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ショパン

Piano · Op. 10 No. 3 · 1832(出版1833年)

練習曲 ホ長調「別れの曲」

Étude in E major, 'Tristesse'

フレデリック・ショパン(1810–1849)

ショパンが「これほど美しい旋律は書けない」と語ったと伝わる歌。The melody Chopin reportedly called his most beautiful.

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ホー!最初は「速く」とテンポが書かれていたんだって。

この曲のおはなし The Story

ショパンの「12の練習曲 作品10」の第3曲です。日本では「別れの曲」の名前でよく知られています。ゆったりとしたホ長調のメロディーが、しみじみと心にしみこむように歌われます。まん中では一転して、はげしく揺れる不安な音楽になり、また静かなメロディーにもどります。This is the third of Chopin's Twelve Études, Op. 10. In Japan it is widely known as 'The Farewell Song'. A slow melody in E major sings deeply and tenderly. In the middle, the music turns restless and stormy, and then it returns to the calm melody.

練習曲とはいえ、この曲で求められるのは、速さよりも、メロディーを美しく歌わせながら、同じ手で伴奏の音もひく技術です。ショパンは弟子に、これほど美しい旋律は二度と書けないと語ったと伝えられています。自筆の楽譜では最初、速いテンポを示す「ヴィヴァーチェ」と書かれ、出版のときに「レント・マ・ノン・トロッポ(ゆっくり、でも遅すぎずに)」に変えられました。Though it is an étude, its challenge is not speed but making the melody sing while the same hand also plays the accompaniment. Chopin is reported to have told a pupil that he had never written such a beautiful melody. In his manuscript, the tempo was first marked 'Vivace' (lively), and it was changed to 'Lento ma non troppo' (slow, but not too slow) for publication.

「別れの曲」という日本の愛称は、1934年のドイツ映画(日本公開題『別れの曲』)でこの曲が使われたことから広まったと言われています。英語圏などでは「トリステス(悲しみ)」とも呼ばれますが、どちらもショパンが付けた題ではありません。今では日本で最も愛されるショパンの曲の一つです。The Japanese nickname is said to come from a 1934 German film about Chopin, released in Japan under the title 'Wakare no Kyoku' (The Farewell Song), which used this étude. In English it is sometimes called 'Tristesse' (sadness), but neither name was Chopin's. Today it is one of the most loved Chopin pieces in Japan.

This is a slow and beautiful piano piece by Chopin. In Japan, people call it 'the Farewell Song'. But Chopin did not give it that name. A film made the name popular. One of his students said that Chopin loved this melody very much.これはショパンのゆっくりで美しいピアノ曲です。日本では「別れの曲」と呼ばれています。でもショパンがその名前を付けたのではありません。映画がその名前を広めました。弟子の話によると、ショパンはこのメロディーをとても気に入っていたそうです。

聴きどころ Listening Guide

  1. 最初の、ゆっくりと語りかけるようなメロディー。
    The slow opening melody, like someone speaking softly.
  2. まん中で、はげしく揺れる不安な和音が続くところ。
    The restless, clashing chords in the middle.
  3. 嵐のあとに、最初のメロディーがもどってくる瞬間。
    The moment the first melody returns after the storm.

えっ!?ネタ Surprising Facts

タップすると答えが開きます

ショパンの弟子グートマンの話として、ショパンがこの曲について、生涯でこれほど美しいメロディーは書いたことがないと語ったという話が伝えられています。のちの伝記作家が記録した又聞きの話ですが、そう言いたくなるほどの名旋律です。

According to a story from Chopin's pupil Adolf Gutmann, Chopin said he had never in his life written such a beautiful melody. It is a secondhand account recorded by a later biographer, but the tune truly deserves such praise.

自筆の楽譜には、最初「ヴィヴァーチェ(生き生きと速く)」と書かれていました。その後「ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ」に直され、出版の段階で「レント・マ・ノン・トロッポ(ゆっくり、でも遅すぎずに)」になりました。今のゆったりした姿は、最後に決まったのです。

In the manuscript, the tempo was first marked 'Vivace' (lively). It was then changed to 'Vivace ma non troppo', and only at the printing stage did it become 'Lento ma non troppo'. The slow version we know was decided at the very end.

1934年、ショパンの若き日の恋を描いたドイツ映画が作られ、日本では『別れの曲』という題で公開されました。この映画でこの練習曲が使われたことから、日本では「別れの曲」という愛称が定着したと言われています。

In 1934, a German film about young Chopin's love life was made, and it was released in Japan as 'The Farewell Song'. Because this étude was used in it, the nickname 'Farewell Song' took root in Japan.

静かなイメージのある曲ですが、まん中の部分では、両手がはげしく動き、不安でぶつかり合うような和音が続きます。ここで技術がためされ、そのあと最初のメロディーがもどってくると、いっそう美しく聞こえるのです。

The piece seems calm, but the middle section is full of wild motion and clashing, uneasy chords. This is where the technique is tested, and when the first melody returns afterward, it sounds even more beautiful.

ENGLISH × MASTERPIECE

strike the right note
ぴったりの調子をとる
With this melody, Chopin really struck the right note.
このメロディーで、ショパンはまさにぴったりの調子をとらえました。
「正しい音を打つ」から、その場にふさわしい言葉や態度をとることを言います。

この曲で覚える英単語 Words

farewell名詞
別れ・さようなら
In Japan, this piece is called the Farewell Song.
日本では、この曲は「別れの曲」と呼ばれています。
beautiful形容詞
美しい
Chopin thought the melody was very beautiful.
ショパンはそのメロディーをとても美しいと思いました。
change動詞
変える
He changed the tempo marking.
彼はテンポの指示を変えました。
tenderly副詞
やさしく
The melody should be played tenderly.
メロディーはやさしくひくべきです。

クイズに挑戦 Quiz

日本の愛称「別れの曲」は、何から広まったと言われている?Where is the Japanese nickname said to come from?
自筆譜で最初に書かれていたテンポの指示は?What tempo did the manuscript first show?
ウソ?ホント? 「別れの曲」という題は、ショパン本人が付けたものではない。Chopin did not call this piece 'The Farewell Song'.
ウソ?ホント? ショパンは恋人との別れの日に、この曲を書いて手渡した。Chopin wrote this on the day he said goodbye to a lover.

この録音について(著作権・出典) Credits

曲
練習曲 ホ長調「別れの曲」(Étude in E major, 'Tristesse')Op. 10 No. 3・1832(出版1833年)年 — 作曲者 フレデリック・ショパン は 1849 年に亡くなっていて、曲(作曲)の著作権は切れています(パブリックドメイン)。
録音
演奏:Musopen ショパン全集プロジェクトの演奏者/出典:Internet Archive(Musopen)/ライセンス:CC0 1.0
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別の演奏 1
演奏:Frédéric Chopin/出典:Wikimedia Commons/ライセンス:Public domain
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別の演奏 2
演奏:Pracchia-78/出典:Wikimedia Commons/ライセンス:Public domain
この録音はパブリックドメイン(または CC0)なので、ダウンロードして自由に使えます(クレジットは任意)。
くわしく
クラシックの著作権とパブリックドメインのしくみ →
  • 練習曲 ホ長調「別れの曲」(Musopen ショパン全集プロジェクトの演奏者):元のファイル
  • 練習曲 ホ長調「別れの曲」(Frédéric Chopin):元のファイル
  • 練習曲 ホ長調「別れの曲」(Pracchia-78):元のファイル

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