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日本語のマジか!?ホント

「外は雨模様」は本来“まだ降っていない”。本来の意味を選んだ人の割合がいちばん高かったのは16〜19歳

「外は雨模様」は本来“まだ降っていない”。本来の意味を選んだ人の割合がいちばん高かったのは16〜19歳

読む前に予想してみよう!

「雨模様」の本来の意味は「小雨が降ったりやんだりしている様子」だ

研究カード(どんな研究?)
対象
全国の16歳以上の男女
規模
3,579人(令和4年度・有効回答)
研究の種類
全国世論調査(郵送法)+辞書の記述
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

「雨模様」の本来の意味は「雨が降りそうな空の様子」。文化庁の令和4年度調査では、こちらを選んだ人は37.1%で、「小雨が降ったりやんだり」を選んだ人(49.4%)より少なかった。本来の意味を選ぶ人の割合は16〜19歳が50.4%でいちばん高かった。

ひとことで言うと「雨模様」は、本当は「今にも雨が降りそう」っていう意味。まだ降っていないんだって!

もくじ
  1. 「降ったりやんだり」が多数派
  2. 本来の意味を選んだ人のほうが多かったのは、10代と70歳以上
  3. 「模様」は「それらしい様子」のこと
  4. 「雨模様」の意味は?辞書はもう「降っている」も載せている
  5. 英語では「雨っぽい」をどう言う?
  6. どんでん返し:「誤用」と言い切れない
  7. まとめ

「外は雨模様だね」

こう言われたら、窓の外で雨が降っている様子を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも本来の意味は「雨が降りそうな空の様子」。つまり、まだ降っていないのです。

文化庁の「国語に関する世論調査」で、この本来の意味を選んだ人は37.1%でした。そして、年代別で本来の意味を選んだ割合がいちばん高かったのは、16〜19歳の50.4%。お年寄りではなく、10代だったのです。

01「降ったりやんだり」が多数派

20年以上前の平成15年度調査でも、すでに(イ)の方が多くなっていました。「雨模様=降っている」と受け取る人が多い状態は、最近始まったことではないようです。

ただし、令和4年度の調査は郵送で行われ、それより前の調査は調査員が面接して行いました。文化庁は、やり方が違うため過去の数字は「参考値」(そのままは比べられない目安の数字)とし、比べるときは注意が必要だとしています。

02本来の意味を選んだ人のほうが多かったのは、10代と70歳以上

年代別に見ると、意外な形になります。(ア)は本来の「雨が降りそう」、(イ)は「小雨が降ったりやんだり」を選んだ人の割合です(数値は文化庁の報告書による)。

  • 16〜19歳:(ア)50.4%、(イ)31.9%
  • 20代:(ア)42.9%、(イ)43.5%
  • 30代:(ア)34.1%、(イ)53.7%
  • 40代:(ア)33.4%、(イ)53.9%
  • 50代:(ア)26.1%、(イ)61.2%
  • 60代:(ア)33.6%、(イ)52.6%
  • 70歳以上:(ア)46.2%、(イ)39.8%

20代は、二つの意味を選んだ人の割合がほぼ同じでした。文化庁のまとめでは、30代から60代で「降ったりやんだり」を選んだ人の方が多く、16〜19歳と70歳以上では本来の意味を選んだ人の方が多くなっています。

本来の意味を選んだ割合がいちばん低かったのは50代(26.1%)で、「降ったりやんだり」を選んだ人(61.2%)との差は30ポイント以上ありました。「若い人ほど新しい意味を選ぶ」という思いこみは、この言葉には当てはまりません。

03「模様」は「それらしい様子」のこと

なぜ「雨模様」は「降りそう」なのでしょう。カギは「模様」という言葉にあります。

『デジタル大辞泉』によると、「模様」には、名詞の下について「それらしいようすであること」を表す使い方があります。例として「雨模様」「荒れ模様」が挙がっています。「列車は遅れる模様だ」のように、「現時点で推測される状況」という意味もあります。

本来の「雨模様」は、まだ降っていないけれど、今にも降りだしそうな空の様子のこと
本来の「雨模様」は、まだ降っていないけれど、今にも降りだしそうな空の様子のこと

よく似た言葉に「雨催い(あまもよい)」があります。『デジタル大辞泉』では「今にも雨が降りだしそうな空のようす」とされています。「催い(もよい)」にも、名詞の下について「その物事のきざしが見える」ことを表す使い方があり、「雪催い」という言葉もあります。

『精選版 日本国語大辞典』も「雨模様」を「雨が降りだしそうなようす」と説明しています。用例には、谷崎潤一郎の『朱雀日記』(1912年)の「雨模様の空が鼠色に曇って」が挙がっています。描かれているのは、ねずみ色に曇った空です。

04「雨模様」の意味は?辞書はもう「降っている」も載せている

では、「降っている」の意味は間違いなのでしょうか。

『デジタル大辞泉』は「雨模様」に二つの意味を載せています。一つめが「雨の降りそうな空の様子」、二つめが「雨が降っているらしい様子」です。例文は「山間部は雨模様らしい」。補足には、一つめが本来の意味で、二つめは新しい意味だと書かれています。さらに、近年は「現に雨が降っている」意味にも使うともあります。

05英語では「雨っぽい」をどう言う?

