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英語のマジか!?ホント

「Yahoo!」の名はガリバー旅行記の“人間そっくりのけだもの”。初代コンピューターは「曙」と「小錦」

「Yahoo!」の名はガリバー旅行記の“人間そっくりのけだもの”。初代コンピューターは「曙」と「小錦」

読む前に予想してみよう!

「Yahoo!」という社名は、『ガリバー旅行記』に出てくる生き物の名前から来ている

研究カード(どんな研究?)
対象
Yahoo 公式の沿革ページ(1997〜2007年版)・原作『ガリバー旅行記』・英語辞典・国語辞典
規模
1726年の原作と1994年の創業の記録
研究の種類
語源調査(文献)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

Yahoo! の名前は、1726年の『ガリバー旅行記』で馬の国に住む“人間そっくりのけだもの”の名。創業者は「粗野で、がさつ」という辞書の意味が気に入ったという。最初のコンピューターには力士の名「曙」「小錦」がついていた。

ひとことで言うとヤフーの名前は、ガリバー旅行記に出てくる「らんぼうな生き物」からとったんだって!

もくじ
  1. 始まりは大学院生2人の「お気に入りリンク集」
  2. 公式の説明:「粗野で、がさつ」が気に入った
  3. 最初のコンピューターは「曙」と「小錦」
  4. 原作の Yahoo は、どんな生き物?
  5. どんでん返し:公式の説明そのものが変わっていた
  6. まとめ

検索、ニュース、天気、メール。日本でもおなじみの Yahoo!(ヤフー)。

この名前、英語では yahoo=「粗野でがさつな人」 という意味の単語です。もとは1726年の小説『ガリバー旅行記』に出てくる、人間そっくりの不潔なけだものの名前でした。

しかも、Yahoo! の会社自身がそう説明していました。そして最初のコンピューターには、日本の力士の名前 「akebono(曙)」と「konishiki(小錦)」 がついていたのです。

01始まりは大学院生2人の「お気に入りリンク集」

Yahoo! の公式サイトには、かつて「Company History(会社の歴史)」というページがありました。いまは消えていますが、ネットの記録保管サービス Internet Archive に1997年ごろからの版が残っています。

それによると、Yahoo! を始めたのはデビッド・ファイロとジェリー・ヤン。スタンフォード大学の電気工学の博士課程の学生でした。1994年の前半、自分たちが気に入ったネットのページを整理するために、リンク集を作り始めます(始めた月は、1990年代の版では4月、2003年以降の版では2月と、版によって違います)。

  • 2人はやがて、博士論文よりリンク集づくりに時間を使うようになった
  • リストが長くなりすぎたので、分類を作った。分類がいっぱいになると、さらに細かい分類を作った
  • 最初の名前は「Jerry and David's Guide to the World Wide Web(ジェリーとデビッドのウェブ案内)」
  • その後、辞書の助けを借りて新しい名前に変わった

その新しい名前が Yahoo! でした。

02公式の説明:「粗野で、がさつ」が気に入った

2007年版の公式ページは、名前の由来をこう書いています。

「Yahoo! は Yet Another Hierarchical Officious Oracle の頭文字語(単語の頭文字を並べた略語)だ。でもファイロとヤンは、yahoo の一般的な定義――rude, unsophisticated, uncouth(粗野で、洗練されていなくて、がさつ)――が気に入ったから選んだのだと言い張っている」

Yet Another Hierarchical Officious Oracle は、むりやり訳せば「またひとつ現れた、階層式の、おせっかいなお告げ所」。頭文字はたしかに Y-A-H-O-O です。それでも本人たちが語る理由は、頭文字ではなく、yahoo という単語の悪い意味のほうでした。

アメリカの辞書『American Heritage Dictionary』(以下 AHD)でも、yahoo は「洗練されていない、うるさくて迷惑なことの多い人」。語源欄には「『ガリバー旅行記』の、けだものの種族の一員から」とあります。

