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日英くらべホント

イギリスで「chips」を頼むとフライドポテトが出る。ポテトチップスは「crisps」

イギリスで「chips」を頼むとフライドポテトが出る。ポテトチップスは「crisps」

読む前に予想してみよう!

イギリスのレストランで chips を頼むと、袋入りのポテトチップスが出てくる

研究カード(どんな研究?)
対象
英米の学習辞典と日本の辞書・百科事典
規模
辞書・事典 7種(Cambridge・Oxford・デジタル大辞泉・世界大百科事典ほか)
研究の種類
辞書の語義と地域の表示の比較
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

イギリス英語の chips は細長いフライドポテト、袋入りのポテトチップスは crisps。アメリカでは fries と chips。日本語の「ポテトチップス」はアメリカ英語と同じ言い方。

ひとことで言うとイギリスで chips をたのむと、出てくるのはフライドポテト!

もくじ
  1. イギリスの chips は「細長く切って揚げたじゃがいも」
  2. 日本の「ポテトチップス」はアメリカ英語と同じ言い方
  3. fish and chips の「chips」もフライドポテト
  4. chip は「かけら」、crisp は「縮れた」
  5. どんでん返し:きっちり二つに分かれているわけではない
  6. まとめ
  7. よくある質問

ロンドンのパブで、メニューにある「chips」を頼んだとします。

日本の感覚なら、袋に入ったパリパリのポテトチップスを思い浮かべるかもしれません。でも、お皿で運ばれてくるのは、湯気の立つ細長いフライドポテトです。

イギリス英語の chips はフライドポテト。袋入りのポテトチップスは crisps(クリスプス)と言います。 そしてアメリカ英語では、フライドポテトが fries、ポテトチップスが chips。同じ chips という単語が、大西洋の両側でちがう食べ物を指しているのです。

01イギリスの chips は「細長く切って揚げたじゃがいも」

ケンブリッジ大学出版局の学習辞典(Cambridge Dictionary)で chip を引くと、「揚げた食べ物」の意味に UK の印がついていて、「細長く切って揚げたじゃがいも。ふつう温かいうちに食べる」と説明されています。例として出ているのが fish and chips。アメリカ英語ではこれを French fry と言う、とも書かれています。

オックスフォード大学出版局の学習辞典(Oxford Learner's Dictionaries)も同じです。この意味の chip には「イギリス英語」の印がつき、French fry や fry とも言う、と書かれています。例文には He was eating a burger and chips.(彼はハンバーガーとフライドポテトを食べていた)があります。

一方、薄く丸く揚げて袋で売るほうは、イギリス英語では crisp(ふつう複数形の crisps)。Cambridge の説明は「とても薄く、丸いことが多い、揚げたじゃがいも。味がついていることもあり、とくにビニールの袋で売られる」。アメリカ英語ではこれを chip または potato chip と呼ぶ、と書かれています。

02日本の「ポテトチップス」はアメリカ英語と同じ言い方

では、日本語はどうでしょう。

小学館の『デジタル大辞泉』は、「ポテトチップス」を英語の potato chips から来た語として載せています。意味は「ジャガイモを薄く切って油で揚げ、塩などで味をつけた食品」。Cambridge によると、potato chip はアメリカ英語の言い方で、イギリス英語では (potato) crisp です。つまり日本語の「ポテトチップス」は、アメリカ英語と同じ言い方です。

平凡社の『改訂新版 世界大百科事典』の「フィッシュ・アンド・チップス」の項目も、ここをはっきり書いています。添えられる「チップス」はジャガイモを棒状に切って揚げたもので、日本でいうポテトチップとはちがう、という説明です。講談社の『世界の料理がわかる辞典』にも、「チップス」はイギリスで拍子木切り(四角い棒の形に切ること)のフライドポテトを指す、とあります。

アメリカ英語の感覚で chips=ポテトチップスと覚えたままイギリスで注文すると、思っていたのとちがう物が出てくるわけです。

左がイギリス英語の chips(アメリカ英語では fries)、右がイギリス英語の crisps(アメリカ英語では chips)
左がイギリス英語の chips(アメリカ英語では fries)、右がイギリス英語の crisps(アメリカ英語では chips)

03fish and chips の「chips」もフライドポテト

イギリスの名物 fish and chips を、Oxford は「衣をつけて揚げた魚に chips を添えた料理。ふつうは揚げた店で買い、家などに持ち帰って食べる。とくにイギリスで」と説明しています。