英語にも、「まだ降っていないけれど降りそう」を表す言い方があります。オックスフォードの学習辞典で確かめてみましょう。

  • It looks like rain.(雨になりそうだ)……辞典では「雨が降りそうに見える」という意味だと説明されている
  • The clouds threatened rain.(今にも雨が降りそうな雲だった)……threaten は「よくないことが起こりそうだ」という意味
  • It was drizzling outside.(外は小雨が降っていた)……drizzle は「雨が軽く降る」

It looks like rain. は、まさに本来の「雨模様」です。一方、「小雨が降ったりやんだり」に近いのは drizzle や showers(にわか雨)。オックスフォードの例文には、天気予報らしい There's a chance of showers this afternoon.(午後はにわか雨が降るかもしれません)もあります。

06どんでん返し:「誤用」と言い切れない

「雨模様」は、本来の意味より新しい意味の方を選ぶ人が多い言葉です。ただ、『デジタル大辞泉』はすでに「雨が降っているらしい様子」を二つめの意味として載せています。「降っている」の意味も、今では辞書に載っている使い方です。

また、本来の意味を選んだ割合がいちばん高かったのは16〜19歳でした。この結果は「若者の言葉の乱れ」という見方とは逆です。ただ、16〜19歳で答えた人は113人と少なく、2位の70歳以上(46.2%)との差は、たまたま生じる程度の差(誤差の範囲)かもしれません。なぜ10代で本来の意味が多いのかも、この調査からは分かりません。

07まとめ

「雨模様」の本来の意味は「雨が降りそうな空の様子」です。「模様」は「それらしい様子」を表すので、「雨模様」は「雨らしい空の様子」、つまり降りだす前の空を指していたのです。

ただし今は、49.4%の人が「小雨が降ったりやんだり」の意味だと考えていて、辞書も新しい意味を載せています。誤解されたくないときは、「降りそう」「降っている」とはっきり言うのがいちばん確実ですね。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIf someone in Japan says "Soto wa amemoyou da," do you take an umbrella? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

If someone in Japan says "Soto wa amemoyou da," do you take an umbrella? Dictionaries say the word first meant that the sky looked as if rain was coming. So it was not raining yet.

However, in a national survey carried out in early 2023, 49.4 percent of people said the word meant light rain falling on and off. Only 37.1 percent chose the original meaning. The results by age were surprising.

People aged 16 to 19 were the most likely to choose the original meaning, at 50.4 percent. People in their 50s were the least likely, at 26.1 percent. In English, the original meaning is simply "It looks like rain."

111 words ・ CEFR B1

和訳を見る

日本でだれかが「外は雨模様だ」と言ったら、あなたは傘を持っていくだろうか。辞書によると、この言葉はもともと、空が雨の来そうな様子に見えるという意味だった。だから、まだ雨は降っていなかった。

ところが、2023年の初めに行われた全国調査では、49.4%の人がこの言葉は降ったりやんだりする小雨のことだと答えた。本来の意味を選んだのは37.1%だけだった。年代別の結果は意外なものだった。

本来の意味を選んだ割合がいちばん高かったのは16〜19歳で、50.4%だった。いちばん低かったのは50代で、26.1%だった。英語では、本来の意味を「It looks like rain.(雨になりそうだ)」と簡単に言える。

4択リーディングクイズ

Q1. According to dictionaries, what did the word first mean?

Q2. Which group was the least likely to choose the original meaning?

Q3. Why does the writer call the results by age "surprising"?

重要単語

  • drizzleC2
    動詞・名詞小雨が降る;霧雨It was drizzling outside. it を主語にして It's drizzling. と言う。料理では「(液体を)少しずつかける」の意味もある。
  • showerA2
    名詞にわか雨There's a chance of showers this afternoon. 天気予報では「さっと降ってやむ雨」。お風呂のシャワーと同じ単語。
  • threatenB1
    動詞(悪いことが)起こりそうである;おどすThe clouds threatened rain. ふつうは「おどす」。天気では「雨が来そうな気配を見せる」。
  • forecastB1
    名詞(天気の)予報The forecast says it will rain tonight. weather forecast で「天気予報」。動詞では「(天気を)予報する」。
  • originalB1
    形容詞もとの、本来のThe original meaning is "it looks like rain." origin(起源)の形容詞形。「独創的な」の意味もある。
  • respondentC1
    名詞(調査の)回答者About half of the respondents chose the newer meaning. respond(答える)+-ent(人)。調査・統計の英文でよく出る。

動画でもっと知る

「外は雨模様だ」と聞いて、傘をさしている人を思い浮かべた?本来の意味は「雨が降りそうな空の様子」。文化庁の調査で本来の意味を選んだのは37.1%。年代別で選んだ割合がいちばん高かったのは、70歳以上ではなく16〜19歳(50.4%)だった。

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出典・参考文献(6件)タップで表示
  1. 文化庁 (2023) 令和4年度「国語に関する世論調査」の結果の概要(問15)bunka.go.jp
  2. 文化庁 令和4年度「国語に関する世論調査」報告書(図11・年齢別の数値)bunka.go.jp
  3. デジタル大辞泉「雨模様」・精選版 日本国語大辞典「雨模様」(小学館、コトバンク掲載)kotobank.jp
  4. デジタル大辞泉「模様」・精選版 日本国語大辞典「模様」(小学館、コトバンク掲載)kotobank.jp
  5. デジタル大辞泉「雨催い」「催い」(小学館、コトバンク掲載)kotobank.jp
  6. Oxford Learner's Dictionaries "look" "threaten" "drizzle"oxfordlearnersdictionaries.com

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