03最初のコンピューターは「曙」と「小錦」

日本の辞典で2人の力士を確かめてみましょう。

  • 曙:アメリカ・ハワイ州オアフ島の出身。1993年、外国出身の力士として初めて横綱に昇進した(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
  • 小錦:ハワイ州オアフ島の出身。1987年、外国出身の力士として初めて大関に昇進した(百科事典マイペディア・日本人名大辞典+Plus)

Yahoo! が生まれた1994年、曙は横綱でした。アメリカの大学院生のコンピューターに、ハワイから日本へ渡って大活躍した力士の名前がついていたのです。

Yahoo! の最初のコンピューターは「akebono」と「konishiki」。公式ページは、ハワイ出身の伝説的な力士にちなむと説明していた
Yahoo! の最初のコンピューターは「akebono」と「konishiki」。公式ページは、ハワイ出身の伝説的な力士にちなむと説明していた

04原作の Yahoo は、どんな生き物?

では、本家『ガリバー旅行記』の Yahoo はどんな生き物なのでしょう。原作の第4部「フウイヌム国渡航記」を開いてみます。

乗組員の反乱で見知らぬ浜に置き去りにされたガリバーが、まず目にしたのは、頭と胸に毛がもじゃもじゃ生えた、しっぽのない生き物でした。リスのようにすばやく木に登ります。一匹を剣の平らな面でたたくと、少なくとも40匹が集まってきて、木の上からガリバーの頭にふんを落とした、とあります。

この国を治めているのは、言葉を話す賢い馬たちです。2頭の馬がいななき合う中で、ガリバーは何度も出てくる単語を聞き取り、まねして言ってみました。それが Yahoo。ガリバーが最初に覚えた馬の言葉です。次に覚えた単語は、英語のつづりに直すと Houyhnhnm(フウイヌム)。馬たちの言葉で「馬」を指し、語源は「自然の完成形」だといいます。

そして、ガリバーは馬の家で Yahoo と並べられ、ぞっとします。そのけだものは、まぎれもない人間の姿をしていたからです。主人の馬は、ガリバーも Yahoo にちがいないと思いこみます。近所の馬たちは「馬のように話す、ふしぎな Yahoo」を見物しにやってきました。

つまり Yahoo とは、馬の国での“人間”の呼び名。この国の Yahoo は、馬の家の小屋で首をつながれ、馬を乗せた“そり”のような乗り物を引かされています。スウィフトは人間を、馬に飼われるけだものとして描いたのです。

05どんでん返し:公式の説明そのものが変わっていた

では、名前の決め手は頭文字語だったのか、yahoo という単語の意味だったのか。公式ページの書き方を年ごとに並べると、説明そのものが少しずつ変わっています。

  • 1997年・1999年版:頭文字語ということに「なっている」(is supposed to stand for)。選んだ理由は「自分たちが yahoo だと思っていたから」
  • 2003年・2007年版:頭文字語「だ」(is an acronym for)。選んだ理由は「定義が気に入ったから」
  • 最初のリンク集の名前も、2003年版は「Jerry's Guide」、2007年版は「Jerry and David's Guide」
  • リンク集を始めた月も、1990年代の版は「1994年4月」、2003年・2007年版は「1994年2月」

頭文字と名前のどちらが先にできたのか、公式ページははっきり書いていません。言えるのは、創業者が語った理由は、どの版でも頭文字ではなく『ガリバー』の yahoo のほうだった、ということです。

06まとめ

Yahoo! の名前は、1726年の風刺小説で、馬の国の人間そっくりのけだものにつけられた名前でした。創業者の2人は、その「粗野で、がさつ」という意味が気に入って選んだ、と言い張っていました。最初のコンピューターには、ハワイ出身の力士の名前がついていました。

次に Yahoo! を開いたら、木の上の Yahoo と、2台のコンピューター「曙」と「小錦」を思い出してみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn 1994, two Stanford graduate students, David Filo and Jerry Yang, began keeping a list of websites they… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

In 1994, two Stanford graduate students, David Filo and Jerry Yang, began keeping a list of websites they liked. They soon spent more time on it than on their own research. The site was first called "Jerry and David's Guide to the World Wide Web," but it got a new name "with the help of a dictionary."