この料理を売る店は chip shop。くだけた言い方では chippy(チッピー)とも言う、と Oxford にあります。

平凡社の『百科事典マイペディア』によると、fish and chips は19世紀半ば、北部・中部の工業都市の労働者が休みに訪れた、ブラックプールなどの海辺の保養地で生まれました。モルトビネガー(麦芽の酢)と塩をふって食べるのが定番です。

04chip は「かけら」、crisp は「縮れた」

ことばのもとも見ておきましょう。

chip には「小さなかけら」という意味もあります。Cambridge には wood chips(木片)や chocolate chips(チョコチップ)の例があります。Oxford の語源欄によると、chip は古英語(1000年ほど前の英語)で「切り落とす」を意味した forcippian という語と関係があります。じゃがいもを切った「かけら」だから chip、と考えると覚えやすいですね。

crisp の語源は、Oxford によるとラテン語の crispus(縮れた)です。古英語では髪が「縮れた」という意味で使われていました。いまの形容詞の crisp には「(食べ物が)心地よく硬くて乾いた」「(野菜や果物が)パリッと新鮮な」という意味があります。a crisp apple(シャキッとしたりんご)のように使います。

05どんでん返し:きっちり二つに分かれているわけではない

ここまで読むと「イギリス人は fries と言わない」と思うかもしれません。でも辞書の書き方は、もう少し慎重です。

Oxford は French fry を「とくに北米英語」とし、イギリス英語では「ふつうは chip」と書いています。Cambridge も French fry に「主に US」の印をつけています。「イギリスでは絶対に言わない」という書き方ではありません。

Oxford の chip の項目を細かく見ると、別の言い方の fry には「北米英語、イギリス英語」の両方の印がついています。Cambridge の fries の項目にも、地域の印はありません。

また、Cambridge にはイギリス英語の oven chips も載っています。意味は「揚げる代わりにオーブンで焼く chips」。オーブンで焼いて食べるものでも、細長いじゃがいもなら chips と呼ばれるわけです。

それから、Cambridge は「US」、Oxford は「North American English(北米英語)」と、地域の書き方が辞書によって少しちがいます。オーストラリアなど、ほかの英語圏でどう言うかは、今回の2冊だけでは分かりません。

06まとめ

イギリスの chips はフライドポテト、crisps はポテトチップス。アメリカでは fries と chips。日本語の「ポテトチップス」はアメリカ英語と同じ言い方です。

fish and chips の chips はフライドポテト、と覚えておけば、イギリスでの注文で迷いません。アメリカに行くときは、fries と chips に切りかえましょう。

よくある質問

chipsとcrispsの違いは何ですか?

イギリス英語では、chips はフライドポテト、crisps はポテトチップスです。chips は細長く切って揚げたじゃがいも、crisps は薄く丸く揚げて袋で売るものを指します(Cambridge・Oxford の学習辞典)。

フライドポテトは英語で何と言いますか?

イギリス英語では chips、アメリカ英語では French fries か fries です。イギリスでは Can I have some chips, please?、アメリカでは Can I get some fries with that? のように頼めます。

ポテトチップスは英語で何と言いますか?

イギリス英語では crisps(potato crisps)、アメリカ英語では chips か potato chips です。イギリスで袋入りのものを頼むなら Can I have a packet of crisps? と言えます。packet はイギリス英語で「小さな袋」です。

fish and chipsのchipsはポテトチップスですか?

いいえ、フライドポテトです。平凡社の『改訂新版 世界大百科事典』は、添えられる「チップス」はジャガイモを棒状に切って揚げたもので、日本でいうポテトチップとはちがう、と説明しています。

日本語の「ポテトチップス」はどこの英語ですか?

アメリカ英語と同じ言い方です。『デジタル大辞泉』は「ポテトチップス」を英語の potato chips から来た語としていて、Cambridge によると potato chip はアメリカ英語、イギリス英語では (potato) crisp です。

イギリスではfriesと言わないのですか?

言わないとまでは言えません。Oxford は French fry を「とくに北米英語」、イギリス英語では「ふつうは chip」と書いています。Oxford の chip の項目では fry に「北米英語、イギリス英語」の両方の印があり、Cambridge の fries には地域の印がありません。

chipとcrispの語源は何ですか?

