今日の見出しから
同じ「AIを super intelligence と呼べ」という発言を、4つの媒体がまったく違う形の見出しにしていました。動詞をそのまま使うもの、コンマでつなぐもの、動詞すら持たないものまであります。
同じ発言、4つの見出し
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Trump says U.S. will henceforth call AI ‘super intelligence’
The Hindu
call + 目的語 + 呼び方。「AをBと呼ぶ」の基本形がそのまま見出しになっています。
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Trump renames AI "super intelligence," rejects international oversight
CNA
こちらは renames。「呼ぶ」の call に対し、rename は「名前を付け替える」とはっきり言い切る動詞です。
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From ‘annihilate Iran’ to ‘super intelligence’, Trump's boasts of US power at UNGA
The Times of India
from A to B で発言の幅広さを示すだけの、動詞を持たない見出しです。
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Trump at UN: Threats, diplomacy and ‘super intelligence’
The Straits Times
コロンのあとは名詞3つの羅列だけ。動詞ゼロでも見出しは成立します。
なぜこの語なのか
artificial はもともとラテン語の ars(技術)と facere(作る)が合わさった語で、「人の手で作られた」という意味でした。natural(自然の)と対になる、ごく中立的な語です。
一方の super- は「上に、超えて」を表す接頭辞で、superhuman(超人的な)や supermarket と同じ仲間です。学術・哲学の議論ではこの語はもともと一語でつづる superintelligence として使われてきました。今回の発言ではそれを二語に分けた super intelligence という形で使っており、この一語か二語かという綴りの違い自体が、今日のニュースらしさを物語っています。
ここを押さえる
call + 目的語 + 呼び方 は英語で「名前を変える」場面の定番の形。rename A B とほぼ同じ意味で使えますが、call のほうが口語的で、日常会話でも気軽に使えます。
使い分け
| 語 | イメージ | 今日の使われ方 |
|---|---|---|
| artificial intelligence (AI) | 人が作った知能。もっとも中立的で広く使われる呼び方 | 見出しでは AI と略される形で日常的に登場 |
| superintelligence | 一語でつづる学術・哲学用語。人間の知能を大きく超えるAIを論じるときの語 | superintelligence として辞書に載る確立した語 |
| super intelligence | 今回の発言で使われた、二語に分けた言い方 | 今日の見出し4本すべてがこの表記だった |
見出しはこう読む
- 1call + O + C は『AをBと呼ぶ』の形
will henceforth call AI 'super intelligence'は、目的語のあとに呼び方をそのまま置くだけの形。as は要りません。 - 2rename も同じ仲間の動詞
Trump renames AI "super intelligence"も、目的語の直後に新しい呼び方を置く同じ語順です。rename は「呼ぶ」の call より、名前そのものを付け替えるという意味がはっきりした、やや硬い響きの動詞です。 - 3『from A to B』は動詞なしで範囲を示す
From 'annihilate Iran' to 'super intelligence'には動詞がありません。2つの引用句を from...to でつなぐだけで、発言の幅の広さを表しています。 - 4コロンのあとは名詞の羅列でもいい
Trump at UN: Threats, diplomacy and 'super intelligence'はコロンのあとに名詞を3つ並べただけ。動詞がなくても、話題の一覧として見出しが成立します。
使ってみる
そのまま言える形で
The teacher told us we could henceforth call her by her first name.
先生は、これからは下の名前で呼んでいいと私たちに言った。
henceforth は「これからは」というやや硬い響きの語。call + O + C の形に注目。
The city decided to rename the old stadium after a local hero.
市はその古いスタジアムを、地元の英雄にちなんで改名することにした。
rename A after B で「Bにちなんで A を改名する」という形もよく使う。
Some fans still refuse to call the team by its new name.
一部のファンは今でも、そのチームを新しい名前で呼ぶことを拒んでいる。
呼び方が変わっても、みんながすぐ受け入れるとは限らない。
My phone's camera app calls its night mode 'super night' for no clear reason.
私のスマホのカメラアプリは、はっきりした理由もなく夜間モードを「スーパーナイト」と呼んでいる。
super- は日用品の名前にもよく使われる、身近な接頭辞。
Changing a label rarely changes what people actually think of a product.
呼び方を変えても、人々がその商品に対して実際に抱く印象が変わることはめったにない。
label は商品名や肩書きなど「呼び方」全般に使える語。
The airline rebranded its budget service as a 'premium' option overnight.
その航空会社は格安サービスを、一夜にして「プレミアム」という選択肢に呼び変えた。
rebrand は会社名やサービス名を丸ごと刷新するときに使う。
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今日の1問
Q1What is the key difference between 'superintelligence' as an academic term and 'super intelligence' as it appeared in today's headlines?
学術用語の「superintelligence」と、今日の見出しに出た「super intelligence」の一番の違いは何でしょうか。
意味はほぼ同じですが、綴りの区切り方が違います。学術的な文脈では一語の superintelligence が定着していますが、今日の見出しはすべて二語の super intelligence で表記していました。
今日の一言
call、rename、from A to B、コロン+名詞の羅列。同じひとつの発言でも、媒体が選ぶ動詞や形しだいで見出しの表情はがらりと変わります。綴りが一語か二語かという小さな違いにも、今日のニュースらしさが詰まっていました。