月が赤くなるしくみ
太陽の光には、いろいろな色の光がまざっています。地球の大気を通るとき、青い光は空気の分子にぶつかって散らばりやすく、赤い光は散らばりにくくまっすぐ進みます。昼の空が青く、夕日が赤いのはこのためです。
皆既月食のとき、太陽の光は地球にさえぎられますが、地球のふちの大気を通った光は、レンズのように少し曲げられて影の中に入ります。この光は、長い空気の道を通って青い光が散らばったあとの赤い光です。NASA は、これを「地球上のすべての日の出と日の入りの光が、月を照らしている」と説明しています。月から地球を見ると、地球のまわりが赤く光るリングのように見えるはずです。
毎回ちがう色になる
皆既月食の月の色は、明るいオレンジ色から、黒っぽくて見えにくいほど暗い赤まで、毎回ちがいます。地球の大気に雲やちりがどれだけあるかで、通りぬける光の量がかわるからです。大きな火山の噴火のあとは、空にちりが多く、月がとても暗くなることが知られています。1991年のピナトゥボ火山(フィリピン)の大噴火のあと、1992年12月の皆既月食は、とても暗い月食になりました。
皆既の始まりや終わりのころには、影のふちが青緑色に見えることがあります。地球の上空にあるオゾン層が赤い光を吸収し、青っぽい光を通すためです。
赤い月をこわがった人たち
むかしの人たちは、急に赤くなる月を見て、不吉なしるしだと感じることがありました。2014〜2015年には皆既月食が4回続き(テトラッドといいます)、「大きなできごとの前ぶれでは」と心配する声もありました。夜空が急に変わるのを見て、そう感じるのは自然なことです。
月食は、太陽・地球・月が一直線にならぶと起こる現象で、何百年も先まで分・秒の単位で予報できます。予報どおりに始まり、予報どおりに終わることを、ぜひ自分の目で確かめてみてください。
名前の由来と歴史
英語の「blood moon(血の月)」は、皆既月食の赤い月の見た目からつけられた呼び名で、ニュースや本で広く使われています。天文学の正式な用語ではありません。北アメリカでは、秋の赤っぽい満月(ハンターズムーンなど)をブラッドムーンとよぶ地方もあったといわれています。日本では「赤銅色の月」と表現することが多いです。
英語では?
- blood moonブラッドムーン(皆既月食の赤い月)
- total lunar eclipse皆既月食
- copper-colored赤銅色の、あかがね色の
The Moon turned red during the total lunar eclipse.皆既月食のあいだ、月は赤くなりました。
You can safely watch a lunar eclipse with your own eyes.月食は自分の目で安全に見られます。
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次のブラッドムーン(皆既月食)はいつ?(2026〜2035年)
| 日付 | 時刻(日本時間) | 日本で見える? |
|---|---|---|
| 2026年3月3日(火) | 部分食 18:51〜22:16/皆既 20:05〜21:03 食分 1.15 | 日本で全部見られる |
| 2029年1月1日(月) | 部分食 0:08〜3:35/皆既 1:16〜2:27 食分 1.25 | 日本で全部見られる |
| 2029年6月26日(火) | 部分食 10:33〜14:12/皆既 11:32〜13:13 食分 1.85 | 日本からは見えない |
| 2029年12月21日(金) | 部分食 5:56〜9:27/皆既 7:15〜8:08 食分 1.11 | 日本で一部見られる |
| 2032年4月26日(月) | 部分食 22:28〜1:59/皆既 23:41〜0:46 食分 1.19 | 日本で全部見られる |
| 2032年10月19日(火) | 部分食 2:25〜5:40/皆既 3:40〜4:26 食分 1.1 | 日本で全部見られる |
| 2033年4月15日(金) | 部分食 2:26〜5:59/皆既 3:48〜4:36 食分 1.09 | 日本で一部見られる |
| 2033年10月8日(土) | 部分食 18:14〜21:35/皆既 19:16〜20:34 食分 1.35 | 日本で全部見られる |
「日本で見える?」は、東京で月が地平線の上にあるかどうかで計算しています。北海道や沖縄では、始まりや終わりの見え方が少しちがうことがあります。 時刻は日本時間で、このサイトが天文計算の式(Meeus『Astronomical Algorithms』)で求めた値です。数分ずれることがあります。正式な日時は国立天文台 暦計算室で確認できます。日付をおすと、その月の月カレンダーが開きます。
観察のコツ
- 月食は目で直接見ても安全です(日食とはちがいます)。双眼鏡があると色のちがいがよくわかります。
- 皆既の月はふだんの満月の数千分の1〜1万分の1ほどの明るさになります。暗くなるので、まわりの星もいっしょに見えてきます。
- スマートフォンで写すときは、手ぶれしないように固定して、明るさを下げてみよう。
よくある質問
ブラッドムーンはなぜ赤いのですか?
地球の大気を通った夕焼け・朝焼けの赤い光が、地球の影の中まで曲がって入り、月を照らすからです。
次のブラッドムーン(日本で見られる皆既月食)はいつ?
2029年1月1日(月)(部分食 0:08〜3:35/皆既 1:16〜2:27・日本で全部見られます)です(日本時間・このサイトの計算)。
ブラッドムーンは不吉ですか?
むかしはそう感じた人もいましたが、月食は太陽・地球・月の並びで起こる自然の現象で、何百年も先まで正確に予報できます。
毎回同じ赤さですか?
ちがいます。地球の大気の雲やちり(火山の噴火など)によって、明るいオレンジから暗い赤まで変わります。
関連する用語
参考にしたページ
- 国立天文台「月食とは」
- NASA「Eclipses」(英語)
- NASA「Types of Eclipses」(英語)
- NASA Space Place「Supermoon, Blood Moon, Blue Moon and Harvest Moon」(英語)
名前の由来に諸説あるものは「〜といわれています」と書いています。写真は NASA のパブリックドメインの画像です。