Oxford の語源欄によると、chip は古英語で「切り落とす」を意味した forcippian という語と関係があり、「小さなかけら」の意味もあります。crisp はラテン語の crispus(縮れた)から来ていて、古英語では髪が「縮れた」という意味でした。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIf you order fish and chips in Britain, you will get fried fish with long pieces of fried potato. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

If you order fish and chips in Britain, you will get fried fish with long pieces of fried potato. The Cambridge and Oxford learner's dictionaries both say that "chips" means this kind of potato in British English. The thin, round slices that come in bags have a different name there. British people call them "crisps," and a small bag of them is a "packet."

Americans use other names. The long pieces are "French fries" or just "fries," and the thin slices in bags are "chips" or "potato chips." The Japanese word "poteto chippusu" matches the American name, and it means the snack in a bag. A traveler from Japan who asks for chips in London may be surprised by what arrives at the table.

124 words ・ CEFR B1

和訳を見る

イギリスで fish and chips を注文すると、魚のフライと、細長く切って揚げたじゃがいもが出てくる。Cambridge と Oxford の学習辞典はどちらも、イギリス英語の chips はこの種類のじゃがいもを指すとしている。袋に入っている薄くて丸いものは、イギリスでは別の名前がある。イギリスの人はそれを crisps と呼び、その小さな袋は packet と言う。

アメリカの人は別の名前を使う。細長いほうは French fries または単に fries、袋入りの薄いほうは chips や potato chips だ。日本語の「ポテトチップス」はアメリカでの呼び名と同じで、袋入りのお菓子を指す。ロンドンで chips を頼んだ日本からの旅行者は、テーブルに届いたものに驚くかもしれない。

4択リーディングクイズ

Q1. What does the passage mainly explain?

Q2. What do British people call a small bag of crisps?

Q3. Why may a traveler from Japan be surprised in London?

重要単語

  • chipsA2
    名詞《英》フライドポテト;《米》ポテトチップスWe had fish and chips by the sea. ふつう複数形で使う。イギリスとアメリカで指す物がちがう代表的な語。
  • crispsA2
    名詞《英》ポテトチップスCan I have a packet of cheese and onion crisps? 単数は crisp。アメリカ英語では chips / potato chips。
  • French friesA2
    名詞《米》フライドポテトDo you want French fries with your burger? 短く fries とも言う。イギリス英語ではふつう chips。
  • packetB1
    名詞《英》(小さな)袋、包みThere's a packet of crisps in my bag. a packet of crisps は決まった言い方。アメリカ英語では a bag of chips が自然。
  • chip shopB1
    名詞《英》フィッシュ・アンド・チップスの持ち帰り店Let's get dinner from the chip shop tonight. くだけた言い方は chippy。
  • crispC1
    形容詞パリッとした、シャキッとしたThis apple is nice and crisp. 語源はラテン語 crispus(縮れた)。crisp morning(ひんやり澄んだ朝)のように天気にも使う。
  • crunchyC1
    形容詞カリカリした、パリパリしたThese crisps are really crunchy. かむと音がする食感。crunch(ガリッとかむ)+-y。
イギリスの chips はフライドポテト。fish and chips の chips もこれ。袋入りのポテトチップスは crisps。アメリカでは fries と chips。日本語の「ポテトチップス」は、アメリカ英語の potato chips と同じ言い方。

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出典・参考文献(7件)タップで表示
  1. Cambridge Dictionary(Cambridge Advanced Learner's Dictionary・Cambridge Academic Content Dictionary)"chip"dictionary.cambridge.org
  2. Cambridge Dictionary(Cambridge Advanced Learner's Dictionary・Cambridge Academic Content Dictionary)"crisp"dictionary.cambridge.org
  3. Cambridge Dictionary(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)"French fry"dictionary.cambridge.org
  4. Cambridge Dictionary(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)"fries"dictionary.cambridge.org
  5. Oxford Advanced Learner's Dictionary "chip"(Word Origin を含む)oxfordlearnersdictionaries.com
  6. Oxford Advanced Learner's Dictionary "crisp"(名詞・Word Origin)oxfordlearnersdictionaries.com
  7. 「フィッシュ・アンド・チップス」『改訂新版 世界大百科事典』(平凡社)・『百科事典マイペディア』(平凡社)、「ポテトチップス」『デジタル大辞泉』(小学館)ほか(コトバンク)kotobank.jp

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