WHY NOW
いま話題になっている理由
スペインでは10月28日(現地時間)に高速列車どうしの衝突事故が起き、69人が亡くなった。それから6日後の11月3日、プエンテ運輸相が辞任する意向を表明した。英字ニュースの見出しは resigns(辞任する)、to resign(辞任へ)、offers resignation(辞意を申し出る)の3通りに分かれた。同じできごとでも、どの段階を切り取るかで言い方が変わる。offer resignation の「申し出る」の感覚をおさえておこう。
offer は「差し出す」
offer resignation は、直訳すると「辞任を差し出す」。辞めたいという意思を、任命した人や上の立場の人に伝えることを言う。日本語の「辞意を伝える」「辞表を出す」に近い。offer one's resignation と所有格を入れるのが文の形で、見出しでは one's を省いて offers resignation と書くことが多い。to the prime minister のように to で相手を続けることもできる。
resigns との違い
resign は「辞任する」そのものを言う。これに対して offer resignation は「申し出る」段階までを言い、受け取る側が受け入れて(accept)はじめて辞任が決まる、という順番が言外にある。そのため、受け入れられなかったときは refuse to accept his resignation(辞表を受理しない)のように続く。今回 CNA・The Straits Times・The Hindu・DW は offers resignation、BBC・The Guardian は resigns と書いた。
to resign は「これから」
Sky News は to resign と書いた。見出しで to のあとに動詞が来ると、これからそうする予定だという意味になる。見出しの現在形 resigns は「辞任した・辞任を表明した」を伝えるので、記事を読むときは「もう辞めたのか、これから辞めるのか」を、本文の日付や effective(〜付けで)といった語で確かめるとよい。
in the wake of
DW は in wake of train accident と書いた。in the wake of は「〜を受けて、〜のあとで」。wake は船が通ったあとにできる波の跡のことで、大きなできごとのすぐあとに何かが起きたことを表す。見出しでは the が落ちて in wake of の形になることもある。