The Frogs(蛙)の挿絵

The Frogs

蛙

  • 577 words
  • 約7分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 全訳つき

あらすじ夏の古い池で、一匹の蛙が大学教授のように演説をしています。「水も虫も空も太陽も、世界のすべては我々蛙のためにある!」 池じゅうの蛙が大賛成ですが……。

芥川龍之介『蛙』(1917年)をもとに再話

ORIGINAL TEXT

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この話は日本語の原文(青空文庫)でも読めます。青空文庫の本文を、そのまま載せています。やさしい版で筋をつかんでから原文へ進むと、作者の言葉をじっくり味わえます。

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青空文庫の本文(新字旧仮名・約1,400字)。

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • reeds葦(あし)
  • poplarポプラ(白楊)
  • reflected映っている
  • debate議論
  • professor教授
  • Hear, hear!「賛成、賛成!」(演説へのかけ声)
  • whipむち
  • universe宇宙
  • Praiseたたえよ
  • sacrifice犠牲

音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

I am lying down next to an old pond, and many frogs live in it.

自分が今寝ころんでいるそばに、古い池があって、そこに蛙がたくさんいる。

Reeds grow thick all around the pond. Behind them, a row of tall poplar trees moves gently in the wind. Behind the trees is the quiet summer sky, where small clouds always shine like pieces of glass. All of this is reflected in the water of the pond, much more beautiful than the real thing.

池のまわりには、芦がびっしりと茂っている。その向こうには、背の高いポプラの並木が、やさしく風にそよいでいる。そのまた向こうには静かな夏の空があって、ガラスのかけらのような小さな雲が、いつも光っている。そしてそれが皆、実際よりもはるかに美しく、池の水に映っているのである。

All day long, the frogs in the pond sing, "Kororo, karara." If you listen for a moment, it sounds like only "kororo, karara." But really, they are having a serious debate. The days of Aesop were not the only time when frogs could talk.

蛙はその池の中で、一日じゅう「ころろ、からら」と鳴いている。ちょっと聞くと、ただ「ころろ、からら」としか聞こえない。が、実は真剣に議論をたたかわせているのである。蛙が口をきくのは、何もイソップの時代ばかりではない。

One frog was sitting on a reed leaf. Like a university professor, he spoke to the others. "What is water for? It is for us frogs to swim in. What are insects for? They are for us frogs to eat."

一匹の蛙が、芦の葉の上にいた。その蛙が、大学教授のような態度で、ほかの蛙たちにこう言った。「水は何のためにあるか。我々蛙が泳ぐためにあるのである。虫は何のためにいるか。我々蛙が食うためにいるのである」

"Hear, hear!" shouted all the frogs in the pond. There were so many frogs that they almost covered the water, so their voices were very loud. At that moment, a snake was sleeping under a poplar tree. The noise woke it up. It lifted its head, looked toward the pond and licked its lips sleepily.

「ヒヤア、ヒヤア!」と、池じゅうの蛙が賛成の声をあげた。水面がほとんどうまるほどの蛙だから、その声はたいへんなものである。ちょうどそのとき、ポプラの根もとで一匹の蛇が眠っていた。蛇はこのやかましい声で目をさますと、頭をもたげて池のほうを見やり、まだ眠そうに舌なめずりをした。

"What is the earth for?" the frog went on. "It is for plants to grow in. And what are plants for? They are for giving us frogs shade. So the whole earth is for us frogs, isn't it?" "Hear, hear!"

「土は何のためにあるか」と蛙は続けた。「草木を生やすためにあるのである。では、草木は何のためにあるか。我々蛙に日かげを与えるためにあるのである。したがって、全大地は我々蛙のためにあるのではないか」「ヒヤア、ヒヤア!」

When the snake heard the second "Hear, hear," its body became as straight as a whip. Then it slowly moved into the reeds. With its black eyes shining, it watched the pond carefully.

蛇は、二度目の「ヒヤア、ヒヤア」を聞くと、急に体をむちのようにぴんとのばした。それから、そろそろと芦の中へはいこんだ。そして黒い目をかがやかせながら、池のようすを注意深くうかがった。

The frog on the reed leaf was still talking, with his big mouth open. "What is the sky for? It is for hanging the sun in. What is the sun for? It is for drying our backs. So the whole sky is for us frogs! Water, plants, insects, earth, sky and sun are all for us. Everything in the world is for us. There is no doubt about it. I want to thank God from my heart for making the whole universe for us. Praise the name of God!"

芦の葉の上の蛙は、あいかわらず大きな口をあけて、演説を続けている。「空は何のためにあるか。太陽をかけるためにあるのである。太陽は何のためにあるか。我々蛙の背中をかわかすためにあるのである。したがって、全大空は我々蛙のためにあるのだ。水も草木も、虫も土も、空も太陽も、みな我々蛙のためにある。この世のありとあらゆるものが、我々のためにある。もはや疑う余地はない。自分は、全宇宙を我々のために造った神に、心から感謝をささげたい。神の御名をたたえよ!」

The frog looked up at the sky, rolled one eye, and opened his big mouth again. "Praise the name of God..." Before he could finish, the snake's head shot out. In a moment, the great speaker was in the snake's mouth.

蛙は空をあおいで、目玉を一つぐるりと回し、それからまた大きな口をあけた。「神の御名をたたえよ……」その言葉が終わらないうちに、蛇の頭がさっとのびた。あっという間に、この雄弁な蛙は、蛇の口にくわえられていた。

"Karara, oh no!" "Kororo, oh no!" "Oh no, karara, kororo!" While all the frogs were shouting, the snake went into the reeds with the frog in its mouth. The pond had probably never heard such a noise since the beginning of time.

