胸を痛めています。この痛みは、この国のすべての人々が同じように感じているはずです。これはまさに、国全体にとっての損失です。

Nineteen years ago, almost to the day, we lost three astronauts in a terrible accident on the ground. But we've never lost an astronaut in flight; we've never had a tragedy like this. And perhaps we've forgotten the courage it took for the crew of the shuttle. But they, the Challenger Seven, were aware of the dangers, but overcame them and did their jobs brilliantly. We mourn seven heroes: Michael Smith, Dick Scobee, Judith Resnik, Ronald McNair, Ellison Onizuka, Gregory Jarvis, and Christa McAuliffe. We mourn their loss as a nation together.

十九年前、ちょうどいまごろの時期に、私たちは地上での恐ろしい事故で、三人の宇宙飛行士を失いました。しかし、飛行中に宇宙飛行士を失ったことは、これまで一度もありませんでした。これほどの悲劇は、一度もなかったのです。もしかすると私たちは、シャトルの乗組員にどれほどの勇気が必要なのかを、忘れていたのかもしれません。けれども、チャレンジャーの七人は、危険を知っていました。知った上でそれを乗りこえ、みごとに任務を果たしたのです。私たちは七人の英雄の死を悼みます。マイケル・スミス、ディック・スコビー、ジュディス・レズニック、ロナルド・マクネイア、エリソン・オニヅカ、グレゴリー・ジャービス、そしてクリスタ・マコーリフ。国をあげて、ともに七人の死を悼みます。

For the families of the seven, we cannot bear, as you do, the full impact of this tragedy. But we feel the loss, and we're thinking about you so very much. Your loved ones were daring and brave, and they had that special grace, that special spirit that says, "Give me a challenge, and I'll meet it with joy." They had a hunger to explore the universe and discover its truths. They wished to serve, and they did. They served all of us. We've grown used to wonders in this century. It's hard to dazzle us. But for 25 years the United States space program has been doing just that. We've grown used to the idea of space, and perhaps we forget that we've only just begun. We're still pioneers. They, the members of the Challenger crew, were pioneers.

七人のご家族のみなさん。この悲劇の重さを、みなさんと同じように受け止めることは、私たちにはできません。しかし、私たちも、大切な人を失った悲しみを感じています。そして、みなさんのことを心から思っています。みなさんの愛する人たちは、大胆で、勇敢でした。そして、特別な気高さを、特別な心意気を持っていました。「挑戦を与えてくれ。喜んで受けて立とう」と言える心意気です。宇宙を探検し、その真実を見つけたいと、強く願っていました。人の役に立ちたいと願い、そして本当に役に立ちました。私たちみんなのために、尽くしてくれたのです。今世紀、私たちは数々の驚異をすっかり見慣れてしまいました。ちょっとやそっとのことでは、目を見はったりしません。しかし、この二十五年間、合衆国の宇宙計画は、まさにその私たちを驚かせ続けてきました。宇宙というものに慣れてしまったせいで、私たちは、まだ始まったばかりだということを忘れているのかもしれません。私たちはいまも開拓者なのです。チャレンジャーの乗組員たちも、開拓者でした。

And I want to say something to the schoolchildren of America who were watching the live coverage of the shuttle's takeoff. I know it is hard to understand, but sometimes painful things like this happen. It's all part of the process of exploration and discovery. It's all part of taking a chance and expanding man's horizons. The future doesn't belong to the fainthearted; it belongs to the brave. The Challenger crew was pulling us into the future, and we'll continue to follow them.

それから、シャトルの打ち上げの生中継を見ていた、アメリカの学校の子どもたちに言っておきたいことがあります。分かりにくいことだとは思います。でも、ときには、こういうつらいことが起こるのです。それも、探検し、発見していく道のりの一部です。思いきって挑戦し、人間の世界を広げていくことの一部なのです。未来は、気の弱い人のものではありません。勇気のある人のものです。チャレンジャーの乗組員たちは、私たちを未来へと引っぱってくれていました。私たちはこれからも、そのあとを追っていきます。

I've always had great faith in and respect for our space program, and what happened today does nothing to diminish it. We don't hide our space program. We don't keep secrets and cover things up. We do it all up front and in public. That's the way freedom is, and we wouldn't change it for a minute. We'll continue our quest in space. There will be more shuttle flights and more shuttle crews and, yes, more volunteers, more civilians, more teachers in space. Nothing ends here; our hopes and our journeys continue. I want to add that I wish I could talk to every man and woman who works for NASA or who worked on this mission and tell them: "Your dedication and professionalism have moved and impressed us for decades. And we know of your anguish. We share it."