According to the company's old history page, the founders chose "Yahoo" because they liked what the word means, "rude, unsophisticated, uncouth." The word comes from Jonathan Swift's 1726 novel "Gulliver's Travels." In one part of the book, Gulliver visits a land ruled by talking horses. The Yahoos there are hairy, human-like animals, and the horses think Gulliver must be one of them.

119 words ・ CEFR B1

和訳を見る

1994年、スタンフォード大学の大学院生デビッド・ファイロとジェリー・ヤンは、気に入ったウェブサイトのリストを作り始めた。2人はすぐに、自分たちの研究よりもそれに時間を使うようになった。サイトの最初の名前は「ジェリーとデビッドのウェブ案内」だったが、「辞書の助けを借りて」新しい名前がついた。

会社の昔の沿革ページによると、創業者たちが「Yahoo」を選んだのは、この単語の「粗野で、洗練されていなくて、がさつ」という意味が気に入ったからだという。この単語はジョナサン・スウィフトの1726年の小説『ガリバー旅行記』から来ている。この本のある部分で、ガリバーは言葉を話す馬たちが治める国を訪れる。そこの Yahoo は毛深く人間に似た動物で、馬たちはガリバーもその一匹にちがいないと考える。

4択リーディングクイズ

Q1. What was the website's first name?

Q2. Why did the founders choose the name, according to the old history page?

Q3. What can we infer about the founders?

重要単語

  • rudeA2
    形容詞失礼な、粗野なIt's rude to talk with your mouth full. be rude to ~「~に失礼な態度をとる」。反対語は polite。Yahoo の創業者が気に入った定義の最初の語。
  • creatureB1
    名詞生き物The Yahoos are ugly, hairy creatures in the story. create(創造する)と同じ仲間で「造られたもの」。sea creatures「海の生き物」。
  • uncouthC1
    形容詞がさつな、無作法なHis uncouth jokes made everyone at dinner uncomfortable. 発音は「アンクース」。rude よりかたい語で、ふるまいや言葉づかいががさつなこと。
  • acronymC1
    名詞頭文字語The company called Yahoo an acronym, but the founders told a different story. NASA や laser のように、頭文字をつないで1語として読むもの。
  • insistB2
    動詞言い張る、強く主張するThe founders insist they chose the name because they liked its meaning. insist that ~「~だと言い張る」、insist on ~ing「~すると言ってきかない」。
  • tinyA2
    形容詞とても小さいGulliver met tiny people in Lilliput. 同じ意味のかたい語が Lilliputian。小人の国リリパットから。
  • enormousB1
    形容詞巨大なIn the next land, everything was enormous. 同じ意味のしゃれた語が Brobdingnagian。巨人の国ブロブディンナグから。

4コマでわかる

「Yahoo!」の名はガリバー旅行記の“人間そっくりのけだもの”。初代コンピューターは「曙」と「小錦」の4コマ漫画
「Yahoo!」の名前は『ガリバー旅行記』(1726年)の Yahoo=馬の国で人間そっくりの“けだもの”。公式サイトは、創業者が「粗野で、がさつ」という意味を気に入ったと説明していた。最初のコンピューターの名前はハワイ出身の力士「曙」と「小錦」。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Yahoo! Inc.「The History of Yahoo! - How It All Started...」(2007年7月の公式ページ、Internet Archive 保存版)web.archive.org
  2. Swift (1726) Gulliver's Travels, Part IV: A Voyage to the Country of the Houyhnhnms(Project Gutenberg 版)gutenberg.org
  3. American Heritage Dictionary「yahoo」「Lilliputian」「Brobdingnagian」「Swift, Jonathan」ahdictionary.com
  4. デジタル大辞泉・日本大百科全書「曙太郎」(小学館、コトバンク掲載)kotobank.jp
  5. 百科事典マイペディア・日本人名大辞典+Plus「小錦八十吉」(コトバンク掲載)kotobank.jp

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