「からら、大変だ!」「ころろ、大変だ!」「大変だ、からら、ころろ!」池じゅうの蛙がさわいでいるうちに、蛇は蛙をくわえたまま、芦の中へ消えてしまった。これほどの騒ぎは、おそらくこの池ができて以来、一度もなかったことだろう。

In all the noise, I heard a young frog crying. "Water, plants, insects, earth, sky and sun are all for us. Then what about the snake? Is the snake for us too?"

その騒ぎの中で、自分は、若い蛙が泣きながらこう言うのを聞いた。「水も草木も、虫も土も、空も太陽も、みんな我々蛙のためにある。では、蛇はどうなのだ。蛇も我々のためにあるのか」

"Yes," another frog answered. "The snake is for us frogs too. If snakes don't eat us, there will be more and more frogs. Then the pond, I mean the world, will become too small. That is why the snake comes to eat us. Think of the eaten frog as a sacrifice for the happiness of the many. Yes, the snake is for us too. Everything in the world is for us frogs. Praise the name of God!"

「そうだ」と、別の蛙が答えた。「蛇も我々蛙のためにある。蛇が食わなければ、蛙はどんどんふえていく。そうなれば池が、いや、世界が狭くなってしまう。だから、蛇が我々蛙を食いに来るのである。食われた蛙は、多数の幸福のためにささげられた犠牲だと思うがいい。そうだ。蛇も我々蛙のためにある。世界のありとあらゆるものは、ことごとく蛙のためにあるのだ。神の御名をたたえよ!」

This is the answer I heard from a frog that seemed to be old.

これが、自分の聞いた、年寄りらしい蛙の答えである。

全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

自分が今寝ころんでいるそばに、古い池があって、そこに蛙がたくさんいる。

池のまわりには、芦がびっしりと茂っている。その向こうには、背の高いポプラの並木が、やさしく風にそよいでいる。そのまた向こうには静かな夏の空があって、ガラスのかけらのような小さな雲が、いつも光っている。そしてそれが皆、実際よりもはるかに美しく、池の水に映っているのである。

蛙はその池の中で、一日じゅう「ころろ、からら」と鳴いている。ちょっと聞くと、ただ「ころろ、からら」としか聞こえない。が、実は真剣に議論をたたかわせているのである。蛙が口をきくのは、何もイソップの時代ばかりではない。

一匹の蛙が、芦の葉の上にいた。その蛙が、大学教授のような態度で、ほかの蛙たちにこう言った。「水は何のためにあるか。我々蛙が泳ぐためにあるのである。虫は何のためにいるか。我々蛙が食うためにいるのである」

「ヒヤア、ヒヤア!」と、池じゅうの蛙が賛成の声をあげた。水面がほとんどうまるほどの蛙だから、その声はたいへんなものである。ちょうどそのとき、ポプラの根もとで一匹の蛇が眠っていた。蛇はこのやかましい声で目をさますと、頭をもたげて池のほうを見やり、まだ眠そうに舌なめずりをした。

「土は何のためにあるか」と蛙は続けた。「草木を生やすためにあるのである。では、草木は何のためにあるか。我々蛙に日かげを与えるためにあるのである。したがって、全大地は我々蛙のためにあるのではないか」「ヒヤア、ヒヤア!」

蛇は、二度目の「ヒヤア、ヒヤア」を聞くと、急に体をむちのようにぴんとのばした。それから、そろそろと芦の中へはいこんだ。そして黒い目をかがやかせながら、池のようすを注意深くうかがった。

芦の葉の上の蛙は、あいかわらず大きな口をあけて、演説を続けている。「空は何のためにあるか。太陽をかけるためにあるのである。太陽は何のためにあるか。我々蛙の背中をかわかすためにあるのである。したがって、全大空は我々蛙のためにあるのだ。水も草木も、虫も土も、空も太陽も、みな我々蛙のためにある。この世のありとあらゆるものが、我々のためにある。もはや疑う余地はない。自分は、全宇宙を我々のために造った神に、心から感謝をささげたい。神の御名をたたえよ!」

蛙は空をあおいで、目玉を一つぐるりと回し、それからまた大きな口をあけた。「神の御名をたたえよ……」その言葉が終わらないうちに、蛇の頭がさっとのびた。あっという間に、この雄弁な蛙は、蛇の口にくわえられていた。

「からら、大変だ!」「ころろ、大変だ!」「大変だ、からら、ころろ!」池じゅうの蛙がさわいでいるうちに、蛇は蛙をくわえたまま、芦の中へ消えてしまった。これほどの騒ぎは、おそらくこの池ができて以来、一度もなかったことだろう。

その騒ぎの中で、自分は、若い蛙が泣きながらこう言うのを聞いた。「水も草木も、虫も土も、空も太陽も、みんな我々蛙のためにある。では、蛇はどうなのだ。蛇も我々のためにあるのか」

「そうだ」と、別の蛙が答えた。「蛇も我々蛙のためにある。蛇が食わなければ、蛙はどんどんふえていく。そうなれば池が、いや、世界が狭くなってしまう。だから、蛇が我々蛙を食いに来るのである。食われた蛙は、多数の幸福のためにささげられた犠牲だと思うがいい。そうだ。蛇も我々蛙のためにある。世界のありとあらゆるものは、ことごとく蛙のためにあるのだ。神の御名をたたえよ!」

これが、自分の聞いた、年寄りらしい蛙の答えである。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

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読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the frog on the reed leaf say?

Q2. What happened to the frog who was speaking?

Q3. What did the other frog say about the snake?

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  • A2高校入門 7%
  • B1受験コア 3.1%
  • B2難関大 1.4%
  • リストにない語 2.8%

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