私はずっと、わが国の宇宙計画を深く信頼し、尊敬してきました。今日の出来事で、その気持ちが少しでも揺らぐことはありません。私たちは、宇宙計画を隠したりしません。秘密にしたり、都合の悪いことをもみ消したりもしません。何もかも包み隠さず、みんなの見ている前で進めます。それが自由というものです。それを変えるつもりは、一瞬たりともありません。宇宙への挑戦は続けます。シャトルはこれからも飛び、新しい乗組員が乗りこみます。そうです、志願する人も、民間の人も、宇宙へ行く先生も、もっと増えていきます。ここで終わるものは何もありません。私たちの希望も、旅も、続いていくのです。もう一つ付け加えたいことがあります。NASAで働くすべての人、この任務にたずさわったすべての人と、一人一人話ができたらと思います。そして、こう伝えたいのです。「みなさんの献身と、プロとしての見事な仕事ぶりに、私たちは何十年ものあいだ心を動かされ、感心させられてきました。みなさんがどれほど苦しんでいるかも知っています。私たちも、同じ苦しみを感じています」と。

There's a coincidence today. On this day 390 years ago, the great explorer Sir Francis Drake died aboard ship off the coast of Panama. In his lifetime the great frontiers were the oceans, and an historian later said, "He lived by the sea, died on it, and was buried in it." Well, today we can say of the Challenger crew: Their dedication was, like Drake's, complete.

今日は、ふしぎな偶然があります。三百九十年前の今日、偉大な探検家サー・フランシス・ドレークが、パナマ沖の船の上で亡くなりました。ドレークの時代、人類にとっての大いなるフロンティアは海でした。のちにある歴史家は、ドレークのことを「海に生き、海に死に、海に葬られた」と書いています。今日、私たちはチャレンジャーの乗組員について、こう言うことができます。その献身は、ドレークと同じく、まさに全身全霊をささげつくすものだった、と。

The crew of the space shuttle Challenger honored us by the manner in which they lived their lives. We will never forget them, nor the last time we saw them, this morning, as they prepared for their journey and waved goodbye and "slipped the surly bonds of earth" to "touch the face of God."

スペースシャトル・チャレンジャーの乗組員たちは、その生き方によって、私たちに誇りを与えてくれました。私たちは、彼らを決して忘れません。今朝、最後に見たあの姿も、決して忘れません。旅立ちの準備をし、手をふって別れを告げ、「地上のきびしいきずなをふりほどき」、「神の御顔にふれる」ために飛び立っていった、あの姿を。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

みなさん、今夜は、一般教書演説で国の現状をご報告する予定でした。しかし、今日起きた出来事を受けて、予定を変えることにしました。今日は、悲しみ、亡くなった人々をしのぶ日です。スペースシャトル・チャレンジャー号の悲劇に、ナンシーと私は、心の底から胸を痛めています。この痛みは、この国のすべての人々が同じように感じているはずです。これはまさに、国全体にとっての損失です。

十九年前、ちょうどいまごろの時期に、私たちは地上での恐ろしい事故で、三人の宇宙飛行士を失いました。しかし、飛行中に宇宙飛行士を失ったことは、これまで一度もありませんでした。これほどの悲劇は、一度もなかったのです。もしかすると私たちは、シャトルの乗組員にどれほどの勇気が必要なのかを、忘れていたのかもしれません。けれども、チャレンジャーの七人は、危険を知っていました。知った上でそれを乗りこえ、みごとに任務を果たしたのです。私たちは七人の英雄の死を悼みます。マイケル・スミス、ディック・スコビー、ジュディス・レズニック、ロナルド・マクネイア、エリソン・オニヅカ、グレゴリー・ジャービス、そしてクリスタ・マコーリフ。国をあげて、ともに七人の死を悼みます。

七人のご家族のみなさん。この悲劇の重さを、みなさんと同じように受け止めることは、私たちにはできません。しかし、私たちも、大切な人を失った悲しみを感じています。そして、みなさんのことを心から思っています。みなさんの愛する人たちは、大胆で、勇敢でした。そして、特別な気高さを、特別な心意気を持っていました。「挑戦を与えてくれ。喜んで受けて立とう」と言える心意気です。宇宙を探検し、その真実を見つけたいと、強く願っていました。人の役に立ちたいと願い、そして本当に役に立ちました。私たちみんなのために、尽くしてくれたのです。今世紀、私たちは数々の驚異をすっかり見慣れてしまいました。ちょっとやそっとのことでは、目を見はったりしません。しかし、この二十五年間、合衆国の宇宙計画は、まさにその私たちを驚かせ続けてきました。宇宙というものに慣れてしまったせいで、私たちは、まだ始まったばかりだということを忘れているのかもしれません。私たちはいまも開拓者なのです。チャレンジャーの乗組員たちも、開拓者でした。

それから、シャトルの打ち上げの生中継を見ていた、アメリカの学校の子どもたちに言っておきたいことがあります。分かりにくいことだとは思います。でも、ときには、こういうつらいことが起こるのです。それも、探検し、発見していく道のりの一部です。思いきって挑戦し、人間の世界を広げていくことの一部なのです。未来は、気の弱い人のものではありません。勇気のある人のものです。チャレンジャーの乗組員たちは、私たちを未来へと引っぱってくれていました。私たちはこれからも、そのあとを追っていきます。

私はずっと、わが国の宇宙計画を深く信頼し、尊敬してきました。今日の出来事で、その気持ちが少しでも揺らぐことはありません。私たちは、宇宙計画を隠したりしません。秘密にしたり、都合の悪いことをもみ消したりもしません。何もかも包み隠さず、みんなの見ている前で進めます。それが自由というものです。それを変えるつもりは、一瞬たりともありません。宇宙への挑戦は続けます。シャトルはこれからも飛び、新しい乗組員が乗りこみます。そうです、志願する人も、民間の人も、宇宙へ行く先生も、もっと増えていきます。ここで終わるものは何もありません。私たちの希望も、旅も、続いていくのです。もう一つ付け加えたいことがあります。NASAで働くすべての人、この任務にたずさわったすべての人と、一人一人話ができたらと思います。そして、こう伝えたいのです。「みなさんの献身と、プロとしての見事な仕事ぶりに、私たちは何十年ものあいだ心を動かされ、感心させられてきました。みなさんがどれほど苦しんでいるかも知っています。私たちも、同じ苦しみを感じています」と。

今日は、ふしぎな偶然があります。三百九十年前の今日、偉大な探検家サー・フランシス・ドレークが、パナマ沖の船の上で亡くなりました。ドレークの時代、人類にとっての大いなるフロンティアは海でした。のちにある歴史家は、ドレークのことを「海に生き、海に死に、海に葬られた」と書いています。今日、私たちはチャレンジャーの乗組員について、こう言うことができます。その献身は、ドレークと同じく、まさに全身全霊をささげつくすものだった、と。

スペースシャトル・チャレンジャーの乗組員たちは、その生き方によって、私たちに誇りを与えてくれました。私たちは、彼らを決して忘れません。今朝、最後に見たあの姿も、決して忘れません。旅立ちの準備をし、手をふって別れを告げ、「地上のきびしいきずなをふりほどき」、「神の御顔にふれる」ために飛び立っていった、あの姿を。

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

このお話の教訓 Moral

タップして見る

The future doesn't belong to the fainthearted; it belongs to the brave.

未来は臆病な者のものではありません。勇気ある者のものなのです。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What had Reagan planned to speak about that night?

Q2. What does Reagan tell the schoolchildren of America?

Q3. Which explorer does Reagan mention because he died on the same day 390 years earlier?

🎥 本物を見る・聞く 実際のスピーチ

🎥 映像・Ronald Reagan Presidential Foundation & InstituteChallenger: President Reagan's Challenger Disaster Speech - 1/28/86レーガン大統領財団・図書館の公式映像。1986年1月28日の国民向け演説の全体(約5分)

外部サイト(YouTube など)が新しいタブで開きます。読み終わってから見るのがおすすめ。

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 6 の読み物をもっと見る →